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30606 story

NASA、JAXAから宇宙ステーション補給機の購入を検討 32

ストーリー by mhatta
ギブアンドテイク 部門より

“Hな……”じゃないよHTVだよ 曰く、

/.Jでも最近米の次世代宇宙船とロケット開発、すでにスケジュールに遅れ という記事において、スペースシャトル退役後の国際宇宙ステーション(ISS)への有人宇宙船の開発遅れが話題になっていたが、シャトル後継機の開発がうまく行かなければ、物資輸送にも影響が出てしまう。この問題に対して、今朝読売に、米シャトル後継候補に日本の無人宇宙輸送機、NASA打診という記事が掲載された。現在、JAXAで開発中の無人補給機HTV(宇宙ステーション補給機:H-II Transfer Vehicle)に関して、NASAが購入の検討を始めており、JAXAに打診していることが報じられている。HTVはH-IIBに搭載されてISSへ最大6トンの物資を補給する無人輸送機(大気圏再突入時に燃え尽きる)。今年の4月18日に初号機の記者公開が行われ、地上試験の後、来年2009年夏に打ち上げられる予定である。記事によれば現在は1機140億円であり(H-IIB込みの値段?)実現すれば「50年にわたる日本の宇宙開発史上初の超大型取引」という。

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  • One of them (スコア:5, 興味深い)

    by pongchang (31613) on 2008年07月21日 7時25分 (#1387391) 日記
    2009年度の予算教書で5年で26億ドルのISSへの輸送予算しかない[pdf [whitehouse.gov]]。それで50t近くの荷物を運ぼうというのがNASAの予算案。人員の輸送と実験サンプルの持ち帰りには現状ではソユーズしかない。7.5t積めるATVのほうが安い、言及があるように嵩張るものは6tの登載量のHTVが格納できる。
    HTVとデルタを組み合わせればコスト的には負けないかもしれないが、システムインテグレートの失敗のリスクはH2Bの値段とどっこいかも知れない。結局のところGOAのpdf [gao.gov]の12ページ目からを読めば、全ての手段を組み合わせる事になるのであろう。
    米国の民間案(COTS[pdf [nasa.gov]])のうちRocketplane Kistler (RpK) は手を切れ [gao.gov]と言われており、Space X [spacex.com]のFalcon 9は3.1tの貨物積載量に過ぎない、将来的にはDragon [spacex.com]があるがFalcon9すら、H2Bと同様実機があがっておらず、Falcon9は9基のエンジンをクラスターにしたものでやはり実機の完成を待つところが多々ある。
  • JAXA涙目 (スコア:4, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2008年07月22日 6時28分 (#1387856)
    日本の貨物輸送についての不正確な報道に関する声明
     報道とは異なり、NASAはHTV(宇宙ステーション無人貨物機)のJAXAから購入を
    公式にも非公式にも検討していない。
     NASAは宇宙ステーションへ貨物輸送を国内の民間会社に委託することにしており、
    日本から貨物送付サービスを導入することを検討していない。共通運用システムの
    代償についての協定において、NASAは日本とヨーロッパの輸送船の運搬能力を制限した。
    ISSが必要とする物資については、現在国際協定に基づき供給されているが、
    NASAはそれを越えるものについての要望提案を行った。NASAはステーションへの
    貨物輸送については民間輸送に依頼することを選択している。
    2chのスレッド [2ch.net]

    NASAの声明 [nasa.gov]
  • by Anonymous Coward on 2008年07月20日 22時12分 (#1387236)
    まぁ、毎度のことですがここでぼんやり向こうからやってくるのを待っていて商機を逃したってのが日本の産業史で数多見られた光景なわけで、向こうが他の内部プロジェクトに流れる前に売り込んでほしいね。

    ここで運用ノウハウも稼げたら有人飛行なんかにも使えるだろうしね。

    • 米国宇宙産業や、そのロビイストに牛耳られたりする政府の横やりは大丈夫でしょうか。
      --
      モデレート したいときには 権利なし
      かつかれー
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      ショートリリーフなんだし、打ち上げも含めて日本に任せてくださいって売り込みもありですよね?
      まだH2Bの実績ありませんけど。
      • by Anonymous Coward
        >まだH2Bの実績ありませんけど。

        実績の無いものは売り物になりません
        常識的に考えて開発が先行しているATV(欧州補給機)を選ぶのが無難
        となればHTVはATV購入が駄目だった時の保険でしょう

    • by Anonymous Coward
      技術開発は一流
      経営戦略は三流
      高度成長期時代からずーっと変わっとらん
    • by Anonymous Coward
      売り込みは良いが、日本は黒字化できるのか?
      • by Anonymous Coward
        宇宙関連はあまり詳しくないんであれだけど
        日本は部品を規格化してコストを下げるのが下手な気がする
        • by keybordist (3572) on 2008年07月21日 1時50分 (#1387331) 日記
          H-2の時に金が掛かってた部分を、海外のより安い部品に置き換えることで、
          H-2Aは低価格化を実現しているので、部品の規格化によるコスト低減は十分果たせていると思いますが。

          更に言えば、H-2Bの場合、プロトンやLM-3を相手にすると分が悪いですが、
          アトラス5やアリアン5を相手にする分には、十分太刀打ちできる程度の値段ですし。

          親コメント
      • by Anonymous Coward
        実験段階のロケットなんざトラブってナンボのもんじゃー!
        商用に至る過程なんざ赤字出してノウハウ蓄積してナンボのもんじゃー!

        モノを知らん奴が知ったような口をきくなー!

        とか言っておけば有耶無耶になる説。
        #当然AC
  • 漠然とした不安 (スコア:3, すばらしい洞察)

    by tmiura (6268) on 2008年07月21日 12時36分 (#1387501) 日記

    アメリカからうまい話がやって来るときには絶対何か落とし穴がありそうな気がして恐いんだが。

    知財がらみとか、他の商談をキャンセルさせた挙げ句手を切るとか、Atlas/Deltaに乗るように改装しろとか、えーとえーと……

    • by Anonymous Coward
      > Atlas/Deltaに乗るように改装しろとか、
      アメリカから言われなくとも、これくらいはやっておいて欲しいなあ。
      万が一H-IIBがこけたときのことを考えて。

      大枚はたいてようやく完成したISSが、実験装置が届かずに遊んでるなんて事になったら目も当てられない。
      • by tmiura (6268) on 2008年07月22日 3時08分 (#1387836) 日記

        「これくらいは」で済む規模の改装で済めばいいんですけどね。

        ステージやフェアリングとのインタフェースとか制御系とか 宇宙機そのもののサイズとか 加速度や振動や温度変化みたいな環境想定とか、 ロケットの各段の能力との食い合わせとか、 そういった設計要件を決めるときに 極限まで重さを切り詰めるって強力な縛りがあるので、 ロケットを変えるのって簡単ではなさそうな気がします。

        実際のところどうなんでしょうか。

        親コメント
  • by Anonymous Coward on 2008年07月20日 23時20分 (#1387269)
    既に実績のあるプログレスがあるにもかかわらず、あえてHTVってのは
    ISS計画に巻き込んだあげく数千億散財させた日本に対する
    アメリカなりの誠意でしょう。暴露部の設置すらあやしいですし。

    H2Bには米国製の部品もかなり使われていますから、ロシアに丸投げするよりは
    米国に還流するお金もそれなりにありますし、シャトル退役後
    ISSを全てロシア任せにするのはそれなりにリスクがありますしね。
    • ATVやプログレス (スコア:5, 参考になる)

      by kitakitsune (25416) on 2008年07月20日 23時48分 (#1387283) 日記
      ATVやプログレスはハッチが小さいのでISS内部の装備の基本規格である国際標準実験ラック(ISPR)が入りませんし、
      バッテリーなどの暴露部への補給品を運ぶ能力もありません。しかしHTVはISPRも暴露部への補給品も運ぶことが出来ます。
      もっとも、ATVやプログレスは推進剤の補給能力やISS全体の推進能力を持っていて、これらの機能をHTVは欠いているわけですが。

      アメリカの手持ちのロケット(デルタIVやアトラスV)がH-IIBの予定価格と比してさえ安くないうえ、
      わざわざHTVを彼らのロケットに載せかえるための諸々の面倒とコストを考えると、
      もしHTVお買い上げということになれば、おそらく打ち上げ機もH-IIBでということになるのではないでしょうか。

      しかし、彼らがシャトル退役後を見越して民間企業に開発させてたはずのCOTSも運用開始が2015年(予定)だしなー。なんかちぐはぐ。
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      不況が長すぎたせいか、みんな消極的すぎますね。
      私も他人のことは言えませんが。
  • by Anonymous Coward on 2008年07月20日 23時25分 (#1387272)
    H-2Bというのが、どうも鬼門。
    新しいロケットには、どうもリスクを感じる。
    H-2Aなら、そうとう実績があるのに残念。
    • by Anonymous Coward on 2008年07月21日 9時53分 (#1387444)
      H-IIBはH-IIAの技術を捨てて新規に開発したものではなくて、
      ・H-IIAの第一段液体燃料ロケット×2
      ・固体燃料ブースターを2本から4本に
      と、各構成要素はH-IIAで実績のあるものを組み合わせて輸送力をアップしたもの。
      不安があるとすれば、切り離しがうまくいくか、だろう。

      年間1本あるかないかの状況からNASAから受注して年間数本以上コンスタントに打ち上げられる状況になれば
      実績・ノウハウの蓄積にもなるし(しかもアメリカのお金で)、量産、とは言えないまでも
      たまに生産ラインを稼動させるオーダーメイドみたいな状況よりは1機当りの生産コスト削減も考えられる。
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      1[isp]って、そんな単位あったっけ。
  • by Anonymous Coward on 2008年07月20日 22時41分 (#1387244)
    ふじプロジェクトまだー(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン

    ページどこに行った
    • by Anonymous Coward on 2008年07月21日 1時07分 (#1387313)
      JAXAへの移行時に消えてしまったようです・・・残念。
      インターネットアーカイブ [archive.org]とかを参照してください。
      (今繋いだら何かエラーになりましたけど、この前見えたので大丈夫かと。真っ白になるときは文字コードを手動で設定。)
      親コメント
    • Re: (スコア:0, フレームのもと)

      あれにまだ淡い期待を抱いているノイジーでマイノリティーなおばかさんを量産してしまったという意味で、
      あの(プロジェクトなんて呼ぶのもおこがましい)ポンチ絵は相当に罪作りな産物であったことよ……と思ってしまうわけですが。
      • by Anonymous Coward
        もともと有人宇宙飛行は、背中に核爆弾の次ぐらいに強力な爆発力を秘めた
        大量の燃料を積んで、火を吹きながら星の世界まですっとんでいくプロジェクトでしょ。
        よほどの馬鹿でクソ度胸のある連中でなきゃ、最初からやらないよね。
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