yosukeによる
2008年08月05日 1時24分の掲載
The-Cosmic-Rosetta-Stone部門より。
The-Cosmic-Rosetta-Stone部門より。
insiderman 曰く、
名古屋大学大学院の吉田直紀助教らの研究グループが、宇宙で最初の星が生まれる過程をコンピュータシミュレーションによって計算することに成功しました(東京大学のプレスリリース、Science誌掲載論文要旨、論文(arXiv.org)、時事ドットコムの記事)。
宇宙の「第一世代」の天体がどのように生まれたかというのは、長らく謎に包まれていました。そこで吉田氏らの研究グループは、N体による重力計算とSPH法による流体計算を行なう並列ソルバーであるGadget-2に輻射輸送や化学反応、原子核反応などを組み込んだ、「第一原理」的なシミュレーションが可能なソルバーを開発しました。
このソルバーに、WMAPなどによる詳細な観測に基づいた宇宙原始の物質の初期位置、速度分布モデルを与えてシミュレーションを実行したところ、宇宙が始まって数億年程度で暗黒物質の重力によって巨大なダークマターハローができ、それから10万年程度でのダークマターハローの高密度中心部に太陽の1%ほどの質量を持つ「原始星」が生まれるまでの過程を再現できたそうです。 また、理論的計算によると、この原子星は周辺のガスを取り込み、数万年程度で太陽の10〜100倍の大きさに成長することが示唆されたとのこと。
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太陽の100倍ですか。 (スコア:1)
今手元にある白金触媒はもしかしたらそのときに出来たのだろうか。
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ガジェット2? (スコア:1, 参考になる)
http://www.mpa-garching.mpg.de/gadget/right.html#Pictures [mpa-garching.mpg.de]
#Licenseのとこ見たら、GPLなOSSだった。OSSも色々な方向に普及してるもんだと実感。
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Re:ダークマターって (スコア:2, 興味深い)
もちろん仮定(モデル)に基づいています。
ただモデルとはいっても、数多の観測結果からくる制限(いわゆる宇宙論パラメータ各種の
観測結果)等により束縛されます。
初期の通常物質の密度揺らぎは量子揺らぎ程度である事が要請されますし、実際観測結果も
まあそんなもんです(WMAPでの観測)。ダークマターだけが馬鹿みたいに大きな密度揺らぎを
持っている理由は今のところなさそうですので、まあ同程度の密度揺らぎだと想定されます。
またダークマターの量/現在での分布に関しては観測結果からかなり正確に分かっています。
(現在と言っても比較的遠方の銀河の観測結果まで含むため、ここ数十億年での量はおおよそ
変化していないということもまあ言えるんじゃないかなあと)
この観測から同時に、ダークマターがほぼ重力のみで相互作用することも判明しています。
(銀河の衝突などで、通常物質がかなりぶつかり合うのに対し、ダークマターの分布は
衝突後もそのまますり抜けていることなどから)
また、初期の量子揺らぎ程度が時間発展で現在のような大規模構造を作れないといけないという
要請とほぼ重力だけで相互作用するという仮定のもと計算結果と照らし合わせて出てくる
ダークマターの量は、現在の観測量とほぼ一致します。
そんなわけで、わかっていることとして
・ここ最近は量はそんなに変わっていない
・ここ最近での通常物質との量の比はよくわかっている
・重力以外の相互作用はあったとしてもかなり弱い
・原初に(通常物質以上の)大きな密度揺らぎがあったという理由はとりあえず思いつかない
がありますので、これを元に、とりあえず今の物質-ダークマターの量の比は昔から変わらなくて、
ダークマターは重力だけで相互作用して、その密度揺らぎはまあ量子揺らぎ由来な程度、という
ものを、通常の物質(こっちは相互作用があるんで流体として計算に含める)と混ぜて時間発展を
追ったらこんな感じになったよ、というのが今回の論文かと。
#と、近だけ書いたにもかかわらず単なる素人の聞きかじりなんでどこまで正確かは保証できず。
もちろん、宇宙の歴史のどこかの段階で突発的にダークマターが増えているとか、現在考慮
されていない過程で宇宙の構造がダイナミックに変わったとか、そういういわゆる標準モデルから
逸脱した過程があったとすれば計算の前提は一気に崩れます。まあ、科学ってのは必ず何らかの
前提のもとで研究が行われますので、前提が崩れればそれ以降も一緒に倒れるのは当然ですが。
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