二酸化炭素は植物を通して河川の流出量を変える 10
ストーリー by yosuke
渇かない植物 部門より
渇かない植物 部門より
New Scientistの記事より。イギリス気象庁ハドレー・センターのNicola Gedneyらは、大気中の二酸化炭素濃度の増加に伴って光合成で必要になる水分が減ることが、河川の流出量の増加につながっているとする研究結果を発表した。この結果はNatureに掲載されている。(イギリス気象庁のニュース・リリース)
河川から流出する水の量は、20世紀の間に3%も増加している。研究者らはこれを説明するために、
- 降水量の変化
- 森林の伐採などの土地利用の変化
- 大気汚染による太陽光の減光と蒸発量の減少
- 二酸化炭素の増加による光合成の効率化
気候の変化は、入手できる水の量に影響を与え、一部の地域では洪水の危険性を高め、別の地域では干ばつを起こすことにつながる。しかし、この二酸化炭素による直接的な効果は、全地球規模で水の入手性を高めることとなる。研究者らは、"地球規模での水資源の評価のためにはこの効果を組み入れることが必要"と話している。
ニュースの内容云々の前に (スコア:2, すばらしい洞察)
求むエロイ人 (スコア:1, 興味深い)
6CO 2 + 12H 2 O → C 6 H 12 O 6 + 6H 2 O + 6O 2
炭水化物原料としてのH 2 0も必要になると思うのだが…
Re:求むエロイ人 (スコア:2, 参考になる)
光合成の原料として必要な水は、気孔が開いて蒸散する水に比べれば微々たる物です。
植物は、乾くのがいやなので、できるだけ気孔は開けたくないのですが、閉じると二酸化炭素を稼げないので、仕方なく開けるように進化しているといえます。
で、葉のまわりの二酸化炭素濃度があがると、植物は気孔を閉じても必要な二酸化炭素が得られますので、気孔を閉じようとします。
乾燥ストレスがかかっていない場合でも、葉内の二酸化炭素濃度を大体一定にするように気孔が動くことが知られています。
今回の発見も、上記のリクツが知られてから、お話としては言われていたのですが、実際に計れたところがすごいところでしょう。
エロくない人だけど (スコア:1, おもしろおかしい)
炭酸ガスを取り込むために気孔を通じて呼吸する際、
どうしても水分を放出してしまうのだけれど、
濃度が高く効率よく炭酸ガスを取り込めれば、
水分の放出量も減らすことができる、とか。
でも酸素の放出が必要か。
乾燥地だかの植物で、水分の放出を抑えるために、
呼吸は夜間にまとめて行うのがあった炭酸ガスいや希ガス
Re:求むエロイ人 (スコア:1)
Re:求むエロイ人 (スコア:0)
炭酸ガスが増えて太陽光エネルギーの固定分が増えれば、無駄な熱が減り、蒸発する水も減る。
さらに、植物内の物質移動は水の蒸発で駆動されてるから、少ない炭酸ガスをかき集める手間が減れば、やはり水消費が減る。
森林なんて、 (スコア:1)
温暖化防止の根本的解決にはならない!!って聞いてたんですが。
水量が増えれば、酸素を作ってくれる、バクテリアの生域も増えるし、万々歳!?
水面が地球を覆えばね:-)
人知が現実に追いつくのが先か、めツ、、、
Re:森林なんて、 (スコア:1, 参考になる)
一方で化石燃料とされる石炭・石油・天然ガスなどは、
過去の長い年月をかけて溜め込まれたアーカイブと言ってよいでしょう。
今の問題は、このアーカイブをじゃんじゃん解放しつつ、バッファも削り続けていることで。
温暖化の原因かどうかはともかく、大気中の二酸化炭素濃度の話に絞れば、
根本的にはアーカイブの利用を止めるか、
利用した分をアーカイブに戻す仕組みを作るしかありませんね。
#新規大容量メディアきぼん!!
焼け石に水? (スコア:1, すばらしい洞察)
# 水が使える地域に移住するという手もあるが…
Re:焼け石に水? (スコア:1, 興味深い)
河口から海に水が流れている以上、河川水量>水消費量であるはずだし。
人間が河川を流れる水のうちの12.5%しか使用していないとすれば、3%の水量の増加で20%の使用量の増加を賄えます。