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13994 story

綿の種子を食用に 31

ストーリー by yosuke
機能追加よりは機能削減のほうが簡単で安全? 部門より

oddmake 曰く

news@nature.com記事より。
木綿は80種以上の国で栽培される商品作物である。一般にあまり知られていない事実として、木綿の繊維1kgを収穫するごとに1.65kgの綿実(木綿の種子)がとれ、そこに含まれる豊富なタンパク質には5億人の胃袋を満たす潜在能力があるということがある。だがこれまで綿実はゴシポールという有毒成分のため、絞って綿実油とする他は、食用とはされてこなかった。
これに対してテキサスA&M 大学Keerti Rathoreらの研究者たちはRNAiの技術的応用により、綿実のゴシポールを98%カットすることで、大豆のように煎ったりして食べられるようにしたという。RathoreはRNAi技術によって、毒性のために常食とすることができない他の植物の食用可能性も拓けると主張している。
この研究成果はProceeding the National Academy of Scienceに掲載された。

次世代でも遺伝子をノックアウトできているかどうかが次の課題の模様。なお、研究者らはこの種子を試食したようで、煎って塩味をつけると結構いけるとのコメントを残している。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by LARTH (14573) on 2006年11月22日 0時04分 (#1062253) 日記
    綿の実から綿菓子を作った [ntv.co.jp]
    (もうすぐこの辺に [ntv.co.jp]移動)
  • by cyber205 (4374) on 2006年11月22日 20時27分 (#1062909) ホームページ 日記
    あれって、中国では男性用ピル(避妊薬)の成分だったんですよね。
    服用をやめても種なしになっちゃう可能性があったので普及しなかったとか(汗

    断種もそうらしいけど、男性の性能力ってのは封印してしまうと
    なかなか回復させるのが難しいみたいですね。
    • 精母細胞のアポトーシス誘発ですか……。
      もし普及しても、栽培するうち毒性復活→知らずに食べて元気に不妊
      となるのが怖いなぁ。
      • それはそれで「できちゃった」が無いのでフリーセックスおkになるという話もありますが。
        でも性病はしっかり来るんだよなぁ。
    • 以前に無毒なふぐ [srad.jp]が話題になりました [google.co.jp]。

      実用化にあたっては有毒品種の排除が必要ですね。
      栽培から流通までコントロールできるようにならないと恐くて食べられません。
  • siRNAは遺伝しないような...。遺伝子というより高度な酵素じゃない?
    • Re:あれ? (スコア:3, 興味深い)

      by phpoobar (26216) on 2006年11月23日 1時04分 (#1063081) ホームページ 日記
      そうですよねぇ。RNAiが引き起こすのは、あくまでノックダウンであって、ノックアウトではないですからね。PNASの要約には、
      We have successfully used RNAi to disrupt gossypol biosynthesis in cottonseed tissue by interfering with the expression of the delta-cadinene synthase gene during seed development. We demonstrate that it is possible to significantly reduce cottonseed-gossypol levels in a stable and heritable manner.
      とあって、delta-cadineneの合成遺伝子をノックダウンすることでgossypolの生合成を阻害することが出来た、とあって、次がよく分からないんですが、種のgossypolを、in a stable and heritable manner で抑えることが出来たとあるから、何かしら遺伝的にも制御できたというふうに読めますね。今は、本文を読める環境にいないので、どなたかフォローをば。

      --
      --- Dead Poet Social Club
      親コメント
    • Re:あれ? (スコア:3, 興味深い)

      > siRNAは遺伝しない

      いろいろなレベルで誤解があるようなのでちょっと.
      siRNAとはsmall/short interference RNAのことで,外部から導入されたものだけではなくて
      生物が内在的に持っているものもあります.これらは当然遺伝します.

      次に外部からRNAiでノックダウンする場合ですが,これは細胞の培養液に人工的なsiRNAを投与した
      ような場合は確かに原理的には遺伝しないのですが,線虫ではRNAiが卵に残るためか次世代でもRNAi
      の効果がみられることもあります.もちろん高等生物では遺伝しないのが一般的理解ですが.

      培養細胞や線虫のような資料の場合は培養液にsiRNAを投与するだけでいいのですが,より複雑な生体
      ではそのような方法が使えないことが多く,そのためにはRNAiを起こさせるために工夫をしなければ
      いけません.
      今回の場合細胞内でRNAが転写されると,その一部が切り出されてRNAiを起こす配列をアグロバクテリウム [wikipedia.org]
      によって綿に導入しました.
      アグロバクテリウムによる形質転換は相同組み換えで植物ゲノムに取り込まれるので遺伝性があります.
      また今回用いた配列では胚でのみ発現するプロモーター配列を用いていますので,単なるRNAiとは異なり
      効果を発揮する時期と場所を限定することもできます.

      この研究のようにアグロバクテリウムとihp (intron-spliced hairpin)を用いた研究でGoogle
      で拾ってこれたものとしてシロイヌナズナ [nih.gov]の先行研究なども
      参考になるかもしれません.こちらも遺伝性があることが報告されています.
      --
      kaho
      親コメント
      •  詳しい説明ありがとうございます。なるほど、ゲノムに取り込ませたわけですね。それなら納得がいきます。
         ゲノムにある発現配列を組み込ませると、そのうちその発現が落ちてくるということは、哺乳類の培養細胞ではよくあることだと思うのですが、この種子の場合は何世代ぐらい持つんでしょうかね。

        --
        --- Dead Poet Social Club
        親コメント
        • Re:あれ? (スコア:3, 興味深い)

          論文をそのまま引用しますと
          To confirm the stability of the transgenic trait, homozygous T1 progeny from transgenic lines LCT66-2 and -32 were grown to maturity in the greenhouse, and 50 individual T2 seeds obtained from these plants were analyzed for gossypol levels. The results from these analyses show clearly that the low-seed-gossypol trait is successfully inherited and stably maintained in both RNAi lines.
          (意訳)Tg個体の第一世代子孫と第二世代子孫はゴシポールのレベルが低いままだったのでRNAi効果は安定して遺伝されることが示された.

          ということです.まだ数世代しか試していないとは言え安定的に遺伝しているようです.
          もちろんホモ同士で交配させないといけないので交配時の管理は必要ですが,タレコミに
          ある
          次世代でも遺伝子をノックアウトできているかどうかが次の課題の模様。

          という表現はちょっと研究を過小評価かな,と.
          哺乳類培養細胞で培養している間に(特にマーカーの抗生物質を除くとすぐに)表現型が
          おちてしまうのは,DNAが核内に入ってもゲノムには組み込まれていないためであること
          が多いと思いますので今回のような方法の遺伝的安定性はある程度予想できると思います.

          またこの後に,更に選別することでFDAの基準をかなり下回るゴシポール量の株もみつ
          かっていると書いてありました.

          Nature Web Newsにもあったかと思いますが,GM植物の利用ということで人間が食べる
          ことには問題があるかもしれませんが,飼料用としては確かに有望なのかなと思います.
          --
          kaho
          親コメント
    • Re:あれ? (スコア:1, 興味深い)

      by Anonymous Coward on 2006年11月23日 2時12分 (#1063133)
      いや、できるmRNAがsiRNAになるような配列でTg植物を作ればいいだけです。技術的にはTgの応用なんで、siRNAにあたる配列が上手く選べれば、Agrobacteriumか何かに組み込んで感染させて、セレクションして作出…で十分なわけです。ノックアウトよりよほど簡単な手法です。
      親コメント
  • 麻の実ならそのまま食べられるでしょうに。
    あと、繊維は取れないけど芥子とか。

    #まー、いろいろややこしい問題があるのは承知してるけどさ。w
  • by pongchang (31613) on 2006年11月23日 15時41分 (#1063362) 日記
    だから、バイオディーゼルは綿が引き受けて、大豆は人が食べるって云う約束だったじゃないか。このままでは、綿粕と大豆粕 [blogspot.com]とDDGS [exblog.jp]を人間が食べるはめに…
  • 綿の種子を食べるとどうなる?
  • by Anonymous Coward on 2006年11月23日 1時04分 (#1063082)
    子猫を食べるのは良くないとかそういう話?
    • by Anonymous Coward
      分けちゃうだけで食べないより、よっぽどましだと思うけどね。

      #なむなむ…
  • by Anonymous Coward on 2006年11月23日 2時25分 (#1063141)
    80種以上の国?

    キリスト教とかイスラム教とか,白人とかアジア人とか,島国とか大陸国とか

    そういうかんじ?
  • by Anonymous Coward on 2006年11月24日 16時17分 (#1063955)
    綿食いか。
  • by Anonymous Coward on 2006年11月27日 11時09分 (#1065438)
    飼料になるんでしょ?
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