Oliverによる
2003年11月20日 0時38分の掲載
志願者に敬意部門より。
志願者に敬意部門より。
oddmake 曰く、 "米国国立衛生研究所(NIH)の一部である国立アレルギー感染症研究所(NIAID)は、エボラ出血熱のワクチンの人間へのテストを開始すると発表した。ワクチンはアレルギー感染症研究所の一部であるワクチン研究センター(Vaccine Research Center)が米CDCとの共同研究で開発し3年前に発表したDNAワクチンという新しい種類のワクチンであり、サルでのテストでは一度の接種で有効性を確認したという。今回のテストには18歳から44歳までの27人の志願者が参加する。"
この議論は賞味期限が過ぎたので、保存されている。
新たにコメントを書くことはできない。
アフリカでは (スコア:4, 興味深い)
そもそも数が少ないので、実際に投与して致死率や効果を調べることが出来る余裕も少ないようには見えますが。
Re:アフリカでは (スコア:2, 参考になる)
また、残念ながら実際に効果があるかどうかも疑問です。そもそも経口で効果を発揮できるワクチンというのが少なく、通常は「生ワクチン」と呼ばれる、毒性の弱い生きたウイルスそのものを使うことが多いため、それによる悪影響を考慮する必要もあります。今回用いられるDNAワクチンについてもこれは同様ですが、さらに遺伝子組換え生物を使うという観点から、感染性のある状態で散布するというのは現状ではまず許されないでしょうね。
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かなりオフトピ (スコア:3, 参考になる)
経口ワクチンであるポリオワクチンの例 [nature.com]では,ある地域でポリオワクチンの接種をやめるととたんにポリオウイルスが流行してしまう,という研究がでていますね.
1963-66年の間ポリオワクチンが用いられなかったソビエトではその間にワクチン接種を行っていなかった子供に経口ポリオワクチンの変異したウイルスが感染してしまったらしいです.ドミニカとハイチでの2000年の流行も経口ワクチンが起源だったとか.
こちら [med.or.jp]では「世界中でポリオワクチンを中止にした国はまだなく」と言っていますが,止めたとたんにポリオの流行が発生すると言うのが実態なのかと思います.もちろんポリオワクチンの有効性は確かなものですが,いったん始めたら世界中で根絶されるまでやめるわけにはいかないとも言えますね. そういった観点からもこの先,生ワクチンの使用はかなり制限されざるを得ないのでしょう.
?
またさらに話題をそらしますが,狂犬病と言えばアフリカの希少種であるシメニアオオカミ(Canis simensis)が狂犬病の流行によって絶滅の危機 [nature.com],という話も聞いています.
希少種だけに捕まえるのも難しいので,えさに混ぜて散布する形で野生動物の保護に狂犬病ワクチンを使うというのもこれから考えられなくもないかとも思います.
kaho
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Re:かなりオフトピ (スコア:3, 興味深い)
ポリオワクチンといえばエドワード・フーパーが The river [amazon.co.jp]という著書の中で、生ポリオワクチンがエイズの原因になった [tokushima-u.ac.jp]という説を述べています。
#私は未読なのですが。
実際のところ、結論が出せるような話ではないとのことですが、SARSの問題など新興感染症の発生原因というのは、なかなか興味深いものだと思います。
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一瞬怖い考えに・・・ (スコア:2, 参考になる)
注射して効果を見るのかなぁとか考えてしまった。
記事元をよむと、エボラに感染させないで、ワクチンだけ射つみたいですね。
致死率が高い病気の新しい治療法の効果を調べるときって、
比較対照になる治療を施さない患者ってのはどうやって決めるんだろう。
生き残る望みはないのでほぼみんな治療を受けたがると思うのだけど。
昔読んだ「ホット・ゾーン」というエボラ出血熱のドキュメンタリーの冒頭部分はマジで怖かった。
Re:一瞬怖い考えに・・・ (スコア:5, 参考になる)
21人が本物みたいです。
「効果があるか」以前の「そもそも安全か」というののチェックのようです。
致死率が高い場合は疫学統計的な処理で比較するしかない気がします。
たとえばすげー流行してる地域の1つの村だけワクチン打ちまくって
死亡率を比較するとか。
本来はそこで隣の村ではプラセボうちまくって比較するべきなんだろうけど、
致死率が高い場合はプラセボ効果が病気の作用に対して十分小さく、
かつワクチンの効果もプラセボ効果に対して十分大きくないと
(現実的には)意味が少ないのでプラセボ効果の影響は
無視できる(もしくは無視することにする)とか。
以上、一部妄想。
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本物とプラセボの比率 (スコア:2, 参考になる)
プラセボ(偽薬)は要するに本物と比較するために薬ではないものを 投与します。
この場合だと、「ワクチンが健康な人体に対して無害である」 ことを証明するために
「ワクチンではないものを注射した人」と、 「ワクチンを注射した人」を比較します。
ここでワクチンではないものというのはたぶん多分ワクチンの溶媒とか、生理食塩水とか
ですが、何をプラセボにするかというのもまた難しいところ だと思います。
さて、たとえばワクチンを注射した人が具合が悪くなったとして、
プラセボを注射した人も具合が悪くなったとしたら
それはワクチンが人体に悪影響があるとは必ずしもいえません。
しかし普通は生理食塩水を注射して具合が悪くなることは 考えにくく、
本当に見たいものはワクチンを注射した人のその後であり、
ボランティアの被験者の数も限られていることから
プラセボ少なめ、本物多めの比率にしているのではないかと思います。
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Re:一瞬怖い考えに・・・ (スコア:2, 参考になる)
エボラウイルスはバイオテロに使用されることが危惧されている、最も危険なウイルスの一つです。だから、このウイルスに対する予防/治療法の確立は国際政治的にも非常に注目をされています。
陰謀論っぽく聞こえるかもしれませんが、エボラワクチン開発にはCDC(米感染症対策センター)が関与しており、CDCと軍部がつながっている(少なくとも過去の事例から)ということは半ば衆知のことでもあります。先頃の天然痘ワクチンのデモンストレーションからも判るように、アメリカが生物兵器対策に非常な関心を持っている以上、最悪の場合は安全性確認もそこそこに即実戦投入という可能性も考えられます。
折悪しく、というべきか、今コンゴでエボラ出血熱が再興しているところですので、一見「アフリカを救え」的な人道的なスローガンの下で、このような倫理的に問題のある行為が行われないかどうか、注目しておくべきかもしれません。
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Re:一瞬怖い考えに・・・ (スコア:3, 興味深い)
安全性の確認が主な目的だと前のコメントにかかれているので話がずれますが,
この点は非常に興味があります。
少なくとも教育の世界(特に子どもを相手にする場合)では,教育効果がより高いと仮定される新しい処遇A'と,旧来の処遇Aがあったとき,こっちの学習者にはA'をして,こっちの学習者にはAをして,と言う実験はよほど慎重にやらない限り,倫理的にアウトです。あくまでも教育の担当者は目の前の学習者に対して,最も良い(と思われる)処遇を採用すべきと言うことらしいです。
生きるか死ぬかの世界だともっとシビアな気もするんだけど,どうなんだろう。
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Re:一瞬怖い考えに・・・ (スコア:5, 参考になる)
(a)安全性
健康な人は健康な人で、病気の人は病気の人でそれぞれ確認する必要があります。
(b)病気の治療効果
これは後述。
(c)用量依存性(使う量を増やすと効果が増加するかどうか)
ウィルス感染症の場合は、量を増やしてウィルス量が減るかどうか、とかですね。
で、今回のトピックは(a)に関する、健康な人への試験ですね。
んで「致死性の高い病気への新治療法」については、(a)は最低限として(b)については以下の方法が考えられています。
(1)プラセボと本物とを比較する
これが科学的には一番マシな試験デザインになります。
ただしもちろんプラセボは”無治療→見殺し”という考え方もあるので、放っておくと不味い(何もしないと急激に悪化するとか死ぬとか)病気の場合は倫理的に問題があります。
(2)既に安全性が確認されている市販薬と比較する
これは倫理的には(1)よりマシですが、科学的には(1)より劣ります。(ので、安定している病気などでは市販薬があっても(1)が推奨されます)
何が問題かというと、一つは「市販薬が本当に有効かどうか分からない」こと。単純に確率統計的な問題もありますし、なにより「昔の甘い基準で認可された薬の中には、今の基準では却下されるものもある」という問題もあります。
もう一つは市販薬について「安全性が確認」と言っても副作用がないとは言い切れないこと(どんな薬でもプラセボよりは副作用がある(これも100%じゃないけどね(苦笑))。
細かく言うと他にもありますが、大きいものは上の2つですね。
(3)新薬のみを使用し、安全性の確認と用量依存性を確認する
治療効果の確認は、何か比較するものがなければ不可能です。
しかし患者が少ない/緊急性が高い/代替となる市販薬がない等々の理由により、(1)や(2)の試験が行えない場合、「安全性の確認」と「用量依存性の確認」をもって一旦認可する、ということがあります。
大きな声では言えませんが、ぶっちゃけてしまえば「危険がなければとりあえず使おう」ということです。
一見無謀かつ無倫理な行為のようでもありますが、年に数人しか見られない、治療法が無い患者に対して「統計的に充分な人数が集まらないので臨床試験が終わるまであと5年待ってください」というわけにもいきません。
もちろん、事前の研究・実験によりその病気への効果が何らかの方法で確認されているからこそ、認可されるのです。
(例えば摘出した病理組織を用いた実験室内での確認や、動物実験による確認、感染症の場合は病原体自体を用いた実験など)
ただ、ここで絶対言っておかなくてはならないことは。
試験に参加する人は、充分な説明を受け、それを理解し、その人自身の自由意思によって参加するのだ、ということ。
これがなければ倫理性を認めるわけにはいきません。
(だから製薬企業としては精神疾患関連の薬は作るのが難しいのですな。他の薬を作ったら精神疾患にも効いた、という場合はまだやりやすいのですが)
#この「自由意思」という点で教育とは大きく異なると思います。
#特に今の「義務教育」においては、参加不参加を選ぶ自由は無いも同然ですし(^^;)。
#↑「不参加を表明したら何のペナルティも無く通常の教育を受ける」という場面が想定しにくい>友人関係等も教育効果に影響を及ぼしそうだし
……だけどID
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Re:一瞬怖い考えに・・・ (スコア:2, おもしろおかしい)
みなさんも献血中はスプラッターな描写のある本は避けましょう(苦笑
(自分の生きた恥を残せ)
親コメント
Re:ん? (スコア:2, 参考になる)
狂犬病なら本来の宿主が犬なので人間の潜伏期間は9日から数年 [forth.go.jp],
(犬や猫だと1-2週間),天然痘の場合は7-17日 [forth.go.jp]と,
エボラウイルスの2-21日 [nii.ac.jp]より感染後の発症に時間があります.
結局,ウイルスが大量になる「前に」接種するのがワクチンであるということに
変わりはなく,それ自身に治療効果はありません.
もちろん発症した後に接種するのは病状をひどくするだけの効果しかありません.
(この点ゲームのバイオハザードやコンピュータウイルスが間違ったイメージを
広げているなあ,とは思います)
kaho
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Re:一瞬怖い考えに・・・ (スコア:2, 参考になる)
そうなんですか?例えば、ここ [mhlw.go.jp]によると、天然痘に対する感染後のワクチン投与は有意義だ、とありますが。
以下、参考までに。
広辞苑より
: 疫原(抗原)として用いられる各種伝染病の弱毒菌・死菌または
: 無毒化毒素。生体に接種して抗体を生じさせる。死菌(チフス・
: コレラ・インフルエンザ・ポリオ‐ソークワクチンなど)、生ワ
: クチン(BCG・痘苗・ポリオ生ワクチンなど)、トキソイド(ジフ
: テリア・破傷風など)の三種がある
親コメント
ワクチン (スコア:2, すばらしい洞察)
(抗体・#437740の免疫グロブリン)を準備しておいて、
本物が来たときに備えるというのがワクチンだと思います。
# 厳密にいえば抗体を作る用意をしておくだけで実際に作るのは感染してからか。
# さらにいえば細胞性免疫の方も準備されると思うけど。
ただ病原菌/ウィルスの種類によっては感染してから(あるいは発病してからか)
ワクチンで免疫を増強するのが効果的であるような病気もある
ということではないでしょうか。
エボラがどうかはわかりませんが、とりあえずはオーソドックスな方
(上の「あらかじめ」方式)を考えているのではないでしょうか。
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コンゴとガボンで流行の兆し? (スコア:1)
外務省の海外安全情報 [mofa.go.jp]によると、11月7日にコンゴ共和国 [mofa.go.jp]とガボン共和国 [mofa.go.jp]の国境付近でエボラ出血熱の発生が確認されたそうです。
今回のワクチンですべて解決とはいかないでしょうが、早めに使える様になることを祈ります。