NASAの「ヒ素で生きる細菌」に疑問の声 20
ストーリー by reo
このはてしなく遠い男坂をよ… 部門より
このはてしなく遠い男坂をよ… 部門より
hylom 曰く、
WIRED VISION の記事によると、先日 NASA が発表した「ヒ素で生きる細菌」(/.J 記事) に対し、問題点を指摘する声が上がっているそうだ。
たとえば、「試料の浄化が不適切であり、ヒ素は細胞の中ではなくゲルの中に存在していたのではないか」「DNA を水に浸した際に水中で分解しかなったのはおかしい」「細菌はヒ素を取り込んでいるわけではなく、ヒ素塩を食べて肥大しているだけではないのか」などだ。
大々的に発表された今回の研究成果だが、実際のところはどうなのか、まだまだ研究は必要なようだ。
問題点を指摘する声が…… (スコア:5, おもしろおかしい)
ヒソヒソと……
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
タレコミに対し疑問の声 (スコア:2)
「これは誤植ではないか」と、タレコミに対し問題点を指摘する声が上がっています。主に僕一人から。
Re: (スコア:0)
>> 水中で分解しかなった
> 「これは誤植ではないか」
ケブンッリジ効果で普通に読んでしまって、誤訳を指摘していると勘違いされるのではないかと疑問の声が上がっています。主にAC一人から。
目の付け所がやや変 (スコア:2, 参考になる)
>「試料の浄化が不適切であり、ヒ素は細胞の中ではなくゲルの中に存在していたのではないか」
アガロースゲル電気泳動はもっとも強力な分離法でっせ。
その前にカラム精製せよとかなぞだ。
> 「DNA を水に浸した際に水中で分解しかなったのはおかしい」
DNAはdouble strandだから数百bpに一箇所くらい片側の切れ目が入っても
全体としては大きいでしょう。
そんなことより、あの、電気泳動の写真は左右で量が非常に違うという問題があります。
あわせていない、あるいは、同じ体積の培養液からのサンプルを流しているなら
これはばか者というレベル。
吸光度であわせた後、電気泳動したものなら、実は核酸が分解している?
ただしそのときはふつういろんな長さになる。
本文中で、stationaryだからRNAのリン酸の量は無視できると古代の文献を引いて議論しているが、
リン酸入り培地で育てた菌からとった核酸には明らかに大量のRNAが含まれている写真を
出しながらそういう議論をするのはどうなの?
とか細かい突っ込みどころは残っていると思う。
しかし、DNAのリン酸の9%くらいが砒素で置き換えられているらしいという主張の本体に
かかる疑問を付すのは難しい。
ただ、何でリンがわずかとは言え存在するか?
やっぱりDNAの9割はリンでできているのでリンが主成分であって、
砒素で置き換えたとは認められんという主張は可能かな。
Re:目の付け所がやや変 (スコア:1)
最初からDNAなどの基本物質はそのままで、一部のリン化合物が砒素で置き換わってるという発表をセンセーショナルにタレコんだだけだと思ってた。
the.ACount
当たり前すぎるとしか (スコア:1, すばらしい洞察)
> 大々的に発表された今回の研究成果だが、実際のところはどうなのか、まだまだ研究は必要なようだ。
逆に、今回の疑問がなければタレコミ子ってあれで終わったと思っていたのかなと。
Re:当たり前すぎるとしか (スコア:1)
あのNASAが言うことなんだからあとは確認だけだろう。勘違いして恥をかくような真似をするはずがない。といった程度のことは思ってました。権威に弱いなー俺。
LIVE-GON(リベゴン)
ヒ素をDNAに取り込む細菌の発表に対する反論に対する反論 (スコア:1, 興味深い)
Re:ヒ素をDNAに取り込む細菌の発表に対する反論に対する反論 (スコア:1)
2'. +ヒ素/-リン培地で培養した細菌のDNAにヒ素が微量しか見られなかったのは、DNAを抽出するときに多量のヒ素DNAが分解してしまったため。ヒ素を高頻度で含むDNAは従来の方法では抽出精製できない。 3'. 2'.と同様の理由で、質量分析をする時にDNAを精製しようとしたら簡単に分解してしまった。
こういう主張をしちゃあいけないんじゃないかなあ。
ちゃんとヒ素DNAで生きていけるなら、つまりDNAが取れないバクテリアが増える必要がある。
然るに実際は、多少ヒ素が混じっているけどリン酸でつながったまともなDNAが抽出できている。
しかもずたぼろの低分子DNAではなく結構高分子。
+ヒ素/-リン培地で継代して維持していたということになっているから、大本の菌のリンの持込だけで説明するわけには行かないので、+ヒ素/-リン培地で増殖した細菌は、ヒ素そのほかに不純物として混ざっているごく微量のリンを非常に効率よくDNAに集めていることになる。
ヒ素が入っているところは分解されるというならひたすら修復を続ければ、リンの割合が上がることが期待されるから濃縮自身は可能かも。
+ヒ素/-リン培地ってどのくらいリンが含まれているんだろう?
この研究グループは、今回発表したデータよりもはるかに固いデータを持っているに違いない。
いくらなんでもそれはありえないんじゃないかな。持っていて出さない理由はない。
DNAにヒ素がちょっと混じっているみたいだけど、ほとんどリンでできているじゃないとかの突っ込みが避けられるならそうするはずだけど、実際ほとんど(9割方)リンでできているのでしょうDNAは。RNAがヒ素入りで分解しているというのはありうるけど、きっと証拠はとれていないから発表していないのでしょう。次はtranscriptomeがどうなっているか位は調べてほしいけど、分解するんだと困難か?
Re:ヒ素をDNAに取り込む細菌の発表に対する反論に対する反論 (スコア:1)
何故か「リン酸をベースに生育している」細菌が、実験室で砒素オンリーの環境にすると砒酸ベースの
生物になる、って言うところに引っかかりを感じてるんですよね。
もしも始原生物が砒酸ベースだったとしても、一度リン酸環境に適応(変化)してから何十億年も砒酸を
生命活動の源に据えられるような機構を残すものなのでしょうか?前の記事の時にもコメントしたように、
砒酸系とリン酸系が個体中に共存する状態が想像できないんです。一つの酵素系では反応速度や安定性など
が異なって生命活動がうまく処理できると考えにくいし、まったく別の酵素系が存在するとしたらまさに
「物持ちが良すぎる」生物だし。
最初から燐酸の代わりに砒酸を生命活動の源泉にしている生物を発見した!だったらすっきりしたんです
けどね。
個人的にはNASAの発表通り、そんな細菌に居て欲しいんですけど。
鵺の啼く夜は恐ろしい
探すより、作ってみたほうが早くね? (スコア:0)
ヒ素に置き換えた塩基で合成してみて、機能するかどうか試せばいいんじゃね?
まだ、塩基から合成して組み立てる技術って確立してないの?
Re:探すより、作ってみたほうが早くね? (スコア:3, 参考になる)
砒酸は加水分解を受けやすく、通常のリン酸を含んだ系と同じように合成しようとすると分解しちゃうんで長々と時間のかかる合成には向いていないんですよ。非水系溶媒で延々と合成するならともかく。
#それが砒素の毒性の原因(リンと同じように取り込まれた後に分解してしまう)の一つとされる。
塩基より (スコア:0)
Re:塩基より (スコア:1)
ATPはどうなってるんでしょう?
ATAs
ここはひとつ (スコア:0)
Re:ここはひとつ (スコア:1, おもしろおかしい)
彼女なら、華麗に解決してくれるでしょう。
Re:ここはひとつ (スコア:1)
どっちかっつーとあの方のばやい、加齢では?
鷹の爪では (スコア:0)