門外漢プギャー部門より。
MITsu_at_mit-net、iwakuralain、yyok がタレコんでくれて曰く、
technobahn japan の記事によると、ロスアラモス国立研究所が光の速さを超えて電波を送信する装置の開発に成功したそうです。
この装置はパルサーで生じているシンクロトロン偏光 (Polarization Synchrotron) の原理を応用したものとの事で、装置の全長は 2 メートル程。安定して光速の壁を超えて電波の送受信を行うことは困難なものの、装置間の同期を調節することによって光速の壁を超えて電波を送ることが可能だとしている。これを応用する事で衛星経由でも遅延が生じなくなる事から、次世代型携帯電話等に応用することを考慮しているそうだ。
この話題の元ネタは恐らく Current の記事か、Universe Today の記事である (日付からすると Universe Today の記事は Cureent の記事を元に加筆したものだろう) 。記事の題名も ``Scientists Make Radio Waves Travel Faster Than Light'' に ``Device Makes Radio Waves Travel Faster Than Light'' と、なるほど大変それっぽい。しかし Universe Today の記事の末尾に記された参考文献は 2004 年のものであり、どういう関連があるのかの説明もない。
以下は Cureent の記事の簡単な要約である。
ロスアラモス国立研究所に所属する John Singleton と Mario Perez は、polarization synchrotron と呼ばれる装置を発案した。この装置は高速で回転する磁場により波を重ね合わせるものなのだが、この装置の動作原理で、光速で回転する中性子星であるパルサーが発するパルス状の電波が高い強度で長距離を伝搬する理由を説明できると考えた。
となると、この polarization sychrotoron という装置の仕組みが非常に気になるところであるが、Current では「電波を激しく abuse して光より速く進む装置」とだけ説明しており、あとは医療や通信の分野でどのような応用が可能であるかなど夢のある話が続く。
実は Cureent の記事は、昨年 1 月のSantaFeNewMexican.com の記事の不完全な丸写しである。このことについては Uncertain Principles の記事が詳しい。SantaFeNewMexican.com の記事から削られた部分で Singleton は以下のように述べている。
レーザーを月に照射して、ゆっくり振ってみるとします。すると月の表面にレーザーが当たった点は光の速さより速く移動します。この時、ソニックブームに相当する事が光でも生じるのではないかしらんと不思議に思うかもしれません。この光のソニックブームが、光の速度より速い電波で生じる現象なのです。
Uncertain Principles の Chad Orzel は「Singleton の挙げた例の中には何一つとして物理学的に光の速度を越える事柄は含まれていない。彼らが論文で述べていることは恐らく、電荷を持った粒子が光速より速い分布で配置された時の結果である。そこには真空中の光速を越える物体は含まれておらず、光速を越えて情報が伝達されるような事もないだろう。」と説明している。
ということで、超光速通信が実現できましたとかいうお話ではございませんという結末でよろしいかと。あとは詳しい方からのコメントをお待ちしております。
ぷぎゃられた(笑) (スコア:4, おもしろおかしい)
昔読んだ相対論の本に、「質量を伴う物質が超高速で移動することはできない」てあったから、
よく分からんながら「じゃあ、質量を伴わない情報だけなら移動できるんじゃん」とずっと実現を
待ってた訳で。
あぶねー、オレが超金持ちだったら今頃騙されてすげー融資してるとこだったぜw
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Re:ぷぎゃられた(笑) (スコア:3, 興味深い)
物理的には,情報は必ず何らかの物理的実体を伴いますので,情報を超光速で送れる=超光速で物を送れる,と思っておいた方が良いかと.
これをさらに推し進めて,情報物理の極端な人の中には「宇宙においては情報こそが最も根源的な存在であり,その表現形の一つとして空間の曲率や物質等がある」という見方をする方もいらっしゃいます.
まあ,同じ物をどちらを主として見るかの違い,観点の違いだけだと言えばそうなんですが,見方を変えると問題が解きやすくなってみたりすることもあるのでなかなか侮れなかったり.
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また新種の詐欺事件かと空目 (スコア:3, おもしろおかしい)
近未來通信の亜流かと思いました、スマン
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月の表面にレーザーが当たった点は光の速さより速く移動 (スコア:2)
しても、A点からB点へは何の情報も伝えられていないのでは?
レーザー砲からA点へは光速で情報が伝えられ、
レーザー砲からB点へは光速で情報が伝えられることは理解できるが。
一体、何が問題なの?
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真空でもチェレンコフ放射って話 (スコア:2, 参考になる)
だとどこかで読んだ。
超光速の荷電粒子のような状態を電極を並べて時間差で電圧かけて作ったら、真空中なのにチェレンコフ放射 [wikipedia.org]みたいな事になったよ。と。
しかし、そうすると
って説明は書き直さなきゃならないね。
こういう装置を作るとしたら、大雑把に言えば「電極間隔(任意)より長さの差が小さい同軸ケーブルをたくさん用意して、片方の端を芯線むき出しで電極間隔で並べて、もう一方の端を束ねて高周波を突っ込む」みたいな感じだろうな。マッチングとか終端とかは脇に置いといてだ。
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情報の伝わる早さ (スコア:2, 興味深い)
「見せかけの超光速」と、とあるマンガをヒントに、ふと以下の思考実験をしてみた。
ちょっとした手がかりからあらゆる事実を推理する、超シャーロックホームズみたいな存在がいるとする。
超ホームズは推理を元に、未来を確実に予測できるものとする(何しろ、あらゆる事実・・・原子の振動に至るまで
推理しているのだ)。
ここで、彼から1光時離れた場所から、1時間にわたって情報を光に乗せて彼に送ったとする。
彼は発信源が送信をやめた瞬間に最初の光子を受け取るが、なにしろ超ホームズなのでそのたった1個の光子から
全てを推理し、1時間にわたって送られてくる情報の内容を予測してしまう。
ここで、情報の最後の1ビットに着目すると、この1ビットは発信源から受信者・・・超ホームズまで0秒で
到達したことになる。すなわち、超光速通信が実現したことになる。
こんなアホな結果になったのはなぜだろう。超ホームズ先生の推理能力が原因だと思うのだが・・・。
情報量を考慮することで超ホームズ先生を退治可能?
---
「パタリロ!」の速解術にインスパイアされました
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Re:情報の伝わる早さ (スコア:2, 興味深い)
A地点とB地点に人がいて、O地点からそれぞれに情報を送ります。A地点とB地点はOと同じぐらい離れてます。
事前にA地点の人に「あなたにXという情報がきたらB地点の人にはYという情報が送られてます。逆に情報Yが着たら情報Xが送られてます」
という情報を与えておきます。
これで、A地点に情報Xが届いた瞬間に、A地点の人はB地点に情報Yが届いたことを知ることができます。
B地点からA地点に超高速で情報が送られました!
※だまされちゃダメだ、だまされちゃダメだ、だまされちゃダメだ…(今再放送してるしw)
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Re:情報の伝わる早さ (スコア:2)
ぉぉぅ、自分の思考実験、EPRパラドックスの変形だったか!
気付かなかったorz
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Re:情報の伝わる早さ (スコア:2)
送信されたメッセージの最初の1ビットを読んだだけで最後の1ビットまで推測可能だということは、
最初からそのメッセージには1ビットの情報量しかありませんでした、ということじゃないかな、
つまり2ビット目以降のビット列は何の情報も持たない、冗長部分にすぎなかったんだよ。
って、シャノンって人が言ってた。
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ロスアラモス?エイプリルフールか? (スコア:1)
これを応用する事で衛星経由でも遅延が生じなくなる事から、次世代型携帯電話等に応用することを考慮しているそうだ。
で,しかも「ロスアラモス研究所が開発した」,とされているところ.
日本の「未来○○研究所」のプレスリリースなら笑って済ませられるけどね.
情報が真空の光速度cを越えて伝わらないことは現代物理の基本原理.
これが破れたら特殊相対論を始め,現在知られている多くの
物理の法則を書き換えなくてはならない.それはそれで楽しいが,
職業柄,掛けるなら「それは絶対ない」方に掛ける.
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Re:ロスアラモス?エイプリルフールか? (スコア:5, 参考になる)
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え~っと (スコア:1)
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よくわからんけど (スコア:1)
変なふうになってるとか
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Re:よくわからんけど (スコア:2, 参考になる)
違う.
(並べた多数の光源を順番に高速に切り替えて使うことで)単一の光源があたかも光速を越えているかのような放射が得られ、(超音速におけるソニックブームと似たような感じで)波束が重なり合った素敵な放射光源として使えるよ,という話.
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ひかりが無くとも、のぞみが有ります (スコア:1)
Device Makes Radio Waves Travel Faster Than Light
デバイスは電波の伝達をひかり号よりも速くする…
# 論理上は当然、Echoよりも速いはずだ
## しかし、Hope Comes Faster Than Light ということも稀ではあるまい
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Re:光速超え (スコア:1)
「お手紙」が光速に近づくにつれ質量が大きくなって地球の自転ごときでは振り回せなくなるのでは?
# ぶぎゃられ上等。こちとら三流大学文系中退だ(笑)
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アレゲ以外の何か。
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Re:光速超え (スコア:1, すばらしい洞察)
無限の硬さを持つ物質は存在しないので無理です。
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Re:光速超え (スコア:1, すばらしい洞察)
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Re:光速超え (スコア:1)
高速とかはおいといて地球からその糸の先までお手紙を運んでいるうちに一体地球は何度自転するかな?
素直に直接届けた方が速いと思う。
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Re:光速超え (スコア:1)
むしろ話は逆で、どんな運動系から観測しても光が常に一定の光速であるように、相対論を構築したわけです。
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Re:ダウト (スコア:2, 参考になる)
>どんな運動系から観測しても光が常に一定の光速であるように
ここが言葉足らず.
「どんな系から観測しても,その局所系においての光速度は一定」でないとマズい.
つまり,ある系において,観測者Aが自分の居るところでの光速度を測れば必ずc0だが,別な点Bでの光速度を今居るところから見て測定するとそれは重力場の影響を受ける.
これはアインシュタイン自身による一般相対論の先駆けとなる論文,いわゆるところの「光の伝播に対する重力の影響」(Annalen der Physik, 35, 898)の3節で普通に述べられている.
#ある観測者が自分とは別な点の光速度を測定するとc = c0 (1 + Φ/c2)の形になる.
#ここでΦ は原点から見た測定する点の重力ポテンシャル.
ちなみに続いてアインシュタインは,この場所による光速度の違いとホイヘンスの原理から,重力場による光の経路の曲がりが簡単に予測できるよね、と続けている.
要は重力場の強い側の方が(外から見た)光速度は遅いから,ホイヘンスの原理からそっちに引きずられて曲がる.普通の屈折同様.
#で,こういう考えをさらに整理して時空の方程式として書き下ろした完成系が一般相対論.
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Re:光速超え (スコア:2, 参考になる)
これは、よくある誤解ですが、仮にそのような剛体があったとしても不可能です。
この現象を理解するには「ところてん」や「水鉄砲」を思い浮かべるとよいでしょう。ところてんの入り口を押すと、出口からところてんが出ます。この間隔は刹那ですが、実際にはとこてんが容器の中で縮こまっているタイムラグが存在します。これと同じことです。
我々が棒を押した時、実際には分子や原子を押しています。原子は電子と陽子の電気的なエネルギーによって隣の原子を押すことで力が伝わっているのです。そして、このエネルギーの伝播は光速を超えることはありません。したがって、それらを総計した「棒を押す」という行為も光速を超えて伝わることがありません。理想的な全長30万キロの剛体を手で押したとき、その先っぽが動き始めるのは1秒後です。現実に存在する棒は、真っ直ぐだけ力が伝わるわけではないので、もっと遅くなるでしょうが、動き始める変分を厳密に測定すれば、カタログスペックの最高値である1秒になるでしょう(おそらく、観測できるピークはもっとずっと遅くなると思います)。もちろん、長さ1メートルの棒でもこの現象はおきているので、押し始めてから先っぽが動くまで3億分の1秒以上のタイムラグが存在するはずです。
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Re:光速超え (スコア:3, 参考になる)
> 仮にそのような剛体があったとしても不可能です。
> 理想的な全長30万キロの剛体を手で押したとき、その先っぽが動き始めるのは1秒後です。
それはちょっと違うというか、ニュートン力学世界では、
「理想的な全長30万キロの剛体を手で押したとき、その先っぽが動き始めるのは押したのと同時」になるけど、
アインシュタインの相対論世界ではそういう「完全剛体」は存在を否定されているわけです。
「剛体があったとしても」という仮定自体が相対論を無視してる。
で、通常の物体で言えば、「棒を押すという行為が伝わる速度」は「その物体における音速」ですね。
例えば、鉄の音速は約6km/sですから、
長さ30万キロメートルの鉄の棒を押した場合、その先っぽが動き始めるのは14時間後だし、
1メートルの鉄の棒を押した場合、押し始めてから先っぽが動くまで170μsのタイムラグが存在します。
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Re:光速超え (スコア:1)
>真空中の光速はどんな観測者から見ても一定です。
ちょっと上の方に書きましたが,今自分がいる場所以外の光速度を測定すると,一般相対論の範囲内では重力場によるポテンシャルが異なれば光速度は異なります.
#「自分のいる場所」での局所的な光速度は誰がどこで測っても一定ですが.
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Re:色々な見方が出ているが (スコア:1)
そもそも光速はなぜ制限されているかといえば、真空の誘電率、
誘磁率は定数として定まっている、すなわちこの宇宙では全ての場所てこの定数は変化しない
からということです。そして光の速さはMaxwell方程式によって計算されます。
用は、この宇宙ではどんなにあがいても電磁波の速度は始めから決まっています。
このことからMaxwell方程式をLorentz変換に対して普遍に保とうとして、
かの有名な時空の理論(特殊相対論)が生まれたわけです。Cがどうしても変化できないので
変わりに時間が変化する。
とにかく、普通の宇宙空間ではCは変化できません。
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