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11032 story

彗星は「汚れた雪だるま」ではなく「凍った泥玉」 11

ストーリー by yosuke
当たると痛そう 部門より

2005/07/04、NASAの彗星探査機Deep Impactから放出された衝突機が、9P/Tempel 1へに衝突した。このイベントはDeep Impact本体からのみならず、世界各地の望遠鏡などでも観測されていた。それらのうち、2003/03/02にESAが打ち上げた彗星探査機Rosettaによる観測結果がESAから発表されている。
衝突時には地球とTempel 1は1億3400万km離れていたが、Rosettaは、9p/Tempel 1から8000万km(地球-火星間の平均距離程度)しか離れていない位置にいた。搭載機器のOSIRISでの観測によると、ダストのアルベドを0.1と仮定すると、衝突後に放出されたダスト/水の質量比は1を超えている可能性が高いとのこと。これは、いままで彗星を「汚れた雪だるま(dirty snowballs)」と形容していたのは正しくなく、「凍った泥玉(icy dirtballs)」と呼ぶ方がより正確であることを意味する。この結果は、10/13付けのNatureで発表されている。
9P/Tempel 1については、その他にもKeck天文台で観測した組成から、現在の天王星と海王星の軌道あたりで形成されたのではないか、とする説も出ている。
彗星は、太陽系形成時の情報を持ち続けているといわれているが、このように未だにわかっていないことが多い。しかし、Deep Impactの成果に加え、StardustによるWild 2のサンプル・リターンやRosettaによる67P/Churyumov-Gerasimenkoの核の直接探査など進行中のミッションも多い。彗星に関する知識や太陽系形成についての理解が深まる日もそう遠くはない、かもしれない。

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  • アルベド (スコア:2, 参考になる)

    by fgd (2415) on 2005年10月17日 9時22分 (#815359) 日記
    wikipedia [wikipedia.org]のアルベド [wikipedia.org]の項目によると
    アルベド (albedo) とは、天体において外部からの入射光エネルギーに対する反射光エネルギーの比をいう。

    という意味だそうだ。

    しかし、雪玉と凍った泥玉の違いが、いまいちぴんとこない…
  • by jizou (5538) on 2005年10月17日 1時32分 (#815251) 日記
    確かに、雪だるまだったら、一度太陽に接近すると無くなってしまいそうです。
    凍った泥玉だからこそ、何度も太陽を回れるのでしょうね。
    太陽に近づくと、表面は、どろどろの雪道ぐらいにはなるのかな。(^_^;
    • by Anonymous Coward on 2005年10月17日 10時47分 (#815404)
      ある程度圧力をかけないと水は液体になれないから、雪道は苦しいのではないかと。

      #別コメントではないけれど、泥団子なら何度も周回できるという発想がいまひとつ理解できなかったり。
      親コメント
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