ポストシリコンの物質はグラフェン? 28
ストーリー by nabeshin
半導体もキムカツ風 部門より
半導体もキムカツ風 部門より
capra 曰く、
本家記事より。グラフェンという物質では熱振動が電子伝導に極めて小さい影響しか与えないことが、メリーランド大学の研究によって明らかになったそうです。グラフェンとは原子1つ分の厚さのグラファイトのシートから成る、半導体と金属の両要素をあわせ持つ物質で(以前のストーリ)、ポストシリコンとしても期待されています。電子の移動しやすさを示す移動度(mobility)では通常の室温において200,000cm2/Vsにも達し、既存の半導体で一番高い電子移動度をもつアンチモン化インジウムの77,000cm2/Vsと比較しても非常に高い値を出しています。また、室温での電気抵抗率も銅と比べ35%ほど低く、より高速なチップや生科学センサなどの技術への応用が期待されるとのことのことです。
Computerworld記事によると、既にIBMと日立はグラフェンを使った原子レベルトランジスタの共同研究を始めているようです。IBMからは研究成果についてプレスリリースも出ています(Nano Lettersジャーナル、写真資料)。
炭素系への移行? (スコア:1)
ダイヤモンド系薄膜の研究もありましたよね??
(ダイヤモンド表面を使う研究とか...)
シリコンから炭素への移行なのかなぁ。
こうして、コンピュータは、有機生命体への一歩を踏み出したのであった...。
Re:炭素系への移行? (スコア:1)
というのは野暮なツッコミで、ダイヤモンド系薄膜といえばDLC [wikipedia.org]のことでしょうか。
I think I can
六角形 (スコア:1)
単層無欠陥グラファイトとすると, 水平方向の角度によって物性が変わりそうな気もするんですが, どうなんでしょ?
回路の物理実装も, 結晶方向に合わせて60度単位で行うのかな?
Re:六角形 (スコア:3, 興味深い)
あと、グラフェンの場合、それに加えてエッジの形状も問題になるでしょうね。
試料を切り出す方向によって二種類のエッジの形状があって、 それぞれ、「ジグザグ」、「アームチェア」と呼ばれています。
ジグザグ型の場合にはエッジに局在した状態ができて、 その状態はちょうどフェルミ面のところに平坦なバンドを持ちます。 物質の主な性質はフェルミ面近くの性質を反映してくるので、 エッジの影響をかなり受けると考えられてるみたいです。
一方、アームチェア型だと平坦なバンドはできません。
この影響で、磁性なんかも変わってくるらしいです。
Re:六角形 (スコア:1)
グラファイトに限らず、結晶はまず間違いなく方向によって物性は変わるものです。確かシリコンの場合でも、移動度に関して電子は方位依存性が弱いけれど正孔だと方位依存性が結構強く顕れるなんて話を読んだ記憶があります。
Re:六角形 (スコア:2, 興味深い)
シリコンウェハを割ると、(100)は綺麗に割れますが、(111)は劈開面が斜めになります。
(111)な結晶は、断面SEMのきれいな試料を作るには研磨しないとならんのです。
Re: (スコア:0)
オフトピだし野暮は承知ですが (スコア:0)
どなたか解説して頂けないでしょうか?
Re:オフトピだし野暮は承知ですが (スコア:1, 参考になる)
キムカツ または キムカツ風でググるとどういうものかが出てくるので、
「半導体もキムカツ風」ってことは、タレコミ文中にある
という記述から半導体ド素人の俺でも
「(この技術を使った)半導体はキムカツみたく薄いシート(グラフェン)が重なる構造になるんやね」
と半ば推測できるわけですが。
タレコミ文にもある Computerworldの記事 [computerworld.jp] を読むと、
このグラフェンを2枚重ねにすることでノイズを減少させることが出来る云々とありますし。
#「パッと見意味の解らん部門名にすんな」という皮肉がこもってるのか
#純粋に解らないから訊いてみようとしているかどっちなんですかね
Re:オフトピだし野暮は承知ですが (スコア:1)
どこにコメントぶら下げたらいいか分からなかったんで、ここに。
グラフェンをくるっとスマキにするとカーボンナノチューブというそれなりに名の知れたものになります。
キムカツ風のものはグラファイトというこれまたそれなりに名の知れたものになります。
Interpol and Deutsche Bank, FBI and Scotland Yard (スコア:0)
いやいや、申し訳ない、後者です。
そもそも「キムカツ」が解りませんでした。周りに訊いたら結構有名な店なんだそうで、常識を知らないと叱られる始末。不勉強の上、ネットで調べる手間を惜しんでしまい、すいませんでした。
キムカツのWebサイトを拝見しましたが、中々旨そうですね。機会があれば食してみたいと思います。
ご提示のリンク先、非常に興味深い。
多層化までは語れていませんが、確かに重ね合わせることでノイズを抑えるというのが図と共に解説されております。その「ノイズ」たるものがどのような性質のもので、積層することによってどういう影響を受けるのか、素人ながらに不思議に感じます。膜ごとにランダムに発生した各々のノイズが平均化されて抑制されたように見える(フォトレタッチのコンポジット処理みたいな)って単純な話では無いのですよね?
Re: (スコア:0)
#「キムカツ」とは超薄切り上質ロース肉を25枚重ねて揚げたもの。
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
ついでに、権威の方のご意見伺いたく (スコア:0)
すいません!年度末でWikipediaとか調べる暇なく・・・フォローお願いします。。。
Re:ついでに、権威の方のご意見伺いたく (スコア:1)
権威なんか全く無いけどID
Re:ついでに、権威の方のご意見伺いたく (スコア:1)
私は20年以上前から「移動度」ですね。
#そういう表記の本もあったような記憶が微かに…
Re:ついでに、権威の方のご意見伺いたく (スコア:1)
私も20年くらい前から「移動度」と書かれた本しか読んでなかったもので…
古い本を読む時は気をつけます.
でもキャリアの動きやすさを表す量として考えると「易動度」のほうが
訳として適切なような気もしてきました.
熱に影響されにくいということは・・・ (スコア:0)
そうなると、暖房器具としての活用を考えて
床下埋め込み型のPCとかが出てくるかもしれないわけですね。
# 夏は・・・どうしよう・・・
Re:熱に影響されにくいということは・・・ (スコア:1)
いままでいろいろ出てきたが・・・ (スコア:0)
一部超高性能を要求されるような場面ではこういうものも必要なんだろうけど、値段がネックだよ!
Re:いままでいろいろ出てきたが・・・ (スコア:1)
酸化させるだけで良好な絶縁膜を作れるとか、
その絶縁膜を容易にエッチングできるとか、
逆にシリコンだけをエッチングで溶かせるとか、
といったデバイスを作る上で都合のいい性質をいっぱい持ってるからです.
確かにコストの上でも優位なのですが、それだけでは無い訳です.
その点今回の材料がどうなのか興味深いです.
Re:いままでいろいろ出てきたが・・・ (スコア:1)
> 確かにコストの上でも優位なのですが、それだけでは無い訳です.
いや、それ(都合のいい性質)を含めてのコストなんじゃないかな。
原料費は安いけど、加工が難しくてトータルは高くなっちゃったよ
とかいった理由で実用化にこぎ着けられない素材ばかりだったというのが今までの歴史なわけで。
Re:いままでいろいろ出てきたが・・・ (スコア:1)
(材料の)コストも低くて電気的な特性も Si よりいい材料でも
集積回路が作りにくくてメジャーになれない材料もいっぱいあるよという意味で、
ああいった言い方になりました.(Ge とか薄膜ダイヤモンドとかみたいに)
今度の材料はどうかというと今後20年はシリコンを置き換えることは無いといっている位だから
越えるべきハードルはまだまだたくさんありそうですね.
Re: (スコア:0)
どっちかって言うと、量産化に失敗したという歴史の方が圧倒的な気がします。
(単純にコストだけの問題なら買う人居ますし
ただし量産化を見越した初期の実用化試験ならコストが合わず量産化の断念は多々ありますが)
Re:いままでいろいろ出てきたが・・・ (スコア:1)
性能と集積度をあげる為にシリコンから炭素原料に移行。
コストを抑えるために、生成が半自動で進むような機構を開発。
・・
とか、色々やったら気がついたら人間ができてました。
ってなことになるとか。
# ケイ素ベースの生命体が居ないのはこういう理由だったんですね。
コンタクトZ最強 (スコア:0)