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バイオマス・ガソリンの開発に日本の研究者が成功 174

ストーリー by Masafumi Otsune
ヤケクソに成らずに研究したかいが有りました 部門より

あるAnonymous Coward曰く、"エネルギー資源小国・日本の科学者が牛糞からガソリンを精製するのに成功したことを、AP電としてWired NewsABC NewsForbesUSATODAYなどが伝えている。また、本家/.でも取り上げられている。記事によると、東京農工大・澁澤栄教授らの研究グループが、3.5oz(約100g)の牛糞に高圧(30気圧)と熱(300℃)を加えて触媒を使うことで、0.042oz(約1.2g)のガソリンを抽出することに成功したそうだ。バイオマス由来の液体エネルギーとしてはサトウキビなどを原料にしたバイオマスエタノール(Wikipedia日本語版による解説)が代表的であるが、これを従来のガソリンに混ぜた混合ガソリンは混合比によってはエンジンの設計変更を要するなどの問題があり、普及が阻まれてきた。牛糞というバイオマスからガソリンそのものが精製されるとなると期待は大きい。"

教授によると、日本では年間55万トンもの牛糞が生成されるそうだ。
この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by clubx (27914) on 2006年03月05日 15時40分 (#895279)
    高圧(30気圧)と熱(300℃)を加えるためには、ガソリンが0.042oz(約1.2g)以上は必要だね。
    素直にメタン発酵させて、調理や湯沸しに使ったほうがいいと思うが。
    • by 306m5 (11617) on 2006年03月05日 15時58分 (#895288)
      私も最初にそれを考えましたが、牛糞が含有する発熱量がガソリンのそれより小さければ
      当然外からエネルギーを加える必要があるわけで、外部からエネルギーを与えて形態を変える
      こと自体は不自然ではないですよね(縦令牛糞自体がガソリンよりも高カロリーであっても)。
      自然界が数百万年(?)の時間スケールに渡って行ってきたことを産業の時間軸で再現できる
      となれば画期的なことなんじゃないでしょうか?

      このあたり [affrc.go.jp]も関連研究でしょうか。
      牛糞の処理方法でありガソリンは副産物の一つ、という捕らえ方をしているようです。
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2006年03月05日 18時18分 (#895376)
      乾燥した牛糞は、わざわざメタン発酵させずとも、
      昔から、燃料として使われています [infoseek.co.jp]。

      > 牛糞燃料は意外なほど火力が強く一定しており、また長持ちする。
      と書いてあるので、結構、燃料としての素質は良いみたいです。

      > 火力を高めるため、人糞を混ぜる地域もある
      …なんてことも書いてありますが(汗
      やっぱり人間のほうがいいもの食べてるからハイカロリーなんですかね。
      親コメント
    • by nekomimi (13206) on 2006年03月05日 18時36分 (#895391)
      その高圧高熱は失われるわけではないので
      理論的にはエネルギー収支は何も問題無い。
      30気圧300℃なんて化学工業的にはごく普通。
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2006年03月05日 21時47分 (#895487)
        > その高圧高熱は失われるわけではないので
        > 理論的にはエネルギー収支は何も問題無い。

        ですね。

        親コメントの人は状態量とエネルギーの区別が付いてないんだろうと思いますが、
        あれにすばらしい洞察が付きっぱなしなのを見ると、
        モデレータもみんな同レベルの人たちなんでしょうか。
        親コメント
    • by Anonymous Coward on 2006年03月05日 16時05分 (#895290)
      可能である事を示す事が、重要なのです。
      効率化は次の課題。
      化石燃料と異なり、原料が無尽蔵(不足はするかもしれませんが)なのも魅力です。


      #メタン発酵がペイするとでもお考えで?
      #ありゃあ、人件費か、(自動化した場合)ランニングコストのどちらかで、
      #エネルギー収率がマイナスになる仕組みなのですよ。
      #ソース?出せるわけない。公然の秘密なのだから。
      親コメント
      • by e2718 (23583) on 2006年03月05日 16時42分 (#895312) 日記
        研究にはいろんな段階があり、この研究は新たな可能性を提示したという点で、大変面白い(特に牛糞てのがなかなか)と思います

        でも、実用化の可能性を考えてしまうのも、技術者の性でしょうし、実用化に対する問題点の洗い出しが、即研究の否定にはならないと思いますよ。

        個人的に気になるのは、単純な重量換算の収率が非常に悪い点で、そこからいろいろなことを考えてしまいます

        糞100 gからガソリン1.2 gの収量が理論上maxなのか、それとも触媒・条件などの改良でまだまだ採れる可能性があるのか?

        牛糞の主成分は? どの成分が、どうなってガソリンになるのか?

        成分・含有量・反応メカニズムによっては、牛糞に限らず他の糞やバイオマスに技術転用できるのでは?

        ガソリンを採った後の糞の主成分は? ガソリンでは無いが、まだまだ燃やせる成分が残るなら、高温・高圧装置を作動させる熱源に使えないか?

        ざっとこんな所ですかね?
        詳しい人、ご教授いただけると幸いです
        親コメント
        • by typer (9666) on 2006年03月05日 21時40分 (#895484) 日記
          それほど詳しい訳ではりませんが。
          大体70-80%くらいが水ですかね。残りのほとんどは下にしいていた藁かその代替品と未消化の飼料にある植物由来の炭素、残りは数%の窒素と極小量のリンやカリウムほかだったと思います。
          炭素の大部分はセルロースなどで、これらがガソリンに変わっているとしたら、もしかするとまだまだ収率は上がるかも知れませんね。それにセルロースが原料になるならほかの植物性廃棄物、廃パルプや残飯が使えるかもしれません。
          ただ、これで一番ネックになっているのは水の存在ではないでしょうか。この反応でほかにもさまざまな物質が生成されていると思うのですが、大半は水より沸点が高いとか、親水性が大きいとかで水との分離にコストがかかって、有効利用できないでいるのかもしれません。
          親コメント
    • by Anonymous Coward on 2006年03月05日 15時46分 (#895284)
      実用化に至った訳じゃないからまだいいんじゃないですか?
      キモは
      >牛糞というバイオマスからガソリンそのものが精製されるとなると期待は大きい。
      ここですよ

      # 自分にはマユツバもんですけど
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2006年03月05日 21時40分 (#895483)
        そうですね。期待するだけならタダですから公害も出ませんし。

        似たような話で食肉として処理した七面鳥の内蔵を使って燃料を製造するプラントが
        ミズーリ州で実際に稼働してる [med-legend.com]という話があるのですが、
        確かにこれは一日あたり300トンの食肉関連廃棄物から、270バレルの燃料油を製造してるとか。

        ただし、その内情たるや惨澹たるものでして。
        > 処理コストは1バレルあたり80ドル
        > これは(去年の)8月終りに付いた原油最高値である70ドル強を大きく上回る。
        > CWTは州政府から多額の補助金をもらってその差額をうめて商売にしているらしいが、
        > さすがに新しくプラントを作る計画はない

        > その上、このプラントは猛烈な悪臭を放出し、その問題は解決する目処すらたっていない。
        > 理屈からいえば、合衆国がだす有機物ゴミをすべて燃料に変えれば、中東から原油を輸入する必要は全くなくなるそうであるが、
        > この燃料化に必要な(略)エネルギーはどこから調達するのか

        実用化なんてされると、もっと迷惑ということもありますからね。
        この手の話は生温かく見守るほうが良さそうだというのが最終的な結論になるかと。
        親コメント
        • by maty (3877) on 2006年03月06日 13時58分 (#895783)
          >>七面鳥の内蔵を使って燃料を製造するプラントが

          ガチョウなら核融合を体内で行なって金の卵を産むこと
          は知ってましたが、七面鳥はガソリンを生めるんやなぁ

          とおもった俺がいる

          #アジモフ博士の「金の卵を産むがちょう」 より
          親コメント
    • by ikuuya (14857) on 2006年03月05日 15時49分 (#895286) 日記
      どうしてもガソリンが必要なところは少なからずあると思いますよ。
      それに、ガソリンでなくても高圧高熱を作りだせるだけのエネルギー源はある(ex. 太陽光発電)と思うので、エネルギー転換という点でもそんなに悪くない技術だと思います。
      親コメント
  • 単位が (スコア:5, おもしろおかしい)

    by rail (29920) on 2006年03月05日 17時38分 (#895354) 日記
    3.5oz

    3.5orz
    に見えた。
    これでオンスって読むって初めて知ったよorz
    • Re:単位が (スコア:2, おもしろおかしい)

      by snurf-kim (10835) on 2006年03月05日 18時53分 (#895399) 日記
      >3.5oz
      >が
      >3.5orz
      >に見えた。

      oz 自体も手を突かず頭を地面にこすり付けているように見えます。
      手は後ろで縛られているイメージがあってorzより痛々しい感が。
      親コメント
  • by KENN (3839) on 2006年03月05日 18時19分 (#895378) 日記

    日本じゃエタノールよりもバイオディーゼル燃料 [google.co.jp]の方が有名じゃないですかね?これならエンジンは無改造で済みます。アルコール含有燃料については日本自動車工業会 [jama.or.jp] から過去にプレスリリースも出ています。

    Wikipediaのバイオマス [wikipedia.org]の項目でもちらっと触れられています。

    • by ts50w (27388) on 2006年03月05日 18時59分 (#895402)
      歴史的には松 根油 [wikipedia.org]かも。

      これでゼロ戦飛ばしたらしい。
      親コメント
  • 謎が解けた (スコア:4, おもしろおかしい)

    by onyonyo (15599) on 2006年03月05日 16時13分 (#895298)
    なぜ、「油田が地域的に偏っているのか」、「石油はどうやってできたのか」などの謎がこれでとけましたね。

    昔、中東には野生の牛が沢山いて、みんな、あの辺りを公衆トイレとして使用していたんだ。間違いない!!

    えっ?ちがうの?じゃあ、きっと人間がトイレとして。。。

    #まだボケるか>おれ

  • by WindKnight (1253) on 2006年03月05日 17時31分 (#895347) 日記
    こんな形でもガソリンが無尽蔵に作れるようになると、二酸化炭素の排出量が増えそうでやだなぁ。

    脱ガソリンは CO2 の排出量を減らす手段だとも思うし。
    • # ちゃんと脱石油することには大賛成です。

      CO2関係で主に問題はふたつあります(知らないだけで、他にも重要なのもあるかも)。
      # これは被っている部分もありますが。

      一つはエネルギーの無駄使いによるCO2の増加(非効率さによる)
      もう一つは石油などの化石燃料消費によるCO2の総量の増加(炭素量の増加でもある)

      今回は後者に対して有効なものだ、ということではないでしょうか。
      # バイオマス関係つまり「再利用可能なエネルギー」というやつですね。

      CO2総量を増やさないエネルギー原は方法は色々考えられていますが、工業製品など用途によってはどうしても、軽油/ガソリン/重油が必要になることがあります。

      それを(総量の増加という観点から)低減できるなら、期待は持ってもいいのではないでしょうか?

      # もちろん無駄使い禁止
      ## たしかに安易な利用をする人が増える懸念はありますけど
      --
      M-FalconSky (暑いか寒い)
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2006年03月05日 17時49分 (#895363)
      牛糞の原料は植物性飼料ですので、元を辿れば大気中の二酸化炭素です。
      また肥料等に使用した場合でも微生物により分解されて結局は二酸化炭素を発生しますので、
      エネルギー収支として釣り合うものであればそこまで毛嫌いする必要はないと思います。

      #もちろんCO2の排出量を減らす努力はとても大切なことですが。
      親コメント
    • 排出量は確かに増えますが、バイオマス燃料を燃やした場合、
      地底に固定されていた炭素が大気中に放出されるわけではないので二酸化炭素は出てないことになるのでは?
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2006年03月05日 16時42分 (#895313)
    極めてまじめな疑問だが,一方であれなのでAC
    • by heath_yam (16773) on 2006年03月05日 16時48分 (#895320)
      シットからリビルドしたガソリンでバキュームカーをドライブさせれば、
      エコロジーでリサイクルヒップなスマートロハスライフを実現できますね。

      現代の肥溜め~堆肥とでも言いましょうか。
      --
      ヒースキット山口 heath yamaguchi
      親コメント
    • by Kidzuki_Nihiru (7762) on 2006年03月05日 19時37分 (#895420)
      ガソリンではありませんが、人糞から硝石を精製してた時代はあったそうですね。
      黒炭、硝石、硫黄で黒色火薬を作っていた時代。

      # ほんのちょびっとしか採れないと聞いた覚えもあるけど・・
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2006年03月06日 0時04分 (#895539)
        床下から塩硝を取り出す方法を鎖国時代はやってました。 [osaka.jp]
        いったん採取すると、20〜30年は再採取できなかったとかで、
        たいへん貴重なものだったらしい。
        こっちのほうが写真も入っていてわかりやすいかな。 [river-museum.jp]

        欧米だと、日本みたいに鎖国してませんので
        チリ硝石を多量に輸入して肥料だとか火薬の原料に使っていたのですが、
        これが世界大戦の頃になると戦争のせいで戦略物資になってしまって、
        輸入も滞り、大変なことになったようです。

        いいかげんオフトピックな話になりますが、
        その供給が途絶えて困ってしまった国、ドイツなんですが、
        たいへんな研究を重ねた結果、空気中の窒素をアンモニアとして固定する、
        有効な触媒と反応条件を見つけ出し、ハーバー・ボッシュ法を開発したんですね。
        アンモニアさえできてしまえば、ここから肥料に使う硫安だろうが爆薬に使う硝酸だろうが
        好きなように作れるわけです。だから、これが成功したことで、
        ドイツ人は空気からパンも火薬も作っている! [3web.ne.jp]」と
        恐れられたとか。
        まさに「ドイツのぉぉぉ科学力はぁぁぁ世界一ィィィィ!」
        という話が嘘では無いことを物語る話です。

        というわけで、今はこっちの、化学合成する方法が確立されているので、
        床下をはぐって硝石を得る方法は廃れました。
        親コメント
  • インド (スコア:3, おもしろおかしい)

    by drifter (11388) on 2006年03月05日 17時10分 (#895328)
    インドが世界最大のガソリン生産国になる日が来るってことですね。
  • 実は… (スコア:3, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2006年03月05日 17時48分 (#895361)
    ただし、このような牛糞を得るためには、
    牛には特別の餌をやる必要があります。

    詳しく組成を申しあげることは出来ませんが、
    石油製品由来の成分を混入するのがミソです。
  • やったぜ吉!やったぜ大槻! (スコア:3, おもしろおかしい)

    by t_mrc-ct (5292) on 2006年03月06日 0時51分 (#895566) 日記
    ついに東京でベコを飼う時代が!
    そして最終的には牛の数が人口を越えて、日本がインドに!

    畜産の動向(平成18年2月) [maff.go.jp](PDF)によると

    畜種: 年間の排泄物量 (飼育数) [平成17年]
    乳用牛: 2789万トン (165万5千頭)
    肉用牛: 2577万トン (274万7千頭)
    豚: 2551万トン (972万4千頭)
    採卵鶏: 782万トン (1億3720万羽)
    ブロイラー: 498万トン (1億0252万1千羽)

    糞の合計量は年間8900万トン

    糞の生成効率では圧倒的に乳牛!やっぱ牛乳だね!
  • by Anonymous Coward on 2006年03月05日 16時11分 (#895297)
    >3.5oz(約100g)の牛糞に高圧(30気圧)と熱(300℃)を加えて触媒を使うことで、0.042oz(約1.2g)のガソリンを抽出することに成功したそうだ。

    100gの牛糞 + n gの触媒 = 1.2gのガソリン + 100g近い何か

    ガソリン以外の部分は何が出てくるのかが謎。

    それと触媒ってことは使いまわしはできるとしても、それを何かから回収できるのかがわからないし。
  • これで価値が変われば (スコア:2, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2006年03月05日 17時20分 (#895336)
    うんこしただけで犯罪者扱いする小学生が減るかな
  • by Anonymous Coward on 2006年03月05日 20時17分 (#895442)
    この手の話は、海水から金が採れるという話に似ている。あと、ウランもな。

    #牛糞からガソリンというのは、資源やエネルギーの問題ではなくて、実験室的には可能だという話であって、マジレスする話でもないんだろうけど。

    #いや、笑い話というものか。
  • by Anonymous Coward on 2006年03月05日 16時28分 (#895306)
    10年以上前、たしかブルーバックスだったと思うのですが、ガソリンを作り出すプランクトンが発見されたという記事を読んだのですが、実用化されたという話はとんと聞きません。
    やっぱりコストの問題なんでしょうね。
    • by keyaki1225 (19330) on 2006年03月05日 16時55分 (#895325)
      相良油田で発見された「HD1」という微生物のことだと思います。
      効率の問題でそのままでは実用化は難しいようです。
      下の記事の時点(2002年)では、遺伝子解析を行っている段階のようです。

      参考:http://www.sankei.co.jp/eco/special/big/61.html [sankei.co.jp]
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2006年03月05日 17時26分 (#895341)
        HD-1は存在そのものが怪しくなかったっけ?
        関係者なのでAC
        親コメント
  • by Anonymous Coward on 2006年03月05日 17時45分 (#895359)
    ってどれくらいなんでしょ?
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UNIXはただ死んだだけでなく、本当にひどい臭いを放ち始めている -- あるソフトウェアエンジニア

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