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アレゲなニュースと雑談サイト

hylomによる 2009年05月15日 14時32分の掲載
な、なんだってー部門より。

あるAnonymous Coward 曰く、

Bloombergが報じるところによると、新型インフルエンザのウィルスの起源がワクチン製造の際の人的ミスであった可能性があるとのこと(本家/.)。

新型インフルエンザウィルスの研究を行っているAdrian Gibbs氏は、インフルエンザワクチン製造の際に使われるニワトリの卵で新型のウィルスが偶然発生し、これが今回の新型インフルエンザの起源となった可能性があるとの説を唱えている。この説は、同氏が新型ウィルスの起源を追求するために遺伝子の青写真の分析を行ったところ浮かび上がってきたという。

Gibbs氏を含む3人のチームはこの研究を世界保健機関(WHO)に報告しており、現在WHOでは調査が進められているという。また米国疾病対策センター(CDC)にも報告したそうだが、CDCはGibbs氏らがアフリカや南アメリカの豚インフルエンザウィルスのDNAサンプルを分析していないため、それらの地域で自然発生した可能性を否定できないとの見解を示している。研究レポートは今後医学誌にも投稿される予定とのことだ。

Gibbs氏は細菌の進化について40年以上研究しており、新型インフルエンザの遺伝子構造分析に最初に携わった研究者のうちの一人である。またインフルエンザ治療薬タミフルの研究開発に携わった研究者でもあるとのこと。

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    reo (4042) : 2009年05月15日 14時32分 (#1566111) ホームページ 日記
    --
    Hiroki (REO) Kashiwazaki
  • #ちょっとゴシップ風に

    今回「人的ミス」仮説を唱えた、オーストラリアのAdrian Gibbs (AJ Gibbs)はウイルスの系統進化研究者で、いわゆる「大御所」の一人でして(原文の"germ"はこの場合、細菌ではなく「ばいきん」とでもいうか、病原体全般を意味する)。

    彼はスペインかぜによる死者の遺体から分離されたインフルエンザウイルス(8つのゲノム分節を持つ)のうち、赤血球凝集素(ヘマグルチニン, HA)の配列を比較し、「スペインかぜのHAは、ブタ由来のHAの一部にヒト由来HAが取り込まれたものに由来する」という論文 [nih.gov]を、2001年にScience誌上で発表しました。

    この説は当時、非常に注目されました。…と言うのは、スペインかぜの起源について述べたということも大きかったのですが、もし彼の説が正しければ、それはインフルエンザウイルスのHAが、遺伝子相同組換え(homologous recombination)によって変異しうる可能性を示唆してたからです。「複数のインフルエンザウイルスが一つの細胞に同時に感染すると、合の子を生じる」と言いますが、それはあくまでゲノム分節の交換によるものだと考えられており、例えば「ヒト由来の分節6つ(M, NP, PA, PB1, PB2, NS)と、ブタ由来の分節2つ(HA, NA)を持つ合の子」は生じても、「一つのHAの分節の中に、ヒトとブタに由来する部分を持った合の子」が生じるとは考えられていなかったのです。なので、この仮説は賛否両論の論争を巻き起こしました。

    その後、2005年になって、アメリカのAFIP(Armed Forces Institute of Pathology, 軍病理学研究所)のTaubenbergerらが、今度はスペインかぜゲノムのうち、PA, PB1, PB2という3つのポリメラーゼ(ゲノム複製と転写に関わる)の遺伝子配列を比較した結果から、「スペインかぜのPA, PB1, PB2はトリ由来のものに近く、相同組み換えではなく、直接トリからヒトの世界に入ってきた可能性が高い」という論文 [nih.gov]をNatureに発表しました。この論文に対して、Gibbsは系統解析の方法に問題があるのではないかというコメント [nih.gov]で反論してます(他、バージニア大のBakerも同様のコメント [nih.gov]を出してる)。

    所属から推察できる通りTaubenbergerらはCDCとの共同研究もあって、今回のもある意味、新型インフルエンザの起源を巡り、スペインかぜ起源説について対立してるGibbsらとCDCに近いグループで意見が対立してる、という見方もできます。

    ちなみにGibbsが「人的ミス」の可能性を述べた根拠は、H1N1のゲノム配列の8つについて考えると、アメリカで分離されたA/swine (H1N1)と、ヨーロッパで分離されたA/swine (H1N1)の、二種類が混じって生じている可能性があったことによります。この二種類が混じったブタインフルエンザウイルスが生じるメカニズムとしては、「一匹のブタに両方のウイルスが感染して、新型である合の子が生じ、それがブタ→ヒトに広まった」というのが最も可能性が高いのですが、以前報道があったように、このウイルスはブタからは見つかっていないため「ブタ以外で組み換えが起きた」可能性があるのではないか→人為的にワクチン作る過程とかで生まれた? ということで発表された模様です。彼らが投稿したと言う論文にはもっと詳しい根拠になるデータが出てるのかもしれませんが、今のところは判らないです。

    まぁぶっちゃけていうと、こういった内容をテレビ番組の電話インタビューに対して答えて、それが放映されちゃったのでWHOも対応せざるを得なかった、という感じかと。Gibbsの仮説に対して「これまで、そんなブタが見つかってないだけ」という反論は容易に出来るわけで、その辺りからWHOは反論していってます…結局そういうブタ自体は見つかってないですが、Gibbsの仮説が「正しいとは言えない」といえる程度のデータは出した模様。

    まぁGibbsのもWHOのも、それぞれの根拠となる論文が出ないことには何とも言えませんが、概ねバックグラウンドとしては、そんな感じかと。もしGibbsの説が本当なら、いろんなウイルス株をたくさん集めてるとこが怪しい、ということになり、いちばん疑われるのはCDCあたりなんでしょうけどね ^^; 陰謀説マニアにはきっとたまらないネタかと…。

    個人的には、インフルエンザの専門家ではないので、どちらが正しいとはとても判断がつかないのだけど。スペインかぜ起源説も、Gibbsの論文以降、インフルエンザウイルスでの相同組換えが起きるかどうかは両方の結果を支持する論文が入り乱れて結論はでてませんが、「相同組換え」の概念に頼らずにすむトリ由来仮説の方がしっくり来るなぁと思ってますし、今回のもWHOの発表の方が信頼できるかなぁ…というのが(あくまで)個人的な印象です。
  • Anonymous Coward : 2009年05月15日 17時19分 (#1566260)

    小松左京の映画「復活の日」を思い出しました。

    あれは軍事用に開発していたウィルスが事故で広まってしまったんでしたよね。
    映画の中の世間では新型インフルエンザと言われていましたがなんか似たような話になっていますw

  • Anonymous Coward : 2009年05月15日 14時49分 (#1566129)
    これ自体の真偽は専門家に任せるとして、新型ウイルスの発生自体が人的ミスなのか、ワクチン製造過程で新型ウイルスが偶然発生するのは日常茶飯事で、それが外部に漏れたことが人的ミスなのか、どう考えれば良いのでしょう。別のワクチン製造法に変えるべきって結論にたどり着くのか
  • Alef_F (27309) : 2009年05月15日 18時06分 (#1566285)

    記事中にある「遺伝子の青写真」って具体的にどういう情報のことなんでしょうか?

    #皆さん特に気にしていらっしゃらないようなので、ご存知の方が多いのかなと。

  • Re:人為的ミス (スコア:4, すばらしい洞察)

    127.0.0.1 (33105) : 2009年05月15日 16時05分 (#1566206) 日記
    人間の存在自体が人為的……いや神為的ミスなんだから

    #とか混ぜっ返してもあまり面白くないな。
  • Anonymous Coward : 2009年05月15日 16時38分 (#1566231)

    数年前に韓国で人工の豚インフルが流行したことがあるので
    これが真実かもしれません。

  • Dobon (7495) : 2009年05月16日 13時14分 (#1566641) 日記
    |「有罪と立証されない限り無罪」
    |じゃないけど

    「疑わしきは罰せず」では意味が逆です。この場合は「疑わしきは罰せよ」でしょう。

    公衆衛生では、「疑わしきは処置」ですから。
    すこしでも可能性があれば殺菌/隔離を行うのが公衆衛生の立場です。
    --
    notice : I ignore an anonymous contribution.
  • saitoh (10803) : 2009年05月16日 16時48分 (#1566680)
    季節性インフルエンザよりは死亡率が高いし(鳥インフルエンザよりはかなり低いモノの)、誰も免疫を持っていないだけ毎年の季節性インフルエンザの流行よりも流行しやすいと予想されるわけですから、このくらいの対策をしても妥当では?
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