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温度が上がると縮む新物質発見 61

ストーリー by yoosee
加工しやすさとかも気になりますが 部門より

calc曰く、"1/23の産経新聞朝刊によると、理化学研究所の竹中康司先任研究員らの研究チームが室温付近で温度が上がると体積が縮む「負膨張物質」を発見した(プレスリリース)。 この物質はマンガン窒化物に含まれる亜鉛やガリウムをゲルマニウムで置き換えることで作られ、ゲルマニウムに置換する割合によって負膨張度を調節できるとのこと。

既に実用化されている負膨張物質としてはタングステン酸ジルコニウム(ZrW2O8)やシリコン酸化物(Li2O-Al2O3-nSiO2)等があるが、今回発見された新物質はこれらと比較して以下のような点が優れているという。

  • 負膨張率が大きい。
  • 室温付近の広範囲の温度で連続的に負膨張が起きる。
  • 機械的強度が大きい(つまり硬い)。鉄・アルミニウムなどの金属加工用途にも充分使用できる。
  • 単一素材であるため、加熱・冷却を繰り返しても欠陥・歪みなどが生じにくい。
  • 単一素材で膨張度を調節できる。調節次第では「熱膨張しない物質」も実現可能。
  • 熱伝導性、電気伝導性が高い。
  • 主原料がマンガン・亜鉛・銅などと安価。
プレスリリースは「熱膨張せず硬いという特徴から金属の精密加工用切削工具などの用途が期待される」と締めくくられているが、 素人ながらもっと広範囲での技術革新を引き起こすのではないかというのがタレコミ人の感想です。"

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • ソース焼きソバの (スコア:5, おもしろおかしい)

    by sameshima (10060) on 2006年01月26日 4時08分 (#871189) 日記
    お湯を捨てても「ベコン」っていわない流し台ができる

    #夏に弛まない高圧電線。
    #電流流して自己加熱収縮で筋肉?
    #冷えると膨張するスパイクタイヤのスパイク。
    #スターリングエンジン的な使い方ないですかね。。
    • Re:ソース焼きソバの (スコア:2, おもしろおかしい)

      by Anonymous Coward on 2006年01月26日 18時29分 (#871487)
      今度は冷たいものを流す度べこんって言うので大変。
      親コメント
    • > #夏に弛まない高圧電線。

      材料が粉末状で得られ、焼結が必要みたいだから、鉄塔に吊るす
      タイプの送電線は無理じゃないかな。

      地下に送電線ごと埋めてしまった場合は、地下だと気温変化と
      ともに変形も小さくなるから、銅線に対して電気抵抗や
      生産性やコストで勝てるかどうかかな?

      # 鉄道のレールはどうだ?
      # 列車の重さに対して「脆くなければ」だけど。
      • あ。焼結。と靱性低いんですね。。。
        流し台の開発も困難を極めそう

        #マニア向けのスピーカーとかどうでしょうか?
        #温度が高くなっても、ギャップの距離がかわらず
        #特性がかわらない…ってキュリー点はどの辺?
        #その前にマニアがもういないか
        親コメント
  • 熱膨張しない配合で (スコア:4, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2006年01月26日 0時17分 (#871121)
    メートル原器を。
  • 焼き固めて使うとして機械的強度はその状態で鉄やアルミニウムよりも強いのかなぁ。
    あと焼き固める温度によっては置換した元素が若干ずれて負膨張係数に変化がでたりしないのかなぁ。

    素人の意見ですが、この二つが気になる。
    --
    I think I can
    • by Anonymous Coward on 2006年01月26日 10時18分 (#871255)
      粉末を「焼き固める」というのは一般に粉末冶金法として
      現在広く利用されています。複雑な形状の製品を比較的
      楽に作ることができますので、ギアやエンジン部品なんぞ
      にもかなりたくさん使われています。ドリル等の複雑な形
      状の工具やファインセラミックス製品なんかもほとんどこ
      の方法で作られます。

      液相焼結でなければ、表面エネルギを駆動力に融点以下の
      温度で粉体の緻密化が行われますので、加熱中の結晶成長
      も少なく、結晶の成長しがちな溶製材(鋳造)と比べても
      強度は出ます。

      もちろん材料によっては焼結が困難で強度の出ないものも
      あります。念のため。
      親コメント
    • >あと焼き固める温度によっては置換した元素が若干ずれて負膨張係数に変化がでたりしないのかなぁ。 そのくらいの最適化はセラミクス屋にかかればそれほど難しくないですよ。 多成分系を焼結した時の組成ずれは 常に常に気ををつけることですから。
      親コメント
  • 逆ですが (スコア:2, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2006年01月26日 0時06分 (#871111)
    温度が下がると縮む物質なら、生まれつき持ってるんですけどねぇ…
  • 軍事利用 (スコア:2, 興味深い)

    by SNT (23129) on 2006年01月26日 0時08分 (#871114)
    銃が焼けても口径が広がらず、同じ精度で射撃できる銃身って出来ませんかね?
    • by RX-178 (2626) on 2006年01月26日 0時29分 (#871127)
      >銃が焼けても口径が広がらず
      焼けて口径が縮まって暴発ですか
      そこまで大幅には縮まらないだろうけど
      45口径のマグナム銃で発射可能な弾は22口径とか…
      親コメント
      • Re:軍事利用 (スコア:1, 参考になる)

        by Anonymous Coward on 2006年01月26日 3時11分 (#871180)
        > 単一素材で膨張度を調節できる。調節次第では「熱膨張しない物質」も実現可能。
        親コメント
  • ヒシチューブ (スコア:2, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2006年01月26日 0時24分 (#871124)
    タイトルを見てヒシチューブだと思った人。
  • 硬度が保てれば (スコア:2, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2006年01月26日 3時52分 (#871186)
    線路の隙間を埋められるので電車の乗り心地がよくなりますね。
  • バイオメタル (スコア:2, 参考になる)

    by z_cubic (20952) on 2006年01月26日 6時57分 (#871202)
    構造的に負の膨張係数を実現しているようなので、今回の発見と意味合いは異なりますが、
    同様の性質を持つバイオメタル [toki.co.jp]なんてものがあります。
  • 膨張速度 (スコア:1, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2006年01月25日 23時55分 (#871108)
    素人考えで恐縮ですが、膨張伸縮速度が充分に速く力強ければ動力源にならないかなーと思いました。
    あんまり巨大なものは無理でしょうけど、たとえばマイクロマシンとか…。
    • Re:膨張速度 (スコア:2, すばらしい洞察)

      by Another_View (29838) on 2006年01月26日 0時33分 (#871129) ホームページ 日記
       マイクロマシンじゃないけれど、マイクロメータに使ったら熱膨張を押さえられて都合がいいんじゃないかな。
      親コメント
    • Re:膨張速度 (スコア:1, 参考になる)

      by Anonymous Coward on 2006年01月26日 7時22分 (#871207)
      既に形状記憶合金を使用したものが存在しますね。
      バイオメタル [toki.co.jp]
      親コメント
    • by vero (14010) on 2006年01月26日 8時56分 (#871223)
      「加熱したら収縮する」というのが珍しいのであって、「加熱したら体積が変化する」というのは別に珍しくも何ともないわけです。

      動力源として使うのであれば一定の温度変化で一定の体積変動があればいいのであって、収縮するか膨張するかは単に変化の方向が反対という以外の大きな違いはありませんので、この物質(性質)が「動力源」としてなにか理想的なものというわけでもないでしょう。
      親コメント
  • 「熱膨張せず硬いという特徴から金属の精密加工用切削工具などの用途が期待される」
    と言う一文を見て、高速で精密加工するのに材料と工具の摩擦による
    熱膨張で膨らんだ分大きく削られる・・・NG
    と想像したのですが、逆に負膨張するって事は刃物が縮んで
    出来上がりが設計より大きくなる・・・NG

    とならないのかなぁ?と疑問に思いました。
    NC旋盤とか普通の旋盤触っていた時期も有るので
    そういう工作機械を想像してですが。

    逆に、(NC工作機械なら)削り過ぎないように刃物の温度をチェックして補正すれば良いんじゃ?とか・・・
    でも、刃物の素材によるデータ入力がいるので初期設定めんどくさそう・・・。
    • 調節次第 (スコア:4, 興味深い)

      by Milly (29357) on 2006年01月26日 1時01分 (#871145) ホームページ
      逆に負膨張するって事は刃物が縮んで出来上がりが設計より大きくなる・・・NG
      同様のコメントが#871127 [slashdot.jp]にもありますが。 調節次第では「熱膨張しない物質」も実現可能。 ということから熱膨張も負膨張もしない(膨張率の非常に小さい)ことを前提として金属の精密加工用切削工具などの用途が期待されているのではないでしょうか。
      親コメント
      • Re:調節次第 (スコア:4, すばらしい洞察)

        by (B)sort (27915) on 2006年01月26日 1時23分 (#871151)
        熱収縮・高硬度・熱変化に強い=もうメタルベアリングにぴったりの素材ですね。
        シャフトが従来素材で膨張率を元に新素材ベアリングの収縮率調整配合を掛ければ
        軸振動を極限まで抑える高効率な夢の様な機関が。

        鋳物成型の難易度が問題かな。
        親コメント
        • by heso_cha (25065) on 2006年01月26日 19時30分 (#871536)
          エンジン(コンロッド周辺とか)のベアリングは、普通、動圧流体軸受です。
          これは圧送された流体で浮いている(静圧流体軸受)のではなくて、軸の回転で流体膜を作って浮くものです。
          ハードディスクの流体軸受やヘッドの潤滑と同じ原理です。

          安定したスキマ管理が出来るようになったら確かに嬉しいなぁ。
          親コメント
        • by Anonymous Coward
          自動車のエンジンでは、メタルベアリングというと圧送されたオイルで軸を浮かせる
          一種の流体軸受けだったと思うんですが、誰か詳しい人教えてください。

          自己の変形や磨耗で軸とのクリアランスを一定に保ち、
          不純物等を内部に取り込むことで平滑を保てるよう、
          軸受けのメタルは比較的柔らかい素材が用いられるわけですが。
          • by fgd (2415) on 2006年01月26日 16時33分 (#871398) 日記
            質問の答えにはなってませんが…

            車とかの場合、そもそも熱膨張後のサイズを見越してクリアランスをコントロールしてあったりするんですよ。
            親コメント
      • by Anonymous Coward

        迷ったけどここへぶら下げます。

        調節次第では「熱膨張しない物質」も実現可能。

        熱膨張も負膨張もしない

        「温度が上がると縮む」が今発表のタイトルであり、その負膨張の割合が大きいぞ!と言うのが新発見事項なのに、なぜなぜこの材料で膨張しない物質が期待されるのか????

        膨張しない物質を期待するなら、今回の物より負膨張係数の小さい従来の物の方が向いてる気がするけど。プレスリリースにもその点は書いてありませんね。

        ではなぜそのような特性が期待されるか勝手に想像してみると、今回の物質は

        1. 硬い。
        2. 負膨張係数の傾きを添加物の割合で制御できる。
        • by attu (959) on 2006年01月26日 12時14分 (#871284)
          プレスリリースよく読もう。

          「構成元素の種類や比率を変えることで、単一の物質として、負膨張の大きさを自在に制御できます。」

          負膨張の割合が大きい、かつそれを制御できるってのが今回の発見。
          親コメント
  • by heath_yam (16773) on 2006年01月26日 9時44分 (#871237)
    熱で縮んで、●●●が悟空の頭のわっか状態
    --
    ヒースキット山口 heath yamaguchi
  • by Pen2 (18210) on 2006年01月26日 9時46分 (#871239)
    温度補償に、あたりが、ふつうの発想
  • by foobar (6394) on 2006年01月26日 13時29分 (#871310)
    すぐに気になるのが人工筋肉に応用できないかなぁ、という事。

    無機物アクチュエータのリンク集 [nifty.com]
  • by Anonymous Coward on 2006年01月26日 0時31分 (#871128)
    水?
  • 室温 (スコア:0, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2006年01月26日 8時16分 (#871212)
    温度が上がると体積が減少する。というのは実は珍しくはない。たぶん、膨張率そのもの大きさと、室温付近で、何らかの体積の膨張に関する転移、連続ってことから一次転移があるんだろうけど、ジャスト応用しやすい温度と、大きな体積膨張率ってのがミソなのかな?応用的には。本木時もプレビューもみてないのでさっぱりわからんが。

    その発生メカニズム。転移の種類?磁性は?の方が気になる。そのほかの物理量は?これらが、体積の膨張率や転移温度の制御に絡んでくるし、それがわかれば、なんでそんなに注目されているかが門外漢でもわかる。
    • by Anonymous Coward
      とりあえず、そんな無益な投稿をする前に記事を読んだら?
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海軍に入るくらいなら海賊になった方がいい -- Steven Paul Jobs

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