岡山にアジア最大の3.8m新技術望遠鏡建設へ 32
ストーリー by yosuke
早くて安くて凄い望遠鏡 部門より
早くて安くて凄い望遠鏡 部門より
parsley&naocha曰く、"京都新聞の記事によると、京都大学 宇宙物理学教室、名古屋大学 光赤外線天文学研究室、国立天文台などは8/1に、アジア最大となる口径3.8mの光学赤外線望遠鏡を国立天文台岡山天体物理観測所の隣接地に建設すると発表した(3.8m新技術望遠鏡計画)。
新しい望遠鏡は、国内で初めて分割鏡方式を採用。18枚の鏡を合成して主鏡を製作する。「すばる望遠鏡」などの次世代となる、口径30m以上の超大型望遠鏡を実現するために必要な基礎技術を実験開発するのが特色。
建設費約10億円は、ベンチャー企業「ナノオプトニクス研究所」が提供する。約120億光年離れた宇宙を観測でき、2011年の初観測を目指すという。"
追加情報 (スコア:5, 参考になる)
木村ページ [kyoto-u.ac.jp]では望遠鏡構造の良く解る画像があり、そのCADデータもあるようです。
次世代の超大型望遠鏡といえばThe Thirty Meter Telescope [tmt.org]の780枚による30メートルの望遠鏡が有名ですが、関係(ある|する)でしょうか?
中国新聞の記事 [chugoku-np.co.jp]によると望遠鏡を地元住民や天体ファンが見学できる形での建設を目指す考えとのことで、
「なゆた」を意識しているように見えます。
8月4日のワールドビジネスサテライトは岡山からなんですが、予告映像に岡山天体物理観測所らしきものが見えてます。
何かあるかも。
Re:追加情報 (スコア:4, 参考になる)
# 記者会見のときに配布したパンフの完成予想図も。。げふげふ(といっても2005/12版ですがっ
OAOの74inch望遠鏡も常時一般見学できるブースがドームのなかまで続いているので、あいている日なら望遠鏡
を窓越しに眺めることはできます。 > 見学できる形での建設を目指す
たぶん、それと同じような感じになるかと。
あとはプレスリリース参照ってことで(笑 > 30m望遠鏡との関係
-- A. Shimono a.k.a. himorin
Re:追加情報 (スコア:0)
今回の特徴的な鏡面分割についても触れられています。
今回画期的なのは (スコア:5, 興味深い)
アメリカの巨大望遠鏡は、Keck [keckobservatory.org](石油富豪)とCarnegie [ociw.edu](鉄鋼王)の名前がつく天文台がもっています。ここで驚くべきことに、カーネギー天文台のマゼラン望遠鏡には、Inamori という名前のついた世界最先端の観測装置 [www.lco.cl](当然、とてつもなく高価)がついています。
京セラの稲盛さん、外国じゃなくて、日本の望遠鏡にお金出してよ。
なんで京大望遠鏡のスポンサーが、京セラやワコール、任天堂じゃないの?
日本に寄付文化がなじまないのは・・ (スコア:3, 参考になる)
政府機関や自治体に寄付しなければ税制上のメリットは
全く無いのです。寄付したとしても肝心の使い道に
関して組織の意志に任され寄付者の意志は
ほとんど反映出来ない。
民間(個人)が社会に対して利益還元をする際、使い道を
民間が指定するという事を国が許さない官尊民卑的な
旧来からの考えに成り立っています。
それと比べ、自分の意志が強く反映出来た上、
税制上のメリットがあり、うまくすれば自分の名前を
冠する事すら出来て名誉欲すら刺激する
海外の方が富の成功者にとっては寄付の
しがいがあります。
税金以外でそれぞれの立場に相応しい社会貢献を
自然と促している海外が羨ましいです。
海外の富すら引き付けるやり方は見習うべきでしょう。
Re:日本に寄付文化がなじまないのは・・ (スコア:2, 参考になる)
> 全く無いのです。
それはウソでしょう。特定公益増進法人・認定NPOに対する寄付金は、一般の寄付金とは別枠で、一定の限度額の範囲で損金に算入されますから、寄付先が政府機関や自治体でなくとも、税制上のメリットはあります。
日本の税制が寄付に関して冷たいのはウソじゃないと思いますが。
Re:日本に寄付文化がなじまないのは・・ (スコア:1, 興味深い)
まず、我が国では寄付金の損金算入限度額がかなり低いです。ま、これは、古来からの我が政府の方針であるのですが。すなわち、寄付なんかするよりお上によこせってことですな。
たいした金額を寄付できないから、寄付によるアナウンス効果も大したことありません。バーンと寄付してバーンと社会的評価を上げるってのができない以上、あんまりインセンティブがないよね。
寄付文化だけが問題ではない (スコア:1)
稲盛財団、あるいは稲盛氏に売名とか偽善というようなものが臭うとしたら、京都賞の授賞対象の多くがすでに評価が確立して、すでにいろいろ賞をもらっている大家であって、受賞者の奨励とか文化振興よりも、賞と授賞者側の権威づけに重点があるように見えること、そして、マゼラン望遠鏡の例では国内の援助はせずに外国で高価な装置を援助している点にです。京セラでけではなく、なだたる国際企業はしばしばアメリカでは寄附講座に巨額な研究費を出資しています。まあ、あちらで商売していくための一種の税金というかショバ代のような面もあるのでしょう。
これと比較して、今回のナノオプトニクスの京大への出資はほんとに驚きです。
そう言えば…… (スコア:2, 参考になる)
「うちに有る2m望遠鏡が、今の所、日本最大の望遠鏡です……すぐに日本で2番目に成りますが」
ってな事を聞いた覚えが。
やっぱり宇宙 (スコア:2, すばらしい洞察)
何度か打ち上げれば宇宙(そら)で巨大な望遠鏡が作れますね
Re:やっぱり宇宙 (スコア:3, 参考になる)
アメリカにはKeck [keckobservatory.org]やHET [utexas.edu]、ヨーロッパにはGTC [gtc.iac.es]という分割鏡の大型望遠鏡があるのに日本は未経験。分割鏡を採用する30m望遠鏡は国際協力での建設の可能性が高いのに、このままでは日本は完全に置いて行かれます。というわけで、日本でもそれに関する技術を身につけることが必要なんですね。
Re:やっぱり応用 (スコア:0)
Re:やっぱり応用 (スコア:2, 参考になる)
Re:やっぱり応用 (スコア:1)
Re:やっぱり応用 (スコア:0)
ではないかと。
Re:やっぱり宇宙 (スコア:0)
SELENE [srad.jp]のシンポジウム [www.jaxa.jp]で観山台長 [nao.ac.jp]が分割鏡をつかって月面にといってました。もちろんアイデア<<ネタで具体的に資金目当ての算段が立った話ではありません。
3メートル以上の望遠鏡は日本だと過剰投資 (スコア:2, 興味深い)
本来の実力が出し切れず、大きな望遠鏡を作っても、
もったいないだけじゃないかと・・・。
「すばる」大望遠鏡プロジェクトで尽力された
元・国立天文台長 小平桂一氏の著書「宇宙の果てまで」で
「日本では3メートル以上の望遠鏡は過剰投資」と
切って捨てていましたね。
天文観測の条件の悪い日本で大口径望遠鏡を作るからには
立地のハンデをどのように補うのかが気になりますね。
Re:3メートル以上の望遠鏡は日本だと過剰投資 (スコア:2, 興味深い)
5割増しの予算で性能は3.5倍ぐらいが期待されるので過剰投資という程ではないのでは。
旧来の技術で3m望遠鏡を作れば重量(笑)3倍ぐらいで20億ぐらいはかかると思うので
それなら過剰投資というのも解ります。
Re:3メートル以上の望遠鏡は日本だと過剰投資 (スコア:1)
あのあたりは光害はあまりありませんし、
日本の中ではかなり条件が良い方だと思います。
低高度ゆえの、空気の揺らぎだけはどうしようもないでしょうけど…
あとは、マウナケア山とかと比べて、
「人が行き来しやすい」というメリットもありますから
まるっきり無意味ってことはないでしょう。
Re:3メートル以上の望遠鏡は日本だと過剰投資 (スコア:1)
タレコミはきちんと読みましょう (スコア:0)
>アジア最大となる口径3.8mの光学赤外線望遠鏡を国立天
文台岡山天体物理観測所の隣接地に建設すると発表した
と書いてあるように、改めて指摘するまでもなくその前提で計画は動いています。
ナノオプトニクス研究所 (スコア:1)
Re:ナノオプトニクス研究所 (スコア:2, 興味深い)
Re:ナノオプトニクス研究所 (スコア:3, 参考になる)
プロジェクトに関わっている京大の長田先生(もと名古屋大) [kyoto-u.ac.jp]と話をしたことがあります。 今回のプロジェクトの技術で鏡の枚数を増やし、30m級へ とスケールアップしたいということでした。 問題は鏡ですので、加工の高速化と モノの精度の両立が重要となります。 特に高速な切削加工がここでのキーです。
従来1~2年で一枚の鏡を磨いていたことを考えると 同じような鏡を何十枚も作製することは不可能でした。 今回のプロジェクトでは研磨よりもはるかに速い加工 を行いますので熱の影響でナノレベルの精度は非常に 難しくなります。 加工屋さんの技術が問われるところでしょう。
Re:ナノオプトニクス研究所 (スコア:2, 参考になる)
#990104 [srad.jp]でも紹介されていた日経サイエンスの記事 [nikkei-bookdirect.com]のコラムでこの3.8m鏡についても触れられています. 鏡材として一般的なガラスではなく, 無膨張セラミックを使うということと, 可視光の波長(数100nm)以下の精度で3次元非対称(扇型)の分割鏡を加工するという2点が大きな特徴だそうです.
Re:ナノオプトニクス研究所 (スコア:1)
>The page here is under construction now..., Since 2005.12.13
と、この計画のために作った気がしなくもないですね。
whoisしてみても...(http://whois.ansi.co.jp/?key=nano-opt.jp#nano-opt.jp)
404じゃないページは認証かかっててじっさい閲覧できるコンテンツがほとんどないぢゃないか!
(オーフトーピだけどidですわ。)
ナノオプトニクス代表取締役藤原洋って (スコア:1, 興味深い)
http://www.iri.co.jp/jp/company/fujiwara.html [iri.co.jp]
Re:ナノオプトニクス代表取締役藤原洋って (スコア:1)
# いちおうID。。
-- A. Shimono a.k.a. himorin
現在のサイズ (スコア:1)
子供の頃の遊び場 (スコア:0)
よくチャリでヒーヒー言いながら登ったものです
中に入って望遠鏡を見学するだけで意味も無く凄い!と思ったものです
その後、古い方の望遠鏡でもかなり色々な星が見える事を知ってからは
大きくなったらココで働きたいと思っていたのを「今」思い出しました・・・(時すでに遅し)
これを機会に宇宙への興味をもってくれる人が増えてくれたら嬉しいです
Re:子供の頃の遊び場 (スコア:0)
とか
「税金泥棒」
という人が湧いてきますよ
Re:子供の頃の遊び場 (スコア:0)
犠牲??
>「税金泥棒」
これはいるかも知れませんね
ある一定以上の知的好奇心を持たない人から見れば
探査・調査・研究の類は無駄以外のなにものでもありませんからね
しかも、税金の使われ方の無駄を知らないようなレベルの方が
ちょっとニュースで見ただけの自分の価値観では認められないものを無駄使いと考えるわけです
本当は真に無駄(本当の泥棒と言えるような横領や天下りへの架空とも思える仕事の発注等)が
世の中には存在している事も知らずにね