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富士通、専用ハードによる素因数分解に世界で初成功 51

ストーリー by yosuke
量子計算機でなくても 部門より

anthema1曰く、" ITmediaの記事によれば、情報通信研究機構(NICT)富士通富士通研究所が世界で初めて専用ハードウェアによる素因数分解に成功したとのこと(NICTのプレスリリース富士通のプレスリリース)。
素因数分解のアルゴリズムは一般数体ふるい法をベースとし、ふるい処理を専用ハードウェアで行い、線形代数処理と平方根計算処理をソフトで行うという構成。bn±1(b=2, 3, 5, 6, 7, 10, 11, 12)で表される整数を素因数分解するプロジェクト、Cunningham Projectから未分解の423ビット(10進法で128桁)の数を選び、システムを約1カ月間稼働させ、62桁と65桁の素因数への分解が完了したという。"

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  • 誤記? (スコア:5, 参考になる)

    by MZK (2802) on 2006年09月02日 3時04分 (#1009939) ホームページ
    プレスリリースの因数分解の結果を手元で検算してみると正しくありません。
    #NICT・富士通両方共に
    手元で計算してみたところどうやら
    24185630183133843753778789809606269235981954330361986407441038977

    241856301831338437537787898096062692359819543303619864074410382977
    の誤記のようです。

    #多分プレスリリース用の資料をおこす際に誤記しただけだと思うのでID
    --
    // MZK
  • 初めて成功 (スコア:4, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2006年09月02日 2時05分 (#1009916)
    プレスリリースより:
    専用ハードウェアを用いて、暗号に用いられる素因数分解問題を解く実験に世界で初めて成功しました
    実験の実現自体に困難性がないのに、「世界で初めて成功」とか言うことに違和感がある。
    ビット数が少なくてもよいなら、専用ハードウェアを作ることくらい、誰にでも作ること自体は可能なのは自明でしょう。
    非常に大きな数について成功したとか、高速な処理に成功したとか言うならわかるが。

    これは単に「世界で初めてやってみました」と言うべきだ。

    • Re:初めて成功 (スコア:1, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2006年09月02日 2時17分 (#1009921)
      > 誰にでも作ること自体は可能なのは自明でしょう。

      そういう評論家気取りが「誰にでも出来るだろ」って
      いって手を出さないところに手をだしたのはエラいん
      じゃないですかね。

      理論的には誰にでも作れること自体は自明であっても、
      実際に作るにはいろいろなノウハウが必要かもしれない。
      それを実際に作って会得した分だけ、机の前でグダ
      グダと理屈だけを捏ね繰り回して人を小ばかにしてい
      る評論家気取りよりはよほど頑張っていて、褒めるに
      値すると思うんだが。
      親コメント
      • Re:初めて成功 (スコア:1, すばらしい洞察)

        by Anonymous Coward on 2006年09月02日 2時37分 (#1009930)
        プレスリリースの文が変だという話でしょ。

        「解かれていなかった素因数分解問題を専用ハードウェアを用いた方法で解くことに世界で初めて成功」なら妥当。
        親コメント
      • by tsukasa_souya (26294) on 2006年09月08日 9時23分 (#1014334) 日記
        日本の特許なんかでもそうらしいが、「誰にでも出来る技術的に困難でないこと」を「思いついてやってみる」事に価値を見いださないらしい。
        要するに「発想」に対する保護概念が無く、技術的困難を伴わなければならないらしい。
        きっとこの富士通の快挙に驚けない人は発想という人間の大事な「発想」や「行動」と言うスキルの価値を理解出来ない人なんだろうな。

        #1年半後に発想の妙だけで何ら新規性もない論文を書こうとしているから頑張って擁護してみたけど微妙な気がする

        --
        ヽ(・Д . )ノ
        親コメント
      • by Anonymous Coward
        > そういう評論家気取りが「誰にでも出来るだろ」って
        > いって手を出さないところに手をだしたのはエラいん
        > じゃないですかね。

        トリビアの種はそういうところありますよね.

        というわけでトリビアの種と同等にえらいという感じだと思います.
    • 専用ハードというかリコンフィギュアブルプロセッサの デモ用のようですね
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      元々、物量で世界一ぃぃぃぃが得意な会社という印象です
    • by Anonymous Coward
      実験における、成功不成功というのは、実現困難性ではなく、その理論・方法論が正しいかどうかで決まるもんだと思ってましたが、違うんですかね。
      冒険を征服するのとは違うと思うのですが。

      他に出来る人がいないくらい、実現するのが非常に難しい実験ってのは、追試も非常に困難でしょうから、実験としては事実上価値が無いような…
      • by Anonymous Coward
        研究ネタとしての「専用ハードウェア化」しましたってのは、なんていうか、安易なネタなんだよね。
        やれ、「○○アルゴリズムをハードウェア化しました」だの、次は「○○’アルゴリズムをハードウェアかしました」だの、似たような論文を山ほど出してくる人とかいるじゃない。そういうのの査読がまわってくると、マジうんざりするよね。

        ハードウェア化なんてきょうび流行らないっての。ハードウェア化するってのは、速いか速くないかに尽きるわけ。もちろん、本当にコストパフォーマンスが高ければビジネスとして成功する分野もあるよ。

        ビジネスにのらない、対
        • by Anonymous Coward
          今日日のアウトオブオーダープロセッサは完全にデータフローマシンなわけだが

          ところで、あんたハードウェアやったことないだろ
          ハード化で得られる知見といえばネガティブなものばかりなんだけどさ、そこが大事なのよ

          もっともFPGAやリコンフィギュアラブルでハードを作りましたというのはありえないというのは賛成
  • by Canadian (31348) on 2006年09月02日 5時42分 (#1009963)
    「素因数分解」の文字を見るとShorのアルゴリズムかと思ってしまい,何か新しい方法で量子コンピュータの実装(Controlled-NOT/1 qubitのユニタリ変換)をしたのかと思いました。少なくともCRLだったNiCTにはそういうことをやってそうなグループがありますし。
    ちゃんと読むと,今回はTAOだった方のNiCTの成果,ですね。暗号強度と処理速度はトレードオフの関係にありますが,むやみと暗号強度を上げなくても「この暗号を解くのにはざっと n 億円必要だけど本当にそんな暗号が必要なんですか?」という指針が得られるのはかなり役立つと思います。

    Shorのアルゴリズムについての一次資料はWikipedia:量子コンピュータ [wikipedia.org]に原論文へのリンクがありますのでそちらを読まれることをお勧めします。
    • by Anonymous Coward on 2006年09月02日 10時18分 (#1010030)
      量子コンピュータは、まだまだそんなレベルまでいってないと思いますよ。

      Wikipediaにもありますが、たかだか15の因数分解が実現できた程度。
      しかも、これは溶液系の話で、実用性が高いと見込まれる固体系では、
      qubitの実現が精一杯。

      親コメント
  • これができることによって何が嬉しいのかおしえてくれまいか。

    なんとなくすごいんだろうということはわかるんだけど。
    --
    --- show mpls ldp neighbor
    • by greentea (17971) on 2006年09月02日 2時25分 (#1009926) 日記
      RSAという、インターネットなどでよく使われる暗号・デジタル署名アルゴリズムは
      「素因数分解は難しい」というのを安全性の根拠としています。

      素因数分解が出来てしまう、というのはRSAが破られるかも、ということなのです。

      # それがうれしいか悲しいかは分かりませんが・・・・
      --
      1を聞いて0を知れ!
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2006年09月02日 13時26分 (#1010221)
        >「素因数分解は難しい」
        よかった。
        このあたりから、数学の偏差値が33を超えなくなりました。
        コンピュータにも難しいなら、できなくてもよいや。

        お母さん、そんな僕ですが、今はプログラマとして頑張ってます。
        親コメント
        • by oku (4610) on 2006年09月03日 2時17分 (#1010752) 日記

          元コメントがジョークだと言うのは百も承知で、ツッコミするのをお許しを。

          コンピュータにも難しいなら、できなくてもよいや。

          コンピュータにも簡単にできることしかできないのなら、遠からず職を失いますよ?

          親コメント
    • by barrel (25979) on 2006年09月02日 2時23分 (#1009924)
      すでに他の方がコメントされていますが、
      素因数分解の困難さに依存した暗号方式(RSAなど)が
      よりクラックされやすくなったといえるのではないでしょうか?

      http://x68000.q-e-d.net/~68user/net/crypt-2.html [q-e-d.net]

      親コメント
      • クラックされやすくなったのかな。これ、驚くほどには速くないと思う…
        リリースから引っ張ると
        本システムを用いた分解実験の対象とした数は、Cunningham Project(注7)から未分解の423ビット(10進128桁)の数を選びました。本システムを約1ヶ月間動かすことで、下記の通り素因数分解が完了しました(62桁と65桁の素因数に分解)。
        423ビットってどんなもんじゃいと思ったら
        http://www.math.okstate.edu/~wrightd/numthry/rsa129.html [okstate.edu]
        1994年にPCクラスタで600台(以上)、8ヶ月で425bitが解かれてる。"5000 mips years"だそうです。
        でも今時のCPUをぐぐってみたらCore2 Duoが2万mipsくらいだそうだから3ヶ月で解けちゃいそう。専用ハード使って高々3倍なのかあ。
        DAPDNA-2は面白いことできます的な広告の意味なのかなコレ。
        後疑問なのが「最大768ビットの数まで入力可能」って普通の1024ビットが通らないじゃんね。
        親コメント
        • by xsd (25734) on 2006年09月02日 7時02分 (#1009972) 日記
          RSA129を分解したときのアルゴリズムはMPQSで今回はGNFSなので、比較になりません。(この桁だとGNFSの方が圧倒的に速くなります)

          117桁のGNFSが大体40時間くらい、140桁のGNFSが(3台の2xXeon 2GHzで)延べ360時間くらいなので、128桁のGNFSはCore2Duoだと遅くても2週間くらいで完了するかもしれません。

          あと、たとえ1024ビットが通ったとしても現在のアルゴリズムと実装では結果が出るまで途方もない時間とメモリを必要とするので、ビット数を増やせてもあまり嬉しくありません。

          >DAPDNA-2は面白いことできます的な広告の意味なのかなコレ。

          のような気がします。
          親コメント
          • > あと、たとえ1024ビットが通ったとしても現在のアルゴリズムと実装では結果が出るまで途方もない時間とメモリを必要とするので、ビット数を増やせてもあまり嬉しくありません。

            元コメントは指数スケールが理解できてなくて、1024ビットの計算は768ビットの計算の4/3程度しか難しくないとか思ってたんじゃないでしょうか。
            これを「馬鹿にでもわかるように」説明するのはかなり困難ですね。

            # 1日で2つに分裂する蓮の葉を1枚池に入れたら15日で池の半分を覆っていた。池全体を覆うようになるのは何日後か
        • ちゃんと、4:3になってるじゃん。 最近の流行にのって16:9じゃないと気がすまんのかなぁw
    • なるほどなるほど。

      しかし、この専用ハードってのはどれぐらいの
      大きさなんでしょうね。

      500台のクラスタとかよりは圧倒的にちいさい
      んでしょうけど
      --
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      親コメント
    • 「ふるい」は「金物」(hardware)だ、ってことなのかと思いました……。
      親コメント
  • by gm_camouf01 (31675) on 2006年09月02日 2時08分 (#1009918)
    RSA暗号などの強度が下がったってことですよね?

    それとも、より強力なセキュリティ・チップが開発されることに繋がる成果があったと言うことですか?

    • Re:つまり、 (スコア:3, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2006年09月02日 8時48分 (#1009992)
      貼っておきますね。
      高校数学で遊ぶ公開鍵暗号RSA [faireal.net]

      公開鍵(の一部)は、2つの素数の積から成り立っています。
      公開鍵から元の素数を取り出すこと(因数分解)ができれば、暗号を解読することができます。

      今回の研究は、これくらいの鍵にはこれくらいの期間が必要だから、鍵を交換する間隔はこれくらいにすればよいかも。。。という目安になることをねらっているらしいです。
      親コメント
    • Re:つまり、 (スコア:2, 興味深い)

      by Anonymous Coward on 2006年09月02日 2時42分 (#1009934)
      > RSA暗号などの強度が下がった

      いいえ。
      10進200桁の因数分解が既に(ハード的にではなく)行なわれています。しかし、ソフト/ハードとも現在推奨されている1024bitにはまだ届いていません。

      強度を下げることに繋がる成果、あたりですかね。
      親コメント
    • by Vorspiel (2391) on 2006年09月02日 17時54分 (#1010410) ホームページ
      強度が下がった,ってことではないですね.素因数分解に数体ふるい法が有効であることは既に知られている話ですから.
      今回の話は,「素因数分解を現在の知識+技術で破ろうとしたらどれだけ時間・コストが掛かるか」を示し,それに基づいて「今後の高速化により,何時頃1024bitのRSAが現実的に破れるようになるか」を研究する,のを目的にしてるんじゃないですかね.
      昔はDESのクラッキングコンテストなんかがあって,brute-forceな解析が現実的な時間・コストで可能なことが(Distributed.netやEFFのDES Crackerによって)示されましたが,発想としてはそれに近いのではないかと.
      #理論科学と実験科学と言い換えてもよいのかも
      親コメント
  • 既に特許出願済みでしょうね。
    どのような回路か興味があるけど、なんとなく既存のチッフを使っただけの回路のような気もする。
  • by Anonymous Coward on 2006年09月02日 4時44分 (#1009958)
    そんなに数えなきゃいけなくなっちゃったのか…
    • by SNT (23129) on 2006年09月02日 6時10分 (#1009967)
      そんなときは複素数を数えればいいと思うよ。
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2006年09月02日 6時22分 (#1009968)
      落ち着け・・・『完全数』を数えて落ち着くんだ・・・
      『完全数』とは、その数自身を除く正の約数の和が
      その数自身と等しい自然数……
      私に充足感を与えてくれる……
      6……28……496……8128……33550336……8589869056……137438691328……

      落ち着け……『友愛数』を数えて落ち着くんだ……
      『友愛数』とは、異なる2つの自然数の自分自身を除いた約数の和が
      互いに他方と等しくなるような数……
      私に隣人愛を与えてくれる……
      220、284……1,184、1,210……2,620、2,924……5,020、5,564……
      6,232、6,368……10,744、10,856……12,285、14,595……17,296、18,416……
      63,020、76,084……66,928、66,992……
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2006年09月03日 1時40分 (#1010737)
    実用化のころには他社に先行されているのが富士通クオリティ

    プラズマTVとかは何だったんだ
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犯人は巨人ファンでA型で眼鏡をかけている -- あるハッカー

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