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8848 story

ベクトル型スーパーコンピュータは滅びるのか 73

ストーリー by yoosee
時代はめぐる 部門より

chiba-f 曰く、 "十数年前はスーパーコンピュータと言えば,ベクトル型コンピュータが主流で,今で言うクラスタ型は実験的なものが数える程度しかありませんでした.しかし,現在ベクトル型コンピュータを製造しているのはクレイNECだけになってしまいました(ちなみに,NECの作った地球シミュレータの各CPUは長さ256ワードのレジスタを用いるベクトル演算ユニットを持っています).

そんなベクトル型コンピュータの現状をHot Wired Japanが2回の記事にわけて伝えています.

意外かもしれませんが,研究現場ではベクトル型コンピュータを求める声が依然強くあります.ベクトル型コンピュータは,大量のデータ処理のみならず,気候モデリングや森林火災のような複雑なシミュレーションに不可欠であり,このような問題においてはクラスターマシンは通信のオーバーヘッドで高い能力は発揮できないと言う意見があります.また,現在作り続けているメーカーはベクトル型コンピュータのコストダウンに取り組んでいます.いずれにせよ高価な製品なので,今後もアメリカ政府が研究にこれが必要と認め,予算を出し続けるかどうかにその命運はかかっているようです."

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by boo (899) on 2004年09月03日 11時06分 (#616570) 日記
    ベクトルマシンが衰退している一方、最近のPC向けCPUは逆にベクトルプロセッサ化してるともいえますね。
    (マルチメディア処理向け命令のあたりとか)

    GPUがベクトルプロセッサ化しているという話 [impress.co.jp]もあるし
    --
    あぁ、「ン」が消えてるんですよ。「ビーフン・カレー」ね。
  • ベクトル化 (スコア:3, 参考になる)

    by kaityo (16162) on 2004年09月03日 10時50分 (#616561)
     ベクトルマシンもクラスターマシンも使ってますが、ベクトルマシンで
    早くするにはプログラムをベクトル化 しなくちゃいけません。

     で、ベクトル化できるプログラムって結構限られてて、 それは簡単に言えば、
    独立に並列処理できるコードなんですよね。

     そんな感じで、僕の中ではベクトルマシンは 通信オーバーヘッドの無いクラスタマシン、
    みたいな 扱いなんですが、ベクトル化のプロみたいな人は 違うのかな。
    • Re:ベクトル化 (スコア:4, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2004年09月03日 11時05分 (#616568)
      ベクトル命令を直接ニモニックで書いていた人間です.
      ハードの資源(加算機やシフターなど)をうまく使い分けないと,
      ベクトルが途切れて性能が出ないんで,結構大変でした.
      ちょっと事情があって,使えるコンパイラがなかったんですよね.
      命令列をうまいこと並べれば,並列処理以外でも使えますよ.
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2004年09月03日 14時14分 (#616703)
      で、ベクトル化できるプログラムって結構限られてて、それは簡単に言えば、独立に並列処理できるコードなんですよね。
      並列度が高く粒度が大きなアルゴリズムならクラスタでも十分速く走らせるられますけど。というか、そういう問題こそクラスタ向けなんだが。どうも上記の部分と、
      そんな感じで、僕の中ではベクトルマシンは通信オーバーヘッドの無いクラスタマシン、みたいな扱い
      という部分のつながり(「そんな感じで」)がよく理解できません。
      親コメント
      • Re:ベクトル化 (スコア:2, 参考になる)

        by kaityo (16162) on 2004年09月03日 14時46分 (#616720)
        えーと、ベクトル化できるループってのは、
        (基本的には)相互作用のないループなので、
        Fortran で書くなら

        do i=1,N
         A(i) = B(i) + C(i)
        enddo

        みたいな感じですよね。これ、適当な範囲ごとに
        きれば、そのまま並列化できるわけです。

        逆に、並列化可能なループしかベクトル化できない、
        という印象があります。特にソートができないのが
        きつい。そういう意味でベクトル化と並列化は
        似てるかなぁ、と思ったうえでの発言でした。

        #ベクトル化されたソートライブラリはあるが、
        #ベクトルパイプラインを全然活かしきって無いので遅い。
        親コメント
        • by Anonymous Coward on 2004年09月03日 16時12分 (#616767)
          このコードを見て思い出しました。
          大学時代に他人の卒論研究のコードのデバッグをしてたのですが、
          大型計算機センターでスーパーコンピュータが使えるというので、
          それをネタにいろいろ遊んでました。

          コンパイラ通すとベクトル化できる部分にVマークが付くので極力付くようにソースを書き換えたり、ループを解いて巻きなおしたりしてました。

          ループ内はベクトル化できるくらいに短く、かつループ回数は極力長くなるように書くのがこつでしたっけ?

          逆にクラスタ化というかマルチプロセッサ化はループの中は長く、かつ外のループは分割してパラレルに回しても大丈夫するってのが面倒だったような。。。
          親コメント
  • HotWiredって (スコア:3, 興味深い)

    by chute (19365) on 2004年09月03日 11時20分 (#616582)
    あちらの記事を訳しているだけなので,それは米国の事情だろうというのが結構ありますよね.
    このニュースも,クレイは実はNECのOEMを販売してましたなんてことには触れられていないし,
    米国のベクトル型=クレイ社がどうなるかしか気にしてない感じがしなくもない.

    というだけではなんなので,2年前ですが地球シミュレータがTop500に登場した頃の,日本における記事を.

    科学技術計算で日本の優位が揺るがない理由 [nikkeibp.co.jp]
    時流に流されなかった開発・地球シミュレータ [www.ne.jp]
    • by kamakama (18535) on 2004年09月03日 14時05分 (#616692)
      逆に米国の事情が分かってとても良いのでは?(^^
      しかも、それを翻訳された文章で読めるなんて。

      一時狭窄的に決定したことが「誤りであったかも」と認め、
      対策が必要だが、しかし将来は不透明とする論調はなかなかよいですね。
      危機感というか、そういうものが感じられて。
      親コメント
      • by chute (19365) on 2004年09月03日 15時25分 (#616739)
        > 逆に米国の事情が分かってとても良いのでは?(^^
        > しかも、それを翻訳された文章で読めるなんて。

        はい,そう思います.
        そんな議論してんだ凄いなというのと,今更この人は何言ってるんだというのがあって,楽しめます.

        タレコミは「米国の」を忘れて,一般化しているように思えたのが気になったりしたのでした.
        親コメント
    • by Anonymous Coward
      この上の記事の「NSAがスパコンを必要に」って何に使うんだろう?
      暗号を解読するのに高速な浮動小数点演算は要らなさそうだから
      FLOP値が高いマシンを発注する意義がよくわからない。
      大量の音声・画像データの解析を必要とする用途 [google.com]なら
      グリッドのほうが低コストだろうし…。
      • Re:HotWiredって (スコア:1, 参考になる)

        by Anonymous Coward on 2004年09月03日 14時34分 (#616712)
        超多倍長の整数演算を効率よく処理する手法として、FFT を使います。
        このとき高速な実数演算が必要となります。
        親コメント
  • 今は昔 (スコア:2, 興味深い)

    by ncube2 (2864) on 2004年09月03日 10時51分 (#616562)
    計算機メーカーではない製造業の工場に研究・開発用ではなく日常業務用としてベクトル型のスーパーコンピュータが導入されたことがありました。
    そのココロは工場の資材所要量計算や生産スケジューリング(所謂MRPですな)なんかを時間の掛かるディスクI/Oじゃなくて、でかい配列作って一気に計算で処理時間短縮のようでした。(普通のMRPはやたらにディスクI/Oが多くて、一晩位平気で掛かる)
    スーパーコンピュータのフロントエンドエンジンがメインフレームだった頃に出来た力技でした。
    • by Anonymous Coward
      「牛を裂くに牛刀を用いる」という感じの、アレゲでいい話ですね。
      • by Anonymous Coward
        牛刀で牛捌いても、あまりアレゲでないぞ。(^-^
      • by Anonymous Coward
        「鶏を裂くに牛刀を用いる」のタイポですよね。 牛じゃあたりまえ。
  • by Anonymous Coward on 2004年09月03日 13時47分 (#616686)
    ・・・にて、海洋研究開発機構地球シミュレータセンター、渡邉国彦氏の講義があり、資料の中に

    *地球シミュレータはパソコン何台分か?
    *答え:パソコンを何万台、何億台持ってきても、地球シミュレータにはならない
    *理由:地球シミュレータはひとつの大規模な計算を行う装置、パソコンを何億台集めて繋いでも、ひとつの大規模な計算を行うことは実質的に不可能

    ・・・と、力説?してありました。この垂れ込みを見ていろいろあるんだよなあと・・・。

     間違ってもハンドルで書けないのでAC
    • > *地球シミュレータはパソコン何台分か?
      > *答え:パソコンを何万台、何億台持ってきても、地球シミュレータにはならない
      > *理由:地球シミュレータはひとつの大規模な計算を行う装置、パソコンを何億台
      > 集めて繋いでも、ひとつの大規模な計算を行うことは実質的に不可能
      >
      > ・・・と、力説?してありました。この垂れ込みを見ていろいろあるんだよなあと・・・。

      垂れ込みで示されているリンク先にも以下のようなものがありますよ。

      < ... ホワイト氏によると、このような問題はクラスター型コンピューターでは
      < 効果的に処理できないという。
      <
      <  「クラスターをどれだけ巨大にしても同じことだ。アプリケーションの速度は
      < 落ち、同期や通信にばかり時間を費やすことになる」とホワイト氏。
      <
      <  ホワイト氏は、クラスターを構築できる規模には限界があると考えている。...

      そういうことじゃない?
      親コメント
      • 人間の世界と同じですよね。
        人が多い大きなプロジェクトほど、コミュニケーションに必要な時間は増えてゆく。
        距離が離れれば離れるほど、情報交換(通信)に必要なコストは高くなる。
        人間の質が低いと、いくら数が増えても成果は上がらない..

        ベクトルプロセッサは、少数精鋭ですね。
        親コメント
  • by Anonymous Coward on 2004年09月03日 15時46分 (#616755)
    利益を上げれるようなマーケットはない。ベクトルプロセッサを生か
    すアプリケーションは限られるし、少しばかり効率を落とそうとも、
    遥かに安いクラスタで処理できるように出来る。民間企業は当然買わ
    ないし、公的研究機関でも効率的な予算配分を考えれば買わない。

    赤字になりながら作るか、補助金をもらって作るしかない。政府予算
    による地球シミュレータの構築なんて、税金垂れ流しの典型。世界一
    というプライドは保てるけど、それだけ。もうアメリカではベクトル
    を作る会社は出ないだろうし、また、米国政府の無駄な予算だと判っ
    ているので、そんなところに金はつぎ込まないだろう。そこで日本は
    世界一と勘違いしているのは、とても痛い。
    • by locate (5848) on 2004年09月03日 16時27分 (#616770) 日記
      > 利益を上げれるようなマーケットはない。ベクトルプロセッサを生か
      > すアプリケーションは限られるし、少しばかり効率を落とそうとも、
      > 遥かに安いクラスタで処理できるように出来る。民間企業は当然買わ
      > ないし、公的研究機関でも効率的な予算配分を考えれば買わない。

      なんで断言できるのかなあ。
      そこそこ大きめの大学なら、必ずスパコン持っているし、
      とくに地球シミュレータを切り売りしているような NEC SX7 を
      導入したい大学なんてたくさんあるのに。
      あと流体計算の必要な企業ならSX7は欲しいでしょう。
      スパコンをパソコンの高機能版だと思っている人には、
      要らないように思えるんだろうなあ。
      スパコンじゃないとできない計算なんてたくさんあるのに。
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2004年09月03日 21時22分 (#616910)
        >スパコンじゃないとできない計算なんてたくさんあるのに。

        とりあえず昔と比べて台風の進路予測は格段に精度が上がった様に
        見えますね。今回の16号の進路なんて「そこで右にカーブする??」と
        思った予測どおりに進みましたし、数日前でも予測が付けば
        災害の備えってのはしやすくなるものです。

        不測の針路変更で大被害!なんてのだと被害額に数億は軽く加算されますから、
        そういう意味では気象予測に金を掛ける価値はありますね。
        もっとも予測どおり来られても避けられない被害ってのは発生しますけど。
        親コメント
    • by locate (5848) on 2004年09月03日 16時39分 (#616781) 日記
      ;書き足します(^^;

      > ベクトルプロセッサを生かすアプリケーションは限られるし、

      普通は自分で計算プログラムを作るんですよ。
      もちろん、ベクトル化、並列化もきちんと考えて。
      それか、すでにベクトル化並列化された先人のプログラムを使います。
      なければ自分で作るだけ。科学技術計算のプログラムなんて、
      高々数万行程度なので頑張れば一から作れます。

      > 少しばかり効率を落とそうとも、
      > 遥かに安いクラスタで処理できるように出来る。

      そんなことはありません。
      高度にベクトル並列化されたプログラムを
      クラスタに移しても計算は終りません。
      ベクトル計算部分をさらに並列化しないといけないし、
      PC間の通信速度がネックになって、それほど速くなりません。
      親コメント
      • 科学技術計算とは言え、オブジェクトや複雑なデータ構造を駆使するプログラム、ネットワーク、データベース、グラフィックスを組み合わせた技が必要になっているのに、ベクトルスーパーコンピュータ上のレガシーなソフトウエアに固執することによって進歩が阻害されてしまう。

        ちっこいベクトルスーパーコンピュータを10人くらいでシェアしたとしたら、PC2-30台のクラスタと同じくらいの性能になってしまう。コモディティ部品でで自分で組み上げたのでは通信などいろいろボトルネックはあって、すぐにベクトルを置き換えるわけにはいかないけど、誰に気兼ねする事もなくいろんな使い方を試してみる事が出来る。MPI、グリッド的なもの、分散オブジェクト、Webサービスなど実にいろいろなものがある。相当な気合いとスキルが必要だけれど、得るものは非常に多いと思う。ベクトルコンピュータを使い続けるのはメリットよりデメリットが多いと思う。

        親コメント
        • ネットワーク対応とか、データベースへのアクセス、それに最終的なグラフィックス表示なんてのは、
          あくまでも、計算結果から得られるアウトプットをどうするか、という話なんで、
          ベクトルマシーンの是非とは関係無いのでは?

          見栄えの良いドキュメントを効率良く作って、世界にばらまけるようになったとしても、
          そのドキュメントの種である、計算結果が得られなければ、どうにもならないのですし。
          親コメント
          • 個別の対象に依存すると思うけど、別の所にいる誰かが作った大きなデータを入力とした計算をしているが、その誰かも研究をしていて日々データが更新されているので、気が付いてみるとどういうデータを使って計算していたのかわからなくなっているというよう経験はないかなあ? データベースとネットワークの技術はそういうこんがらがりを解決し、最も正しいデータをプログラムに直に取り込むために使う。

            温度とか速度とか直観的な量じゃなくて、抽象的なデータを扱おうとすると、可視化を設計しないと仕事が始まらないことがある。出来上がった物を見るだけでなく、計算の実行途中にどこで何が起こっているか知りたいことも多い。計算が大規模で時間がかかる時はなおさら。

            確かに、データベース、ネットワーク、グラフィックス自体は、ベクトルかクラスタか関係ないけど、だいたいクラスタの世界で語られるのでそちらの話みたいに言うというのはあるかも。

            親コメント
        • > ちっこいベクトルスーパーコンピュータを10人くらいでシェア
          > したとしたら、PC2-30台のクラスタと同じくらいの性能になって
          > しまう。

          なんで「ちっこいベクトルスーパーコンピュータ」と比較するんで
          しょうか?? プロセッサ1個のやつとか?

          普通のベクトル型スパコンと比較しましょうよ。
          せめてプロセッサ16個ぐらいのやつと。

          それに、計算に
  • CrayとSunが手を組んだマシンはUSの前社で扱ったことがありました。
    すごい電力と冷房が必要だった(空冷でしたけど)気が.......

    でもベクトル型だと流体力学、気象シュミレーション、
    その他物理学や経済学のモデル計算くらいかな。

    やはり今だと政府機関や大学・研究所向けにしか
    用途ないかしら?
    --
    co2masato
  • by nique (17169) on 2004年09月03日 18時31分 (#616831) 日記
    ってベクトル型じゃなかったでしたっけ。 少なくともスカラじゃないよね。
    • by kaityo (16162) on 2004年09月03日 18時49分 (#616838)
       基本的に操作はユニタリ変換なので、馬鹿でかい行列の 掛け算をひたすらやっていると言う意味ではベクトル型と いえるでしょう。

      #古典計算機と量子計算機をそういう視点で比べる意味は あんまりありませんが・・・

       余談ですが以前、量子計算の研究者D. Deutschは、量子計算機が なぜ早いのかを問われ

      「誤解を恐れずに言えば、たくさんの平行宇宙で 計算を分担しているから」

      と言ってましたね。

      僕自身は確率収束の考え方ですが、多次元世界解釈で 量子計算機を考えるというのは新鮮でした。 そういう意味でとるならスカラ型といえなくもないかな。
      親コメント
  • IBMのBlueGeneはやはりマルチCPU型だけど、この命令の詳細は知らないけどやっぱりベクトルっぽいのもあるのかな?興味あります。
  • by Anonymous Coward on 2004年09月03日 13時01分 (#616652)
    まったくの素人なんですが...
    RISCとCISCのときも「RISCの優位は揺るがない」といわれていたのにもかかわらず,RISCが敗北していたように思うのですが.
    スパコンの場合,パソコンと違って価格よりも性能を重視するのかもしれませんから事情が違うのかもしれませんけど.
    ただ,スパコンも無尽蔵に予算を使うわけにもいかないはずで最も売れ筋は30億円オーダーのクラスだと聞いたことがあります.
    地球シミュレータの場合,「NECはあんまり儲かっていない」というハナシも聞いたことがあるのですが,どうなんでしょう?
    • by Anonymous Coward on 2004年09月03日 13時42分 (#616679)
      RISCとCISCのときも「RISCの優位は揺るがない」といわれていたのにもかかわらず,RISCが敗北していたように思うのですが

      ベクトル型スーパーコンピュータの話題からは離れてしまいますが、現在純粋なCISCプロセッサというのも存在しないのでは?というかそもそもRISC/CISCの分類自体が意味のないものになってしまってます。

      RISCプロセッサの特徴として一般によく挙げられるものに、

      • (名前の由来になった)縮小命令セットの採用
      • ロード-ストア型アーキテクチャ
      • 固定長命令
      • ワイヤードロジック
      • 1命令処理が1クロックサイクル
      • 豊富な汎用レジスタ本数
      などいろいろのものがありますが、これらの特徴は一般にCISCプロセッサの代表とされるIntel/AMD系のプロセッサにも多かれ少なかれ採用されているものですし、例えばIBM/MotorolaのPowerPCなどはReduced Instruction Setというにはあまりにも命令数が多かったりします。

      マイクロプロセッサ関連については、海外のアレゲな人が
      Great Microprocessors of the Past and Present [sympatico.ca]
      という文章(英文)をまとめてたりします。"For entertainment use only"なんて断り書きがありますが、非常に面白い内容ですので興味が湧いたらどうぞ読んでみて下さい。

      # ベクトル型プロセッサとは関係ない文章になってしまったのでAC(といって、無益な内容でもないと思うんだけどね)

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2004年09月03日 15時05分 (#616728)
        もっと短く言えばパイプラインを乱さないために何が出来るか考えればアーキテクチャーは収束したというのが歴史だと思うのだが...
        親コメント
        • その通りだよね。元のコメントがずらずら上げてるのはパイプラインを同時に効率よく動かすために必要だった実装上の手法のことであって、RISCの特徴と言うのは本末転倒だ。でも「参考になる」とかが沢山ついちゃうところがいかにもスラドなんだなあ。
          • by Anonymous Coward on 2004年09月03日 18時14分 (#616827)
            [参考]
            【特別企画】特別研究シリーズ:Banias=Pentium Mはなぜ速いのか? [ascii24.com] より:

            Pentium Pro以降のインテル製CPUは、8086に始まり80386で完成を見たIA-32アーキテクチャに基づく「x86」命令を、RISCプロセッサライクな単純命令、μop(マイクロオペレーション)に変換してから実行するしくみになっている。トレースキャッシュとは、x86命令をμopに変換(デコード)した「結果」を保存するという点で、従来の=x86命令をそのまま保存するキャッシュと異なる。

            これによりPentium 4は、CPUにとってきわめてやっかいなx86命令の「デコード」作業をCPUコアから排除している。Pentium 4パイプラインは、すべてが「μopの実行のためのパイプライン」であり、言い換えれば「μopという、非x86命令を実行するRISCプロセッサ」である。そこに、x86命令をデコードするユニットが前座のようにくっついている。Pentium IIIまで、およびAthlonでは、x86命令のデコードはCPUコアにとっての一大作業であり、パイプラインの前半のかなりのステージを費やしていた。その意味で、そのコアはCISC-RISCハイブリッドと言うべきものだったが、Pentium 4のコアはもはやハイブリッドではない、より純粋なRISCコアと言える。
            親コメント
    • > RISCとCISCのときも「RISCの優位は揺るがない」といわれていたのにもかかわらず

      そんなこと言われてましたっけ。

      RISCとCISCの流行が交互に何度か来たってのが過去の歴史です。
      今後も当分はそうなるんじゃないですかね。
      親コメント
      • > RISCとCISCの流行が交互に何度か来たってのが過去の歴史です。

        そんな過去はありません。RISCの流行ってのは1度あって、それが完全に定着しただけです。現在のいわゆるCISC CPUは表面上CISCなだけ。RISCが流行ったころのパラダイム(多段
    • RISCとCISCのときも「RISCの優位は揺るがない」といわれていたのにもかかわらず,RISCが敗北していたように思うのですが.
      敗北していません。敗北しているように見えているだけで、その理由は単に互換性の問題だけで、技術的優位性ではないのです。
      • by Anonymous Coward on 2004年09月03日 13時30分 (#616670)
        >RISCとCISCのときも「RISCの優位は揺るがない」と
        >いわれていたのにもかかわらず,RISCが敗北していたように思うのですが.

        MMXやらSSEやらの効率化に向かい,結局現在のCPUはRISC化する方向へ進んでいる。
        技術やコストの問題でCISCが大勢になったけれど,問題が解決されたら
        RISCの方向に進んでいくのではないのか。

        と教授が言っていた記憶があります。
        時代が,クロック数の競争から,同じクロックでいかに性能を出すかという方向に
        進みつつある現状をみると,あながち間違ってもいないのかな,とかおもったり。

        #習ったのが数年前の話で自信がないのでAC
        親コメント

        • 時代が,クロック数の競争から,同じクロックでいかに性能を出すかという方向に
          進みつつある現状をみると,あながち間違ってもいないのかな,とかおもったり。

          「同じくロック」を出せるなら、CISCの方がRISCより有利になる(少なくともRISCのメリット(回路を単純化して高クロックに対応)が少なくなる)じゃないでしょうか?

          それと、今後は専用チップの作成コストが下がって、特定の計算向けカスタムチップを作るのも現実解になってくるんじゃないでしょうか? こうなると CISC vs RISC とはちがう方向かな。

          ただ、こういう専用チップを、たれこみネタの大規模シミュレーションに使えるかどうかというのは、また別かも知れない。GRAPEのように完全に対象を絞れば別ですが、比較的汎用を目指したシミュレーションを考える場合、どうしてもアルゴリズムとの擦り合わせが問題になってくる。おそらくそのチューニングがプログラミングの大半を占めると考えると、特定シミュレーション用チップのメリットがどこまで発揮できるのか、まだまだわかりませんね。
          親コメント

          • それと、今後は専用チップの作成コストが下がって、特定の計算向けカスタムチップを作るのも現実解になってくるんじゃないでしょうか? こうなると CISC vs RISC とはちがう方向かな。

            ただ、こういう専用チップを、たれこみネタの大規模シミュレーションに使えるかどうかというのは、また別かも知れない。GRAPEのように完全に対象を絞れば別ですが、比較的汎用を目指したシミュレーションを考える場合、どうしてもアルゴリズムとの擦り合わせが問題になってくる。


            そこで、最近話題のリ・コンフィギュアラブル プロセッサですよ、あなた。
            最近の Design Wave 誌 に入門解説が書かれています。

            もうすぐ手の届くところにきています。
            親コメント
            • by Anonymous Coward on 2004年09月04日 23時14分 (#617243)
              こんなのもあります。 (FPGAな?)数値計算アクセラレータ用のコンパイラ [ipa.go.jp]

              GRAPEのプロセッサをそっくりFPGAに置き換えたハードウェアを開発して, それ用のコンパイラを開発するみたいです。 なんでも比較としてGRAPE同等のアルゴリズムをプログラミングすると30行程度で済んでしまうという話は聞いたことがあります。

              ちょっとしたアルゴリズムをFPGAにのっけて高速化するのに、いちいちSystemCやVerilogやVHDLなんかでプログラミングしてたんじゃたまったもんじゃないですからね。

              もうすぐ手の届くところまできています。
              親コメント
          • > 「同じくロック」を出せるなら、CISCの方がRISCより有利になる(少なくともRISCのメリット(回路を単純化して高クロックに対応)が少なくなる)じゃないでしょうか?

            こんなお題目をまだ信じている人がいるとは。

            今日日CISCもRISCも中身はほとんど違いはありません。
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私は悩みをリストアップし始めたが、そのあまりの長さにいやけがさし、何も考えないことにした。-- Robert C. Pike

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