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世界初!車輪で動くnanocar登場 11

ストーリー by yosuke
まだエンジンは載っていない 部門より

Anonymous Cat曰く、" ライス大学 James Tour Kevin Kellyらの研究グループが、世界初の単一分子の車nanocarを作り上げました。論文 Nano Lettersに掲載されています。( ライス大学のプレスリリース EurekAlert! News Nature Web News)
ライス大学のプレスリリースによると、このナノカーは、全体がわずか3~4nmの大きさで、DNAの幅よりもほんのわずかに大きいだけだそうです。 イメージ図構造式を見ると、それは実際にシャーシ、車軸、4個の車輪を持っています。この車の車輪になっているのは、60個の炭素原子で構成されているバッキー・ボール(buckyball)というフラーレンです。車のシャーシと車軸は、パラジウムを触媒にして作り出された有機基で、そこにパラジウムの働きを阻害するbuckyballの車輪を取り付けるのが大変な作業だったそうです。車軸と車輪の間は炭素三重結合になっているとのこと。そしてそれはみせかけの車輪ではなく、実際に車軸と直交する方向に回転してナノカーを移動させているそうです。
ナノスケールで、それが実際に回転運動によって動いたことを証明するために、彼らは金の表面でナノカーを走らせ、走査トンネル顕微鏡によって状況を撮影する、という手法をとっています。また、走査トンネル顕微鏡のプローブチップによって、それを引っ張ることが出来たそうですが、車輪が回転している向きに引っ張る方が横向きに引っ張るよりも簡単だった、と報告されています。
研究者たちは、既に光によって動くナノカーや荷物を運べるナノトラックの研究を開始しているそうですが…ナノの車はどこを走ることになるのでしょう?"

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  • いいねぇ (スコア:5, 参考になる)

    by e2718 (23583) on 2005年10月23日 13時23分 (#819106) 日記
    こんなアレゲな研究ができる余裕が羨ましぃ

    あえてツッコミ
    化学式 (Fig. 1, Nanocar 1)では、全てのベンゼン環に
    -O-C10H21基が二つ、合計12本付いている。

    -O-C10H21基はかなり長い(約1.3 nm)ので
    珍走車のように、竹槍を12本搭載と変わらない。
    (ちなみに、C60の直径約0.7 nm)

    長いうえに四方八方に伸びている-O-C10H21基は、
    各パーツの回転を、阻害することが予想される。
    しかし、Fig. 2c, 4fの模式図では、
    省略されていおり、いかにも車らしく書いてある

    この辺り、故意に、意識誘導している気がする

    論文では、滑りでなくC60の回転と言っているが
    STMで回転の観測できるのか?
    論文斜め読みした限りでは、
    比較物質による間接証拠から導いた結論では?

    まあ、他に回転を直接観測する手段は無さそうだけど
  • by Anonymous Coward on 2005年10月22日 23時07分 (#818930)
    >ナノの車はどこを走ること

    どこナノカー
  • by crypt (12091) on 2005年10月22日 23時30分 (#818933)
    この技術を磨いてバベッジの解析機関を作りこむと、
    これまでに検討されているのとは一味違う分子コン
    ピュータになりますな。

    安野光雅の石頭計算機でもいいけど。
  • by oddmake (1445) on 2005年10月23日 7時29分 (#819015) 日記
    夢をかきたてますな。

    実際にこの手のクルマが走るというのはあまり無いような気がします。

    分子レベルまで小さくしていくと、これまでの機械設計の基盤であった物理的パラメータの影響がまるで違ってくるので、いままでとはまるで違う設計指針が必要になるとかいう話をどこかで聞いたことがありました。

    これはこれでアレゲ心をくすぐるのですが、いままでとは異質な機械というのもぜひ(電子顕微鏡越しに)見てみたいものでもあります。

    --
    /.configure;oddmake;oddmake install
    • by Anonymous Coward on 2005年10月23日 15時22分 (#819151)
      操縦可能なマイクロロボットが最近公表されています
      Dartmouth大学のプレスリリース [dartmouth.edu]  。 [mypress.jp]
      これは車輪走行はしていませんが、動力の配送、移動、コミュニケーション、そして制御可能な走行装置を統合していますので、好き勝手に動かせるそうです。

      Dartmouth大学が提供している写真 [dartmouth.edu]
      幅が60マイクロメーター(人間の髪の毛ほど)、長さが250マイクロメーター
      ペニー硬貨の上に載せた写真が有りますが、細部は肉眼では … 顕微鏡越しかな

      動くための方法は尺取り虫型
      10ナノメートルの歩みを、一秒に何万回も繰り返し、
      「前進」と「方向転換」の機能をそなえています。

      > 物理的パラメータの影響がまるで違ってくる
      ナノ規模の装置を構築する時に、その物理特性が予測不能になる、かもしれないと論じられていました [mypress.jp]。統計論の世界と量子論の世界の境目がどの辺りにあるのか、という話だそうです。

       # 動くために「車輪を再発明」するか、他の方法で動くことを目指すか …
       # どちらにしても、アレゲ猫のおもちゃとしては魅力的すぎる
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2005年10月23日 9時09分 (#819030)
    これがほんとの「車輪の再発明」

     #あまりにべたなのでAC.
  • by Anonymous Coward on 2005年10月23日 3時24分 (#818995)
    いつですか?
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日々是ハック也 -- あるハードコアバイナリアン

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