パスワードを忘れた? アカウント作成
98634 story

人類とサルの共通祖先と思われる、4700万年前の化石公開される 18

ストーリー by soara
あれから4700万年、こんなに進化しました 部門より

capra 曰く、

CNN.co.jpIBTimes読売オンライン本家/.などでも報じられているが、米ニューヨーク自然史博物館で人類とサルの共通祖先と思われる、4700万年前の化石「Ida」が19日公開された。

この化石は1983年にドイツのフランクフルト近郊で発見されたが、2つに分断されて所有されていた。今まで小さい方しか知られていなかったが、最近になってもう片方が明るみに出たため全容の解明に繋がったという。学名はダーウィンにちなみDarwinius masillaeと命名され、全長約60cmの生後1年未満のメスであり、体重650~900gにまで成長する個体であったと考えられるとのこと。化石は片脚の一部が欠けている以外は非常に良い保存状態にあるとのことで、消化器部分にはIdaが最後に食べた果物や種子なども残っている。Idaの研究チームは、Idaが骨格や身体の輪郭、消化器の内容物などが保存された最も古い霊長類の化石であるとしている。

なお、この研究論文はPLoS ONEに全文掲載されている。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 写真を見ただけではさっぱり分からなかったが、Missing link found? Scientists unveil fossil of 47 million-year-old primate, Darwinius masillae [nydailynews.com]によれば、

    Officially known as Darwinius masillae, the fossil of the lemur-like creature dubbed Ida shows it had opposable thumbs like humans and fingernails instead of claws.

    かぎ爪の代わりとなる指の爪と、ヒトのように向き合う親指(opposable thumbs)を持っているとのこと。

    でも「ついに見つかった失われた鎖輪で、今後の科学の教科書に掲載されるべき大発見だ」と言わんばかりですが、あいにくかぎ爪が指の爪に漸進的に変化している「中間形態」を備えているようでもなさそうですから、カモノハシのように哺乳類のくせに珍しい卵生を備えているような、変り種のキツネでもいいような気がしてきました(笑)

    # 反論がwikipedia:古生物学におけるミッシングリンク [wikipedia.org]に出ているのは承知の上で書いています

    さて、ものをつかむことができる手(足?)を持つ Ida がはたしてどんな所でどんな風に生きていたのか興味があります。でもネアンデルタール人が知られるようになった当初、前屈みの猿人として復元されたわけですが、後に再検討された結果、類人猿的とされた特徴は老年性の病変もしくは先入観による誤認であることが明らかとなって、ネアンデルタール人類は類人猿の特徴など無い完全な人類であると認められた [wikipedia.org]事例もありましたから、たった一体の化石でぬか喜びをするのはまだ早いと進化論者の皆様に釘をさしておきます(笑)

    --
    モデレータは基本役立たずなの気にしてないよ
    • あいにくかぎ爪が指の爪に漸進的に変化している「中間形態」を備えているようでもなさそうですから、カモノハシのように哺乳類のくせに珍しい卵生を備えているような、変り種のキツネでもいいような気がしてきました(笑)

      ごめん。IBTimes [ibtimes.com]のセンセーショナルな記事に惑わされて勘違いをしていた。原始哺乳類が樹上生活を始めた頃の「ミッシングリンク」は関係なく、単に Ida はサルの仲間だ。

       「Ida」について2年間研究しており、ノルウェー化石専門家らを率いるJorn Hurum氏は、「これは人類の特徴をもつ最古の化石だ。世界遺産にもなり得るものである」と述べた。「Ida」には親指、短い腕や足、正面を向いた目がついており、人類の特徴の一部を共有している。(IBTimes)

      人類の特徴なのかな。サルも親指や正面を向いた目を持っているけれど(笑)、そして生物学的分類にしたがえば、ヒト科にはゴリラやチンパンジーも含まれる。ゴリラやチンパンジーも「人類の特徴」を持っている。

      >かぎ爪の代わりとなる指の爪と、ヒトのように向き合う親指(opposable thumbs)を持っている

      現在ものをつかむことができる手をもつ生物は、一部のサルとヒトのみ。爪も扁爪(平爪) [wikipedia.org]であれば、サル目 [wikipedia.org]にみられるもの。

      で、タレコミにある論文によれば、爪[nail bearings]は樹上生活する四肢動物のものだった・・・ということはサルの仲間であることは間違いない。爪の進化 [wikipedia.org]によれば、爬虫類のもつ鉤爪から進化したものが平爪ということだが、曲鼻猿類のサルは鉤爪をもつものがいる。そうであれば、Darwinius masillaeは直鼻猿類の先祖であって、真霊長類の初期でないのでは?

      # 鉤爪が「原始的」とするのもナンセンスだけどね

      想像力がたくましいと

      また「Ida」は4,700万年前、腕を負傷しており、湖で水を飲もうとしたところ、湖底から噴出していた二酸化炭素ガスの噴出で転んで湖に落ちて死亡したとみられている。

      まあなんとBONES [foxjapan.com]のブレナン博士もびっくりの、ドジっ娘のような死亡ストーリーまで描かれる始末。もしサルだったら、湖底から何か噴出していれば、警戒心から近づかなかったであろうに。やっぱりヒトの先祖だったのかな(笑)。「Ida」は生後1年足らずで怪我持ちだったにもかかわらず、親の付き添いもなかったのだろうか。

      --
      モデレータは基本役立たずなの気にしてないよ
      親コメント
      • そもそも人とサルの区別が問題になる古生物における時代区分は、500万から800万年程度です。500万年前以後の化石は、人かそうでないかの区別は明らかなようです。
        800万年前以前では人とサルを区別する必要はありません。この時代では人の祖先==サルの祖先です。
        この元記事のポイントは単に、4700万年前の人類の祖先の化石が発見された、それは現在の霊長類(ヒト含む)につながる性質を持っていた、というものでしょう。サルとの共通祖先であるというのは明らかなことで、わざわざ強調する必要もないくらいのはずですが、プレス向けの発表としては一応それも指摘しておこう、というところではないでしょうか。
        親コメント
        • by Anonymous Coward

          この方は進化論を否定し、全ての生物は(一切進化せず)知性を持った何者かが作り出したのだと考えるインテリジェントデザイン論信奉者 [srad.jp]です。
          進化に関わるストーリーに真っ先にコメントを付け、根拠のない思い込み(サルが「警戒心から近づかない」と決めつける理由が不明)で否定することを繰り返しています。
          そういう人に、進化論の道理を説いても無意味です。masakun氏が信じているのは科学ではなく宗教ですから。

      • 扁爪と鉤爪 (スコア:3, 参考になる)

        by airhead (13423) on 2009年05月23日 18時50分 (#1571572) ホームページ 日記

        現在ものをつかむことができる手をもつ生物は、一部のサルとヒトのみ。爪も扁爪(平爪) [wikipedia.org] [wikipedia.org]であれば、サル目 [wikipedia.org] [wikipedia.org]にみられるもの。

        で、タレコミにある論文によれば、爪[nail bearings]は樹上生活する四肢動物のものだった・・・ということはサルの仲間であることは間違いない。爪の進化 [wikipedia.org] [wikipedia.org]によれば、爬虫類のもつ鉤爪から進化したものが平爪ということだが、曲鼻猿類のサルは鉤爪をもつものがいる。そうであれば、Darwinius masillaeは直鼻猿類の先祖であって、真霊長類の初期でないのでは?

        そのリンク先のWikipediaの日本語記事扁爪 [wikipedia.org]、および鉤爪 [wikipedia.org]にも書いてあるとおり、「nail」といえば扁爪で、鉤爪は「claw」です。

        また、同論文に「爪[nail bearings]は樹上生活する四肢動物のものだった」という表現はありません。近いのは「素早く、nailを生やす(nail-bearing)、全身が樹上生活に適した四肢動物で」と特徴を列挙している部分であり、爪の特徴を「樹上生活する四肢動物のもの」と述べているわけではありません。爪(nail/claw)の特徴については「(nail/clawのつく)末節骨が楯状」「ゆえにnailを生やしていた(とみられる)」「toilet/grooming clawはみられない(訳語がわからないが「身繕い爪」でよいか? 参照:toilet claw [wikipedia.org])」としています。

        論文からnail/clawについて書かれた部分を抜き出しておきましたので、ご覧ください(知らない語が多いので誤訳があるかも/ツッコミ求む)。

        A toilet or grooming claw is not present.
        toilet clawないしgrooming clawはみられない。

        She was an agile, nail-bearing, generalized arboreal quadruped living above the floor of the Messel rain forest.
        彼女(Idaのこと)は素早く、nailを生やす、全身が樹上生活に適した四肢動物で、メッセル雨林の底部より上に生息していた。

        Of particular importance to phylogenetic studies, the absence of a toilet claw and a toothcomb demonstrates that Darwinius masillae is not simply a fossil lemur, but part of a larger group of primates, Adapoidea, representative of the early haplorhine diversification.
        系統発生学上の特筆すべき点として、toilet claw および toothcomb (「櫛歯」? 参照:toothcomb [wikipedia.org])の不在により、Darwinius masillaeは明らかにキツネザルの化石ではなく、霊長類のより大きなグループであり、初期haplorhineの多様性の代表であるAdapoideaに属していることが示されている。

        The terminal phalanx of digit V is exposed between the intermediate phalanges of digits III and IV. All are scutiform, and hence were nail-bearing.
        第5指末節骨は、第3指および第4指の中節骨の間から表出している。すべては楯状であり、したがってnailを生やしていた。

        In contrast to the hallux, the pollex is rather small and short. All terminal phalanges of the right hand clearly bore nails.
        pollex(第1趾、足の親指)とは対照的に、pollex(第1指、手の親指)はかなり小さく短い。右手の末節骨すべてにnailが生えていたことは明らかである。

        All terminal phalanges are definitely scutiform, and were therefore nail-bearing, although those of digit II and III appear to be rather narrow. The toilet or grooming claw reported on the second digit of Europolemur kelleri [13] cannot be identified here. It is also lacking in Europolemur koenigswaldi [38]).
        末節骨はすべてはっきりと楯状をしており、ゆえにnailを生やしていたが、第2指と第3指のものはかなり狭かったとみられる。Europolemur kelleriの第2指にあると報告された [13] toilet claw/grooming clawはここでは確認されなかった。これは Europolemur koenigswaldi にもない [38])。

        She moved as an agile, nail bearing arboreal quadruped and, although perhaps only 60 percent of adult weight at death (Fig. 12), would have grown to be the size of an adult female Hapalemur, in the range of 650–900 g.
        彼女は素早く、nailを生やし、樹上生活する四肢動物として移動していて、死亡時の体重はおそらく成体の60パーセントにすぎなかったが(図12)、Hapalemurの雌の成体のサイズ、650-900グラムにまで成長するものとみられる。

        余談。化石一つぐらいで大慌て、(なぜか)大はしゃぎしているのは毎度毎度、masakunさんだけのように思います。せめてプレビューぐらい出来るようになってください。

        親コメント
        • by masakun (31656) on 2009年05月24日 12時19分 (#1571908) 日記

          >化石一つぐらいで大慌て、(なぜか)大はしゃぎしているのは毎度毎度、masakunさんだけのように思います。

          化石一つぐらいですか。化石とか考古学とかアンティークのスプーンとか、とにかく古いものが好きなんですみませんね。
          まあ大慌てでコメントを書いているのは化石のストーリーに限りませんが(笑)

          それはともかく。

          >彼女は素早く、nailを生やし、樹上生活する四肢動物として移動していて、

          まさにそこです。解説ありがとう。手元の辞書には適切な訳語が見つからなくて、かなり端折って書いてましたね。
          Ida がどんなところで生活していたか知りたかっただけなので、爪を手がかりにななめ読みしてみましたってだけですが。

          >初期haplorhineの多様性の代表であるAdapoideaに属していることが示されている。
          haplorhineは直鼻猿亜目(直鼻亜目)つまりメガネザルやゴリラ、ヒトと同じグループになります。The Eocene (54-34 mya) Global Warming and the Origin of Modern Primates (and many other modern mammals) [wmich.edu]によれば、始新世には Adapoidea と Omomyoidea という2大グループがあったそうで。

          • Post orbital bars, orbital frontation, and short snouts
          • Nails and grasping thumbs and big toes
          • Larger brains, changes in cranial blood supply, and petrosal bulla
          • Dental and cranial similarities

          この時代のhaplorhineには、爪もそうですが、つかめる親指、大きい足指、より大きい脳や頭蓋の血液供給の変化・・・といった特徴があります。サルの進化といえども、体の各器官がいっせいに発展をとげており、こういうことが偶然とか自然選択といった進化の枠組みでなしえるのか興味があるだけです。おもしろい進化の小話 [www.rui.jp]によれば、ネズミに生活圏を奪われたサルの先祖が選んだのは樹上生活であり、

          モノを握れるような指の形状は原モグラの四肢にはありませんから、樹上に逃避した後に、前足も後足も同時にモノを握れるように進化したと考えるべきでしょう。また、霊長目では爪も鉤爪を失って平爪に進化していますが、モノを握りやすくするためや指先の触覚を発達させるためだったのでしょう。

          なんてことがまことしやかに語られています。植物は環境適応能力が高い [srad.jp]ようですが、樹上生活への適応する四肢の進化に何万年と時間がかかるなら、サルの先祖はとっくの昔に駆逐されてもおかしくないと思っちゃうんですけどね(w

          --
          モデレータは基本役立たずなの気にしてないよ
          親コメント
        • by Anonymous Coward

          >(なぜか)
          理由は明らかでしょ。ID信者(あえて論者とは言わない)にとってあってはならない化石だからですよ。

  • by Anonymous Coward on 2009年05月23日 15時29分 (#1571474)

    今は亡きみず谷なおき [wikipedia.org]先生によれば、人類はネコ科ですよ?

    • by Anonymous Coward on 2009年05月23日 17時17分 (#1571523)

      人類のなかにはネコ科のやつもいるしそうでないのもいる、という意味だと思ってた。

      ほら。B型とかB型とかB型とか。(それは高河ゆん)

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      良かった!ただ太った猫なんですね、ありがたい
      俺は最近ブタ化してたからイノシシ科かと思ってたよ
      これでニャンとか生きられそうです

  • これにもブーイングするのかな
  • by Anonymous Coward on 2009年05月23日 17時30分 (#1571529)
    久しぶりだね
  • by Anonymous Coward on 2009年05月23日 21時40分 (#1571639)

    学名はダーウィンにちなみDarwinius masillaeと命名

    「ダーウィンのマシラ」ってことは復元図はこんなの [wikipedia.org]ですかね。

    学名に日本語が入ってるのは発見者か研究者が日本人だったんでしょうか?

    • Re:想像図 (スコア:3, 参考になる)

      by T.Sawamoto (4142) on 2009年05月24日 2時23分 (#1571765)

      いやいや、masillaeは日本語のマシラではなく、化石の発見されたメッセル採掘場 [wikipedia.org]のことですよー。

      ちなみに、このメッセル採掘場はたくさん化石が出土する場所です。ここが湖だった数千万年前、火山ガスの噴出で周囲に生息していた多くの生き物が死に、無酸素状態の湖底で保存状態の良い化石へと変じたようです。
      上の方で言われている「湖で水を飲もうとしたところ、湖底から噴出していた二酸化炭素ガスの噴出で転んで湖に落ちて死亡した」という推測の妥当性は、メッセル採掘場の形成された経緯を考えれば、決して無理のあるストーリーとは言えないでしょう。

      親コメント
typodupeerror

一つのことを行い、またそれをうまくやるプログラムを書け -- Malcolm Douglas McIlroy

読み込み中...