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15899 story

数学によって導く最適な著作権期間は14年 88

ストーリー by mhatta
経済学の力 部門より

jonykatz 曰く

70年にしろだとか、延長は反対だとかで何かと揉める著作権保護期間に関する問題であるが、本家/.の方に数学によって最適な著作権期間を決定するという記事が載っている。ケンブリッジ大学博士課程の学生の論文[PDF]がネタ元のようで、それによれば最適な著作権期間は14年ということである。ars technicaの記事にもなっているが、このような計算で著作権法が置き換わるとは思えないものの、感情論に流れがちな期間の議論に対して、考え方や視点を変えてみるということで面白い試みかもしれない。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2007年07月14日 19時44分 (#1189629)
    Founders' Copyright - Creative Commons [creativecommons.org]:
    In 1790, the U.S.'s first copyright law granted authors a monopoly right over their creations for 14 years, with the option of renewing that monopoly for another 14.
    どうやら2世紀前に戻るべき時が来たらしいな。
  • by tsuya (14020) on 2007年07月16日 5時28分 (#1190443) 日記

    きわめて大まかに読んだ限りでは、過去の研究や統計資料を注意深く採用し数値化している、という印象です。もちろん、それなりに複雑なモデル化に基づいていますので、仮定がかなり入ってはいますが、pro-copyright論者は少なくとも仮定の問題点を的確に指摘できてしかるべきと思います。

    想像を交えて(笑)推論すると、discount rate(割引率)とcultural decay rate(廃れ率、とでも訳そうか)によって著作者への便益は先細りするので、期間を延ばしすぎるとdeadweight loss(規制による損失)の方が大きくなる、という理論のようです。低金利の日本では「割引率はもっと低い」という人もいるだろうし、また影響力の大きな権利者は「我々の著作をすぐに廃れるような代物の平均値と一緒にするな」と言いそうで、それは当たっていることもあるでしょうから、理想的にはそれぞれの著作物についてそれぞれの評価を調整する市場のようなシステムが必要なのかもしれません。ですが、本家のコメントにも指摘がある [slashdot.org]ように、長い保護期間が有利になるように仮定しても現行制度よりはるかに短い方が合理的である、という結論になっており、現行制度が少なくとも見直されるべきである、と主張するには充分な根拠といえそうです。

  • 数学なんてモノを持ち出した時点で、たぶん負けですね。

    ところで、14年後にフリーにするという条件でこのネタの本を出版したりしないんでしょうか。
  • by Anonymous Coward on 2007年07月15日 9時13分 (#1189848)
    数学によって14年に決まる。なんてものすごく気持ち悪い言い回し。

    まず、
    • 何を以って最適か否かを判断する評価関数をどうするか
    • 評価関数を決めるのに必要なパラメータは何と何か

    これは必須なわけです。しかもこの二つは数学の範疇ではないわけで。一番キモであるこの二つを決めれば、あとは数学を使ってでも求まるでしょうが、それを「Optimal」「Decided by Math」なんてちょっと公平っぽさを出すためのキャッチフレーズ以上のものはないでしょう。

    制御工学で言う最適制御でも同じことだけで、「最適=みんなハッピー」みたいなイメージがあるけど、ようするに「評価関数を極大(極小)にするパラメータを出した」以上のものでなく、最後は、その評価関数がどれだけ実際の社会を同定できてるんかが重要ですよね。
    • by namatias (4000) on 2007年07月15日 11時01分 (#1189914) 日記

      元の論文の構成がそうなっている可能性は高いですが, 評価関数ありきの考え方は工学的な発想だと思います.

      評価関数を導入しなければ結論づけられない, 最終的な結果が評価関数に依存している, ということが証明されない限り必ずしもそうは言い切れないでしょう.

      数学は単純な計算を行うためだけの学問ではないですよ.

      万人の認める最低限度のことを公理として導入するだけで, 実はみんなが資意的と思っている論理が自然と出てくる可能性もあります.

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    • by Anonymous Coward on 2007年07月15日 12時40分 (#1189980)
      これは一種の試論であって証明ではないでしょ。
      まさにその評価関数やパラメータの提案として論文が出されているわけで。

      これらが決定しようがないから数式化なんて無理だよね、という今までの流れに対して、 こういう考え方をすれば数学的に考えられるんじゃないか、と言っているわけです。
      それに対して従来の繰り言を述べても仕方ないと思います(その繰り言が再考の余地があるのではないか、と 言っているのですから)。

      論文に則して「ここの仮定はおかしい」とか「これこれも考慮すべき」とか、あるいは「こういう場合には 明らかにおかしな結果になる」とか指摘するのなら充分に反論と言えますが、あなたの意見は 「え~数学的手法? どうせ無理やりこじつけてるんじゃないの?」レベルのただの感想にすぎないのでは ないでしょうか。

      #経済学方面に数学が積極的に導入されていった時にも、似たような意見が(理系方面から)続出したのかもなあ。いやよく知らないけど。
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    • 私も「数学によって」という部分に引っかかりました。

      部門名にある通り、これは経済学の範疇の研究でしょう。たしかに数学的手法を活用してはいますが、それだけで「数学によって」という表現をするというのはちょっと。

      ついでに言うと、「ケンブリッジ大学博士課程の学生」という表現もなんだかなと思います。普通は学部まで書くものではないかと。論文PDFを見ると“Faculty of Economics, Cambridge University”とありますね。

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  • by k.kmn (29899) on 2007年07月15日 15時05分 (#1190066)
    昔、銀行とかで「コンピュータで処理してますので間違いありません」って言われたって話は、よく聞いたけど、今やコンピュータは当てにならないものの代名詞になり、「数学」に頼らざるを得ない状況ってことでしょ。
  • by okky (2487) on 2007年07月15日 16時31分 (#1190118) ホームページ 日記
    「人生、宇宙、すべての答え」
    42 [wikipedia.org]だと判っているはずなんだが…

    きっとその論文はどこかで計算間違いをしたに違いありません
    --
    fjの教祖様
  • 業界団体の意見より先に、原作者の意見を聞きたい。

    死後10年で著作権は消滅?しますので、あなたがこの著作を
    永劫に守りたく人類にとってかけがえのない財産と思し召しなら、
    それなりの対価をお支払いになり、利益もまた享受して下さい。

    ただし、○○文学賞、○○万部数、翻訳出版数○○ヶ国、○○数以上。
    この出版物に関しては、内容を精査の上、延長期間を勝手に伸ばします。
    以上。(笑)

    後の人が再評価する仕組みは必要だとしても、享受者に負担を押しつけすぎ。

    # 守るべき文化と、八方野の著作が一緒くた。
    --
    がんばろう。と自分に言い聞かせる。
  • by Anonymous Coward on 2007年07月15日 9時46分 (#1189874)
    著作権の有効期間を縮めろとかこれ以上伸ばすな、とかの意見って
    結局は他人の創作物に便乗して俺にも儲けさせろってことですよね?

    著作者が死んでもその財産は子または妻に相続されるのも当たり前だし、
    著作権に期間を設定すること自体がナンセンスな気がするんですが。
    • by Anonymous Coward on 2007年07月15日 12時13分 (#1189964)
      知的財産は公共の発展のために原則共有、しかしそれでは創造を阻害するので
      一定期間の独占を許すというのが建前。著作権の有効期間を無限にしたり、
      相続できるのが当たり前というほうがよほどおかしい。
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2007年07月15日 10時24分 (#1189892)
      期間はなしでもいいと思うが、権利を主張するための義務は負わせるべきだろう。
      相続税が払えなければ財産は失われるのだよ。
      親コメント
      • 著作権も相続の際には三分の一を徴収されないと不公平ですものね。
        導入部、真ん中、終盤、どこがいいでしょう?
        親コメント
      • そうなると,相続税についても考えないといけないなぁ.
        なぜ,相続するのに税が取られるのか.

        つーか,意味の分かる税が,自動車と,たばこと住民税くらいなんですが.
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        • by ogino (1668) on 2007年07月15日 16時42分 (#1190123) 日記
          なぜ,相続するのに税が取られるのか.

          逆の発想ではどうですか?

          親が金持ちなら子供も金持ちであるべきか。

          個人を基本に考えるか、家だとか血統だとかを単位に考えるかによるのでしょう。

          親コメント
          • 裕福な家庭な方が進学が容易だし、得られた教育の結果として高収入も期待できる。
            個人の平等を考えるなら、たとえ相続税が100%だったとしても足りないんじゃないかな、と思う。
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        • 税なんて、みんな政府がお金を搾取するための口実です。
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        • 相続税がないと格差が拡大しやすいからだよ。固定資産だけでなく預金や現金、有価証券にもかかる資産税なるものがあれば話は別だけどな。
          # 資産税は貨幣流通速度を押し上げる効果があるので金融政策の幅を広げるというメリットがあるが物体としての貨幣がなくなるまでは無理だろうな。

          もっとも、著作権は相続税の算定が難しいだろうけどな。
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      • 著作権による収入に対してしか課税されていないが
        仮にも「知的財産」というのなら収入の有無にかかわらず課税したって良いはず
        去年大ヒットした映画には今年度巨額の知的資産税を課せられるとか
    • by Anonymous Coward on 2007年07月15日 9時50分 (#1189878)
      そこまで話を戻すなら「一定期間後に公開するのと引き換えに独占的な権利を与える」という著作権の建前も問おうよ。
      親コメント
    • 著作権に期間を設定しないと、
      そもそもその著作物は使って良い物なのか否かが判別付かなくなって行くからなぁ・・・
      それこそお役所の仕事が増えるだけで利点が何もないんではなかろうか。

      死後に著作権の期間が長く設定されてるのは、
      著作権切れを狙った殺人などが起きないようにするためとか、
      原稿にお金出した出版社の権利を守るためだったと記憶してるけど、
      そうなると結局最適な期間はどのぐらいか、
      という話に持って行かれるんだと思う。

      まぁ、上の例だと70年はどう見てもやり過ぎだけどねぇ。
      親子3代守るってのはさすがになんだかなぁ。
      親コメント
    • >著作者が死んでもその財産は子または妻に相続されるされるのも当たり前だし、

      この部分にどうも違和感を感じますね。
      著作権って「財産」として扱うべきなのかな?
      「権利」と「金」を無理やり結び付けてるところにねじれがあるような気がしますが。

      個人的には、著作権はあくまで完全に「著作者」に帰結すべきだと思います。
      なので他人に移したり譲渡したりできないほうが自然だと思いますし、
      そういう意味では失効というのはそぐわないとは思います。
      妻子孫々に相続したいなら、それらを明示的に「換金」しておけば済むことです。

      その上で「死後何年保護するか」って議論ならまだわかるのですが、
      現状だといくら綺麗ごと並べても「ただ飯食えなくなるから金よこせ」程度にしか聞こえません。
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    • 著作権期間を設定せずに、著作者が著作権を保持するか破棄するか選択するだけで十分だと思う。
      著作者が死んだ場合は著作者の家族が権利を保持するか破棄するかも選べる様にしておけばもっと良い。
      あとアメリカで言うフェアユース法を著作権法内で制定できれば完璧になる。
      --
      「やっぱり何事もほどほどに」っていう東○寺駅近くにある某社からの人生の訓示なのかなぁ。
      それでも団長腕章欲しいよ。
      すたー○いと!ぶれいかぁ!(笑)
      親コメント
      • それは、著作者が著作物を無から生じさせうる場合しか有効な議論ではないんですよね。普通、著作物は何らかの著作に拠っているわけで、それを都合よく忘れ去ることができるからこそ、著作者面できるわけです。もし社会的に永久に消えない著作権を設定してしまうと、後世の著作者予備軍はどんどん不利になっていって、がらんがじめになってしまいます。今は、夏目漱石のパロディーを気兼ねなく作れるのに、100年後はエヴァンゲリオンのパロディーを闇市場にしかだせない、となれば、どれだけ不公平かわかるでしょう。そんなバカみたいな著作奨励政策をとってしまうと、一時は著作が相次いで文化が華やかになるかもしれませんが、それは将来の著作者たちから吸い取っているにすぎず、亡国の策です。

        ディズニーが人魚姫をアニメ化できたのは、アンデルセンのころに著作権が短かったからだ、ということを忘れてはいけません。
        • Re:そもそも失効は必要? (スコア:1, おもしろおかしい)

          by Anonymous Coward on 2007年07月15日 15時26分 (#1190074)
          既得権の持ち主は、その権利が永遠のものであれば、もはや売れるか売れないか分からないリスクのある新しい創作は要らないと思っても不思議じゃないですよね。新規参入がないのでローリスクで着実な収入が見込める、という方向で。

          もちろん、そういうのは嫌だけど。
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    • by Anonymous Coward on 2007年07月15日 13時21分 (#1190009)
      誰もが考えうるような数小節のフレーズや、
      誰もが考えうるような物語などを、
      単に最初に発表したというだけの理由で、
      個人や団体などに永遠に独占させてよいのですか?
      親コメント
    • 今の著作権(財産権の方)では存続期間が長い方が、老人の創作活動のインセンティブになる、
      という理由もあります。
      著作者が死んでから10年、だと、80のじいちゃんの場合と20の若者の場合とで、
      出版社(レコード会社でも何でもいいですが)が出版権(同)の設定に出す対価が
      かなり違ってくると思われます。

      死んでから70年にしろ、50年でいいというような議論は、
      輸出に重きを置くか、輸入に重きを置くか、ということのようです。
      親コメント
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