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13193 story

3次元太陽観測計画 38

ストーリー by mhatta
ステレオですかい 部門より

sillywalk曰く、"NASA8月17日付ニュースにより、2基の人工惑星を使って太陽を3次元観測するSolar Terrestrial Relations Observatory(STEREO)計画を明らかにしました(関連記事)。コロナなど太陽の爆発現象を観測することにより、それが内惑星に与える影響の調査や宇宙天気予報の精度向上を目指すとしています。

ほぼ同一の装備を持つ二基の人工惑星は8月31日にDelta IIロケットで打ち上げられ、月を使ったスイングバイにより地球を挟んでそれぞれ異なる位置の太陽周回軌道へ投入。搭載された太陽風粒子観測機など16種類の装置で観測を行います。ミッションは2年間かけて実施され、人工衛星、有人宇宙船などの安全に欠かせない宇宙天気予報への道が開けるといいます。"

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2006年08月20日 13時09分 (#1000644)
    爆発的な太陽フレアで電子機器をやられた火星探査機
    「のぞみ」は再起不能のダメージを被った事はその筋では
    よく知られていますし、最近でも「ひまわり6号」が一時的に
    機能停止しました。太陽フレアが予想できても、無人の宇宙機
    では、現場で対処のしようがないので、地上の運用側で対処
    するしかないと思うのですが、どうするのでしょうかねぇ。

    おそらく、ダメージを受けにくいような向きに衛星の姿勢を
    変えるとか、必要最低限の機能以外は事前に切って、ダメージ
    を最小限に抑えるべく嵐をやり過ごす事ぐらいでしょうか。

    瀕死の状態にもかかわらず、来年二月の地球帰還に向けて
    イオンエンジン起動試験が無事終了した後、テレメトリー以外
    の送信を止め、観測機器の電源を落としてスリープ状態の
    小惑星探査機「はやぶさ」の航海に役立つデータが得られれば
    地球帰還の可能性が少しは上がってくれるかもしれません。

    今年から来年に掛けて太陽の極大期に差し掛かるので、
    その時地球への帰還の旅が始まる「はやぶさ」が「のぞみ」の
    二の舞になる悲劇を防げるよう願っております。
    • ちょい待ち!! (スコア:5, 参考になる)

      by Takahiro_Chou (21972) on 2006年08月20日 17時56分 (#1000861) 日記
      宇宙機に搭載されている電子機器が太陽フレア等で、オシャカになるのを防ごう、と言う考え自体を否定する訳では有りませんが………

      > 爆発的な太陽フレアで電子機器をやられた火星探査機
      > 「のぞみ」は再起不能のダメージを被った事はその筋では
      > よく知られていますし、
      当初はこの可能性が大とされた。
      故障発生直前の4月21日に、太陽で大規模な磁気嵐が発生し、翌22日に「のぞみ」は太陽からの強い放射線を浴びていたからである。
      (中略)
      しかし最終的に、「22日に浴びた放射線で25日に故障が発生するメカニズムが不明」と、この可能性は否定された。
      松浦晋也 著「恐るべき旅路・火星探査機『のぞみ』のたどった12年」第7章より

      以上。
      親コメント
      • 私は状況からすると、やはり可能性があるのは太陽フレアだと
        思っています。直接の原因ではないにしろ、瀕死状態の
        「のぞみ」にとっては致命的トラブルへのトリガーになった
        可能性は十分かと。

        しかし、あえて太陽フレアという避け得ぬ天災を言い訳に
        する最も楽な逃げを打たずに純粋に技術的問題を追及しようと
        する宇宙研の姿勢に胸が熱くなります。

        「はやぶさ」にそんな熱い男達の想いが通じて無事に地球帰還
        が成った時、「のぞみ」の無念と屈辱も晴らされるのですが・・。
        • >「はやぶさ」にそんな熱い男達の想いが通じて無事に地球帰還
          >が成った時、「のぞみ」の無念と屈辱も晴らされるのですが・・。

          なんで「男達」と性別で制限するのか理解に苦しむ。まあ、確かに男女比は偏っていそうだが。
          親コメント
        • 否定したのは「冷静」かつ「論理的」に判断した結果だとおもいますがね。
          # ACさんは、プロジェクトほにゃららとかが好きなタイプですかねぇ。

          想いや無念や屈辱なんかでロケットはとびませんぜ。
          • 私も冷静に、そして技術者として理論的に分析した
            結果だと思いますが、ISASのロケットやのぞみや
            はやぶさにまつわるエピソードは、理論以外の何かを
            も使って飛んでいるのでは無いかと思うぐらいです。

            運用者に過大な負担を強いる事で初めてミッションが
            成立するような体勢は何とかしてもらいたいです。
            冷徹な理論が支配する宇宙空間に挑むのに
            精神主義に頼らずにすむよう潤沢な予算と人員が
            ほしいです。
            • >ISASのロケットは何か違うものを推進剤にしている

              このタイトルはネタとはいえ、イオンエンジンの燃料をそのまま吹かすなんて…。
              #そのための過剰なイオンエンジン燃料だったのかと…。もしかしたらそこまで考えていたのかと…。驚愕しました。

              >はやぶさにまつわるエピソードは、理論以外の何かを
              >も使って飛んでいるのでは無いかと思うぐらいです。

              ですね。

              たとえば、往復約30分のずれを考慮しつつ高精度遠隔マニュアル操作なんて、すごすぎます。
              #その間はやぶさ運用班はかなり眠れない日々を送っていたようで、マジかい!と思った。

              #まあ、衛星の設計上何か起こったら、セーフモードになる。制御を失っても、機体そのものの特性で自然と太陽の方向に向くとかは、最初から考慮されていたようですしね。
              --
              masamic
              親コメント
    • 宇宙嵐の天気予報って、日本じゃ研究はあまり盛んではなかった(なくなった)ような。
      これに関心があるのはやっぱり軍事衛星などを抱えるアメリカ・ロシアなどでしょうねぇ。

      #宇宙天気予報と聞いて・・・

      金星は暑いでしょう、また突風に注意してください。火星は穏やかに晴れるでしょう。気温は低めなので羽織る物が必要になります。木星は台風の影響により強風が吹くのでレジャーにおでかけの際は突風に気をつけてください。

      というネタが思いつく。

      --
      RはRevolution・Return・Rememberの意味です
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2006年08月20日 15時40分 (#1000757)
        宇宙天気ニュース [nict.go.jp]なんてありますな。

        たいへん激しい磁気圏の乱れが発生しています。
        昨夜、19日20時(世界時19日11時)頃から、太陽風の磁場が20nTに強まりました。
        速度の変化は小幅で、450~470km/秒くらいに上がった程度です。
        19日21時(世界時19日12時)頃からは、南北成分が-10nTの強い南向きになり、
        その後、12時間にわたって安定してその状態が続きました。
        太陽風の磁場強度は一段下がって5nTに戻っています。
        速度は通常レベルの400km/秒ですので、
        このままであれば、この後は磁気圏の乱れは穏やかになっていくでしょう。

        などと、だいぶいい感じの未来予想図ですなw
        親コメント
  • あと1ヶ月 (スコア:5, 参考になる)

    by SteppingWind (2654) on 2006年08月20日 15時21分 (#1000739)

    太陽観測と言えば, 忘れちゃいけないSOLAR-B [isas.ac.jp]. 打ち上げ予定は9月23日 [isas.ac.jp]なので, あと1ヶ月少々ってとこです.

    • by Anonymous Coward on 2006年08月20日 18時19分 (#1000874)
      この打ち上げを最後に黎明期のペンシルロケット以来
      脈々と続いた日本独自の固体燃料ロケットの系譜が
      途絶える事になるんですよね・・・。
      あとは、2010年H2Aにて打ち上げ予定の金星探査機PLANET-C
      http://www.stp.isas.jaxa.jp/venus/ [isas.jaxa.jp]
      まで日本独自の科学衛星打ち上げはなくなってしまいます。
      2010年以降、M-Vの後釜になる小型固体燃料ロケットや
      ミドルクラスのGXロケットを立ち上げる事が出来なかったら
      宇宙科学はどうなってしまうのでしょうかねぇ。

      先日のロケット祭りで関係者から日本の宇宙開発の黎明期の話
      や資料を見聞きした後、M-V廃止に伴い、今回の打ち上げが
      最後という事を思い出すと寂しくなりますね・・・・。
      http://srad.jp/science/06/08/18/0419254.shtml [srad.jp]
      親コメント
      • >日本独自の固体燃料ロケットの系譜が
        >途絶える事になるんですよね・・・。

        観測用小型ロケットシリーズS-310およびκシリーズの系統を受け継ぐS-520/SS-520(2段式)を忘れてもらっちゃ困ります。

        SS-520にいたっては、140kgのペイロードを高度1000kmの軌道まで打ち上げる能力があります。SS-520に3段目を追加すれば、ミニ衛星も打ち上げ可能のようです。

        観測ロケットシリーズ [isas.ac.jp]

        とはいうものの、世界最大の大型全段固体燃料ロケットいう点では最後になってしまいそうなのは大変残念です。

        とりあえずM-V-7は、なんとしてでも映像に収めるべく、現在鋭意準備中です。

        #でも一般観覧席からなのでID
        --
        masamic
        親コメント
      • これだけ信頼性と実績のあるロケットを廃止してしまうなんて、廃止を決めた人達は気前がいいですね。
        っていうか、私には信じられない。

        #逆にM-VをH2の補助ロケットに……(本末転倒
        親コメント
        • ISASファンから惜しまれつつ退役する固体燃料
          ロケットの雄M-Vと入れ替わるかのようにESAで
          M-Vとほぼ同じコンセプトの同クラスの固体燃料
          ロケットが今年か来年に掛けて打ち上げ予定ですね。
          向こうはおそらく全段固体燃料ロケットという訳では
          無さそうですが、M-Vに近い能力と特徴を持ち、
          使用目的も科学衛星打ち上げ。

          そんなベガが成功して、ESAのミッションに活躍する
          ようになり、こちらは後釜のロケットすら打ち
          上げられない皮肉な状況にでもなったら、M-V廃止は
          何だったのかと問われるようになりますね。

          ミッション未定の2010年以降どうなる事やら・・・。
      • >あとは、2010年H2Aにて打ち上げ予定の金星探査機PLANET-C
        >まで日本独自の科学衛星打ち上げはなくなってしまいます。

        SELENE は?
        http://www.isas.ac.jp/j/enterp/missions/selene/index.shtml
  • やっぱり太陽 (スコア:2, 参考になる)

    by bikeman (14466) on 2006年08月21日 12時35分 (#1001396)
    温暖化の原因は温暖化ガスと言われていますが、最近、太陽の出力が増加したためという研究も出てきました。太陽の観測にはもっとコストをかけるべきだと思います。2個の衛星を使って、裏と表を同時に観測できるのには期待できますね。
    • Re:やっぱり太陽 (スコア:2, 参考になる)

      by TarZ (28055) on 2006年08月21日 15時46分 (#1001504) 日記
      一次ソースを調べきれていないのですが、探査機が投入されるポイントは太陽~地球系のL4,L5ポイント [wikipedia.org]と思われます。
      ということで、裏表を同時に観測できるわけではなく、一度に調査できるのは(太陽表面全体を360度とすると、そのうちの)
      300度未満です。

      探査機を2機使うのは、裏表を調べたいというより、表面活動を立体的に捉えたいということかと。
      STEREOという名称はなかなか洒落ていて良いですね。
      親コメント
  • がんばれ (スコア:1, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2006年08月20日 12時36分 (#1000606)
    >地球を挟んでそれぞれ異なる位置の太陽周回軌道へ投入。

    惑星の数が増えているこの時期に大混乱させるつもりですか?
  • by tatsushi (87) on 2006年08月20日 19時30分 (#1000911) ホームページ 日記
    同時に離れた場所から撮影できるので、太陽の立体視写真ができるといいな。
  • by nique (17169) on 2006年08月21日 17時45分 (#1001600) 日記
    これ、時刻同期はどうするんでしょうかね?
    まあ厳密な同時観測は不要なのかもしれませんが、もしそれが可能なのなら、
    超長基線観測のための外宇宙観測装置も積めばいいのにと思います。
    (というか太陽観測装置を流用できるのかな)
  • by smoking salmon (31679) on 2006年08月22日 22時45分 (#1002416)

    公式サイト [nasa.gov]に延期のお知らせが。打ち上げは9月18日以降になるようです。

    理由は、Delta II の第2段が安全に飛行できる構造を持っているかどうかの確認に時間が必要なためのようです。

    # 英文解釈に間違いがないことを祈りつつ

  • by Anonymous Coward on 2006年08月20日 12時24分 (#1000598)
    宇宙怪獣の予想進路を示すアレですか?
  • by Anonymous Coward on 2006年08月20日 18時25分 (#1000877)
    これは...ダイソン外殻を作るための調査か!?

    #そんなわけないのでAC...orz
    • そういうことは軌道エレベータくらい作れるようになってから言えと、第二段階文明の人が言ってました。
    • >これは...ダイソン外殻を作るための調査か!?

      |-`).。oO(・・・・いやぁもっと読んだほうがいいと思うよ・・・・・)

      # 太陽絡みのネタで観測→ダイソン球の直結連想は思考経路が分からないお(´∀` )
  • by Anonymous Coward on 2006年08月21日 1時38分 (#1001205)
    ぐーぐるさん登場の予感
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計算機科学者とは、壊れていないものを修理する人々のことである

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