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セルロースからアミロースを生産する技術開発に成功 62

ストーリー by Acanthopanax
食用木材 部門より

naocha曰く、"毎日新聞の記事より。江崎グリコが、樹木をはじめとする植物の繊維の主成分であるセルロースから、デンプンの成分であるアミロースを作り出す技術を開発したと発表しました(プレスリリース)。セルロースの分解物であるセロビオースに5種類の酵素を組み合わせて作用させ、アミロースに変換することに成功したもの。将来の食糧危機を救う技術になる可能性があるとのことです。また、アミロースは、廃棄後に微生物によって分解される生分解性素材としても期待されており、液晶フィルムなどにも利用可能です。
この成果は、3月28日より札幌で開催される日本農芸化学会2005年度大会にて発表される予定です。"

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • というか (スコア:3, 興味深い)

    by blackcat (13318) on 2005年03月19日 10時11分 (#711161)
    樹木を生産するより普通に食料生産した方が早くないかな?

    樹木を生産せずに使うだけなら、「これ以上、樹木を減らしてどうするよ?」ってなりそうだし。

    アミロースを作る技術という認識でいいような...
    • Re:というか (スコア:2, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2005年03月19日 10時30分 (#711168)
      セルロースは細胞壁の原料ですから、それまで消化できなかった分も含めて、植物を全て栄養に出来ることが素晴らしいのでは?
      親コメント
    • Re:というか (スコア:2, すばらしい洞察)

      by CL (20356) on 2005年03月19日 10時38分 (#711172) ホームページ

      繊維が短くなって再生できなくなった紙
      とかいいかもしれませんが、
      サーマルリサイクルとどっちがいいかは
      判断しなくてはいけないと思います。

      # 高校の化学の時間セルロースが多糖類と聞いて
      # 紙に希硫酸混ぜて熱し砂糖にできないかなと
      # ぼんやり考えたことはある

      親コメント
    • Re:というか (スコア:2, おもしろおかしい)

      by taka2 (14791) on 2005年03月19日 11時09分 (#711181) ホームページ 日記
      「これを食べると日本から杉花粉が減ります」みたいなコピーで
      杉を原料にした食品を売り出せば、大ヒットしたりしないかな。

      伐採したあとには無花粉杉 [srad.jp]を植林するってことで

      少しぐらい高くても買う人はいそうです。
      親コメント
    • Re:というか (スコア:2, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2005年03月19日 13時52分 (#711232)
      セルロースと穀物だと生産量が50倍違うって毎日新聞の記事に
      書いてますよ。

      これだけ違うと、食糧生産したほうが早いってことにはならないでしょう。
      親コメント
      • Re:というか (スコア:1, 興味深い)

        by Anonymous Coward on 2005年03月19日 15時26分 (#711262)
        藁クズや籾殻、大鋸屑や古紙なんかも食料化できますね。

        え、食いたくない?
        飼料に出来るだけでも充分だし、酵母に食わせてアルコール生産に回せば、燃料問題も解決っすよ。
        親コメント
        • by typer (9666) on 2005年03月19日 18時22分 (#711297) 日記
          私は食品加工残差、特におからとかバカスとか焼酎粕とか、絞りカスあたりをイメージしました。
          でもアミロースを主原料とした食品って思いつかないんですよね。
          #うどんとかは主成分だけど主原料にはできないでしょう。
          #それとも頑張って人工小麦粉とか作っちゃうのかな?

          結局思いつくのは芋焼酎粕焼酎とか(笑)
          でも単に醸造アルコール作るならブドウ糖からでよいので、以前のグリコのプレスリリースにある通り、当面は高分子素材の原料としてでしょうね。

          今回の技術の基礎技術:砂糖を原料とした『酵素合成アミロース』の量産化技術開発 [ezaki-glico.com]
          親コメント
        • by whitt (21325) on 2005年03月20日 18時09分 (#711514)
          実際問題、口に入ってくる医薬品の原料には生物由来の物質が(もちろん精製されてだが)使われているわけですから、仮に実用化されたとしても問題にされる可能性は低いと思います。
          (たとえば溶媒の例 [arysta-ls.com])

          今回の技術も、セルロースを分解した先のセロビオースが再結晶等で精製できるので、不純物が混じる可能性はないでしょう。化学的に精製された、食料あるいは飼料として使えると思います。
          #薬局でクエン酸が買えるのと同じような感じで
          「バイオマスによるほにゃらら」とか書けばかっこよくて売れたり…しないかな。

          #個人的には5段階の酵素変換より超臨界水の方が使えそうとか思うけどID
          親コメント
          • >#個人的には5段階の酵素変換より超臨界水の方が使えそうとか思うけどID

            シャープ(#)って、いちいち突っ込むな、って意味だっけ。まあいいや。

            より詳しい内容 [ezaki-glico.com]によると、工程としては2段階のようですね。ムタロターゼ、グルコースオキシダーゼ、ペルオキシダーゼは収率を上げるために加えると書いてある。完鎖状のポリマーだけとはいえ、分子量を厳密に制御することが可能で、収率が35%もあるというのが売りか。

            あと、超臨界水で加水分解はわかるんですが、重合させることもできるんでしょうか。
            親コメント
        • by Anonymous Coward
          「古紙配合飼料」……意外と座りのいい響きではありますが(w
          それで育った家畜の肉を食べたいかっていうと微妙ですよね。
          少なくとも敬遠する人は多そうな。
          • by Anonymous Coward
            慣れれば別に大したもんでもないのでは?
            昔の沖縄など便所の下に豚小屋作ってましたし。
    • by hohehohe (11394) on 2005年03月19日 16時31分 (#711272)
      > これ以上、樹木を減らしてどうするよ?
      どうでしょう?焼畑を少なくするって考えもできますし。
      今回の研究が実用化できたとしても簡単に判断できること
      ではないと思います。
      > アミロースを作る技術という認識でいいような...
      私もそう思います。今まで植物が普通に行っている現象を
      人間ができなかったのが、今回一つ行えるようになったって意味で
      意義があると思います。
      食料生産の話は全く別次元の話だと思います。
      効率やコスト、農業の慣習や食生活など全てクリアしないと
      ってことで将来につながるものかどうかは少なくとも私には
      わかりません。といってその点で今回の研究を否定して
      いる訳でもないです。研究しないと始まりもしませんからね。


      #コメント見当違いかもしれないけどID
      --
      AVG anti-virus data base out of date
      親コメント
    • Re:というか (スコア:0, 余計なもの)

      by Anonymous Coward
      セルロースって別に樹木に限らず、根菜や海草…種種の植物に含まれる食物繊維の一種だから、栄養価のないものが一転、高エネルギー食品になる、まさしく夢のような技術ではないかと。
    • by Anonymous Coward
      ワリバシを食べるのですよ。
    • by Anonymous Coward
      樹木だけじゃなくて
      古新聞なんかも食えるようになるのでは?
  • by magrin (17834) on 2005年03月19日 11時40分 (#711190)
    うろ覚えですが、戦前から木材等のセルロースから人間の食用になるデンプンを合成する研究をはじめていたという話を雑誌で読んだ記憶が。
    でも出来なかったそうですが。
    その研究をずっと続けていたのでしょうか。それなりにすごいなと思った。
    戦前の研究の目的は草やワラクズみたいなものから食料を作るという事だったらしいですが、今回のはそういう目的では無いのかな。
    • by Anonymous Coward on 2005年03月19日 16時38分 (#711273)
      水で作れまよ。

      http://sym-bio.energy.kyoto-u.ac.jp/sym-bio/reports/kenkyu/energy13/saka.html
      超臨界水で行えばセルロースがグルコースに変換されます。
      親コメント
    • 高校の時('80s)の先生がおっしゃってたことには、戦時中に木材
      を加水分解して得たブドウ糖というのがあって、茶色かったけど
      なめたら甘かったとのことでした。

      基本的には塩酸入れて圧力釜にかけるだけですからねぇ。でも他
      に何が入ってるか分からないし、エネルギー効率的にもどうかな、
      出撃前のパイロットに与えるならともかく、みたいな。
      --
      Jubilee
      親コメント
    • 寛政8年(1796年)に一関藩(岩手県)の藩医・建部清庵が『民間備荒録』を著して木の皮や野草、藁の食べ方などを説いていますから、「通常では食べられないものをなんとか食べられるようにする」段階の研究なら、当然、それ以前からあったと思います。
      戦前の研究も、おそらくそうした近代以前からの「飢饉食」にヒントを得たものではないか、と。
    • 宮沢賢治の童話にも、貧乏人にオガクズを食べさせるための
      研究をしている博士の話が出てきたような。
      • by Anonymous Coward

        安部公房の小説『透視図法』にも,おが屑を酸で変性させて,糖にしようとする老人が出てきます.セルロースがブドウ糖の連鎖だと知った人なら,誰もが夢みた技術ではないでしょうか.

      • SFだと「月は地獄だ!」 1955年 ジョン・W・キャンベル Jr.
        でも月面に取り残された人たちが持ち込み品の中で繊維質の物をなんとか食料に変換しようとする様が描かれていますね。
  • 燃料電池 (スコア:2, 興味深い)

    by kaier (25379) on 2005年03月21日 1時54分 (#711633)
    星新一の小説に出てくるような未来食を想像してしまいました(笑。
    食べたいか食べたくないかというと、やはり食べ物は自然なものがいいなぁとか、食べるものがなくなったときに役立ちそうだとか、非常に微妙な感じですが……。

    それよりも、発酵させて高純度のアルコールにして燃料電池の素材として注目できそうな技術だと思いました。
    処理に困っている木材クズや、(元々廃材利用の)使用済み割箸なんかも燃料になりますしね。
    #使用済み割箸からとれたアミロースは、いかに問題なくても口にしたいとは思わないです。

    某回転寿司屋では使用済み割箸を木炭として再利用・販売しておりましたが、将来アミロース転化が可能なゴミは「リサイクルゴミ」になって、「可燃ゴミ」「不燃ゴミ」に混ぜると自治体とかに叱られるようになるかもしれませんね。:-P
  • by ncube2 (2864) on 2005年03月19日 10時00分 (#711159)
    どの位あるのかな?
    (一瞬人工ウシの胃袋みたいなのを想像した人は素直に手を挙げるように ^^;)
  • 次は (スコア:0, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2005年03月19日 9時13分 (#711149)
    肩ロースを
  • by Anonymous Coward on 2005年03月19日 9時32分 (#711152)
    >将来の食糧危機を救う技術になる可能性があるとのことです 栄養バランスが(ry
    • by Anonymous Coward
      「鋼鉄都市」のようなイーストとどちらがお好みですか?
    • by Anonymous Coward
      諸星大二郎の「食事の時間」では皆元気そうにしてましたよ。
  • by Anonymous Coward on 2005年03月19日 10時06分 (#711160)
    シロアリを飼ってるだけだったりして。
    あるいはシロアリをつぶして体内にあるセルロース分解酵素を・・・
  • 生分解性 (スコア:0, 余計なもの)

    by SteppingWind (2654) on 2005年03月19日 10時41分 (#711175)

    わざわざアミロースにしなくても、セルロースのままでキノコぐらいは平気で生えてくると思うのですけど。他のコメントで指摘されていたシロアリの腸内細菌やウシなんかの消化器内細菌もセルロースOKな類ですよね。

    # というか誇大広告?

    • Re:生分解性 (スコア:2, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2005年03月19日 20時30分 (#711324)
      まずキノコの件ですが、セルロースをキノコに転換する時点でエネルギーの損失が発生します。
      さらにキノコの栽培には時間と場所が必要であり、大量のセルロースを処理するためには不適当です。
      収穫されたキノコはキノコとして食べるならばそのままでも結構ですが、パンやお菓子といったほかの食物の原料にするには不適当ですので
      これからアミロースをはじめとする汎用性の高い食物原料を抽出するにはコストがかかります。
      (いったんアミロースにしてしまえば用途が広がることは、コーンスターチが広く利用されていることからもおわかりいただけますよね?)
      総合的に考えて、人類の食料としてセルロースを転用するための手段としてキノコを利用することはコストに見合わないでしょう。

      セルロース異化細菌につきましては、これを用いたバイオリアクターでセルロースを工業的にアミロースあるいはグルコースなどに転換できるのであれば今回の話題にマッチするとは思いますが、
      シロアリや牛の腸内細菌はセルロースを異化できますよね?というだけでは、セルラーゼやセロビオースホスホリラーゼで今までだってセルロース分解できましたよね?と言っているのと変わりません。

      今回の技術の要点は複数の酵素を組み合わせたセロビオースのアミロースへの転換で35%の収率が得られたという点であって、セルロースを栄養にできるよ!と言っているわけじゃないのです。
      親コメント
      • Re:生分解性 (スコア:2, 参考になる)

        by soy_milk (26202) on 2005年03月20日 1時43分 (#711375) 日記
        総合的に考えて、人類の食料としてセルロースを転用するための手段としてキノコを利用することはコストに見合わないでしょう。

        コスト以前に、キノコでは人間の主食になりえないでしょう。ほとんどのキノコは、カロリー源として効率が悪すぎます。キノコのバイオマスの大部分は細胞壁であるキチンだと思いますが、人間はキチンを分解できないはずです。
        # (#711324) のACさんには釈迦に説法のような気がしますが、
        # 疑問に思われる方は食品成分分析表でも見てもらえば
        # 納得していただけるかと。

        まあ、クォーン (Quorn) というカビから作った代用肉もあるそうですし、菌類の利用も考えられなくはないかもしれません。いわゆるキノコ(子実体)ではなく菌糸体を利用するのであれば、バイオリアクターなどを利用して効率的に生産ができるかもしれません。
        # クォーンはたしかイギリスで開発され、
        # ヨーロッパではそれなりに利用されているようです。
        ## ただし、クォーンについては健康被害が出たという話もあります。
        ## 伝統的に食べられてきたわけではない食品には、
        ## やはり注意は必要ということかもしれませんね。

        親コメント
      • by Jubilee (20038) on 2005年03月22日 0時48分 (#711903)
        セルロースをキノコに転換ってねぇ…。

        世間の皆さんはきのこに対して変な幻想を抱いているようです
        けど、きのこというのは腐ったゴミを食べ物に変える魔法の生
        き物じゃないのですよ。

        現在の原木シイタケを除くきのこ栽培においては、きのこは木
        材(おがくず)から生えているわけではありません。おがくずと混
        ぜたふすまや米糠などの栄養材の方を主な栄養源として発生
        します。菌床シイタケではまあそこそこおがくずの方も分解し
        ますけど。

        セルロースをきのこで転換するってのはそもそも的はずれです。
        --
        Jubilee
        親コメント
    • by Anonymous Coward
      たれこみぐらいちゃんと読もうよ。

      >アミロースは、廃棄後に微生物によって分解される生分解性素材としても期待されており、
      >液晶フィルムなどにも利用可能です

      開発者がセルロースが生分解性であることぐらい知らないわけないだろうに。
      • だからデンプンが腐るなんてのはあたり前すぎて, わざわざ言うほどのことでもないでしょう? 近頃生分解性という言葉が流行っているので言ってみたってだけじゃないの? それともあなたカビたモチやパンを見たことないの?

        # と言うか流行追随?

        • by Lenono (23388) on 2005年03月19日 12時30分 (#711205) 日記
          デキストリン(分岐性セルロース)とかになるとどうなんですかね。
          セルロース分解酵素を使っても分岐部分で分解が止まっちゃいますよね。
          親コメント
        • by Anonymous Coward
          普通に読むとコメント#711175は
          「セルロースは腐る」
          という今回の技術とまったく関係のない主張にしか読めないんですが私の読解力不足でしょうか?
          プレスリリースなどのアミロースの説明部分に「生分解性」をわざわざ付けたのは
    • by Anonymous Coward
      > # というか誇大広告?
      > # と言うか流行追随?

      いきなりケンカ腰。

      文句つけたいだけのオヤジでしょう。
    • by Anonymous Coward
      アミロースが、液晶フィルムの素材として利用できるのですよね。
      液晶フィルム素材としてセルロースが使えるのでしょうか。

      #まあ、生分解性の部分だけ余計っぽいが
      • by nim (10479) on 2005年03月22日 15時16分 (#712085)
        確かにわたしも言葉足らずだとは思いますが、液晶向け偏光フィルムの素材、
        ポリビニルアルコールは生分解性がひくいみたいなので、そういうの(あと、
        ポリプロピレンとかナイロンの代替にもなる?)に比べれば生分解性が高いという
        意味でしょう。
        親コメント
  • by Anonymous Coward on 2005年03月19日 12時48分 (#711211)
    大工さんがお菓子の家を作ることも可能に・・・!
    江崎グリコだしー。

    #一粒300メートルなのでAC
    • by Anonymous Coward
      >#一粒300メートルなのでAC

      「※このお菓子はセルロースより作られています」
      という注意書きができるのか?
      セルロースでオマケを作れば、セルロースだけで
      お菓子を作ることが可能となる、と。

      # 400mって憶えてた・・・恥ずかしい
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アレゲは一日にしてならず -- アレゲ研究家

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