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バイオテック

視力を失った男性に「人工眼球」を移植、光を感じられるように 47

ストーリー by hylom
思っていたより科学技術の進歩は速い、 部門より

insiderman 曰く、

BBCによると、数ヶ月前にロンドンで「bionic eye(人工眼球)」の移植手術が行われていたそうだ。手術を受けたのは30年前に視力を失った73歳の男性、Ronさん。

Ronさんに移植された人工眼球は「Argus II」と呼ばれるもので、カメラや画像処理プロセッサがマウントされたサングラスと、網膜にインプラントした電極、そしてカメラから得た情報を電極に送信するレシーバーから構成されている(動作原理を解説するBBCの動画)。カメラで撮影した情報を元に網膜を刺激することで、視覚を再現するという仕組みだ。

現在はまだ光の存在を感知できる程度で視覚を取り戻すまでには至っていないものの、移植を受けたRonさんは白と黒と灰色を見分ける、といったことができるようになったそうだ。また、Ronさんの妻もこの臨床試験に期待をしており、「彼は一人で洗濯機を操作することもできるようになった。次はアイロンがけに挑戦させてみたい」と語っている。Ronさんは「晴れた夜に月を見ることができるようになりたい」と目標を語っている。

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  • by Anonymous Coward on 2009年03月06日 16時29分 (#1526218)

    「この、俺に家事ばっかり押し付ける婆さん誰だよ。声は俺の嫁に似てっけど。
     ああ、俺の優しくて若い嫁はどこに?」

  • 眼球から脳へと情報を送る神経(=視神経)というのは、その細胞の本体は、眼球の網膜にあります。そこから、神経線維が脳まで伸びていきます。今回の治療法は、網膜に電極を埋め込んで、網膜の各部位を電気刺激してやることで、この神経細胞を興奮させてやるという方法ですから、この治療法を選択する前提として、視神経の神経細胞が(全部ではないにしても)生きている、脳にまでちゃんと信号を送れる、そして脳の側には大きな障害はない、ということがわかっていたわけですね。

    BBCの動画を見てみたんですが、網膜に埋め込んだ電極ってのがかなり小さい板状のものでした。埋め込んだ場所は、おそらく網膜の中心部のあたりで、通常の視野を持つ人なら、注視しているものを見るときに使う部位に相当すると思います。その電極板に相当するエリアには、(正常なら)無数の視神経の細胞が並んでいて、「高精細」な画像を脳に送っているわけですが、現時点の患者さんではどのぐらいの「画素数」の画像を送れているのでしょうね?

    これからだんだんと電極板からの電気刺激の解像度を上げていったとして、患者さんの網膜がどの程度の解像度まで対応してくれるようになるか?というのは、機能してくれる視神経細胞の密度がポイントになるのでしょうか。

    家族の顔が区別できる程度の解像度が得られるようになるといいなあと思いました。

    • by sameshima (10060) on 2009年03月06日 23時01分 (#1526407) 日記
      埋め込んだ素子はパラレルにNxNの電極を駆動して視神経を刺激する液晶画面のようなものだと思います。 そのため画素数を増やすの大変だし、手作業(手術)で電極つけると位置精度もむずかしい。 昔のCRTのように電子ビームをスキャンするような感じで神経を刺激できないでしょうかね。
      網神経の上に細胞組織の立体形成 [braina.com]を使ってCCDのような感じで細胞間で画素情報を転送するものを作って、電気からの入力はビデオ信号と同期信号の線3~4本にするとか。

      細胞でこういうのが作れるようになれば、蛍とかイカの発光かヤモリとかの変色の仕組みと組み合わせて表示素子にも応用できる。
      さらに自己組織化ができたら、種のようなものを買ってきて水と肥料をやって育てると画素数が増えるディスプレイ。 水やりわすれたりして3~4年で枯れるので買い替え需要もみこめる。
      親コメント
      • by tomone (15592) on 2009年03月07日 8時09分 (#1526541) ホームページ
        人間の目って言うのは網膜の段階である程度画像処理をしていて、ビットマッ
        プパターンを送っているのではなく、エッジ検出ぐらいして送ってるんじゃな
        かったっけ? そこら辺まで考えて神経刺激するのは難しそう。

        後、画像認識の種類は赤ん坊の発達段階で決まってしまっていて、例えば縦線
        認識する段階で縦線を一切見せないと、その後どれだけ縦線を見せても、縦線
        を認識できなくなる。

        つまり、失明の治療は出来ても、生まれながらの全盲には使えなかったりする
        かなと。目に映ってはいるが、それが何なのか理解出来ない状態になる。
        --
        TomOne
        親コメント
  • by TarZ (28055) on 2009年03月06日 16時52分 (#1526235) 日記

    名称が Argus というのがなんだかすごいのですが。開発者は、最終的には体中にカメラをつけ、全方位の視覚を目指しているのかしらん。

    # 視覚がすごくて死角なし。

    • Re:名称が… (スコア:1, おもしろおかしい)

      by Anonymous Coward on 2009年03月06日 18時42分 (#1526296)

      僕は語源の100目より先にファミコンのクソゲーの方が想起されました

      親コメント
    • by Anonymous Coward
      Visual Instrument and Sensory Organ Replacement がいいなあ
    • by Anonymous Coward

      そして、某社社内では社員のオンライン活動のみならず、物理的な行動までもが監視対象になるのであった...

  • by lutero (1993) on 2009年03月06日 17時00分 (#1526243)
    故障すると赤く光るんですかね?
  • by Anonymous Coward on 2009年03月06日 17時07分 (#1526246)

    以前、脳内に電極を埋め込んで視覚を取り戻す実験に協力した人は、研究チーム解散に伴いシステムがメンテナンス出来なくなって、ほとんど機能しない状態で放置されているんだよね。同じように途中で放り出されないことを祈っています。

    • by Anonymous Coward on 2009年03月06日 17時38分 (#1526270)
      開発者が急死したんじゃなかったですか?
      確かブロック状にものを認識できる程度の機能で、最初は数十あったブロックが
      テレビで紹介していた時点で数個になっていたって話で。
      凄く悲しい気持ちになった記憶があります。
      日本でもこの手の分野に携わっている方がいるのでしょうが、頑張って欲しいです。

      600万ドルの男の義眼は、いつになったらできることやら・・・
      親コメント
      • by Anonymous Coward

        >> 日本でもこの手の分野に携わっている方がいるのでしょうが、

        いません.日本では脳に電極刺したりするのは(いくら本人が望んでも)法的に許されないので.基本的に,それ系の研究者はMRI等の機器で脳を外部から観測してるだけです.

  • by RB104 (4896) on 2009年03月06日 16時26分 (#1526216) 日記
    ペットボトルのキャップ並みになるのはいつかな
    • by Anonymous Coward

      > ペットボトルのキャップ並みになるのはいつかな

      バトーの眼のことね。

      ズーム機能が欲しいな。

      • by Anonymous Coward
        私はドクターキタグチを思い出しました
        尤もそれより前にオーベルシュタイン元帥閣下を連想しましたが

        今回の希望の光が鮮やかな虹のような光に変わることを期待しつつAC
  • トリコーダーに接続してセンサー機能を強化するなど、さまざまな応用ができるのですよね!?
  • by MtCedar (31912) on 2009年03月06日 16時59分 (#1526241)

    そして、ゆくゆくは「雨の夜に月を見ることができるように」なるわけですね。

  • 人工眼球というとゾンビ-ハンターの田村俊夫が装着したモノクロだがズームや非可視光領域の感知ができる義眼とかゴクウの風林寺悟空が装着した可視光・紫外・赤外・X線を見ることができ、全てのコンピューターにアクセス可能な義眼型端末(神の目 [wikipedia.org])とかが思い浮かびます。

    これほどの高機能は無理にしても、物の形(輪郭)の認識、詳細の認知、フルカラー画像、と進歩していってもらいたいものです。
    # 明暗を感じるだけでもすごいことなのでしょうが。
    • by Anonymous Coward

      特捜司法官も混ぜてあげてください。

  • by pnizo (30995) on 2009年03月06日 18時37分 (#1526292)

    >次はアイロンがけに挑戦させてみたい」と語っている

    全盲のエクストリーム・アイロナーとは、実にドラマチックですね。
    http://www.exironingjapan.com/ [exironingjapan.com]

  • 随分前にTV番組で見た実験も、網膜埋め込み型でしたね。
    記憶が確かなら、その実験も人間の眼球の奥に素子を埋め込んでましたが、
    義眼で簡単にアップグレードできなければ、大変な作業ですね。

    また別の視力補助の実験もTV番組で見たものですが、
    額に素子を貼り付けて、カメラに映った映像を皮膚へ刺激として伝達するものでした。

    どっちも興味深いですが、
    患者の視点で考えると、後者の方が体に影響が無くて安心かなぁ、と思います。

    --
    俯瞰しよう。何事も俯瞰しなくちゃ駄目だ。
  • by Anonymous Coward on 2009年03月06日 16時39分 (#1526227)
    劣悪遺伝子排除法がなくてよかった。
    • by snowmark (36692) on 2009年03月06日 17時01分 (#1526244)

      この人は後天性みたいだし関係ないのでは?

      でも赤色 LED が無意味にチカチカする
      参謀長閣下仕様のは見てみたい気もしなくもないです。

      #個人的には疑眼というと特捜司法官が…

      --
      ~パタポン教徒~
      親コメント
    • by Anonymous Coward

      >劣悪遺伝子排除法
      つい最近まで実在しましたよ。
      優生保護法ってやつです。

  • by Anonymous Coward on 2009年03月07日 1時11分 (#1526454)
    送信するのにレシーバー(受信機)とは、これ如何に
  • by Anonymous Coward on 2009年03月09日 14時48分 (#1527481)

    こっちの方がスマートですね。
    http://rikunabi-next.yahoo.co.jp/tech/docs/ct_s03600.jsp?p=001496 [yahoo.co.jp]

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弘法筆を選ばず、アレゲはキーボードを選ぶ -- アレゲ研究家

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