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準結晶でも結晶でもない、「準準結晶」発見される 15

ストーリー by hylom
第4の固体物質あらわる 部門より

capra 曰く、

準結晶の研究していた研究者たちが、準結晶でも結晶でもない、「準準結晶」(Quasi-Quasicrystal)とも言える構造を発見しました(Science NewsNature本家/.記事)。

準結晶の性質を研究するためにプラスチックビーズとレーザーで準結晶の状態を作ったところ、照射レーザーの強度が中程度のときに「アルキメデスの平面充填形」に似たパターンが形成されました。しかしアルキメデスの平充填形の規則性は持たず、準結晶のように非周期であったとのことです。しかし秩序性が無いのではなく、フィボナッチ数列のパターンがみられたとのことです。

通常とは異なる構造の物質が大抵そうであるように、準準結晶もまた特別な性質を持っているに違いないと考えられていますが、その解明はまだこれからということです。

準結晶はまだ一般にはあまり知られていないが、結晶のように分子/原子が並列に並んでいるのではないが、秩序だった原子・分子配列は有しているという固体のことだ。その構造から、高い電気抵抗や強度といった特異な性質を持っているのが特徴である。

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  • 季節がら (スコア:3, おもしろおかしい)

    by manmos (29892) on 2008年08月06日 19時02分 (#1398268) 日記
    高校野球で最もおもしろい対戦の話ですね。
  • その後 (スコア:3, おもしろおかしい)

    by Hatris (33732) on 2008年08月08日 17時49分 (#1399807) 日記
    三位結晶遷なんていうのがでてくるんでしょうか?
  • by bunny-wheat (25840) on 2008年08月09日 0時34分 (#1399951) 日記
    五角形っぽいところが似てるように見えますが
    ペンローズのタイル [wikipedia.org]と何か関係があるんでしょうか。
    (ペンローズのタイルの関連項目に「準結晶」があるから、あるんでしょうけど)
    --
    『月面兎兵器ミーナ』2007年1月13日から放送開始
    • by Anonymous Coward on 2008年08月09日 8時00分 (#1400031)
      >ペンローズのタイルと何か関係があるんでしょうか。

      ペンローズタイル張りは準結晶のモデル構造の一つです。
      準結晶のX線回折からは5回対称(他のもありますが)のパターンが得られます。これは結晶中に
      5回対称軸が存在することを意味しますが、5回対称を持つ単位格子が周期的に並んだ結晶構造は
      ありえないことが示されています。
      では実際の構造がどうなっているのかと考えた時に出てくるのが、ペンローズタイルのように
      5回対称(1/5回転しても同じ構造になる)を持ちながらも周期的でない(任意の距離平行移動
      しても元の形状と一致しない)構造です。ペンローズタイル以外にもこういった5回などの
      対称性を持ちながらも周期的でない構造(=準結晶の構造の候補)はいくつも知られていますが、
      ペンローズタイルはその中でももっとも単純なものの一つです。

      実際、ペンローズタイル状の構造をとっている準結晶が見つかっています(他の構造のものもある)
      親コメント
  • by AKEDON (11450) on 2008年08月08日 16時56分 (#1399758) 日記
    というのが一番興味あり、まず思いつくのが電気特性、力学的強度、立体構造の解明が今後の目標?
  • A Quasi-quasicrystalと言うのね。なんか馬から落馬したみたいな表現、とふと思いました。
    # そんだけだけどID
    • by Anonymous Coward
      準準結晶と何が違うのだろう:-)
  • by Anonymous Coward on 2008年08月08日 16時53分 (#1399753)
    エッシャーさんです
  • by Anonymous Coward on 2008年08月09日 5時00分 (#1400009)
    論文にアクセスできないので原著者らが何を言いたかったのかいまいちわかりませんが,特殊な2次元タイリングを玉とレーザーで作っただけのように見えます.現実の物質とのつながりがわかりませんし,Natureのアブストラクトにあった「準結晶と結晶の構造を併せ持つ」の意味もわかりません.「A Quasi-Quasicrystal」というのは読者の興味を引くためのアオリにしか見えませんが,実際のところどうなのでしょうか?詳しい方がいたらご意見を伺いたいです.
    • 準結晶(通常は数種の原子からなる複雑な系)の表面に一層だけ原子を蒸着すると,
      準結晶の構造からくるポテンシャルの影響を受けることで単一原子種のみからなる
      二次元準結晶が形成されます.(単一種なので理論的に取り扱いやすい)
      その形成過程の研究のモデルとして,複数本のレーザーの干渉により準結晶とおなじ
      構造をもつ光学的ポテンシャルを形成し,そこにビーズをばらまくことで準結晶表面
      での原子吸着と同じ状況を作り,どのように準結晶構造が形成されるのか,という
      研究です.
      レーザーパワーが強い極限(=準結晶との相互作用が強い場合の原子吸着に相当)では
      当然その構造を反映して二次元準結晶が形成され,逆に弱い極限では単なる二次元結晶
      となります.で,その中間領域では結晶に近い構造だけれども準結晶状ポテンシャル
      との格子不整合によりあちこちに準結晶状の欠陥(逆に見れば,準結晶状構造の
      あちこちに結晶状構造の欠陥)を含んだ二次元構造が出現しましたよ,というのが
      概要.
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        結局、

        ふつうというか古典力学的というか線形な挙動をする物質(玉)ならば、
        なんの面白みもない話だし面白い結果も期待できないんだろうけど、

        ものが量子力学というか非線形な対象物なので、
        びみょーに違うかたちを取れたってこと自体がビックリだし、
        そのびみょーに違う「だけ」のものが従来と全然違う性質になっちゃうかもねって期待も出来る、と。

        それにしても相転移ってすげぇ。
      • by Anonymous Coward
        解説ありがとうございます.Quasi-Quasicrystalというのは大げさな気がしますが,とにかく納得いきました.
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ナニゲにアレゲなのは、ナニゲなアレゲ -- アレゲ研究家

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