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世界初のES細胞のヒトへの臨床試験 26

ストーリー by kazekiri
賽は投げられた 部門より

hauncon 曰く、

米バイオベンチャー企業のGeronが11日、ヒト胚性幹細胞(ES細胞)を使った世界初の臨床試験を開始したと発表した(NHK時事通信日本経済新聞)。Geron社は、臨床試験に対する米国食品医薬品局(FDA)の承認を昨年中に得ていた。今回は、ジョージア州アトランタの病院に入院している脊髄を損傷した患者に、ES細胞から作られた神経の基になる細胞を注射するということであるが、「今回の臨床試験は移植する細胞の量も少なく、あくまで安全性を確認することが目的ということで、脊髄の機能の回復はあまり期待できないだろう」との慶応大学の岡野栄之教授のコメントがNHK報道に掲載されている。

ES細胞がヒトの治療に応用されるのは初めてであり、免疫にどのような反応が出るかといった医学的問題もあるだろうが、倫理的な問題も世界で巻き起こすかもしれない。

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  • by Anonymous Coward on 2010年10月12日 10時02分 (#1838646)
    治療効果が期待できない試験って、臨床試験ではなく人体実験じゃないのか?と。
    専門的見地から有効性が疑問な場合、患者にはどのように説明して同意を得るのだろう。
    「あなたはもう回復の見込みは無いから、安全性の試験のために余命を使わせてくれ」と率直にそう説明するのだろうか?
    「そのかわり、報酬はn万ドルをお支払します・・・・」的な交渉なのかなぁ。
    ES細胞がどうこうって話以前に、その辺はどうなのか気になる。
    • by Anonymous Coward on 2010年10月12日 11時28分 (#1838689)
      この手の「臨床試験」は、新薬を開発する場合などにもよく行われる、ごく一般的なもので、俗に「フェーズ1試験」と呼ばれてます(参考 [u-tokyo.ac.jp])。

      まさに「ES細胞がどうこう」って話以前というか……新薬を開発する過程では必ず行われる試験なんだけど…意外に知らない人も多いのかな?
      親コメント
      • ・薬剤ではない(特に、生物を注入するわけで)
        ・動物実験の結果が参考になるとはあまり思えない

        って考えると、新薬開発のラインに乗せて進められてるのは違和感ありますね。個人的には、臓器移植と似たような感覚がするんだけども。

        親コメント
        • by Anonymous Coward

          でも一方で投与量のコントロールが出来るあたりは新薬に近い面もあるかと。臓器移植だと少しずつ移植とか出来ませんしね。

      • by Anonymous Coward
        今すぐ買えて自分の役にたつもの以外、興味もなければ価値も認めない、そんな奴らばっかです、日本人てやつは。
        • by Anonymous Coward
          流石、外国の人の意見は目の付け所が違います!!
          日本人の私には目から鱗ですよ。

          イモリの遺伝子(だったか細胞内物質だったか)を使って
          癌細胞由来の遺伝子を用いない脱分化の研究ってどうなったろう?

          この技術を使って増殖させた幹細胞を徹底的にスクリーニングして
          から人体に戻せば殆ど癌化のリスクはないんじゃないか?と素人的
          には思ってるんですが、、、

          蝿や蚊が美味しそうに思えたり、突然壁に張り付きなっても俺は構わない!
          • by Anonymous Coward

            こうしてスパイダーマンが生成されていくのであった・・・
            #AC

            • by Anonymous Coward
              <重箱の隅>
              壁に貼り付くで一般に連想されるのは、
              イモリではなくヤモリのような気がします。
              </重箱の隅>
    • by digoh (17917) on 2010年10月12日 18時27分 (#1839018) 日記

      #他の方も書いているので補足として。ヒマな方だけお読みください。

      まず大前提として、人体を対象として行う臨床試験は全て人体実験です。
      いわゆる言葉のイメージと何が違うのかって、「被験者の同意を得ていること」と「計画から結果発表まで(患者視点では不具合に対する補償を含め)内外の複数の目のチェック下にある」という点くらいです。

      また他の人も書いていますが臨床試験には様々な種類・段階というものがあって
      ・健康成人(男性)に対して使用し、安全性を見る
      ・健康成人(男性)に対して使用し、体内での代謝等々を観察する
      ・患者に対して使用し、安全性を見る
      ・患者に対して使用し、用量(体内に入れる量)と効果との対比を見る
      ・患者に対して長期間使用し、安全性を見る
      等々あります。このうち下の方の試験をするためには、まず上の方の試験を行って安全性や投与量が妥当であるか試してからです。
      #(男性)ってのは、原則として妊娠の可能性がある人に投与しないようにというのがメイン。もちろん女性にしかない器官や体質が相手なら女性が対象になります。

      もちろん健康成人には毒だが重病患者には薬、のような特殊なケースもありますので、必ずしも上のリストを全て実行するとは限りません(今回のケースなど)。

      そして報酬面ですが、治療効果が期待できないとき、人は何を求めているのか。
      大事なのは金銭ですが、もう一方で重要なのが「医学への献身」です。いや冗談でなくて。
      誰かが引き受けなければ、何年たっても”それ”は医薬品にはなりません。
      もしかしたら自分が生きている間にその恩恵を受けることはできないかもしれません。
      でも、自分がそれを引き受けなければ、今後同様の病気にかかった人(健康な人にとっては自分も含む)も治療法がないままかもしれません(まあどうでもいいような効果の薬の試験だってありますが)。
      #なので「あなたのためにはならないかもしれないが、医学のため、人類のためにはなる」という言葉をもっとオブラートに包んだ形で伝えることはあります。

      臨床試験の被験者になろうって人の動機は「治療」と「金」だけとは限らないのです。(……まあそのどっちかであることが多いとは思いますが)

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      え、新しい化粧品とか使うときに見えないところで少量当ててみてアレルギーがでないか
      確かめてみるテストみたいなかんじじゃないの?
      いきなり本使用でアレルギー持ってたら顔全体が火ぶくれみたいになっちゃうジャン。

      • by Anonymous Coward
        ES細胞で問題が出た場合、少量だからってどうにかなる問題なのだろうか…。
        # 癌化した場合とか
        • ほっときゃ白血球がどーにかしてくれるじゃねい?

          そーでなきゃ、フツーの細胞だって癌まみれなんじゃないかと。

          親コメント
          • by Anonymous Coward

            そんなあやふやな根拠でよく人命を賭けられますね。
            まあさすがに動物実験等でもう少しは確信を持ってるんでしょうけど。

            • 普通の人間の細胞も結構癌化していて、そのたびに白血球が始末しているんだから。
              別に根拠としてあやふやじゃないかと。

              それより「動物実験で成功した薬が臨床になってダメだと判明する」パターンの結構な多さを考えれば、動物実験で安心することの方が恐ろしいと感じますが。

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            • by Anonymous Coward

              あやふやな根拠って…。
              逆に、今までの副作用の事例とか薬の成分とか全てチェックした後で
              完全に安全性が確保されたことを自分で確認して飲む人っているの?

        • by Anonymous Coward on 2010年10月12日 16時12分 (#1838899)
          この手の幹細胞治療の場合、やはりそれが癌化する危険性というのは認識されてます。なので、治験に用いる場合には万一に備えて、遺伝子改変で「自殺装置」を入れておく、という方法があったはずです。元々のヒトにはない遺伝子を導入しておき、特定の薬剤を与えると、それが作用して、外から導入されたES由来の細胞だけが死ぬような仕組み。

          #例えば、ヘルペスウイルスの持つチミジンキナーゼを入れておいて、抗ウイルス薬であるガンシクロビルを作用させる。すると、チミジンキナーゼで代謝されてガンシクロビルから出来る物質(核酸アナログ)が、その細胞の中でだけ、核酸に入りこんで遺伝子複製を阻害する、など。

          今回の治験で、実際にどういうものを使っているのかまでは判りませんが、そういう方法もある、ということで。
          親コメント
        • by Anonymous Coward

          癌化すんの?

          • by Anonymous Coward

            どんな細胞にもなりえるなら癌細胞にだってなるんじゃないの?

            • by Anonymous Coward

              ES細胞そのものじゃなくて、神経細胞っぽいものに分化させたやつを使うんだよ。

    • by Anonymous Coward

      胸部脊髄損傷とのことですから、下半身不随どころか内臓にも障害が出ている可能性大です。
      その治療法が見つかるなら、藁にでもすがりたいのではないでしょうか。

  • by Anonymous Coward on 2010年10月12日 12時27分 (#1838738)

    ES細胞はどこから提供を受けたのかと思ったら

    身体の多様な細胞に変わるES細胞は胚(受精卵)から取り出される。ロイター通信によると、同社は不妊治療で残った胚からES細胞を作った。(2010/10/12-06:46)

    とたれこみのリンク先時事通信にありました。

    残った胚って、よく問題にならなかったものだ。
    確かに不妊治療で体外受精とかするときに複数並行してやった方が効率いいのだろうけど一部で中絶を認めないあの国でというのが意外

  • 今回の臨床試験は、2009年9月にFDAが安全性を疑問視し中断したと報道があったものですね。
    http://wistechnology.com/articles/6447/ [wistechnology.com]
    他人の細胞を注入するわけで、副作用が心配です。

    • by Anonymous Coward

      他人の細胞を注入するわけで、副作用が心配です。

      普通の骨髄移植も「他人の細胞を注入」するんですが。
      突っ込むところはそこじゃない。

      ただ不安を煽るだけの言及は、頭悪く見えますよ。

  • by Anonymous Coward on 2010年10月12日 13時17分 (#1838792)
    (プロ)市民団体が真っ先に拒絶反応しはじめましたね。製薬会社も予想してたんでしょうか
  • by Anonymous Coward on 2010年10月12日 17時47分 (#1838983)

    というのが、すでに国内での治験が始まっているハズなんだけど。

    損傷の治療目的なら、骨髄でも増やして戻す方法が採れるのでは。

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ハッカーとクラッカーの違い。大してないと思います -- あるアレゲ

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