「春の献血キャンペーン」実施中部門より。
読売新聞の記事やnews@natureの記事より。コペンハーゲン大のHenrik Clausenらの研究チームは、A型、B型、AB型の赤血球を効率よくO型に変える酵素を発見し、研究結果をNature Biotechnologyのオンライン版に発表した(Bacterial glycosidases for the production of universal red blood cells)。
ABO式血液型では、赤血球の表面に付いている糖鎖の先端の最後の1つによって、A、B、O、ABの各血液型に分けられる。A型にはA抗原、B型にはB抗原、AB型には両方の抗原が付いている。O型には付いていない。研究チームは、約2,500種類の細菌や菌類の抽出物を調べることによって、A抗原を取り除く酵素とB抗原を取り除く酵素をそれぞれ得ることに成功した。この両酵素を使うことで、あらゆる血液からO型赤血球と同等の赤血球を得ることが可能になる。
O型の赤血球はA型、B型の抗原とも持っていないため、全ての血液型の人へ輸血できる可能性がある。そのため、出血性ショックなどの緊急時には、血液型検査やクロスマッチテストを省略してO型赤血球濃厚液を輸血することがある(日本輸血学会の輸血実施手順書)。今回の手法が確立されれば、緊急時に使用できる血液が増加することが見込まれる。もちろん、輸血の副作用はABO式血液型の違いによってのみ起こされるわけではない。しかし、その大きな要素を1つ取り除ける今回の研究結果は、ただでさえ輸血用血液が不足しがちな現状においては朗報だろう。
なお、論文にも所属研究者が複数人が名を連ねているZymeQuest社が実用化に向けた開発を進めており、臨床試験も進行中とのこと。
本家の反応 (スコア:5, おもしろおかしい)
冬・夏枯れの時とかRH-の人には朗報? (スコア:3, 参考になる)
それから、特殊な血液型の人には朗報でしょう。特殊な血液型の人(たとえばRH式-の人)は自分の血液を定期的に出して保存しておくとか、ネットワークを組んで互いに助け合うなどの苦労を余儀なくされています。
とりあえずABO式で型が合っているか、O型であるならば凝結反応はおきないわけですから、特殊な血液型でその部分は合っているけれどもABO式が合わないために輸血できない場合に、この方法でO型にして急場をしのぐというセンは充分に意味があると思います。
ちなみに赤十字・病院の方針ではなるべく同じ血液型の輸血を行うことを推奨してます。合っていないと微妙に拒否反応的な不具合がおきる可能性があり、また輸血の頻度が上がると同じ血液型であってもさらに細かい分類まで合っていないと拒否反応がおこることがあるためです。(私はそのために赤十字から呼び出されたことがあります。「あなたはA2B3型です」と言われました。)輸血の回数が多い人には役立たないところがちょっと歯がゆいですね。
Re:冬・夏枯れの時とかRH-の人には朗報? (スコア:2, 興味深い)
血液検査したら実はO型だったことが判明して、でもO型なら
輸血できるでしょって聞いたら、今は同じ血液型でやるんですよ
と言われたという経験がありますね。だいぶ前の話ですが。
#家族全員A型で親がAO同士、兄弟がAA、自分だけOOだったというオチ。
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Re:冬・夏枯れの時とかRH-の人には朗報? (スコア:2, 参考になる)
先日、本家で取り上げられていたこんなすごい事例も。Semi-Identical Twins Discovered [slashdot.org]
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商品化するほど需要はあるのか? (スコア:1)
「血液型検査やクロスマッチテストを省略」しなきゃならないような場面って、戦場くらいなもの。
(通常の事故ならば、輸血できる場所に運ばれてきたとき、そんな大変な状態なら既に手遅れだと思う。)
notice : I ignore an anonymous contribution.
Re:これって (スコア:2, 興味深い)
ウサギに輸血して、赤い目が白くなっていたのが印象的だった。
で、その人工血液 [10e.org]は現在、臨床試験の段階らしいんだが、まだ副作用の問題が大きいとか。
血液型もABOだけでなくRhも弄れるようになればいいんだけどなぁ…なんて、Rh-Aな人間としては、更なる展開を望みますが。
/* Kachou Utumi
I'm Not Rich... */
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Re:これって (スコア:2, 参考になる)
ちなみに同じ種類の人工血液で、先行していたOxygentっていうのはⅢ相で中断だとか。
#wikipedia [wikipedia.org]から。(一応他でも調べたけど)
#PFCはヘモグロビンと酸素飽和曲線がぜんぜん違うのが気になるんですけどね。
上記2つは、Perfluorocarbon [wikipedia.org]類という人工的な化合物に酸素を取り込ませる種類の人工血液で、
もう1種、期限が過ぎた赤血球製剤(21日だっけ)から取ったヘモグロビン [wikipedia.org]を使った種類の血液もよく開発されています。
が、こちらは、ヘモグロビンが物質として小さいため血管を通り抜けてしまい、一酸化窒素を吸収してしまう(血管が収縮する)
という副作用があるそうです。(それが起こらないようにいろいろ工夫しているそうですが)
ようするに人工血液は、赤血球ですら代替品はまだ無いです。
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Re:各血液型の人の反応 (スコア:1, おもしろおかしい)
B型&AB型: いや、俺らの血をあんたに輸血できるようになるんだけど
A型: Oh, that's great!
B型&AB型: なんでエー語やねん!
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Re:で、反応させた後は (スコア:1, おもしろおかしい)
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Re:各血液型の人の反応 (スコア:1)
O型「血液型なんぞ所詮(抗体の)飾りです。エライ人にはそれが分らんのです。」
ということもありそうな・・・
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