ヒトの遺伝子の約3,000個にコピー数の個人差 49
ストーリー by yosuke
オーダメイド医療の実現に近づいたんだか遠のいたんだか 部門より
オーダメイド医療の実現に近づいたんだか遠のいたんだか 部門より
Anonymous Coward 曰く、
毎日新聞の記事によれば、東京大学 先端科学技術研究センター(RCAST)の 油谷浩幸教授らを含む国際チームが、HapMapプロジェクトにある日本人を含む270人分の検体について調べたところ、ヒトゲノム全体の約12%にあたる領域でそのコピー数に個人差があることが判明した(東大 RCAST システム生物医学ラボラトリーのプレス・リリース, Nature Newsの記事)。この領域には、2,909個の遺伝子が含まれているとのこと。
通常ヒトの細胞には同じ遺伝子が二つあり、父親と母親から1コピーずつ受け継いでいる。しかし個人によっては、本来二つある遺伝子が一つしかなかったり、三つ以上ある場合もあることが近年わかっていた。これはコピー数多型(Copy Number Variation: CNV)と呼ばれており、数が多いとHIVに感染しにくい遺伝子やアルツハイマー病を発症しやすい遺伝子なども報告されている。
今回の研究により、これまでに考えられていたよりもはるかに広い領域でCNVが見られることが明らかになった。多型としてよく知られている一塩基多型(Single Nucleotide Polymorphism: SNP)と同様に、CNVも個人間のゲノムの多様性に大きく寄与している可能性がある。
プレスリリースに Wikipedia へのリンク (スコア:3, 興味深い)
東大のプレスリリースにこういう形で Wikipedia へのリンクがあるというのが、なんというか、すごいなあ。隔世の感というか、無用心だなあというか。
Re:プレスリリースに Wikipedia へのリンク (スコア:0)
誰でも書き換えられる以上、確かに不用心なのですが。
# 中の人に近いのでAC
Re:プレスリリースに Wikipedia へのリンク (スコア:1)
バリエーションを増やす仕組みの一端? (スコア:2, すばらしい洞察)
# たくさんの「個性を作り出す仕組み」があるのに、めったに交配可能な範囲を超えないのは、進化の妙、でしょうか。
notice : I ignore an anonymous contribution.
Re:バリエーションを増やす仕組みの一端? (スコア:5, おもしろおかしい)
> # 進化の妙、でしょうか。
個性はあるつもりなのですが、交配可能な相手がいないのです。
# もういいや、IDで。ちくしょ~っ!
Re:バリエーションを増やす仕組みの一端? (スコア:2, 参考になる)
もっともっと遺伝的なバリエーションが多い生物になると、同じ生物でも交配できたりできなかったり、あるいは子供が生まれても不妊(胚性致死とか)だったりすることはよくあることです。
Re:バリエーションを増やす仕組みの一端? (スコア:2, おもしろおかしい)
Re:バリエーションを増やす仕組みの一端? (スコア:1, すばらしい洞察)
Re:バリエーションを増やす仕組みの一端? (スコア:1)
# 要は結果論。
人間って結構いい加減 (スコア:2, 興味深い)
このいい加減さが進化の源なんだろうね。
いつか超人間が生まれて来るんだろうな。
だから (スコア:2, おもしろおかしい)
Re:だから (スコア:3, おもしろおかしい)
動いているんだからいいじゃないかと.
Re:人間って結構いい加減 (スコア:1)
人体って驚くほど精巧にできている部分もあるけども、同時に
無駄な機構が多い部分もあり
絶妙なバランスで成り立っている.
この、驚くほどの精巧と無駄のバランスにびっくしります.
これって (スコア:1)
もっとサンプル数を多くすると、どんどん割合が増えるんじゃないの?
Re:これって (スコア:0)
Re:これって (スコア:1)
コピーの数そのものの情報量は? (スコア:1)
・無い(大本のみ)
・一つ(正常?)
・二つ
・三つ
……
が、そのままアルツハイマー症への耐性を表してる、というなら、正にコピーの数が耐性を決めている、ということになるような気が。
その「コピーの数」という情報がちゃんと遺伝されるのか、ランダムなのかも見極めないとね。
突然変異とは進化するための試行錯誤の過程か (スコア:1)
遺伝子操作じゃないけど、
ある国とある国のハーフの人は、ある病気に強いとかいう話があったような気がします。
Re:突然変異とは進化するための試行錯誤の過程か (スコア:2, すばらしい洞察)
例えば、マラリアには強いけど常に貧血ぎみな、鎌形
赤血球って、よい形質?悪い形質?
#よい奴だけ集めたつもりで、遺伝的多様性がなくなっ
#て未知の病気にやたら弱い集団ができたりとか。
Re:突然変異とは進化するための試行錯誤の過程か (スコア:1)
「醜いアヒルの子」の人間版みたいな話。
Re:突然変異とは進化するための試行錯誤の過程か (スコア:1)
#ACは価値ある発言してください
Re:突然変異とは進化するための試行錯誤の過程か (スコア:0)
Re:突然変異とは進化するための試行錯誤の過程か (スコア:1)
# いいやIDで(;´Д`)
クローン? (スコア:0)
--
ある意味クローンなんだけども。
ぜひCRCを… (スコア:0)
Re:ぜひCRCを… (スコア:5, 参考になる)
遺伝子をコピーする際には何重もの誤り訂正メカニズムがありますし、そもそもDNAが分子である以上、熱運動やら何やらで経時的に崩壊するもんですから、それを修復するための何重ものメカニズムが存在します。
Wikipedia - DNA修復
http://ja.wikipedia.org/wiki/DNA%E4%BF%AE%E5%BE%A9 [wikipedia.org]
修復が完璧すぎると進化はあり得ませんし、修復が雑過ぎるとそもそも個体として生きていけません。その辺の見事なバランスを想像しながら生化学の講義なんかを聴いていると、生命の神秘に感動すると同時に、とてつもない眠気に襲われます。
# 遺伝子工学難しいから嫌い
Re:ぜひCRCを… (スコア:3, 参考になる)
一回の複製につき30%くらいの割合でゲノムに変異が出るのだそうです。
(ワクチンを打ってもほとんど効果が無いし、逆転写酵素阻害剤もすぐに効かなくなる)
遺伝子変異を積極的に起こしているものとしては、ヒトの細胞ではBリンパ球でしょうか。
抗体遺伝子群にどんどん変異を起こして、様々な抗原に対処しているらしいです。
Re:ぜひCRCを… (スコア:1)
どうやって積極的に遺伝子変異を起こしているのでしょうか?
修復機構の働きを抑制するという方法でしょうか?
Be generous with your life.
Re:ぜひCRCを… (スコア:1)
Re:ぜひCRCを… (スコア:1)
VDJ組み替えとか呼ばれるらしいですね。
http://blogs.dion.ne.jp/new_world/archives/1461692.html [dion.ne.jp]
染色体上にV遺伝子群、D遺伝子群、J遺伝子群が順にあって、
...--V1--V2--...--Vn--D1--D2--...--Dn--J1--J2--...--Jn--C--...
V, D, Jからそれぞれ一つが選ばれて、残りが切り取られます。
...--Vn--Dn--Jn--C--...
似たようなことが別のもう一カ所でも起きていて、全体の組み合わせは数百万だとか数千万だとか。
更にこれのほかに、体内での細胞分裂の際に意図的にコピーミスを起こして
VDJの指示をまるごと書き換えるようなこと(フレームシフト変異)もしているようです。
ホ乳類の場合、生まれたとき既に一億種類くらいの抗体を持っているらしいので、
まともに一つひとつコードしていては、遺伝子「全体」の数に比べても
抗体を作る分「だけ」で何桁分も不足してしまう計算になるということです。
Re:ぜひCRCを… (スコア:0)
遺伝子診断 (スコア:0)
Re:遺伝子診断 (スコア:4, 興味深い)
「糖尿病のリスク」程度ならともかく、世の中には平均寿命20歳で発症率100%とかいう病気もゴロゴロしてるんです。
60歳まででアルツハイマーとなるリスク40%、とか、子供が結節性硬化症を発症するリスク25%とかが本当に全部分かっちゃったら、のちのち凄いトラブルになりますから…。
自分自身だけのことならともかく、家族や子孫にも全部影響しますんで。
Re:遺伝子診断 (スコア:3, 興味深い)
遺伝的なリスクが分かればそれに対処した生活習慣の改善で発症リスクを減らすことができるのに
「知らないほうがいい」というのは「そりゃ医者は治療じゃないと点数つかないからね」と言われ
ても仕方がないですよ.
面白い話としては,ショットガン法でゲノム解読を行ったCraig Venterは自分のゲノムをサンプル
に使ったのですが,ゲノムを解読したおかげで心臓病のリスクが高いことが分かって食習慣を改善した [geneticsandhealth.com]
という話があるそうです.(噂としてはアルツハイマーも,と聞いたことがあったのですが,ちょっ
と真偽は分かりませんでした)
もちろん保険会社が遺伝子診断を加入者に義務づけたり結婚時に提出させるといったことになれば
社会問題化するでしょうが,本人が自分の健康のために行うことは公衆衛生上も望ましい部分があ
ると思います.
kaho
Re:遺伝子診断 (スコア:3, すばらしい洞察)
Re:遺伝子診断 (スコア:0)
私の場合は、肥満と禿と糖尿病に関係する遺伝子が見つかりそうだけど、
もしそんなことになればますます結婚が遠のくな。
Re:遺伝子診断 (スコア:0)
> もしそんなことになればますます結婚が遠のくな。
まだ発症(?)してないなら今のうちに。
食生活を見直して、適度な運動をすれば、何とかなりそうな気がしますけどね。
禿は、、、禿の内容によるかな。
# ジョースター家並に代々短命ッ!! なので AC
Re:遺伝子診断 (スコア:0)
ひょっとして、孫よりも年下の隠し子がいるんじゃないでしょうね?
#承太郎が仗助の甥だというのが未だに納得できないAC。
Re:遺伝子診断 (スコア:1, 興味深い)
頭では理解していても、『リスク有り=将来なる』と考える人はかなり多いです。
また、生活習慣の改善でリスクが減る病気なら、そもそも遺伝子診断の必要が有りません。
最初から生活習慣を改善すれば、同じ結果が得られるのですから。
自分の健康にちょっと興味がある人を引き込む効果がどれくらいあるかは不明ですが、
「リスクあるから改善しよう!」と思う人は、遺伝子診断なんかしなくても初めから対処しているものです。
公衆衛生学的には、同じコストをかけるなら、別の方法をとるでしょう。
Re:遺伝子診断 (スコア:0)
より正確な情報を根拠により適切な対処をすれば、もっと確実に病気を避けることができますよ。
Re:遺伝子診断 (スコア:1, 興味深い)
確かにそれは「生活習慣のくふう」といった程度で発症リスクを減らせるんだから、メリットがなくはないと思います(経済性とか延長寿命とかとのバランスも考慮しないといけませんが)。
…ただ、発症率90%以上で有効な治療法なし、といった、殆ど末期癌の余命宣告にも等しいような診断が、子供の時期、いや胎児の時期、いや結婚以前の段階から可能だったりするわけです。
うちの病院でも、本当に遺伝性の重病の家系が疑われた場合、遺伝子解析を患者や家族や親戚にお願いすることがなくはないですが、「解析結果が親類縁者子孫一同にどのような影響を及ぼすか」を考え、倫理委員会通して、凄く慎重になってやっています。
個人的にはそれと表裏一体の「糖尿病リスク」とかも、あんま普及するのは怖いという危惧はあるので、無邪気な「検診受けたいなー」という意見を見て反応してしまいました。説明不足ですみません。
既に現実にある問題としては「ダウン症の出生前診断」という問題があります。興味がある人はこのキーワードでググってみてください。
Re:遺伝子診断 (スコア:0)
Re:遺伝子診断 (スコア:0)
Re:遺伝子診断 (スコア:2, 興味深い)
生命保険料が超高額になったり契約を断られたりしそうですな。
未来になりそうな病気などが分かってくると、人生設計でも遺伝子は
重要なファクターになるので、どんなに優秀な人でも遺伝子がダメというだけで
病気になる前から結婚就職その他で差別されてしまう遺伝子差別とか起きそう。
Re:遺伝子診断 (スコア:1)
#ID(えー
=-=-= The Inelegance(無粋な人) =-=-=
Re:遺伝子診断 (スコア:1)
# いわゆるひとつのデスティニープラン?
今までだって遺伝子で判断してるところはあるみたいだけどね。体臭とか。
Re:遺伝子診断 (スコア:1)
#たぶん
##たぶんだって!(ぉ
=-=-= The Inelegance(無粋な人) =-=-=
Re:遺伝子診断 (スコア:1)
Re:遺伝子診断 (スコア:1)
現環境に最適化した自らの子孫が、将来なんらかの伝染病や環境変化で全滅するリスクを
高めることになるー。
# 前にテレビかなにかで見た話で、村の全員が若死する遺伝子を持ってるが、
# ここの人達は中世のペストでは死亡率低かった。。とかあるので。