yooseeによる
2007年11月12日 23時09分の掲載
素粒子の宝石箱やー部門より。
素粒子の宝石箱やー部門より。
takac 曰く、
高エネルギー加速器研究機構(KEK)がプレスリリース「Belle実験で新種の中間子を発見」で、4個のクォークの組合せで構成された素粒子の検出を発表しました。 過去にもそれらしき素粒子は検出していたとのことですが、荷電が0であったため既知の中間子の一種である可能性が否定できなかったとの事。今回は荷電粒子であるため、4クォーク構成であるとほぼ断定できるとのことです。
通常の中間子は2クォーク、陽子や中性子は3クォークの組合せで構成されています(5クォークの組合せも理論的には存在するそうです)。 この発見がどのような理論の発展をもたらすのか興味深いですね。 詳しい方、フォロー願います。
この議論は賞味期限が過ぎたので、保存されている。
新たにコメントを書くことはできない。
多クォーク (スコア:4, 参考になる)
統計量は少ないし、追試では見つからなかったし、でかなり微妙ですが。
http://www.spring8.or.jp/ja/current_result/press_release/2003/030701-2/
さらにdibaryon(6 quarks)も実験されています。
今のところ発見と言えるほどのデータはないようですね。
http://nucl.phys.s.u-tokyo.ac.jp/sakai_g/research/dibaryon.html
とりあえずtribaryon(9 quarks)は発見されています。
ストレンジな原子核との違いはよく判りませんが。
http://www.s.u-tokyo.ac.jp/info/hayano2.html
heptaquark(7 quarks)とかoctaquark(8 quarks)とかも理論では出ています。
実験についてはちょっと知りませんので、どなたかフォローをお願いします。
難しい研究だ (スコア:3, すばらしい洞察)
竹の研究をしているようにしか見えない。竹はたくさんあるが、ここで切ると新しい竹筒ができるぞ!とか三節が一番使いやすいなとか。もっと長い竹を用意すればいろいろできるかもしれないとか。
いや、バカにしているわけではなく、発見した後のことをもっと知りたい。
Re:難しい研究だ (スコア:5, 参考になる)
この理論が正しいとすると、クォークってのは、2つや3つどころじゃなく、数十、数百個がセットになって核子を構成することもできるのです。
しかし、現実世界では、クォーク2個のメソンと、クォーク3個のバリオンの仲間しか見つかって無くて、
「クォークの数を2か3に限定するための、未解決の理論があるのではないか?」「いや、実験を重ねれば4クォーク以上の状態がみつかるはずだ」と、いろいろな研究が進められました。
最近、SPRing8の実験で、5クォークの状態らしき粒子がみつかり、その後、いろいろな実験で同様の粒子が見つかりました。(それ以上に見つからない実験もありますが。)
5つがあるなら、4つもあるんでないかい? というわけで、いろいろな実験が行われ、その中で今回の発表があったわけです。
クォーク4つといっても、クォーク2個のメソン2つが、分子のような構造をつくっているのか、それともクォーク4つの状態なのかという議論もありますし、また、メソンの励起状態として、仮想的に2つのクォークがあるように見えるのかもしれませんけどね。
というわけで、竹林なのになぜか、2節か3節の竹しかない! 変だ!! と思っていたら、4節がみつかったってわけです。
もっとたくさんの節が見つかれば、節の数を制限している未知の理論が必要なくなります。
親コメント
Re:難しい研究だ (スコア:5, 参考になる)
クオークには3つの「色」があります。
光の3原色から「赤」「青」「緑」がよく使われますが、
もちろん本当にクオークがこれらの色をしているわけではなく、
3種類の状態を取る量子数を持つということです。
また、反クオークは「反色」を持ちます。
この「色」は赤青緑を混ぜると白色になります。
また同じ種類の「色」と「反色」と合わせても白色になります。
そしてクオークの結合を記述する量子色力学(QCD)によれば
「色」が混ざって白色であれば複合粒子を作ることができます。
陽子や中性子のような3クオークによるバリオン、
クオークと反クオーク1個ずつでできた中間子が
それぞれの複合粒子に対応します。
さらに、赤青緑それぞれ2色ずつの6クオーク粒子(ダイバリオン)、
例えば赤赤青緑のクオーク4つと赤反クオーク1つの粒子(ペンタクオーク)
も白色になるので許されることが分ります。
実際ペンタクオークは(親コメントにあるように少しあやしいものの)
実験で見つかっています。
こうなるとクオーク2つと反クオーク2つの粒子だって
あっても良いと考えるでしょう。
もちろん4クオーク粒子の存在が確認された事には意義がありますが、
これは、量子色力学の正しさを補強したということです。
むしろ、あるべきはずのものがない、という結果の方が
新しい知見を得る事ができるわけです。
親コメント
Re:難しい研究だ (スコア:3, 参考になる)
プレスリリースによれば、これまで発見されてきた数百種類の中間子はすべてが一対の
クォーク・反クォークからできていたのに、今回発見された新種の中間子は計4つの
クォークからできている新しい種類である、と。
こういう新しい種類の粒子が見つかると、その存在可能性をちゃんと説明できる理論の
構築が求められるわけです。あるいはそれが既に予言されていた粒子なら、その予言をした
理論が正しいことが裏付けられる。竹の例えで言うなら、「節はこういう理由でできる」
「こういう竹もあるかもしれなくて、それはこういうことに応用できるかも」という
次の一歩を促すのが、こういう新発見だと思うわけです。
「コレとアレをぶつけたらこんなん出ました」というだけではないんです。
親コメント
Re:難しい研究だ (スコア:4, すばらしい洞察)
>繋がるのか説明してくれるひとに会えない。
産業的,という意味ではニーズは無いと思います.
もうちょっと広範な意味でのニーズだと,「世の中わからん事があるから知りたい」
という社会のニーズに答えるもの,という事になるんでしょうか.
#基礎科学でもかなり直接的/間接的に産業に結びつくものもありますが,以下ではそういった
#ものとは違う,もう産業でのニーズなんぞには当分(数十年単位)結びつかないものを対象とします.
>そしてそういうシナリオのない仕事は敬遠されるだけでなく、
>普通の人は許してもらえないのです。
で,そういう微妙なニーズに対する研究でも,現代社会ではそれなりに許されている
わけです.それは現代社会がそこそこ余力があり,社会としての趣味,的なものとして
許されているからです.
#社会の中の個々人の趣味,というわけではなく,「社会」という総体が行う趣味,の
#ような意味で言っています.当然,社会に余力がなくなると打ち切られます.
元々先端科学というものは完全に趣味的であり,初期には宗教家の余技として,後には
貴族の嗜みとして,つまり社会的に裕福で金が余っていた存在が趣味的に行っていた
という面があります.これはまあ,自分らの資本で好きなようにやってるんだから好きに
やっていればよかったわけです.
その後,「どうも科学研究は産業育成や国力増大に役に立つらしい」という見方が生じ,
国が科学に金を出すようになりました.これによりそれまで不可能であった規模の研究も
出来るようになり,いわゆるビッグサイエンスが誕生します.
#国威発揚だったりすることもありますが.
こうなったときに問題になるのが,「ではわざわざ国が行うそういう科学はどんなリターン
をもたらすの?」という点です.その時に考慮すべきだと思うのは以下の点でしょうか.
1. 人間の知的好奇心を満たすのにどれほどの価値を認めるか?
単に知的好奇心を満たす研究は企業ではなかなかやれません(やっていないわけではあり
ません.大きな利益を得ている企業は,その余技としてどう考えても役に立たない基礎研究も
やっています).そういうニーズを満たすのには国による科学研究が有効です.ただ,それに
対しどこまで認めるか(知的好奇心を満たすってためには○○円までなら払えるな,というような
限度)は当然人により異なりますし,議論に乗せるべきです.
2. 思わぬところから思わぬ応用が出てくる事がある
革新的なブレイクスルーというものは,思わぬところから予想もできないような方法でやって
きます.そういったものを,結果を予測して研究から生み出すのは困難です.通常,国家による
科学研究で期待されているのはこういったものかもしれません.何せいつどんな驚異的な応用が
生まれるのかもわからない(生まれないかもしれない)研究に金をつぎ込めるほど余裕のある企業は
少ないからです(一部ありますが).そのため,事前の予想で産業的ニーズのない研究を完全に停止
すると,このようなブレイクスルーを見逃す可能性があります.
つまり,今ニーズが無い≠近い将来も使えない.
#一方,当然ながら,今ニーズが無い≠将来役に立つ,でもあります.
ただ,研究する側はこれを免罪符にしてはいけません.「当時何の役に立つかわからないといわ
れていて,今世界を支える研究がこんなにあるんだ」といったところで,実際には「当時何の役に
立つんだと言われて,今やっぱり役に立ってないし見向きもされない」研究も多数あります.
ですから,研究する側の我々も,常に「本当に自分が今やっている研究は意味があるのか」と自問
しながら,無駄は減らすとか,絞り込むとか,そういうのは必要でしょう.
#っても,実際どこから何が飛び出てくるかわからんので,その判断が正しいという保証はどうやっ
#ても出来ないんですが.
要は,ハイリスク・ハイリターンな研究(産業的用途のわからない基礎研究)と,ローリスク・ロー
リターンな研究(用途を見据えた研究)に対し,どういう比率でどの程度投資するか,という選択です.
ここでいうハイリターンとは,研究がうまくいった結果ではなく,そこから生まれる思わぬ発見が
ハイリターンであった場合を指します.
3. 波及効果
ビッグサイエンスのような装置依存型の先端研究の場合,装置作成に要する技術的要請を満たすために
周辺技術が進歩します.まあこれも一応考慮した方が良いかもしれません.
後は,こういった事を勘案して,それぞれがどの程度までを許すか,という議論でしょう.
ある人は知的好奇心を満たすなんぞには価値を見出さないでしょうし,別な人は無制限に近いような価値を
見出すかもしれない.将来のもしかしたら得られるかもしれない革新に賭ける人もいれば,堅実に目の前の
課題のクリアに賭ける人もいる.
親コメント
Re:難しい研究だ (スコア:2, 興味深い)
これが大きな勘違いです.
中の人は,「俺が知りたいことを知るために研究する」という事で,単に知りたい/作りたいもので
計画書を出して,国の裁定を仰ぎます.
国側はまた違う観点から「この研究は役に立ちそうだ」(役に立つ,には単なる利益以外の各種の
役に立つ,が含まれます)と思えば金を出しますし,思わなければ金を出しません.
やってる本人にとってみれば,「気になるから調べてみよう」とかそういう感覚ですので,別に
それ自体は苦になるわけではありません.ほら,新しい事とか珍しい事とか凄いものとか見たり
聞いたり知ったりすると面白いじゃないですか.そういうものと同じです.
適切ではない面もありますが,例えば本好きの人間が面白い本をひたすら捜し歩くとか,ガジェット
好きの人間がいろいろ新製品を買ってはバラしてみる/使い込んでみるとか,変わったものが見たい
からどこか違う国に旅行してみるとか,そういう感覚に近いんじゃないかと思います.
「俺が珍しい遺跡を見たいだけなのに,(発見したものが国の所有になるのと引き換えに)国民が
旅費払ってくれるなんてラッキー」とか,そんな感じです.いやまあ,それは言いすぎですが.
>それともなにか、中毒性があるんですかね???
これはあるかと思います.
価値観が世間一般と異なるところまで行っちゃう人も結構いますし.
「研究と家庭とどっちが大事なの?」とか問われて「研究」と即答して離婚した某氏(……って身近な
ところだけでも何人かいるのが嫌な感じですが)とか,私財を投じて実験器具買って嬉しそうに磨いて
いる某氏とか(何人か(略))とか……
親コメント
Re:難しい研究だ (スコア:2, 興味深い)
それ以外にも弱反応触媒になったりすれば、高効率ニュートリノ検出が可能になって、障害物に影響されないニュートリノ通信や地球丸ごと透視とか、はては宇宙ニュートリノ・エネルギーの利用やら色々。
もっと可能性の薄いこととしては、擬似重力子が作られて重力制御が実現するとか。(これは一時、第五の力として話題だったけど、まだ可能性は消えてない)
親コメント
>部門名 (スコア:1, おもしろおかしい)
Re:>部門名 (スコア:2, おもしろおかしい)
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