パスワードを忘れた? アカウント作成
10474 story

X線天文衛星 ASTRO-EII 軌道投入に成功 40

ストーリー by yosuke
宇宙に羽撃く赤い鳥 部門より

KAMUI曰く、"梅雨による雨で打ち上げの延期が続いていた M-V-6号機X線天文衛星 ASTRO-EII だが,7月10日 12時30分に内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられ,衛星の軌道への投入に成功した。
ASTRO-EIIはX線源スペクトル測定用のX線分光計(XRS)やX線源の画像を撮像するXIS,硬X線検出器のHXD(HardX-ray Detector)などの観測機器を搭載し,遠方にある暗い原始天体の探索,ブラックホールや銀河核のスペクトル研究などを行うもので,アメリカのChandraや欧州のXMM-NEWTONの2機のX線衛星とともに宇宙の謎に迫ることを目指しているそうだ。なお,投入成功に伴いASTRO-EIIは「すざく」と命名された。"

また、sillywalk 曰く、 "「すざく」は初代「はくちょう」(1979年2月打上)から「てんま」(1983年2月)、「ぎんが」(1987年2月)、「あすか」(1993年2月)に続く5代目のX線天文衛星で、2000年2月10日に打上失敗したASTRO-E衛星の2号機。2001年3月2日の大気圏再突入によって「あすか」が失われて以降はX線観測に空白期間が生じており、今後の再開と更なる飛躍に期待がかかります。"

すざくは7/12にあと2回の遠地点噴射を行って高度550kmの円軌道に入り、太陽電池パドルの展開や光学ベンチの伸展を始める。1ヶ月後には試験観測に入る予定。
/.J前報:X線天文観測衛星「アストロE2」打ち上げ準備完了

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2005年07月11日 21時26分 (#765545)
    こんな話もありますが・・・

    M-V6ロケット打ち上げが2月から7月に延期された本当の理由 [nikkeibp.jp]
    • Re:まずはよかった (スコア:1, おもしろおかしい)

      by Anonymous Coward on 2005年07月11日 21時30分 (#765549)
      こんな話もありますが・・・

      投入成功に伴いASTRO-EIIは「ざく」と命名された。

      #そんな話は無いのでAC
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        縁起が悪いので「アストロE」の方を「ざく」としておいて下さい。
        # 最近のは単体で大気圏突入もできるらしいのでAC
    • by nq (16642) on 2005年07月11日 22時04分 (#765566) 日記
      強烈な記事ですね。
      私も、確かに「総点検」は、NASAの官僚主義的手続きを連想させる儀式ではないかという印象は持っていました。
       数合わせの格好だけの行政改革として、政治主導で行われたISASとNASDAの合併が合理性を欠いたものだったし、それによって、日本の宇宙開発と宇宙科学が無意味な停滞を強いられているという基本的な見方には同意します。
       ここまで厳しく書かれると、政治と官僚に翻弄されているJAXAの中の人たちがちょっとかわいそうですが。

      いずれにせよ、今後の『朱雀』が順調に観測成果を上げることを願っています。
      親コメント
      • by pinch (22469) on 2005年07月11日 22時59分 (#765586)
        この強烈さをもって、官僚の方々も気付いてくれれば…。
        たぶん、無理なんだろうな。
        とにかく、次は「はやぶさ」の「イトカワ」到着だ!
        親コメント
        • by Anonymous Coward
          >とにかく、次は「はやぶさ」の「イトカワ」到着だ!
          いや、スペースシャトル ディスカバリーの打ち上げサポートだ!と思っていたが、延期 [cnn.com]になってしまったようですね。
      • by Jubilee (20038) on 2005年07月12日 0時53分 (#765625)

        > ここまで厳しく書かれると、政治と官僚に翻弄されているJAXAの中の人たちがちょっとかわいそうですが。

        JAXAの若手は本当にかわいそう。でも、あの手の組織は有能な人から順に抜けていって、意志決定に関わるような「幹部」には引き取り手のないほど無能な人しか残らないという話もあるからなぁ。

        科学のISASと技術のNASDAとは、素人目には似たようなことをやっていてもその本質にものすごい違いがある。でも今の日本に「科学」が分かっている人がどれくらいいるのだろう。総合科学技術会議も見える限り全体としては産業振興につながるテクノロジーだけにしか興味のない組織だし。

        どっかのバカが「『朱雀』の観測成果がどんな経済効果を生むのか」なんてことを言い出さないことを祈ります。

        --
        Jubilee
        親コメント
      • by Anonymous Coward
        > ここまで厳しく書かれると、政治と官僚に翻弄されているJAXAの中の人たちがちょっとかわいそうですが。

        というか、その記事はおバカな役所と宇宙開発委員会を糾弾しているのであって、JAXAの中の人に対してはむしろ擁護しているように読めましたが。
      • by Anonymous Coward
        JAXAの主業務はIGS打上なのですから,気にしなくてもよいでしょう. あまり過大な期待は抱かないことです.
    • by Anonymous Coward
      まあ、旧NASDAが金握ってますからね。
      旧ISAS、NALは何かと疎外され気味です。
      仕方がないことではありますが。
    • by Anonymous Coward
      うわー、本当にありそうでいやな話だなあ。

      と思ったら、松浦晋也氏の記事だったか。日経だし、納得。
      上がアホだとやっとれん、てとこですかね、現場の方々。
    • by Anonymous Coward
      興味深く読みました。しかし、もっとも肝心な結論に至る箇所で、根拠を挙げずに「ここから先は推測になる」「…ではなかったろうか」と書いてしまうところに、不満を感じました。これは、松浦さんの近著「 スペースシャトルの落日 [amazon.co.jp]」を読んだ際にも感じたことです。もう少し、取材を進め・深めて、このあたりの真相(深層)に迫っていただけると、もっとよい記事や図書になるのではないかと思われるのですが。ただ、この「スペースシャトルの落日」は面白い本ですし、また、「宇宙作家クラブ ニュース掲示板 [sacj.org]
      • by Anonymous Coward
        > しかし、もっとも肝心な結論に至る箇所で、根拠を挙げずに
        > 「ここから先は推測になる」「…ではなかったろうか」と
        > 書いてしまうところに、不満を感じました。

        国内ネタ限定だが、松浦氏の場合は旧3機関のほぼ全領域に
    • by Anonymous Coward
      金と時間をかければそりゃ成功率は上がるだろうけど、 100%にするには無限の金と時間が要るんですよね。
      「絶対成功させろ」という考え自体が間違ってるんですけど、未だお偉方は気付いてくれな
      • by chiba-f (6867) on 2005年07月12日 4時38分 (#765658)
        常に100点満点を求めるひとは「なにをやっているか」とか「それをすることの意義」とかを理解していなかったりして.
        親コメント
      • Re:まずはよかった (スコア:1, すばらしい洞察)

        by Anonymous Coward on 2005年07月12日 20時36分 (#766031)
        「絶対成功させろ」という考え自体が間違ってるんですけど、未だお偉方は気付いてくれないようですね。却って税金の無駄遣いですよ。
        まずはお偉いさんじゃなくてマスコミに理解してほしいと思う今日この頃。
        親コメント
      • by Anonymous Coward
        でも100%を目指して、ようやく90%程度の成功を得られるというのも現実なんだよね。残念だけど、日本の打ち上げ成功率はやや低いし。
        • ちょっと数値思い出せないので、本当に低いかどうかは何とも言えないけど
          ロクに打ち上げテストも、本数打ち上げてバグ出しもさせられて無いわけで。
          そんな状況なら何だって成功率低いですがな。
          親コメント
        • by Anonymous Coward on 2005年07月12日 9時33分 (#765711)
          実際のところ、成功率として求めるのが99%か99.9%か、など100%じゃないけどどこまで近づけるかで費用対効果が関連してくるのではないかな。とりあえず中期的には90%~95%程度ならじたばたせずに予定通り計画を進めるべきだと思う。アリアンやデルタもモデルチェンジ初期の失敗後はしばらく間が空くけど、日本みたいに停滞はしないよね。

          ひとつには、彼らは複数世代をオーバーラップしていることもあるかな。アリアン5が安定するまではアリアン4が使われたし、デルタ2はいまだに現役で打ち上げている。まあ、NASDA/JAXAの場合、H-IIが5号機・7号機と失敗して、8号機はお蔵入り・H-IIAに移行ということにせざるを得なかったというような事情もあるので、旧世代に頼ることができなかったということだろうけれど。あ、射場も1個しか(当時は)なかったね。
          親コメント
      • by Anonymous Coward
        「100発100中の砲1門は100発1中の砲100門に勝る」なんていう大日本帝国のオバカな思想が今でも残ってるんじゃないの?
    • 結局は内部の問題なんだよなぁ。
      お役所の無駄な予算問題と同じで。
      外部から見たらその組織全体の問題である事には変わらないのだけど、その中で共感を持ち易いものとそうでないものを分けて、共感を持たないものを糾弾する事により、何故か全体を擁護する。
      いや、現場の人間を擁護するのは良いよ。
      とりあえずこの話が事実だとすると上が馬鹿だ
      • > 結果責任はJAXAと言う組織全てのもの

        それじゃ今までとおなじ、トカゲのしっぽ切り。
        そこまでいうなら無責任な人達の天下りをやめて、外圧からはしっかり守って、官僚機構の押しつけはやめて、気象衛星の予備ぐらいは許可しておくべきだったのでは?

        相手に何かを期待するなら、こちらにも相応の義務が発生しますよ。
        • そういうのも含めて全て「内部の問題」だろ?

          相手に何かを期待するなら、こちらにも相応の義務が発生しますよ。

          そう。予算を期待している(てぇか実際に使っている)くせに全然義務を果たして無い。
          全ての公共団体は国民に対して公正明大な内部個機構を維持する義務があるにも関わらずだ。
          そこの所をしっかりしていないと他の

          • > 国民は税金を滞納していなければ、既に義務はしっかり果たしている

            いや、今やそれだけでは不足ではないですか。「他の役所の無駄遣い」と同様、良い面を活かして悪い点を減らすように行動せんといかんでしょう。

            ついでに言っておくと、その予算もスーパー301条の件や国際宇宙ステーションを通じて結局はア
            • 元コメント(#765783)は,一つの意見として,まともで現実的では?
              その意見が及ぶ限界(組織論の範疇のみ)を分かって書かれていると思いますし.
              老害を外に見せない,ってのは基本でしょう.
              いいとこだけ見せて,隙は見せない,損はしない.

              確かに理想としては,なんかもっと脱構築とかすべきなのかも知れませんが,
              現状で組織の外(宇宙開発に興味のない日本人社会)を直接相手にしたら,
              もっとひどい結果になると思われ.
              そのリスクこそが,宇宙開発が綺麗に進まない問題の本質ではないかと.
              親コメント
              • > 老害を外に見せない,ってのは基本でしょう.

                本人達は隠してるつもりでも、十分目につくんですけど(^^;

                というのは置いといて、支持も批判も焦点を絞ってやんないと、現場にいらぬ負担がかかるでしょうね。

                >現状で組織の外(宇宙開発に興味のない日本人社会)を直接相手にしたら,
                > もっとひどい結果になると思われ.
                > そのリスクこそが,宇宙開発が綺麗に進まない問題の本質ではないかと.

                確かに、現状ではまだリスキーですね (^_^;
                とは言え「どうせ説明してもわからんだろーから、税金無駄になるけど適当にゴマかしとけ」というのも随分バカにした話です。広報せずに密室でコソコソしてることにこそ怒らないと、また人々が見当違いの所に怒りを向けることになると思います。
                親コメント
            • >いや、今やそれだけでは不足ではないですか。「他の役所の無駄遣い」と同様、
              >良い面を活かして悪い点を減らすように行動せんといかんでしょう。
              単純に認識の違いでは?
              あなたの意見だと要は「既に自己浄化不能で責任負担能力無し」って判断で、元レスだと「一応最低タテマエ程度は責任負担能力も自己浄化もあるかも」って差
              • >単純に認識の違いでは?

                いいえ。JAXAの責任範囲外の要因について言及しておられないので、そこが気になって書きました。
                ・国際関係に絡んだ圧力
                ・官僚制度(とそれに伴う慣習)そのものの弊害
                ・周囲の無理解
                などの要因は特にマスコミや国民が目を配るべき点だと思いますし、そこまで考慮に入れて改善策を考えないと、結局は現場の方々の負担を増やすだけに終わるのではないですか。
                JAXA自体の広報・努力も必要なのは、言うまでもありませんね。でも一方で、「お上」に任せっきりの日本の(古い)習慣も、問題の一翼を担っていると思います。会社の株主同様、納税者
        • >気象衛星の予備

          それは国交省の問題であってJAXAの問題ではありません。
  • by Anonymous Coward on 2005年07月12日 13時09分 (#765828)
    衛星そのものと観測対象に関しては特に語るべき事も無いんでしょうかね...?
    • X線マイクロカロリメーターというのは、恐ろしいハイテク装置です。X線光子の一つ一つを熱に変えて、絶対温度0.06Kの温度計の読みから光子一個ずつのエネルギーを測ります。衛星に搭載されるのは世界初、地上でもほとんどまだ使われていません。ある程度エネルギーが高い(波長の短い)X線になると、この方法が、電磁波の波の性質を用いた分光器である回折格子より高い波長分解能をもちます。
      世界中のX線天文学者の垂涎の的ですね。

       特定の輝線の波長を高精度で測ればドップラー効果の大きさから光源の速度がわかります。ブラックホールの周辺のガスや、銀河団の運動が今までにない精度でわかるわけですね。これでブラックホールに吸い込まれる直前の物質の様子、ブラックホールのまわりの時空間の構造、銀河団にある暗黒物質の質量や分布などが測れるなどなど。

      極めて高性能でユニークな装置で、期待が高かったので、一号機の打ち上げ失敗のあと、復活、再挑戦が認められる大きな理由になったらしいです。

      くわしくは、「すざく」のページ [isas.jaxa.jp]を見ましょう
      親コメント
    • by ginga (20279) on 2005年07月13日 21時52分 (#766622)
      んじゃ HXD-II の話.

      詳しくはこちら [u-tokyo.ac.jp]を 見てもらえればいいと思いますが,波長域 [isas.jaxa.jp]が違ってます(高エネルギー寄り). この領域の観測器は,数も少なく,ASTRO-E2 の "広帯域" 観測という特性に貢献しています.

      で,こいつは,もろい結晶(シンチレータ)の塊というかガラス細工みたいなもので, 打ち上げ時の振動に耐えられるか,とかでエライ苦労が(HXD-1の時代しか知らないですが).

      その他,こちら [isas.ac.jp]も参考になるかな.
      親コメント
    • 「ぎんが」と「あすか」でしゃぶりつくすノウハウは十分蓄積したから、しばらく休憩。
  • by Anonymous Coward on 2005年07月12日 23時29分 (#766131)
    ISASのプレスリリース [www.jaxa.jp]によると、すざくは予定を変更して、先にスピンダウン、太陽電池パドル展開、3軸姿勢制御モード確立、X線望遠鏡伸展を行っています。太陽電池は十分な電力を発生しているし、X線望遠鏡の伸展も正常に行われたとのこと。
    今後2週間程度をかけて、近地点を約560kmまであげる予定だそうです。
typodupeerror

吾輩はリファレンスである。名前はまだ無い -- perlの中の人

読み込み中...