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12006 story

小惑星探査機「はやぶさ」との通信が回復 158

ストーリー by yosuke
シビアな状況ではあるが… 部門より

KAMUI曰く、"昨年12月の姿勢喪失で地球との通信が途絶していた小惑星探査機「はやぶさ」だが,3月6日に取得されたテレメトリデータから現在の位置や姿勢,機器の現状,および軌道推定が出来たとして地球への帰還に向けた運用を再開した事を宇宙航空研究開発機構(JAXA)が発表している。(JAXA のプレスリリース松浦晋也のL/D「本日午後7時からの記者会見)
通信途絶から 1ヵ月半後の 1月23日にはやぶさからのビーコンを再受信,26日以降には自律診断機能への質問に対する解答が返るようになり現状が明らかになって来たとの事だが,姿勢を失った際に太陽電池発生電力が極端に低下して一旦は電源が完全に落ちた事が推定されるなど,その内容はまさしく満身創痍だ。

  • 3軸姿勢制御スタートラッカ 動作未確認
  • 姿勢軌道制御コンピュータ 動作未確認
  • イオンエンジン 動作未確認
  • リチウムイオンバッテリ 過放電状態
    • バッテリ中の一部のセル 準短絡 (使用不能)
  • 化学エンジン 燃料・酸化剤とも漏洩により喪失
2月6日からイオンエンジン用のキセノンガスを用いて太陽方向への姿勢変更を行ない,3月4日時点で回復した通信速度は 32bps。3月6日時点でのはやぶさは小惑星イトカワから約 13,000km,相対速度 3m/秒で飛行を続けており,太陽から約 1億9,000万km,地球から約 3億3,000万km の距離にある。JAXA では今後数ヵ月を掛けてはやぶさへのベーキング(加温)と回収カプセルへの資料容器の移送,イオンエンジンの再起動を実施し,今年後半から来年始めにかけてイオンエンジンの本格稼働を行って,2010年6月の帰還を目指している。"
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  • 各紙の反応 (スコア:5, 参考になる)

    by minek (14559) on 2006年03月07日 23時57分 (#896527) 日記
     なかなか日本人好みな展開になってまいりましたが、まあ、あたしもそんな日本人なので、各紙の反応などをひとつ。

    朝日新聞 「はやぶさ」の通信が復旧 燃料漏れは予想以上 [asahi.com]
    産経新聞 "探査機「はやぶさ」との交信回復 地球帰還は苦難の道 [sankei.co.jp]
    中国新聞 はやぶさとの交信回復 帰還は依然、苦難の道 [chugoku-np.co.jp]
    毎日新聞 小惑星探査機:「はやぶさ」と交信復旧 地球帰還の準備へ [mainichi-msn.co.jp]
    読売新聞 小惑星探査機「はやぶさ」帰還に望み、3か月ぶり交信 [yomiuri.co.jp]
    • Re:各紙の反応 (スコア:4, すばらしい洞察)

      by e2718 (23583) on 2006年03月08日 0時21分 (#896541) 日記
      毎度のことですが、このミッションが計画段階から、いかに困難とチャレンジ精神のこもったミッションかを、伝える人は居ないのでしょうか?

      単純に、3億キロ先にラジコン飛行機を飛ばすことと、比較・想像すれば、ハヤブサがどれだけの技術と情熱がつぎ込まれているか分かると思うのですが、、、

      3億キロですぜ!
      俺には、通信が出来てるだけでも人間業とは思えません
      親コメント
      • Re:各紙の反応 (スコア:5, すばらしい洞察)

        by Ying (4319) on 2006年03月08日 6時51分 (#896661)
        困難とチャレンジ精神がこもっているからどうだというんですか?

        日本で宇宙開発関連のニュースが冷遇されるのは、なぜ宇宙開発に多量のリソースをつぎ込むのか、という問いに夢やロマンというレベルでしか答えられる人間がいないからだと思いますが。

        親コメント
        • Re:各紙の反応 (スコア:3, 参考になる)

          by moudamepo (23065) on 2006年03月08日 8時54分 (#896705) 日記
          多量のリソースといっても金銭的には高速道路を数十キロメートル建造するのと同じ程度のお金なんですけどね。
          #高速道路は一キロ建造するのに10〜20億円かかるといわれています
          親コメント
        • by ex (1307) on 2006年03月08日 10時50分 (#896768) ホームページ 日記
          えーっと、遠くない未来において近傍空間を含めた「宇宙という空間」がますます重要度を増してくるだろう、と言うのは理解してもらえると思うんですが。

          何故多量のリソースをつぎ込むのか、それは要するに、次世代の競争で日本が日本として生き残るための一つの手段でしかない。たとえば、宇宙開発の現場ってのは、手土産一つもないとまともに国家間の宇宙開発のクラブのメンバーにも入れてもらえないわけです。

          もちろん、宇宙開発だけが「次」ではないですが、とにかく基礎技術の開発・保有には金がかかる。かといって、戦後日本が成し遂げてきたような形での、他者のリソースを利用した技術の発展、それによる経済の成長、というのはもう見込めない。まがりなりにも日本は先進国になってしまったわけですから、この国が先進国のままで居るためには、とにかくトップグループから置いてかれないように走り続けなきゃいけないわけです。

          その為に今回の「はやぶさ」を初め、宇宙研が成し遂げている事は、つぎ込んだリソースに対して得られている実績がはるかに巨大であると評価してもいい。ぶっちゃけ、「金を無駄にしたくないなら、彼らにもっと金をくれてやれ」といいたい。私は、旧NASDAにしろ、宇宙研にしろ、彼らは貧弱なリソースしか与えられない中で100%どころかその何十倍もの結果を出してきたと思っています。でもそんな事続けてたら何れ焼ききれますから。
          親コメント
        • by ajishio_taro (19329) on 2006年03月08日 13時16分 (#896924)
          電磁誘導の発見をはじめ科学に対し多大な貢献をした科学者ファラデーが行った公演のうち、
          ある聴衆の一人が電磁誘導の実験装置を指して、
          「そんなおもちゃがいったい何の役にたつのか」
          と嘲笑した時、それに対してファラデーは
          「生まれたばかりの赤ん坊が何の役にたつのでしょうか?」
          と切り替えしたという有名な逸話があります。

          「はやぶさ」もまだよちよち歩きの赤ん坊で、必死にがんばっていると考えることはできませんかね?
          #成人するころにはわれわれはすでに天寿をまっとうしているかもしれませんが。
          親コメント
        •  そもそも宇宙探査は金銭的には絶対に赤字になるわけです(直接利益がないんですから)。しかし、科学的成果以外に子ども達(大人にも)に科学技術に関する興味を持たせるという面での経済効果があるのではないでしょうか?

           私の小学生時代にはちょうどハレー彗星の接近があり、学研なんかの図鑑「宇宙」に載っているすいせい [isas.jaxa.jp]のページ等にワクワクしたものです。
           コマの中に突入 [esa.int]し精細な画像 [esa.int]を撮影したECのジオット [wikipedia.org]等に比べるととても地味でしたが、それらに混じって日本の探査機が活躍していることが嬉しかったです。
           自国で宇宙探査機を送れる国は限られていますから、これは実は結構幸せなことだと思います。

           アメリカのNASA [nasa.gov]には例を挙げようにもきりがないくらい輝かしい成果(とその影の試行錯誤)が多数あり、それは間違いなくアメリカ国内で科学や技術を志す人々に影響を与えているでしょう。

           日本が科学技術で食っているのですから、科学・技術への興味関心を喚起するという面での宇宙探査の経済効果は、それなりに割に合ってるかもしれません。

          #そもそも低予算ですし…。
          #文教および科学振興費年間約6兆円で、JAXAの予算は約2000億円で、そのうちISAS分は約300億円。ハリウッドの大作映画数本分?
          #これまでは広報があまり活発でなく(予算が無くて人がいないからですが…)いまいち一般に露出しないのは問題でしょうね。
          親コメント
      • Re:各紙の反応 (スコア:2, すばらしい洞察)

        by Kazsa (25846) on 2006年03月08日 10時58分 (#896778) 日記
        いつも思うことですが、日本人って失敗に対する評価が著しく低いんですよね。失敗の価値を見ないというか、散々けなした挙句なかったことにするとか。
        そういう考え方を変えていかないと、日本からチャレンジャーはなかなか生まれてこないのかなと思ったりしますね。
        親コメント
        • Re:各紙の反応 (スコア:3, おもしろおかしい)

          by aruto250 (21874) on 2006年03月08日 13時52分 (#896943) 日記
          しかしながら、失敗を極端に恐れるという強迫症っぽい傾向こそが、日本特有の「奥ゆかしさ」とか「堅実さ」さらには「余分を削ぎ落とした美」のような、他国に誇れる文化を生んできた面もあるわけで、思わぬ美点と表裏一体だったりするので注意が必要かも。

          国民性を生かした仕事をして、評価は世界基準な視点から、というのが理想なんだけどなー。
          そう考えると国境とか政治的イデオロギーって邪魔だなとふと思った。
          親コメント
  • 約3ヶ月ぶりに届いた「はやぶさ」からの生存メッセージ
    しかし、喜びもつかの間。酸化剤・燃料共に残量はゼロ。
    帰還にイオンエンジンを使うのはいいとして、
    姿勢制御の方はどうするのだろうか?

    イオンエンジンのキセノンガス噴射という奥の手を
    考えているようですが、エンジンが健在かどうか・・・。
    バックアップしてくれそうな健在なリアクションホイール
    は1基だけ。バッテリーも破損しチャージすら出来ない。
    3億㎞彼方の星の海原で映画Uボート並みというか、
    それをも凌ぐ状況。

    主人公に次々と強力な敵をぶつけて成長させるストーリーを
    旨としたかつての少年ジャンプ掲載作品を彷彿とさせます。

    しかも、太陽はそろそろ極大期に転じつつあるようで、
    満身創痍の長期に渡る航行中での悪影響が気になりますね。
    似たような状況でとどめを刺された火星探査機「のぞみ」の
    悪夢がよぎります。
    これがアクション・冒険活劇なら「はやぶさ」の旅は見る者
    の心を大いに盛り上げるシナリオですが、ISASの中の人は
    修羅地獄だろうな・・。

    しかし、これがジャンプ掲載作品だと劇的な勝利と成功と
    成長が待っています。当然私はそんなエンディングで
    「はやぶさ」物語を締めくくりたいと願っています。

    星の海原に挑むISASに太陽系の神々の加護があらん事を。

    P・S 「はやぶさ」ポスターが頒布されました。
    http://www.planetary.or.jp/goods/hayabusa.htm
  • 松浦氏のblog
    http://smatsu.air-nifty.com/lbyd/2006/03/7_8c16.html [air-nifty.com]
    より:
    ---
     会見終了後のコメントから。

     コーニング運動は1月の通信回復時点で、止まっていたと推定される。
     
    毎日新聞「12月に『重病人が手紙を出すためにポストに行くようなもの』と言っていましたが、ポストにいけるようになりましたか」

    川口「より重症になっているが、杖のつきかたはうまくなっているのかも知れませんね。」
    --
    この非公式のやりとりが、現状を良く表しているのでは無いかと思います。
    機械的には予想以上に悪い状況だったけど、自己診断コンピュータの指令への反応や通信状況は予想よりは良い。と言うことだと受け取れる訳ですが。

    この状況で実際なにを出来るかというと、
    ・自己診断装置などからの情報から少しでも詳細な状況を把握する
    ・回復の為の第一歩であるコーニング(ヒータ入れ)で回復を試みる
    ・可能ならばキセノン噴射で姿勢を戻してイオンエンジンを再起動する

    と言う筋書きになるようですが、バッテリが故障して爆発しかねない上に、化学スラスタの「燃料」が凍って「はやぶさ」の内部にこびりついているため、コーニングの段階で予想外の事…化学材や電池の爆発など…が起きるリスクをしょっているようです。

    それでも、それだけの危険要素があり、地球への帰還可能性が非常に低い現状であっても、「はやぶさ」を放棄しないことに意味を見出しているのは流石だと思いました。
    このダメージコントロールと地球への帰還作業で得られることは地球へはやぶさが帰還するという事よりも重いのでは無いかと思います。

    「はやぶさ」はある意味不運を現場の知恵でここまで持ってきたと言う要素が大きいし、今後の作業とその結果がどうなろうと次のプロジェクトに繋げるための重要な蓄積をたくさんしているというのが現在なのでは無いか。と思うのです。

    構造設計から部品選定・自律制御まで、機体自身のダメージコントロールをより考慮する設計と運用をするための重要な「勉強」の機会が今訪れていると考えた方がいいと思います。

    シビアないい方かもしれませんが、ここまでやってのけたのだから、今は現場の方々には地球への帰還準備という目標の中で試行錯誤しながら得られるだけの物を得る事に注力して貰い、
    その結果がどうなろうと現場で苦闘してきている方々の労苦を後世に対して正当に評価し、労う気構えと雰囲気づくりが我々がすべき最重要の課題なのでは無いかと思うのですが。
  • 絶対に部門名は「便りがないのは良い知らせ 部門より」だと思っていたのに:)
    > シビアな状況ではあるが…部門より.
    つまらん:)
    --
    みんつ
  • お前の帰還を待ちわびる (スコア:4, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2006年03月08日 1時33分 (#896602)
    はやぶさ、帰って来い… [yu-net.info]

    お前も銀河の 雪景色の中で
    丁度 あの案山子のように
    寂しいおもい してはいないか
    体をこわしてはいないか

    採取が無理なら データでもいい
    「ダメだった…」の 一言でもいい
    お前の帰還を待ちわびる
    みんなに聴かせてやってくれ

    元気でいるか 宇宙(そら)には慣れたか
    再起動できたか
    寂しかないか 燃料あるか
    今度 いつ帰る

    寂しかないか 燃料あるか
    今度いつ帰る
    • by ryuton (2613) on 2006年03月08日 12時55分 (#896899) ホームページ
      親コメントのフラッシュ。
      歳と共に涙腺が弱くなったとご自覚のある方は、お気をつけください。
      一人でハンカチをご用意してご覧になることをお勧めします。

      # 私はぼろ泣きしました。
      # 一人の時でよかったよ。
      # 泣きぬれた中年男だけどIDで
      親コメント
  • by ultra_hawk_1 (13626) on 2006年03月07日 23時45分 (#896511) 日記


    川口 最悪の場合はイオンエンジン用キセノンを噴射して姿勢制御を行うことを考えている。キセノン残量は42〜44kg。計算上はキセノンによって姿勢制御をしつつ帰還することは可能な量が残っている。あくまでも計算上ではあるが。そもそもイオンエンジンが稼働するかどうかも未確認である。


    満身創痍ながらまだ帰還の望みはあるみたいですね。



    毎日新聞 着陸前後の状況のデータは取得できているか。

    川口 昨日、本日の段階でデータレコーダーに記録は見つかっていない。一度完全に電源が落ちているので消えた模様。ただし今後精査すれば取り出せる可能性が残っているかも知れない。


    とっても残念です……。
  • Distance from Earth (スコア:2, 参考になる)

    by KENN (3839) on 2006年03月07日 23時42分 (#896508) 日記
    今日のはやぶさ [isas.jaxa.jp]も更新されてますね〜
  • by shiba (273) on 2006年03月07日 23時36分 (#896501) ホームページ
    >自律診断機能への質問に対する解答が返るように~

    解答を採点して,イトカワ星人の代返か本人(?)かを判断するんですね.
  • by KAMUI (3084) on 2006年03月07日 23時49分 (#896515) 日記
    私,KAMUIのユーザーページ [srad.jp]にある「KAMUIの最近のタレコミ」では・・・
    小惑星探査機「はやぶさ」との通信が回復。 Tuesday March 07, @10:50PM 却下
    になってるんですけどコレは一体?
    いや,一旦「採用」になってたのを見て,暫くしたら「却下」になってて
    その後サイエンスセクションをリロードしたら記事になってたと言う謎(^_^;
  • この際、はやぶさ救援機「はやぶさ二号」でも打ち上げ
    るってのはいかがでしょうか?無事サルベージできれば
    将来、有人探査機の救援機として応用できそうだし。
  • by Jango (29897) on 2006年03月08日 1時04分 (#896587)

    ISDN並みじゃん、と思ってしまった

    #コ・チ・ラ・ハ・ヤ・ブ・サ
    #イ・ト・カ・ワ・セ・イ・ジ・ン・ト・セ・ッ・シ・ョ・ク
    #で10秒?
  • by Anonymous Coward on 2006年03月08日 1時24分 (#896596)
    なんかボロボロのコアファイターでア・バオア・クーから出てくるみたいですね。
typodupeerror

未知のハックに一心不乱に取り組んだ結果、私は自然の法則を変えてしまった -- あるハッカー

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