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バイオテック

バクテリアで放射性金属を不活性化 13

ストーリー by reo
変異したあいつらが突然俺達にギャー 部門より

ある Anonymous Coward 曰く、

米ミズーリ大学の農業、食品および天然資源学部の Judy Wall 教授が研究している生物学的腐食性のバクテリアは、ウランを溶解性の非常に低い閃ウラン鉱 (二酸化ウラン) に変えるなど、重金属の溶解性を変えることができるとのこと (Science Daily の記事本家 /. 記事より) 。

このバクテリアは重金属で汚染された環境で既に確認されているが、生存できる酸素レベルや温度が限られているため制御するのは難しいとのこと。また、有酸素状態で生存できる種類を作りだすことができたとしても、バクテリアによる鉄の腐食への対処など、乗り越えるべき問題は多いという。しかし将来的には汚染されたエリアや工業廃棄物などの浄化が期待されているとのことで、研究者らはこのバクテリアの水質浄化能力や、不活性化された金属の安定度なども研究しているとのこと、また、遺伝情報の解析や自然環境での活動限界などの解明に務めているとのことで、既にウランを変質させるのに関係している遺伝子を複数特定しているとのことだ。

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  • はやとちり(ゴミ) (スコア:3, おもしろおかしい)

    by prankster (12979) on 2009年09月14日 10時33分 (#1639310)
    対核バクテリア [wikipedia.org]発見かとはやとちりしました。ご同様の方も多いかと。
  • 逆の技術 (スコア:3, 興味深い)

    by SteppingWind (2654) on 2009年09月14日 11時43分 (#1639345)

    逆にバクテリアを使ってウランを溶解し, 鉱脈からの抽出効率を向上させる技術 [rist.or.jp]なんてのも研究されてるようですね.

  • 金属塩還元菌 (スコア:1, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2009年09月14日 12時04分 (#1639362)
    Dienococcus radiodurans [wikipedia.org]でしょう。
    放射線耐性は、超強力な染色体修復機構によるもの。
    放射線によってズタボロにされた染色体を如何に修復するか、が鍵ですね。

    D.radioduransが特定条件下でウラニウムやテクネチウムを難溶化させる話の、
    初出(かな?)は確かPNNLの人が2000年に書いた、これ(PDF注意) [asm.org]。
    これは、金属(塩)還元呼吸という仕組みによるものです。
    簡単に説明すると、
    酸素呼吸の場合、餌(電子供与体)を酸化して得た電子を、酸素に捨ててエネルギーを得るのですが、
    (1/2O2+2H+2e-→H2O、ゼロ価の酸素分子を-Ⅱ価の酸素イオンに還元する)
    金属塩還元菌の場合、酸素ではなく遷移金属の価数を減らすことで電子を捨ててエネルギーを得ます。
    (U(Ⅵ)+2e-→U(Ⅳ))
    ただし、D.radioduransはU(Ⅵ)を細胞内に取り込んで直接還元することは出来ずに、
    一旦腐食酸(代替物質としてAQDSという、キノン類を用いている)を介しますよ、
    というのが、上記論文の要旨です。
  • by Anonymous Coward on 2009年09月14日 10時44分 (#1639319)

    アトムが妹を守るために研究室に乗り込んでくるぞ

  • by Anonymous Coward on 2009年09月14日 10時56分 (#1639321)

    放射能が無くなるわけじゃなくて、
    放射性元素が化学反応しなくなるだけ?

    • by y_tambe (8218) on 2009年09月14日 12時02分 (#1639360) ホームページ 日記
      ここら [nih.gov] へん [nih.gov]の論文が元ネタになる話ですね。6価ウランを4価に還元させることで、溶液中から沈降させて除きやすくしよう、というお話。 Desulphovibrio [wikipedia.org]という、嫌気性の硫酸還元菌を利用してます。

      ちなみに、この現象自体も今回、初めて発見されたことではなくて、上述の(今回の報告と同じJudy Wallらによる)論文も5〜7年前のものだし、この性質の発見自体はさらに10年ほど昔 [nih.gov]の、別のグループによるものです。つまり「新発見!」なんかじゃなくて、そういう「一般に判りやすく、受けの良い話」の段階はとうに通過してます。

      今回、Judy Wallらは立て続けに三報(1 [nih.gov],2, [nih.gov]3 [nih.gov])、専門分野ではトップクラスのJournalに論文を出してるわけですが、その内容はもっと細部につっこんだ、専門的な話になってます。Desulphovibrioの中でも特に有用と思われる変異株と、元の株とで発現に違いが見られる遺伝子群を見つけるとか、その変異株に見られる重金属ストレス耐性遺伝子がどうこう、とか、そういう細かな、基礎学術分野での部分で研究に進展があったという話であって、決して「一般受け」するレベルの話ではない。 ただ、いい論文がいいところに載ったので、このタイミングで「うちでは、これこれこういう感じの研究をずっと続けてますよ」という研究者のアピールが、Science Dailyで紹介されてるよ、と。そういうことです。

      #Science Dailyあたりとかに限らず、洋の東西を問わずマスメディアなんかで、まま見られるタイプの記事ではあるけど……結構紛らわしいというか。
      親コメント
    • by guicho2.71828 (38877) on 2009年09月14日 11時55分 (#1639356)

      放射性元素でも科学反応する。だって中性子の数が違うだけなんだから。
      正しくは、「抽出・回収がしやすくなるbecause沈殿させて濾せるようになるから」
      イオンの状態で溶解していたら回収は困難。
      高校化学でやるとおもうので、復習をおすすめします。
      それをバクテリアが取り入れる。
      バクテリアが死んで沈殿すれば、その中には不溶性のUO2が濃縮されている。
      バクテリアの分「かさ」も増えているし、容易に回収できる。
      biosorptionっていう方法です。

      --
      新人。プログラマレベルをポケモンで言うと、コラッタぐらい
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2009年09月14日 10時58分 (#1639323)

    のちの腐海の植物の材料ですね。

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皆さんもソースを読むときに、行と行の間を読むような気持ちで見てほしい -- あるハッカー

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