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11869 story

量子テレクローニングのデモに成功 45

ストーリー by yosuke
カーク船長が2人 部門より

東宝「電送人間」もお忘れなく曰く、"Physorg.comの記事によると、東京大学古澤研究室、科学技術振興機構、英York大の研究グループがスタートレックの「転送」の基盤となるような技術:量子telecloning(遠隔複製)に成功したそうだ(英York大のプレスリリース)。この結果はPhysical Review Lettersに掲載されている。
研究者の一人であるSam Braunstein教授は「この転送技術を使った通信プロトコルは情報漏えいが不可能であり、どんな盗聴も無力だ」としている。これって、情報を伝送するのではなく情報を発信する人そのものを伝送するからという意味だろうか?…それって本当?"

なお、量子テレポーテーション自体の成功の話題は過去/.Jでも何度かとりあげられている(100%確実な量子テレポーテーション原子間の量子テレポーテーションに成功)が、今回は量子多体エンタングルメントを用いた"telecloning"であり、同時に2ヶ所に対して状態を送っている。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 安全だってのは、量子通信は盗聴が行なわれたら必ず量子の状態でそれがわかってしまうからってことだと思うんですが。
    ただ。
    Now, using telecloning, the identity and location of the eavesdropper can be concealed.

    記事を読むと、テレクローニングだと盗聴者を隠蔽できるって言っているんですよね。本当ですか?
    --
    /.configure;oddmake;oddmake install
    • >記事を読むと、テレクローニングだと盗聴者を隠蔽できるって
      >言っているんですよね。

      今PRLの論文を流し読みしました.
      #流し読みなんで間違ってる可能性あり.

      量子通信で秘匿性が保障されるのは,以下のような理由によります.
      あらかじめA-B間でentangleした量子対を保持しておいて,例えば
      ある粒子対1Aと1Bに対しAとBの二人が同時にある量子状態(例えば
      upとdownとか)を測定すれば,両者で必ず同じ(別に必ず逆でもいい
      のですが)が得られます.
      この際,この測定と共役な物理量(例えばここではleftとrightと
      しましょうか)は不確定性より破壊され,1Aと1Bでleft-rightの
      測定をしても何の相関もありません.
      #1Aがleftだからといって1Bがleftとは限らないと言うこと.

      逆に最初に1A-1Bでleft-rightの測定をすれば,そちらは1A-1Bで
      同じ値になりますが,今度は逆にup-downが不定になります.

      もしここで盗聴者がいたとして,1A-1BのペアのBに送られる方を奪って,
      up-down測定をしてupと言う値を得たとしましょう.で,傍受を隠匿
      するためにupの量子状態を持つ粒子をBに送ります.
      ここでA-Bが量子通信として1A-1Bのペアの測定としてup-downを選べば
      傍受はばれません.なぜなら1Aも(送られた偽の)1Bもupの状態だからです.
      ところがもしここで送信者が,「じゃあ1A-1Bのペアにはleft-right
      測定を行おう」と言い出すと,1Aと(偽の)1Bでは相関がありませんから,
      測定結果は互いにバラバラなものとなります.このため盗聴者の存在が
      判明するわけです.
      #もちろん,ランダムでも確率的に1/2で一致しますが,テストビット数を
      #十分増やせば盗聴者の有無の確からしさは1-1/2^nで増えます.

      で.
      今回のtelecloningは,1Bを測定することなく1B -> 1B'-1Cペアを
      作成できる,と言うことです.この時1A-1B'はentangleしていますが,
      同時に1A-1Cもentangleしています.
      つまり,1A-1B'-1Cにup-down測定(left-rightでも可)を行うと全て
      同じ値を返すと言うことです.
      ですから盗聴者Cはまず1Bという粒子を経路上で奪って,複製して1B'-1C
      ペアを作って,1B'を何食わぬ顔をしてBに送りつけて,A-B間で行われる
      測定とまったく同じものを自分の粒子1Cに行えば,A-Bと同じ結果を
      得られるから,結果として盗聴が可能になる,と言うこと.

      ・・・だと思います.流し読みした感じでは.
      #間違ってたら読み込んだ人,訂正お願いします.
      親コメント
      • 物理屋じゃないのでいい加減な事いっていたら訂正願いたいのですが、

        論理学的にかいつまむと、

        量子通信に於いて1A-1B-1Cには相関性を持たせることができるが、
        中継点1Bの略奪者(盗聴者)である1B'は不確定性原理に支配されるから盗聴は不可能と言うのが今までの量子通信の理論だったが、

        実際に測定してみたら略奪者である1B'と1Bに相関性を持たせる事が出来てしまった。

        従って中継点である1Bの複製を使用した盗聴が可能である。と結論づけることが出来る。

        と言う感じなんでしょうか?
        親コメント
      • by Anonymous Coward
        結果として量子Winnyが可能になる。

        って読んでしまうとダメですか。
    • Physorg.comの記事は読んでませんでした。

      盗聴されていればそれがわかる、というのが量子通信ですよね。
      テレクローニングを行なえば、2ヶ所に送信できるうえ、クローニングされたこともどこに送っているかもわからない、ということでしょうか?
      親コメント
    • 量子通信によって「盗聴されているのが絶対にバレる」っていうのは分かるんだけど、相手になりすますのは防げるの?

      例えばAとBの間にCが入って、A-C-Bみたいに繋がって、Aから見たらCがBのように、Bから見たらCがA見たいに見えるように最初から回線が設計されていた場合とか。
      • これは、ごく初期から問題点としてあげられてたみたいですよ。どっかのレビューでも見た記憶があります。
        まあ、多分、偉い人が色々回避法考えてはいると思いますが。
        親コメント
        • >ごく初期から問題点としてあげられてたみたいですよ。

          いや、誰もあげてないしw
          あまりに見当違いな質問なので、みなあきれて相手にして無いだけ。

          絡んだ状態にある量子を持ってないと、通信できないんだから、
          それを持ってない第3者がなりすませるものでもない。
          • >いや、誰もあげてないしw

            いや,そんなことはないでしょう.
            確かに現状量子中継技術自体開発中ですからなんともいえませんが,
            中継器側でトラップして盗聴することは技術的に不可能ではないですし.
            #無論回線上で割り込むことも不可能ではない.

            >絡んだ状態にある量子を持ってないと、通信できないんだから、
            >それを持ってない第3者がなりすませるものでもない。

            少なくとも現状で想定されている技術は,通信のたびにどちらかの通信者,
            もしくはその経路上で発生させたEPRペアを両者で共有するシステム
            ですから,EPRペアをトラップするのも中継部で別のペアにすり替える
            のも不可能ではありませんね.
            #まさか通信に備えてentangleした粒子の一方を多量に保管しておくわけ
            #にもいきませんし.そんなにデコヒーレンス時間が長いわけでも無いので.
            親コメント
            • 参考文献 (スコア:3, 参考になる)

              by phason (22006) <mail@molecularscience.jp> on 2006年02月18日 17時52分 (#885738) 日記
              一応何か上げておかんとまずいだろうということで,すでに出ている
              Quantum-CryptographyにおけるMan in the middle attack
              に言及しているものをいくつか.

              "Feasibility of the interlock protocol against man-in-the-middle
              attacks on quantum cryptography"
              Svozil, K;
              International Journal of Quantum Information 3, 649-654 (2005 )

              "A novel protocol-authentication algorithm ruling out a man-in-the
              middle attack in quantum cryptography"
              Peev, M; Nolle, M; Maurhardt, O; Lorunser, T; Suda, M;
              Poppe, A; Ursin, R; Fedrizzi, A; Zeilinger, A;
              International Journal of Quantum Information 3, 225-231 (2005 )

              また,論じているわけでは無いですが解決すべき点として軽く触れているものとして
              "Fundamentals of Quantum Information Theory"
              Keyl, M;
              Physical Report 369 431-548 (2002)

              IPA/ISECの平成12年だか13年だかの認証方式に関するレポートでも
              軽く触れられていたはず.
              親コメント
            • by phason (22006) <mail@molecularscience.jp> on 2006年02月18日 16時36分 (#885725) 日記
              上記の中継による盗聴を可能にするには,量子通信経路,通常通信経路の
              両方に対し回線を奪って中継する必要があります.
              親コメント
          • Bennett とかが指摘してますよ。
            intercept/resend attack で検索してみればよろしいかと。
            http://www.google.co.jp/search?q=intercept%2Fresend+attack+quantum+cryptography
            親コメント
  • 全く門外漢なのですが、これは不確定性原理に反しないのでしょうか?
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8D%E7%A2%BA%E5%AE%9A%E6%80%A7%E5%8E%9F%E7%90%86

    不確定性原理とは、量子レベルで物体を観察しようとしても、観察の過程で光を当てたり、
    物理的に触ったりすることで量子状態が変化してしまうため、観察精度には限度があるというですよね?
    転送なら、元が消える以上、元と同一かどうか観察できないため、

    量子レベルで100%再現しうるとか聞いたことがあるのですが、
    複製だと元と比較できてしまいます。

    例えば、不確定性原理の代表例としては、電子の位置と移動量(速度)の観測精度の積が
    一定値以下にはなれないというものがありますが、
    電子の複製を行って、元の電子で位置を徹底的に観察し、複製の方を移動量を徹底的に調べたら、
    観察精度が上がってしまって不味いことになるような気がします。

    だれか偉い人、解説をお願いします。
    • >これは不確定性原理に反しないのでしょうか?

      反しません.
      今回の実験は,ある粒子Aの量子状態をB-Cにコピーできる,と言うことですが,
      基本的にはA-Bという通常の量子通信で作られるペアでも同じ事が言えるので
      そっちで説明します.

      電子などには,スピンという物理量があります.
      #自転に似ていますが厳密には別なもので,古典的な対応物はありません.

      このスピン,ある軸方向に対してはupかdownしかとれず,その中間はありえません.
      ですから例えばz軸方向に測定すると,upもしくはdownのどちらかの値のみが
      得られます.
      一方,このz軸方向のスピンに対し共役な物理量はx方向やy方向のスピンで,
      これはz軸方向の値を決めるとy方向やx方向のスピンの値が不定(+1/2と
      -1/2が混じった状態)になると言うことを意味します.
      #つまり,up-downの測定と言うものは,必ずleft-rightなどの
      #方向成分を破壊するような過程を含む.

      さてここで,entangleした粒子対A-Bを考えます.
      この2粒子はentanglementという不思議な状態にあり,AとBのスピンは
      測るまでは確定していませんが,AとBでは必ず逆向きになっています.
      #1/2のスピンを持つ粒子2つからなる,全体でスピンゼロの対が
      #解離するとこういうペアを作れます.

      さてここでAに対しup-down測定を行います.するとAがupだったとしましょう.
      この瞬間,Bのスピンがdownになります.
      #なった,のであって,元からdownだったわけではありません.

      では次にBに対しleft-right測定をすれば元の状態のスピンのup-downと
      left-rightが同時に決定できるか?と言うのが問題ですが,結論から言えば
      出来ません.

      何故かと言うと,Aに対するup-down測定がAのleft-right成分を破壊する
      のと同時に,実はBのleft-right状態も破壊してしまうからです.
      ですから,A-Bと言う同じ状態を持った2粒子,と考えるより,
      A-Bからなる1粒子が空間的に離れた位置に分裂している,と考えた
      方がいいかもしれません.空間的にどんなに離れていようと,Aに対する
      測定は,同時にBに対する測定を行っているのと等価なのです.
      これは今回のtelecloningを用いても一緒で,結果的に出来るA-B-Cという
      3粒子が実態は1粒子として振舞うようなもんで,どれかに対し測定を
      行うと,他の2粒子にも同時に測定を行った効果が出ます.

      #じゃあA-Bに対し,Aにはup-down測定を,Bにはleft-right測定を同時に行っ
      #たらどうなんだ,と言うことになりますが,厳密に同時測定は無理
      #(量子揺らぎの範囲内でしか時刻も一致しない)と言うのでどちらかが先,
      #もう一方があとの測定になるはずです.ただ,その時系列の前後も相対論
      #まで加えると見る人によって異なる(ある人からはAの測定が先に見え,
      #別の人からはBの方が先に見える)から,面白いかもしれませんが.
      #・・・まあ,多分誰かが昔に考えていてもう実験があると思います.
      親コメント
      • この瞬間,Bのスピンがdownになります.
        #なった,のであって,元からdownだったわけではありません.
        これは詭弁ですよね。見えないものは無いと考えても良いというのは、無いと考えても不都合が起こらないという意味であり、見えないから無いという結論を出しても良いという意味ではありません。見えなくても有るかもしれない。「元からdownだったわけではありません」ということを実験で確認した人はいませんよ。というか、それを確認するのが不可能だというのが現在の量子論なのです。

        # ヒント: シュレディンガーの猫

        親コメント
        • >「元からdownだったわけではありません」ということを実験で確認した人はいませんよ

          ヒント:ベル測定

          ベル測定により,(測定はできないけれどあらかじめ決まっていた)という
          隠れた変数理論は大部分が否定されます.
          非局所的かつ隠れた変数を持つ理論は完全には否定されませんが,そんな奇妙な
          ものを認めるなら単に非局所性のみを持つ現量子論を認めたほうがはるかに
          ましだ,というのが現在での物理のスタンスです.
          親コメント
          • ベル測定が意味するのは、隠れた変数の値が±1ではないということです。スピンの軸(絶対に観測することが出来ない)が観測の方向と合っていないかぎり、それは寧ろ自然なことです。

            現在の量子論の主流はコペンハーゲン解釈を道具として認めていますが、それでもって証明しようのない形而上の議論をするものでは無い筈です。並行世界でも何でも、考える為の道具として使う分には良いのですよ。

            # 相対論も同じですね。光速に匹敵するような観測は必然的に歪む。歪んだ形でしか観測しようのないものは初めから歪んでいると考えても問題はない。だから、空間を曲げたり時間を引き延ばしたり。

            親コメント
            • > ベル測定が意味するのは、隠れた変数の値が±1ではないという
              > ことです。スピンの軸(絶対に観測することが出来ない)が観測
              > の方向と合っていないかぎり、それは寧ろ自然なことです。

              隠れた変数がどのようなものであれ、局所実在を前提とする理論では観測値の相
              関係数からなる不等式の値がある範囲を超えられない (が、量子論ではその範囲
              を超える場合がある)、というのがベルの不等式 (あるいは、ベルの定理)です。

                参考リンク(PDF) [u-tokyo.ac.jp]

              > 相対論も同じですね。光速に匹敵するような観測は必然的に歪む。歪んだ形で
              > しか観測しようのないものは初めから歪んでいると考えても問題はない。だか
              > ら、空間を曲げたり時間を引き延ばしたり。

              光速に匹敵する観測における「必然的な歪み」が何を指しているのかわかりませんが
              例えば以下のようなことでしょうか?

              例えば地球から 0.8c (=24万km/s) で進む宇宙船が、地球から 30万km 離れた位置
              A を通過する時刻を t = 0 とすると、地球から 60万km 離れた位置 B を通過する
              時刻はをt = 1.25s (AB間の距離30万km / (24万km/s)) です (宇宙船の時間は「本
              当は」遅れたり進んだりしない、地球と同じだとします)。

              しかし、A から地球に光が届くのに 1s、B からは 2s かかりますから、

               「地球から宇宙船が A を通過するのが見える時刻」は t = 1s
               「地球から宇宙船が B を通過するのが見える時刻」は t = 3.25s

              です。つまり、「宇宙船が A から B まで進む」という過程にかかる時間は、宇宙船
              で測れば 1.25s ですが、地球から見れば 2.25s に延びています。

              相対論でいう「時間の延び」はそういうことだ、と言うことですか?
              親コメント
            • >現在の量子論の主流はコペンハーゲン解釈を道具として認めていますが

              とりあえず,ベル測定の結果から,コペンハーゲン解釈であろうと無かろうと
              "局所的な"隠れた変数理論は全て否定されます.
              #前述の通り非局所的な隠れた変数理論は否定されませんが.
              親コメント
        • > 「元からdownだったわけではありません」ということを実験で確認した人はいませんよ。

          アラン・アスペがいますよ。
      • >A-Bに対し,Aにはup-down測定を,Bにはleft-right測定を同時に行ったらどうなんだ

        同時だろうと順序良くだろうと、単に無相関の測定結果になるだけ。
        entangleを破壊しただけだもんね。

        >#なった,のであって,元からdownだったわけではありません

        量子論と特殊相対論は完璧に両立してるから、座標系しだいでA測定とB測定の順序はどうにでもなる。
        つまり、元からdownだったとか、そうでないとか言う因果関係は無意味。単に2つの測定結果が相関してるだけ。
    • 以前にも紹介したURLですが、スタトレがらみという点もコミで
      量子テレポーテーション [m-nomura.com]

      ……でもやっぱり、何か騙されてる様な気がする(;´∀`)
      --
      _ to boldly go where no man has gone before!
      親コメント
    • > 不確定性原理とは、量子レベルで物体を観察しようとしても、観察の過程で光を当てたり、
      > 物理的に触ったりすることで量子状態が変化してしまうため、観察精度には限度があるというですよね?

      ここらへん、微妙に誤解されやすいところですよね。

      単純な例で考えてみます。

      たとえば、ある決まった運動量 p のみの成分で成り立っている自由粒子の位置を観測すると、それは完全にランダムな位置になるというのはわかると思います。

      でも、これは、「もし仮に正確に観測すれば位置を決定できるはずだが、観測の物理過程の故に位置が乱れている」というわけではありません。これはもっと
      • >EPR ペアのあちら側での偏光測定の向きなんかも、こちら側で
        >確認することができちゃうんで、これをうまく使うと、超光速
        >通信なんかができちゃうという

        EPRペアを使った超高速通信のプロトコルってありましたっけ?
        確かに状態は超高速で伝わりますけど,それで有意な情報を伝える
        方法は無い気がするんですが.
        親コメント
        • 0が0 1が1と伝わればそれでいいんです。

          プロトコルの話ではないでしょう。
          • いや,ですから,こちらから0(1でもいいですけど)を指定して届けることは
            出来ませんよね,と言う話です.
            #量子通信などの分野では,伝えるための実装方法もプロトコル,
            #といったりしますよね,確か.
            親コメント
            • 中間地点に置いた発信源からentanglementにある粒子を双方に送り続けるという方法があったと思います。
              問題は片方で0, 1を観測してももう片方でそれを知る方法がない、ということだったはずですが、複製できるのであれば受信側での観測を複数回できるので、0, 1を決定できるように思えます。
              • >問題は片方で0, 1を観測してももう片方でそれを知る方法がない、
                >ということだったはずですが、複製できるのであれば受信側での
                >観測を複数回できるので、0, 1を決定できるように思えます。

                無理だと思います.
                entangleした粒子対は測定によってある結果に落ち着きますが,
                その結果に対し何かをエンコードする事が出来ないのです.
                例えばある光子の偏光で縦と横が混じった状態だったとすると,
                測定により縦or横のどちらかに落とし込むことは出来ますが,
                「必ず縦偏光にする」とか「必ず横偏光にする」とかは出来ません.
                「測ってみたら縦だった」とかはありえますが,これでは結果に情報を
                乗せる事が出来ません.
                親コメント
              • えっと、だから、「縦測定」したか「横測定」したかという情報を伝えられることになるのです。
                あちらが測定した後、こちらでも、複数のクローン状態について、測定したとします。

                あちらが「縦測定」なら、
                こちらで「縦測定」→いつも同じ結果。
                こちらで「横測定」→1/2の確率でどちらか。
                一方、
                あちらが「横測定」なら、
                こちらで「縦測定」→1/2の確率でどちらか。
                こちらで「横測定」→いつも同じ結果。

                繰り返し測定して、その結果の分布をみることで、こうやって情報取得できるわけです。

                # あくまで、仮に「完全な」クローニングが出来たらの話ですが。

                # AC をやめてみる。
                親コメント
              • by Anonymous Coward on 2006年02月18日 20時57分 (#885857)
                > 1/2の確率でどちらか。
                最初に測定した時点で状態が決まって、残りのどのクローンも同じ測定結果になるんじゃないの?
                親コメント
              • >えっと、だから、「縦測定」したか「横測定」したかという情報を伝えられることになるのです。

                ちょい土日の仕事で返事が遅れましたが,これも無理です.
                実は今回のtelecloningですが,完全なクローンが作れるわけではありません.
                注目しているある量子数についてのクローンは作れますが,non-cloning定理
                より,共役な物理量をまとめてのクローンを作ることは出来ません.
                ですので,Szについてクローンを作ることは可能ですが,Sz,Sxについて同時に両方とも等しいクローンを作ることは不可能です.

                縦偏光・横偏光の混合状態はクローン可能ですが,これは縦-横偏光というのが
                偏光面の角度と言う一つの物理量で表せるからです.
                #前述のスピンで言うと,a|up>+b|down>という,Szのみを問題にした
                #状態に等しい.
                親コメント
              • いや、だから、そもそも「完全なクローン」ができたら、まずいなーって話だったんで……。無理なのはわかってます。

                以下のような文脈ですよ。

                > とはいえ、所謂、no-cloning theorem(量子状態の完全クローニングは不可能)との絡み…(略)…実際、量子状態の完全クローニングができたら…(略)…超光速通信なんかができちゃうという、とんでもない話になりますから……。
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  • by deepsea (24129) on 2006年02月18日 14時09分 (#885686) 日記
    まあ暗号化する・送信する前段階で盗んじゃえばどんな強力な暗号や通信方式だろうと無力ですよね。


    こういうのとか [itmedia.co.jp]もあるし。
    --
    Deepsea the Evoker St:10 Dx:13 Co:14 In:18 Wi:9 Ch:9 Neutral
    Dlvl:1 $:0 HP:12(12) Pw:8(8) AC:9 Xp:1
  • by Anonymous Coward on 2006年02月18日 13時20分 (#885677)
    「プロジェクトX ~挑戦者たち~」の後番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」の
    2月14日放送分 [nhk.or.jp]が量子テレポーテーションの話で、しかも出てきたのが古澤氏でしたね。
    • by nobuhiro (5244) on 2006年02月18日 16時58分 (#885731) ホームページ
      この番組、長年準備してきた実験に成功し、その結果を持って国際会議に向かう、ってところ終わっていましたね。これがその発表内容ではないかな。

      番組中で、量子テレポーテーションを行う粒子の数を一気に3倍にする実験、と言っていたと思うが、量子的に増幅ってことはクローニングに他ならないですし。

      %% 量子ってレーザー干渉で生成すると初めて知った。

      --
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2006年02月18日 14時15分 (#885689)
    ルパン三世・『』

    『』の中の題目をお入れ下さい。

    道具:
    ルパン三世辞書 [biglobe.ne.jp]
    ルパン三世タイトルメーカー [big.or.jp](音出ます)
  • by Anonymous Coward on 2006年02月18日 14時36分 (#885700)
    量子テレクラとと空目してしまいました。
    もうアダルト分野が手を付けたのか! と。
typodupeerror

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