バイオインフォマティクスプログラミングコンテスト BIP2004開催 41
ストーリー by Acanthopanax
今年はサイエンスセクション 部門より
今年はサイエンスセクション 部門より
gamagaeru曰く、"前回も/.Jで紹介されたが、 バイオインフォマティクスプログラミングコンテスト BIP2004が開催される。既に今年の1月7日から開催されているが、応募締め切りの3月31日まで1ヵ月半残っている。プログラミングに自信のある方は参加されてみては?去年の問題と比較して、バイオインフォマティクスの知識があまり無い人でも取り組みやすいアルゴリズム中心の問題になっている。ちなみに参加賞ももらえる。去年はコンテストのロゴが書かれた首かけ型のストラップだった。"
毒を吐く人が多いなあ (スコア:3, 参考になる)
トピックとは関係ない部分でも悪態をつく人が多いようなので辟易して止めます。
このコンテストの審査員が文科省関連の方が多いのは主催(というか予算の流れ)
からみても当たり前で、表彰式の行われる会場では文科省の方がスピーチをしたり
するわけです。
IT関連の人材発掘のために行われているように勘違いされている方も多いようです
が、実際のところはこのコンテストの課題は現実に生物学における大量のデータ処
理を行うに当たって必要な技術が求められており、これから生物学を志す学生や若
手の研究者を対象としていると考えています。
前回の受賞者も研究者が殆どを占めていますし、受賞した報告のうち内容が優れて
いれば学術雑誌にも掲載されうるでしょう。
では門外漢には何の意味もないかといえばそういうわけではなく、ちょっとしたア
イデアがあれば数日かけてレポートを提出するとバイト代としてはなかなかの商品
がもらえたり会議に招待されて旅行したりできるといううまみがあるというところ
です。
しかも、他のコンテストに比べたら競争率も低く義務も少ないので投資効率はかな
りいいという話(笑)
kaho
Re:毒を吐く人が多いなあ (スコア:2, 参考になる)
ウェットな実験をやっている立場からすると、正直、いわゆる「システムバイオロジー」の恩恵にこそあんまり期待してなかったりします。どっちかというと元データを捻出する側ですから。
#ある意味、理論物理と実験物理との違いに似てるかも。
それにシステムバイオロジーに組み込まれて、かつ信頼できる結果が出てくるほどの予測結果ならば、システムバイオロジーに頼らずとも辿り着ける可能性が大きいわけで。そこに至ってない部分を明らかにするのがこちらの仕事ですから。
そういう意味では、むしろ旧来ながらのバイオインフォマティクスがより信頼できるものになる方がありがたいです。ただし、上の方で「結局は信頼できない」という声がある、という意見がありますが、それは当然の感覚です。基本的にたった一つの実験だけで何かを言えるってことはない、というのが研究なので。どれほど、信頼性が上がろうとも、それだけで何かモノが言える、ということにはならないのです。
何か一つのことを言うためには、いろいろな角度から見た複数の実験を行って裏付けを取るのが当たり前です。in silicoで立てた予測はin vitro, in vivoで実証できて初めて、正しかったことが判るわけで。それ単独では、どこまでいっても「よくできたモデル」以外の何者でもないですから。
上の方でshiragaさんも言ってますが、バイオインフォマティクスが最も威力を発揮するのは、1st スクリーニングのときです。
「今、現在」のニーズで言うならば、自分が研究している遺伝子にほぼ100%有効なRNAi配列が判るようなシステムがあれば、非常に大きなシェアが見込めるでしょう。今だと、デザインから合成まで外注して1件で40万円くらいかかるわけで。これが合成の費用だけでいいとなると、敷居が一気に下がります。
#まぁ実際、やってる企業は社内に独自のデータベースとアルゴリズムを持っててデザインしてるわけなんですが。
Re:毒を吐く人が多いなあ (スコア:2, 参考になる)
ることはよくわかります。
実際、バイオインフォマティクス(このトピックにあわせてこちらの用語を使いま
す)はまだウェットの実験の結果を使って解析したり新しい手法を開発したりとい
う段階でそこからのフィードバックはまだまだですね。
これは必ずしも日本には限りません。
それはまだ信頼性のある結果を出せないドライ側の問題が大きいわけですが、お互
いの意思の疎通を図るための様式というか言葉の問題が大きいように思うのですが
それは研究の対象にはしにくいし、どうとりかかったらいいのかもよくわからない、
結局ドライ側は「こんなサイトを作りましたよ」という報告ばかりになるし、ウェ
ット側は「ああそうですか」で結局使わないと。
(でフィードバックが回らないので信頼性も上がらない)
> 上の方でshiragaさんも言ってますが、バイオインフォマティクスが最も威力を
> 発揮するのは、1st スクリーニングのときです。
その通りだと思います。BLASTがいい例ですよね。そういう意味で
> 自分が研究している遺伝子にほぼ100%有効なRNAi配列が判るようなシステム
これ、面白いですね。
でもRNAiの作動原理が分子レベルで解明されているとは限らない上に分子レベル
からのシミュレーションには複雑すぎるのでそういうシステムを構築するために
は多くの「失敗データ」を体系的に解析するしかないと思います。
でもウェットの人はそういう失敗データは自分の実験ノートの中にしか残さない
し、他人のデータと比較できるような形では記述しないのでなかなか解析対象に
ならないし、研究室の中に興味を持って何かをしたいと思う研究者がいたとした
ら「そんなことするより実験しろ」がウェット研究室の常で。
ということで、y_tambeさんがデータをお持ちでしたら是非?(笑)
> #まぁ実際、やってる企業は社内に独自のデータベースとアルゴリズムを持っ
> ててデザインしてるわけなんですが。
うーん、日本の製薬会社はどうなんでしょうね。
新薬開発にかけるお金の数%でいいならやってみようかととりあえずやってみている
だけの気がしますが。
ソフトウェア開発会社の方はどこにそんな需要があるのだろう?というような仕事が
多いし・・・
kaho
Re:毒を吐く人が多いなあ (スコア:1)
BLASTがいちばんの成功例だというのは揺るぎない真実だと思います。ただし、個人的には(自分がやってることもあって)タンパク質質量解析データベースがとても興味深いです。田中耕一氏のノーベル賞受賞で有名になったMALDI-TOF/MSによるペプチドMSフィンガープリント法の解析に使うやつです。
原理として簡単に言うと、未知タンパク質の試料をトリプシンで消化してその断片の質量を測定するもので、トリプシンがどのアミノ酸のところで切断するかが判っているから、タンパク質データベースにあるアミノ酸配列を切ったときに出来ると予想されるペプチド断片の質量との比較で試料を推定するというものです。
(実際には末端修飾とかいろいろ条件が付加されるけど)アルゴリズム的にはそこまで高度なものではなくても、タンパク質のアミノ酸配列から(あるいは翻訳前の核酸データベースからでも)、既存の膨大で信頼できるデータをそのまま流用できるというのが、即、実用につながった勝因なのだと思いますね。
また、アルゴリズムの違いに依存したのでしょうが、オンラインでやっている複数のサービスで結果に差が出てくるのもユニークでした。例えばMS-FIT [ucsf.edu]ではfalse positiveが多いが見落としが少ないが、Mascot [matrixscience.com]ではその逆だ、とか。
#結局は両方使うんですけどね。
Re:毒を吐く人が多いなあ (スコア:1)
>からのシミュレーションには複雑すぎるのでそういうシステムを構築するために
>は多くの「失敗データ」を体系的に解析するしかないと思います
(SNIP)
>> #まぁ実際、やってる企業は社内に独自のデータベースとアルゴリズムを持っ >> ててデザインしてるわけなんですが。
>うーん、日本の製薬会社はどうなんでしょうね。
RNAi,siRNAだと、世界的な最大手がB-Bridge [b-bridge.com](リンク先はB-Bridgeジャパン)なのですが、ここが実際にそういうやり方をやってます。自社で蓄積したデータを元に予測から作成までを行ってて、立体構造的な理由などで元が難しいものでなければ、まず有効なものを作ってくれます。
ただし当然、社内データは外部には完全非公開、会員登録すれば一部が利用できる、という感じのようです(というのは、登録してないから聞きかじっただけなのですが)
上のコメントで「今、現在」と強調してるのは、そこらへんの理由もあって、これから後発でスタートさせてもまず既存のものに競合するのが難しいし、またそれまでにもっと新しいシステムが出来てくる可能性が高いんじゃないかと思ってるからです。
Re:毒を吐く人が多いなあ (スコア:2, 参考になる)
現実的な恩恵は当分ないでしょう。現在のシステムバイオロジーは、生命活動に含まれる部品としての化学反応、パスウェイなどをだんだん大きな視点で見られるようになってきたという段階で、現実の生命現象の予測などを行うのは、まだまだ非実用的です。生命現象を全体的に記述できる数理モデルはまだありません。ERATOの北野プロジェクトやE-cellはがんばってはいますけどね。
> バイオインフォマティクスが最も威力を発揮するのは、1st スクリーニング
全くその通り、というのはIT屋もよくわかっています。実用されているのはほとんどDBと統計、がんばってオントロジーくらいなので、あまり情報科学としては面白くはないんだけど、グラント書きやすいというのと、現実世界の問題で腕試しができるという利点は大きいのです。
> 自分が研究している遺伝子にほぼ100%有効なRNAi配列
アルゴリズムはいくらでも考えつくわけですが、IT屋には、アルゴリズムをrefineするためのRNAiの詳細な分子機構の知識と、アルゴリズムの有効性を実地で確かめるすべがありません。適当なとこにこのネタでグラント出したら当たるかもしれませんよ。
Re:毒を吐く人が多いなあ (スコア:1)
毒を吐け!晒せ! (スコア:0)
審査員を見ると (スコア:2, 参考になる)
京大の金久先生(この世界はみーんな「先生」ってつける、権威の跳梁跋扈で固まってる旧態依然のバイオ世界)なんて、どっかの研究発表でぼそっ、と「最近はいろいろうるさいから、お金になる、ってことを言わなきゃならなくてね、疲れますよ」なんて言ってたし。これでは投資家は逃げちゃうよね。
この前まで派手だった東大医科研の元所長のケンくんなんて、背広にテンガロンハットかぶって、米国の話をよくするんだけど、なぜかバイオベンチャーがバカバカに落ち込んだSeptember11以降の話はまったくしない、というサボタージュありの講演やってくれちゃうしね。それ指摘すると黙るし。
それに「バイオインフォマティクス」と言う言葉はもう古いんです。やることも大方決まってますから、あまりIT屋にとっては面白い分野ではありません。今の旬は「システム(ズ)バイオロジー」ですかね?SONYの北野先生がやってる「北野強制プロジェクト(もうすぐ終わりますが - わざと文字を間違えているって?わかった?)」なんかはこの分野もやってますね。
バイオやってる先生には、ほんとに頭の下がる研究している先生も一部にいますけれど、権威ある、なんて言われてる先生にはロクなのがいない、というのが実感。
# IT屋がバイオに行くと退屈します。トシとってから行きたい。
# もちろん米国なんかは日本のような雰囲気ではないですよ。すごいです。日本の研究所の10倍くらいのお金で動いてるし。
# 日本のバイオも権威ではなく、結果としての経済的実績で評価されるようにならないと、ダメだね。
Re:審査員を見ると (スコア:1, 参考になる)
Re:審査員を見ると (スコア:1)
# ついでですが、「玉石混淆」(ぎょくせきこんこう)ってことで。
# 常用漢字でということなら「玉石混交」とも。
でも (スコア:0)
バイオとITの融合とは結局お金 (スコア:2, 興味深い)
つまり、バイオからITに対しての「片思い」がすごい。
でも、その片思いをしているバイオの先生方は、ITの業界もバイオの業界のように「論文」「権威」「学会」だけが重視されている世界と勘違いしている。それにSEとプログラマの区別もつかないくらい、ITの業界を知らないし、知りたいとも思っていない。
バイオの先生方の下心としては、ITのバブルが起きたようにバイオのバブルも起こって、センセイ方のフトコロも、ちょっとはあっためてもらいたい、という感じですね。本当はそうあってほしかったのに、ITバブルの収束とともにバイオバブルもなくなり、さらにSeptember11で食い詰めかかっているんだよね。
ゆえに、タイミングの悪さもあって、大変にお気の毒なんだけど、特に日本のバイオはITとの融合も果たすことができず、センセイ方のフトコロも温まらず、ということで、ここ数十年はガマンしてもらうしかないと思います。
そんなこんなでバイオでは「ITの人材、来たれ!(ホンネはITのお金来たれ!なんだが)」と言うのだけれども、お金にならないことがわかってるから、普通は行かない。
現実はキビシイ。
Re:バイオとITの融合とは結局お金 (スコア:2, 参考になる)
口ではいかようにも言うけれども根本では信用していないからなあ。
上がITなんて信用していないから結局は人海戦術を要求されたし。
一個一個遺伝子を調べていくことよりも一度に大量に処理するやり方に移っているから
考えも改められるだろうけれども当分はぶつかり合いが続くのでしょう。
/* 学生時代には大量のシーケンスデータを加工処理したり、
そこからPCRプライマーセットを自動作成するプログラムを作っていたけれど
遊んでいるように思われていて心外だった。確かに前科はあるんだけど(笑) */
はじまってます (スコア:3, 興味深い)
現在、既に米国での研究の主流は、ゲノムの解析のみならず、それを細胞レベルで観察した時系列の大量データで観察して、統計的処理でそれぞれの事象のかかわりあいを探す、という「ネットワーク解析」に移りつつあるので、そうなると古いタイプのバイオのセンセイのやり方ではなんともしようがなくなるでしょう。もし、日本がこの流れについていけなければ、日本のライフサイエンスは沈没するだけ、と、私は見ていますけど。
# ノバルティスの持つストレージは昨年初めごろの時点で既に1PBをとっくに越えたとか....
Re:バイオとITの融合とは結局お金 (スコア:1)
>「これからはバイオとITの融合が必要です」
間違ってないと思うけどなぁ。
「ITとは手段であって目的ではない」という考えが前提ですけど。
実際にバイオ(産業ではなく研究の方)業界を見ていると
「この一次情報をうまく処理出来たら、きっと有用な(=お金になる可能性もある)二次、三次情報が取り出せるだろうに」
と思う事が多々あります。そして、そのような可能性を秘めた一次情報は年々多くなっていってます。
ただ、バイオの研究者は自分の研究で手一杯ですから
>それにSEとプログラマの区別もつかないくらい、ITの業界を知らないし、
>知りたいとも思っていない。
それも当然で、知る必要もない。
そんなこと勉強してる暇があれば、論文読め、実験しろ、と。
♯広く知識を持つ事は良い事ですが、深い専門知識が必要な業界では、
♯専門知識を深める方が優先されます。
問題は、バイオとITの間をとりもつ人間がいないことだと思います。
「お金にならない」のではなく「お金にする方法を知ってる人間」がいない。
いわば「コンサルタント(うさんくさいなぁ)」の不在が問題。
アメリカは、まだましなんですけどね。
ゲノム関連のベンチャーがそれなりに成功をおさめてきてるのを見てもわかる通り。
かたや日本は
>お金にならないことがわかってるから、普通は行かない。
こういう理解ですからね。
(私の狭い理解の範囲では)日本のITバブルの時には『IT』が手段ではなく目的になってましたけどね。売り込む方も買う方も。
それゆえ、バイオ業界の持つ情報、IT業界の人材&能力を活かす事が出来なかったのではないでしょうか?
Re:バイオとITの融合とは結局お金 (スコア:1)
>そんなこと勉強してる暇があれば、論文読め、実験しろ、と。
>♯広く知識を持つ事は良い事ですが、深い専門知識が必要な業界では、
>♯専門知識を深める方が優先されます。
>問題は、バイオとITの間をとりもつ人間がいないことだと思います。
なんでもそうですが、双方の広い知識をもってないと、仲介はできなのでそれを否定すると仲介する人材は生まれてこないと...
仲介者が持たなければならない条件を否定して、その仲介者のみをほしがるのはどうでしょう?
そしてこれが双方の業界に起こっているのなら、一生仲介者は生まれない気がするのですが..
#それぞれ必要な、深い知識を持ってる人に仲介するのが、仲介者ですよね?
Re:バイオとITの融合とは結局お金 (スコア:0)
勉強、というほどのことはない程度の常識的な話だと思うが。もっとも、その程度のことをちゃんと教えないIT側の人も困る。
> いわば「コンサルタント(うさんくさいなぁ)」の不在が問題。
コンサルタントは、それが「短期的に」お金になればいつでも出てくる。でも、バイオの研究はタームの長いものが多い。すぐにお金になるものが少ない。でも、その中でも米国の研究は研究自体にお金のかかりかたが違う。だから、日本よりも「お金」に近い研究が非常に多い。
> ゲノム関連のベンチャーが
Re:バイオとITの融合とは結局お金 (スコア:1)
例えば
「でも、その中でも米国の研究は研究自体にお金のかかりかたが違う。」
と
「だから、日本よりも「お金」に近い研究が非常に多い。」
がどう繋がるのかわからない。
偶然かも知れないし、成功するほどのアイディアを持っていたのがその程度なのかも知れないし、その両方かもしれない。
大手に吸収されることが必ずしも失敗とも言えない。
日本の「ほぼ皆無」と比べれば「それなりの成功」だと思ってますが。
それにね、
そんなことを言ってるつもりはありません。
「アメリカはまだまし」って書きましたよね。
決して「アメリカのバイオベンチャーはすべからく成功をおさめている」とも「一部が成功してるからOK」とも書いてませんよ。
当然でしょうね。
バイオだけでなく、多くの分野に有効な「手段」ですから。
当然でしょうね。
私が言っているのは「バイオが金にならないのではなく、金になる方法を示すことが出来る人間がいない」って事です。
だから何だとおっしゃりたいのですか?
Re:バイオとITの融合とは結局お金 (スコア:1)
僕は逆に IT からバイオへの「片思い」を感じます. 昨年 12月に所謂「ばいおいんふぉまてぃくす」の学会があったのですが, 「バイオ」としてはお話にならない発表が物凄く多かったように 感じました.逆に分子生物学会の分科会では「バイオ」として 面白い IT 系発表が多かったように思います. ただし,IT として面白いのかどうかは良く分からなかった.
バイオ的にあるとうれしい IT 基盤ってのがあるのは確かだし, バイオの幸せな共生関係も可能だと思うんだけど, 現状は IT な人が興味を引く部分と バイオな人が興味を引く部分にズレがあるために, お互いがお互いを胡散臭く見ているように思えます.
BIP2004 に関しては,課題 2 がバイオ的には 面白くないものに感じられました.たんぱく質っぽい部分の 抽出にとどまらず,LocusID の付与あたりまでできると バイオ的に面白くなりそうなんだけどね.
# 乱文失礼
Koichi
Re:バイオとITの融合とは結局お金 (スコア:1)
Re:バイオとITの融合とは結局お金 (スコア:1, 興味深い)
バイオ系学会で発表されるIT系論文は、本当に難しい問題に正面から取り組んでいるものを除くと、アルゴリズムや技術的にはひどいもの(もともと簡単に解ける問題にしか取り組まない、そもそも問題の設定が有用とは思えない、発想が単純、既知の手法なのに関連研究の事前調査が不足して新規と主張、技術的な面の評価が偏向していて一方的、等々)が多いっす。それを見抜けず通してしまう、おそらくITのバックグラウンドを持たない査読者たちにも哀しいものがありますがね。
Re:バイオとITの融合とは結局お金 (スコア:1)
12月の学会ってのはGIW2003 のことです.それはともかく
現状の問題って,上記に集約されていると思う. つまり,バイオな人の IT に求める技術って実は 大したことは無い・IT 論文のネタには成り立たないものが多いのです. 極端に言えばバイオな人はアルゴリズム・(IT)技術には 興味は無く,生物学的に何が分かるのかに興味があるので, どんなにアルゴリズムが稚拙で技術的に酷い IT 系論文・発表でも生物学的に新しい・面白い知見が得られていれば 査読者は通しちゃいます. 一方,IT な人はアルゴリズム・技術に興味があって 生物学的なところには興味が薄い様に思えます. 良く例に挙げられる BLAST やデータベースは 両者の興味が幸運にも同じ方向を向いていたのだと思う.バイオな人の興味と IT な人の興味が同じ方向を向く 別のアプリケーションってのは無いのかなぁ? (IT の)アルゴリズム・技術的には面白くないけど, 実現したらバイオ的にはハッピーなトピックは いくつかあるんだけどね.
Koichi
「片思い」というよりも (スコア:1)
結局のところ,バイオ側の研究者の中にも,IT側(統計などもまた然り)の研究者の中にも
お互いが「自分がのび太,相手がドラえもん」だと思っている人間が
相当数いるところに問題があるのでは,と思います.
「たとえ相方が途中でいなくなっても1人で仕事をやり遂げられる」
くらいまで相手の考えを理解できる人でないと
この例に限らず,こういった学際的な研究は難しいでしょう.
そしてそういった努力目標を掲げるだけでなく,協同作業の環境の中に
ある種のプロジェクトの組織としてのロバスト性を持たせるには,
ということを考える必要があるかもしれません.
たとえばオントロジー構築による知識共有の促進は1つの方法かもしれませんが,
それだけではまだ何かが足りないと個人的には考えています.
BIPにしても,単なるプログラマの発掘で終わってはまずいでしょう.
もっとも,純粋なプログラミングとしての興味で参加する人は
それほどいないと思われるので,無駄にはならないと思いますが.
Re:バイオとITの融合とは結局お金 (スコア:0)
だから現在のバイオの核であろう(?独断で偏見)ゲノムの解析にはITが重要だって言っているだけでは?
# 情報の分析が必要の無い分野なんて無いでしょう?
本来ITってのは情報を扱うってだけの分野なだけのはずなのだから、
ITのお金来たれ
その通りなんです (スコア:2, 興味深い)
本当にその通りです。
でも、バイオのセンセイたちのうち、特に質の悪いのが、ITバブルのときそれを横目で見て内心よだれたらしてた人がかなりいたんですよ。ああ、俺たちの分野にもあんな投資が来ないかなー、って。で、それがいまだに尾を引いていて、政府が「今年はライフサイエンスを重点分野に」なんて言い出すと、待ってましたとばかり予算要求始めるんですね。なんかこんな姿見てると「さもしい」って、言葉が浮かんできてしまって。。。。
あと、新薬の開発は試験も含めて平均で15年かかる、と言われてます。ITに比べて成果が出てくるまでのタームが非常に長い。本当は地道な貧乏も必要な分野なんですけどね。なかなか人間というのは隣の芝生が青く見えるのはしょうがない、ということで。
slashdot的に楽しもう (スコア:1, おもしろおかしい)
アメリカのBioinformatics研究層の厚みに比べて、日本のそれは質・量とも非常に薄いと評されてきたので、昨年"BIP2003"が公募されたときにはこの国のバイオ学会もいよいよ危機意識を顕にしてきたのだと頼もしく感じられた。
情報処理の専門分野でアルゴリズムの探求を日々余儀なくされている(?)技術者の個人的余技に溢れた殴り込みがあるかも…と成果の発表を楽しみにもしていた。
だから発表の結果が由緒正しき出処の方々で占められていたのには少々物足りなさを感じさせられもした。とはいえそれは課題が研究の最前線における真に重要で意義深いテーマであることの証左でもあるのだが…。
だが審査委員の一人が政府の別のプロジェクトに公募されてきた書類をどのように審査していたかを詳しく知る程度の位置にあった者から言えば、このイベントはある種の胡散臭さも確かに否定できないところなのだ。せいぜいよくいって世知辛さといったところだろうか。
実際問題、応募の告知から締め切りまでの期間の長さ(短さ)は、それぞれの課題の基盤となる研究で既にある程度結果を得ている研究室に審査対象を限定する方便ではないだろうかと考えた方はおられないだろうか。
逆にいえば審査したい対象となる研究者が審査委員たちの念頭に既にあればバイオロジー的に意義深い課題の選定も自ずと決まってくるのではないのか。
課題が発表されたのち、これにプロポーズする目的で研究を開始する技術者や研究室など現実問題として皆無なのではないか。
もしこれが審査委員マフィア、実際この顔ぶれはこの国でこの領域の研究費配分を牛耳るマフィアなのだが…、によるSystematicで見栄えの良い御手盛り(最新型高性能パソコンの授与のことではない)なら、その審査形式はこれほど彼らに都合の良いものはない。
まず第一に受賞者以外の研究アプローチが公表されないなら、受賞には及ばないまでもユニークな切り口のあるレポートが仮にあったとして、それは予定された対象者と審査委員に繋がりを持つ研究室の今後の研究課題に供されるのみである。
ITの世界では情報の囲い込みよりも、その独自の解釈とユニークな応用が死命を制することが稀でない。情報の囲い込みが実際難しいという面に後押しされるがために急速な発展を余儀なくされるのだが。
だがバイオの世界、とりわけ学術学会のシンジケートでは"情報を囲い込むこと"が主要な命題となっている。ウェットな分野では研究費の獲得具合によって実験そのものが立ち行かなくなるのでとりわけ深刻となる。いきおい"審査"に与る人脈ネットワークに基づいたマフィアが形成される。そしてその意味においてBIPの審査委員たちはそれぞれが生物情報処理の"ビッグボス"と言える。
だがウェットな研究分野の慣例をBioinformaticsに自然体で適用する姿はどうだろう。
第二には応募されてきたレポートのアプローチが、予定調和的に準備された対象者よりも真に優れていた結果、受賞対象に挙げられたとしても、先行する対象者のグループはそのアプローチを実際的にはパテントの心配無しに気軽に彼らの専門分野に利用できる点にある。
「今年の1月7日から開催されている」
「どなたでも参加できます」
「応募締切 2004年 3月31日」
「8月開催予定の特定領域研究ゲノム合同班会議 表彰式で公表されます」
「表彰式以前に特許申請を行なって下さい」
つまり「レポートを提出するどなたでも特許申請を行っておいてください」ということだろうか。だが予定調和された対象者がいれば何も問題は無い。
もちろん他の研究結果を取り入れるのは科学の正当な行為といえる。しかし非対称な仕掛けを用意しおくことについてはどの程度まで正当だろうか。
当初から受賞対象が既に審査委員の念頭に置かれているのは間違いが無い。それは例えばアカデミックなポストを学術誌で公募しても、意中の人物には既に根回しが済んでいる程度にありきたりな現実なのかもしれない。公募したものの学術的に一定水準に達している応募が皆無だったら…という現実的な心配もある。
ならばslashdotとして落とし処の対象者を予測する公募があったとしても、同様に意義深いのではと考える次第である。
問題1
アルゴリズムが既に存在している。
http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&oe=UTF-8&q=%E5%A4%9A%E9%A0%BB%E5%BA%A6%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%95%E3%83%91%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%81%AE%E5%AE%8C%E5%85%A8%E3%81%AA%E9%AB%98%E9%80%9F%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0%E6%89%8B%E6%B3%95
Re:slashdot的に楽しもう (スコア:1, 参考になる)
#応募禁止の研究室に所属しているのでAC
Re:slashdot的に楽しもう~The「兄弟舟」 (スコア:0)
盃交わしてるの公然と知られてるところまで。。ですかね? :-)
学会の発表では自分の在籍してる研究室の先生が座長やってると、
研究発表の申請は慣習としてしないですよね。似た事情でしょうか。
つまりこんなふうに (スコア:0)
Re:つまりこんなふうに (スコア:0)
そう
Re:つまりこんなふうに (スコア:0)
美しいマクラと都合の良い現実とがこの国のこの研究領域の先行きを暗示している・・。
>直接主催者に伝えておきますよ。
Re:つまりこんなふうに (スコア:0)
つーかね、完全に自意識過剰でしょ、大元のコメントにしゃあしゃあと
なんて書いてるけど。日本の場合、IT系でも生物系でもどっちからもきちんと相手にしてもらえないような研究が「
Re:slashdot的に楽しもう (スコア:0)
定量評価の問3だけど、一般参加者の俺がやると1秒かかんないんだけどどうよ?最前線君
Re:slashdot的に楽しもう (スコア:0)
つまり「デキレース」だね (スコア:0)
デキレース
ということだね。
スラドでは(ごめん。オフトピです) (スコア:1)
今は不平、不満などがおおっぴらに言えないことが多いですから、なおさら貴重だと思います。
Re:GATTACA -ぼくは、宇宙へゆきたかった-( 1997年映 (スコア:1, すばらしい洞察)
Re:GATTACA -ぼくは、宇宙へゆきたかった-( 1997年映 (スコア:0)