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宇宙

NASA のガンマ線バースト観測衛星 Swift、観測装置に影響を与えるほどのガンマ線バーストを検出 15

ストーリー by reo
ゴムチューブを買いに外に出よう 部門より

insiderman 曰く、

NASA のガンマ線バースト観測衛星「Swift」が、観測機器へ影響を及ぼすほどの強いガンマ線バーストを観測したそうだ (sorae.jpの記事) 。

ガンマ線バースト」とは、数秒から数時間という短期間に強力なガンマ線が放出されるという天体現象で、宇宙で最大級の爆発現象と言われている。しかし、どのような天体がこの現象を起こすのか、またそこでどのような現象が起こっているのかについてはまだ完全には解明されていないが、非常に質量の大きい恒星がその終末として超新星爆発を起こし、その際に発生する現象であるという説が一般的なようだ (京都大学・戸谷准教授による解説) 。

なお、ガンマ線バーストが地球に近い距離で発生した場合、地球のオゾン層にダメージを与える可能性があるという。約 4 億 5000 万年前に発生した生物の大量絶滅はこれが原因ではないか、という説も出されているそうだ。

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  • by wakatonoo2 (30019) on 2010年07月21日 12時26分 (#1798300) 日記

    タレこみがあまり詳しくないので、
    前代未聞の強力なガンマ線を観測 [nationalgeographic.co.jp]

    ところが6月21日、観測中のガンマ線バーストが1分間も続き、爆発的な量の電磁波が過剰に発生、スウィフトのデータ処理プログラムが一時的に停止してしまった。

    「あまりにも明るすぎたため、検出装置の限界を超えてしまった」とバロウズ氏は説明する。「スウィフトには何の問題もなかったが、地上のプログラムがデータに間違いがあると判断して、捨ててしまっていたんだ。原因がわかるまでにほぼ1週間かかったよ」。

     しかし幸運なことに、イギリスにあるレスター大学の博士研究員でスウィフト研究チームのメンバーであるフィル・エバンス氏が廃棄データを調べ、そのガンマ線バーストの真のパワーを突き止めた。

     これまで、最も明るいガンマ線バーストが放出するX線光子量は最大で毎秒1万ほどと考えられていた。ところがバロウズ氏によると、今回のバーストでは、ピーク時の光子放出量が毎秒14万5000にも達していたという。つまり以前のスウィフトの観測記録を塗り替えて、10~15倍も明るく輝いていたということだ。

    「観測に何かミスがあったのではないかとこの数週間で調べ上げてみたが、正確なデータだったというのが現時点での結論だ」と同氏は話す。

  • 研究の背景 (スコア:3, 参考になる)

    by tmkzr (19129) on 2010年07月22日 2時36分 (#1798693) 日記

    研究の背景とトレンドをもう少し詳しく説明してみます。

    最初は、GRBはガンマ線という高いエネルギーで光っているため、 「GRBは我々の銀河内で起こっているのではないか(~それほど総エネルギーは高くない)」 という説が主流でしたが、BATSEという衛星のデータでは、GRBは全天で均等に起こっており、 (銀河内で起こっているならば、天の川に沿って多くなるはず) GRB銀河内説に否定的な結果で、やがて、GRB残光の赤方偏移が測定されると、 GRBが宇宙論的距離(Z~1、数十億光年)で起こっていることが確定的になりました。 これが1997年です。 そうするとかなり大きなエネルギーを一瞬で放出することになり、この結果は衝撃的なものでした。 (太陽がその一生に費やすエネルギーを、数秒から数時間の間に放出することになる)

    ただ、「GRBはジェットを形成している (全方位に等方的に爆発するのではなく、ある方向に集中して物質、光を放出している)」 という説が主流になっており、等方的に爆発しているという仮定よりは、 エネルギーが小さそうということになっています。 ただそうすると、たまたまこっちを向いていたGRBだけ観測されるということになり、 現状一日一個程度観測されるGRBは、本当はもっと頻繁に起こっているということになります。

    Swift衛星はGRB観測専門の科学衛星であり、2005年に打ち上げられましたが さまざまな優れた結果がでており、この5年で研究もかなり進んでいると言えると思います。 Swift衛星は、GRBを捉えた場合に、即座にインターネットにアラートを発し、 地上の望遠鏡と協力して残光観測を行います。インターネットからアラートを受け取って 自動で制御するロボティック観測は、大きな口径を持った望遠鏡でなくても スピードで対抗できるため、現在の流行です。(ROTSEなどのグループが有名)

    またSwiftはデータを基本的にすべて公開 [nasa.gov]しており、 ネット環境とPCがあれば誰でもデータ解析可能です。

    ちなみに日本は宇宙科学分野ではX線観測がすごく強いのですが、 検出器開発などでSwiftにも協力しています。

  • by Anonymous Coward on 2010年07月21日 12時37分 (#1798308)

    >観測機器へ影響を及ぼすほどの

    観測機器は正常に運転。
    単に解析側のプログラムが、「閾値以上の異常な数値は測定時のノイズとして破棄」となっていたためにバースト発生時の全データを捨てていただけ。
    #まあ、とんでもなく強かったのは確かだけれども、電子機器が壊れたり異常動作するほど強くはない。

  • by Anonymous Coward on 2010年07月21日 11時25分 (#1798268)

    発表によると、「GRB 100621A」と名づけられたこのガンマ線バーストは6月21日に検出され、

    (http://www.sorae.jp/031001/4027.html [sorae.jp])

    GAPは6月末から機能確認を開始し、初期設定を終えた直後にガンマ線バーストを観測しました。

    (「小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS(イカロス)」のガンマ線バーストの観測成功について」 [www.jaxa.jp])
    するってぇと、10日ぐらい起動が早かったら、GAP が壊れてた、ということ?

    • Re:誰か教えて。 (スコア:2, 参考になる)

      by phason (22006) <mail@molecularscience.jp> on 2010年07月21日 12時47分 (#1798320) 日記

      GAPってシンチレーションカウンタ(シンチレータにフォトマルくっつけたようなもの)ですよね?
      今回程度の大強度のガンマ線が入射しても,せいぜい出力がサチるだけで壊れはしないと思います(サチりもしないかも).
      今回のガンマ線バーストの強度が強いって言ったって,ガンマ線バーストの観測例の中では非常に強いと言うだけで,特に電子回路などを直接損傷するほど強いものじゃありませんし.

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2010年07月21日 16時33分 (#1798475)

    と、結びつく事象なのかしら?

    • by digoh (17917) on 2010年07月22日 15時34分 (#1799015) 日記

      そもそもフォトン・ベルトについて統一した科学的定義が無いので、結びつくも何も検討のしよう(とっかかり)がありません。

      たいていは「地球がその部分を通過すると何が大変なことが起こる」といった程度しか共通点がなく、何が起こるかは著者の自由です(地球/人類滅亡の有無を含めて)。

      だから「今回の事象はフォトンベルトと結びつくのだろうか?」と考えるのは誤りです。

      「今回の事象をフォトンベルトにどう結びつけたら売れる書籍が書けるか」と考えるべきなのです:P

      #誰が何度定義しようとも定義が発散するという意味で、マイナスイオンと同様です。だって定義が固着すると困る人が存在を主張してるんですから。

      親コメント
    • by Anonymous Coward
      オカルト話は他所でやってくれ
  • by Anonymous Coward on 2010年07月21日 16時45分 (#1798481)

    そうか!iPhone4の受信問題もきっとこれが原因だったんだよ!

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アレゲはアレゲを呼ぶ -- ある傍観者

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