パスワードを忘れた? アカウント作成
13456 story

9/23(土)早朝、M-Vラストフライト 27

ストーリー by yosuke
有終の美を飾ってほしい 部門より

KENN曰く、"いよいよM-Vロケットのラストフライトとなる7号機の打ち上げまで、残すところあと1日となった。SOLAR-B/M-V-7カウントダウンページには、9/19夜~20朝にかけて行われたリハーサルが無事終了した様子が掲載されている。
M-V-7のライブ中継は9/23 5:30開始予定。打ち上げは、6:00~7:00の間に予定されている。それぞれ人によって思うところはあるかと思うが、M-V最後の打ち上げの成功をまずは祈りたい。

M-Vロケットは今回の7号機の打ち上げで発注された8機すべての納入が完了し、引退することがほぼ決定的となっている。このあたりの経緯については、これまで/.-Jでも何度となく取り上げられてきた。

現在M-V-7取材のため内之浦に滞在中であるSF作家の笹本祐一氏が、宇宙作家クラブ ニュース掲示板のNo.1070以降に、M-Vロケットの抱えている現状と未来予測についての投稿を行っている。中でもNo.1070には、日本惑星協会のメールマガジン、TPS/J メールの連載コラムに「Mロケットが消える日」という文章を寄稿された的川泰宣先生に直接取材し、M-Vの廃止が純粋に技術的・論理的な理由によって決定されたわけではないことが伺える、興味深い情報が掲載されている。"

SOLAR-Bは、ようこうの後継機となる太陽観測衛星。ピギーバックとして北海道工業大学のHIT-SATとソーラ電力セイル実証超小型衛星SSSATも打ち上げられる。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Canadian (31348) on 2006年09月22日 6時27分 (#1023706)
    M-Vの問題点は「打ち上げ手段としてのロケットとして,あまりにもよくできす ぎた」ということに集約されるのではないでしょうか。
    ISASは論文を書くための組織なので,研究者から見たM-Vの問題点は
    • 宇宙理学:年一度と言わず,たくさんの衛星を打ち上げたい(自分の観測器が宇宙に行って欲しい)
      衛星にかかる条件がきつすぎる
    • 宇宙工学:M-Vをネタにした論文が書けない
    というところにあると思われます。アビオニクスは改良の余地があると思いま すが,主なところは完成されすぎているいるために,M-Vのちょっとした改良 では論文が書けないのだと思います。
    それでは「技術的に完成を見た」ということでISASからNASDAに移管すればいい という話になるでしょうが,M-Vのノウハウは属人的な部分が大きく,職人芸を 持つ人たちに技術を依存しているため,簡単には移管できないと思われます。
    そういう意味でISASに過剰適応したM-Vが生き残っていくことは, JAXA上層部の方針とは関係なく簡単ではないかもしれません。
    個人的にはM-Vは残って欲しいと思っています。理由は
    • 比推力より推力の必要な第1段主力エンジンとしてLH2/LOX以外のエンジンは欲しい
    • 技術の多様性は重要
    • ネ申の技術維持と技術移転
    です。
    LUNAR-A の打ち上げに必要,とか名目を付けてあと1回分くらいの 製造費用は獲得できないのかという気もしないではないですが。
  • by Anonymous Coward on 2006年09月22日 9時12分 (#1023743)
    固体燃料ロケットとしては世界最大で、惑星間空間
    にもペイロードを送り込める高性能機M-Vの跡を
    継ぐ次世代小型固体燃料ロケットに、何か違った特色
    を持たせないと名機の跡を継がせるのは容易では
    ないでしょうね。低コストが売りだが性能大幅ダウン
    なので、デメリットばかり目立つような代物だと、
    開発ベースの筋が違うにもかかわらず、固体燃料
    ロケットなので、パチモノ劣化M-Vなんて陰口を
    ささやかれそうです。

    M-Vに代わる科学探査向けロケットに目処が立たない
    からか、H2Aにて打ち上げが決まっている2007年の
    セレーネと2010年予定のプラネットC以降の予定が
    無く、新ロケット開発が滞ればそれはそっくり日本の
    宇宙科学の停滞になるでしょう。

    先日の読売新聞で、小型の利点を生かして移動式
    発射台での打ち上げを検討するとの事。小型ロケット
    打ち上げ実験で実績のある北海道でも打ち上げる事が
    出来るようなものにしたいなんていう事が
    書かれていました。この時期にいきなり移動式発射台
    なんて話が出てくるのか意図も、具体的な仕様も
    よく分かりませんが、移動式発射台なら、北海道
    なんかより、赤道公海上でシーローンチの方が非力な
    ロケットにはメリットがありそうです。

    ただ、北海道での打ち上げも出来る機動性ある移動式
    発射台、小型固体燃料ロケットのキーワードで何やら
    気になったので調べて見たら、既にロシアの車両移動式
    大陸間弾道ミサイルSS-27トーポリMが約2m違いで
    条件に当てはまりました・・・・・。えっ!まさか?!

    次世代小型固体燃料ロケットは、科学探査の裏で
    何か全く別の意図が秘められているのではないかなぁと。
    • by Anonymous Coward on 2006年09月22日 11時31分 (#1023831)
      まぁ、世界的に見て大型固体燃料ロケットっていうのは、弾道弾運搬手段とみられているので、そう取るのもあながち間違いじゃないですが。

      でも、北海道から打ち上げるのはきちんと意味があるんですよ。

      一般に、ロケットは赤道から打ち上げるのが有利と言われます。
      これは、地球の回転力による遠心力を利用するためと言われますが、じつはそれほど正しい回答ではありません。

      通常、商業衛星は赤道上空の静止軌道に投入されます。
      そのためには、赤道から打ち上げるのが一番有利、というのが理由なのです。

      極例として北極から打ち上げたとします。
      地平線方向に発射するため、地球周回軌道に最小燃料で到達させた場合、北極から赤道を直角に横切り南極を通る、極軌道になります。
      この極軌道から赤道上空静止軌道に軌道変更するには、膨大な燃料が必要となります。
      一方、赤道上から発射した場合、そのまま東に打てば、軌道変更は不要です。

      逆に、赤道上から極軌道に投入するには、遠心力を打ち消しながら南北に発射しなければなりません。

      つまり、静止軌道に投入するつもりが無いなら、北海道から発射してもたいして問題は無いということです。
      また、科学衛星に多い極軌道に投入する場合、逆に優位に働きます。

      赤道付近に日本の基地を作ること自体は、種子島の打ち上げ条件の厳しさ(待避距離や漁業交渉)などからして、推進すべきとは思いますけども、海外施設を建設する困難などもあるため、だだっぴろい場所のある北海道も次善として良いんじゃないでしょうか。
      すでにある程度施設もあるし、誘致もしてますしね。
      親コメント
    • 世界最大級(本当に最大なのはシャトルのSRBだから"級"としておくか)の固体燃料ロケットであることと、
      固体燃料ロケットとしては優れたペイロード質量比を達成したロケットであることと、
      安価なロケットであることと、優れたロケットであること。これらは別の要素ですよね。
      いや、同じ技術水準でロケットを作るのであれば、ペイロード質量比が優れていることは安価であることと相関があるから、
      全然関係がないわけではないのだけど、1割の性能向上のために2割コストが上がる新技術を使いました、では意味がない。

      ロケットとペイロードがでっかいことはいいことづくめだけというわけでないし。大きくなれば相対的に振動に弱くなる。
      ここ [mext.go.jp]の資料の2番目に出てるんだけど、「はやぶさ」のリアクションホイールは、はやぶさとM-Vの振動環境のために
      メーカーの標準品を使うことが出来ず、そのための設計変更が仇となって故障を起こし停止したと推定される、
      とかされているわけですよ。
      親コメント
    • そういえばSF映画コンタクトではなぜか日本の北海道に移動装置のスペアがありましたね、北海道に宇宙関連の施設なんて無いだろとかいえなくなるかもしれませんね。移動式といわず夏季用の基地作ればいいだろうに。

      http://www.pcs.ne.jp/~yu/sf/contact.html [pcs.ne.jp]
  • 宇宙科学研 (スコア:2, 興味深い)

    by gesaku (7381) on 2006年09月22日 10時28分 (#1023785)
    昔、事業団と宇宙科学研が別組織だった頃に、
    宇宙研の採用面接に行った事があるのですが、
    面接の最後に質問があったらどうぞと言われたので、
    なぜ事業団は液体燃料で、宇宙研は固体燃料だけを
    使っているのか訊ねました。
    面接官は「非常に良い質問ですね」と言ったのですが
    はっきりした答えは返ってきませんでした。

    今だったらあのときの面接官は答えてくれるのでしょうか。

    #結局上(宇宙)は諦めて下(地下)方面に就職したgesaku
  • by LARTH (14573) on 2006年09月22日 21時07分 (#1024255) 日記
    RBB NAVi [rbbtoday.com]によると、casTY [casty.jp]にて Windows Media Player によるライブストリーミング、帯域は500kbpsの生配信だそうです。

    9/23(土)早朝5時~『SOLAR-B/M-5ロケット 7号機』打ち上げ実況生配信!
  • by KENN (3839) on 2006年09月23日 8時18分 (#1024534) 日記
    SOLAR-Bは「ひので」と命名された模様です。
  • by Anonymous Coward on 2006年09月22日 10時21分 (#1023777)
    こだわる人がいるらしい(No.1031 [sacj.org]参照)ので念のため。
  • by tmiura (6268) on 2006年09月22日 10時34分 (#1023789) 日記

    ΜⅤは100億円かければ1発当たりの打ち上げコストを35億円まで下げられるという目論見があるそうな。

    一方で、一段目にSRB-Aを流用というのは決定というわけでもないらしい。

    となれば、名目上ΜⅥを新規開発ということにしておいて、 設計図を引いてみたら実質的には当初のΜⅤ改良案だった、という手を使うことはできないか。

    • by masamic (1186) on 2006年09月22日 10時46分 (#1023794) ホームページ 日記
      そうするとGXロケットの立場が無いので、政治的には無理なのだとおもいます。
      #実現するかどうかも怪しいGXロケットが正式に頓挫すれば、仕方が無いのでM-Vを三菱重工かどこかに移管する⇒三菱重工製はそれをM-VIと呼称するとかあるかもしれない。(個人的妄想)
      --
      masamic
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2006年09月22日 12時46分 (#1023901)
      全段固形燃料なんてのは、技術的興味以外の何の意味も無いんだから、一部を燃料を常温保存できる液体燃料にし、固形燃料部は飽くまで均一の一々オーダーメイドしたもので無い物を使える様にでもしないと実用機としてのM-Vなんて意味は無いでしょ。
      ってか、固形燃料でもちゃんと制御すれば思った軌道に上げられるってのは、元々計算で解るし技術的難易度のみの問題だってのは誰だって判る。
      でも、それを実証する事に意義ってあるのかいな?
      研究課題の一つにはなるんだろうけど、実用機として使用するには無駄なだけだと思うが。

      実用機は少々効率がどうだろうが、ミサイルの使いまわしだろうが、使えれば良いんだからさ。

      親コメント
    • というか、M-Vを100億かけてコスト低減、という的川先生が言ってるような構想にしてもですね、
      1段目を高張力鋼から複合材に、ついでにちょっと伸ばして推薬増やして、というような「改良」は
      新規開発とどう違うのよ、という気はするのですが。どのみちM-VもSRB-Aもメーカー同じだし。
      現行の新型固体ロケットの案に問題がまったくないわけじゃないし、その構想に疑念を抱かないわけじゃないけども、
      だからといってそれらの問題があることは、旧ISASが詐欺師の片棒担ぎでないことの反証にはならないわけで。
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      だめだよー、今それ言っちゃ。
  • by KENN (3839) on 2006年09月23日 7時04分 (#1024505) 日記

    宇宙作家クラブ ニュース掲示板 [sacj.org]によると、直前に雨が降ったらしいですが、M-V-7は予定通り打ち上げられました。ライブ中継の地上からの映像は、あっという間に雲で見えなくなってましたけど。

    国内の追跡局によるトラッキングが終了し、第3段までの点火までが予定通り完了したことが確認されています。オーストラリアのパース局が無事SOLAR-Bからの電波を受信した模様です。

    • by Anonymous Coward
      >ライブ中継の地上からの映像は、あっという間に雲で見えなくなってましたけど。

      朝日新聞の双発ジェット「JA001A はやて」からは、雲間から抜けてきた M-V-7 が蒼空にのびてゆき、第1段分離>第2段まで捉えられています。 [asahi.com]
  • by pongchang (31613) on 2006年09月23日 14時05分 (#1024799) 日記
    http://www.hit.ac.jp/~satori/hitsat/ [hit.ac.jp]
    日大のSEEDはロシアのロケット失敗で残念でしたが、今回のM-Vはちゃんと道産子衛星を軌道にのせてくれたようです。
  • by KENN (3839) on 2006年10月01日 10時23分 (#1029630) 日記

    誰も見てないだろうけど、備忘録代わりに。

    いつものパロディラベルが宇宙作家クラブ ニュース掲示板 [sacj.org]のNo.1090に掲載されている。今回の元ネタは、本場琉球泡盛 於茂登「炎」(おもと ほむら) [takarashuzo.co.jp]。おそらくベースデザインのレイアウト以外すべてに手が入っている(バーコードの数字すら打ち上げの日時に変えている)、芸の細かい作品に仕上がっているが、上部の「Mロケットは永遠に不滅です」の文字が涙を誘う。

  • by Anonymous Coward on 2006年09月23日 6時59分 (#1024501)
    M-V7号機は予定通り午前6:36分に内之浦宇宙観測所より
    打ち上げられました。

    1段目、2段目、3段目フェアリング分離成功確認。
    ラストを飾るに相応しいきれいな打ち上げでした。

    衛星分離・太陽電池パネル展開による真の成功確認は
    午前7:40分頃サンチャゴ局で確認されるようです。
    • ソーラーBの電波をサンチャゴ局で確認したようです。
      打ち上げは成功。
      衛星のミッション完遂を願っております。

      M-Vが有終の美を飾りました。

      先行き不透明ですが、今後とも日本の宇宙科学・開発に前途
      ありますように・・・・。
  • あれこれといわれる次世代小型固体燃料ロケットの姿は
    さっぱり見えないどころか、性能的にはM-Vの後釜に
    相当しそうな中型ロケットのGXロケットも肝となるLNG推進系
    開発が難航して先行き不透明のままの状態で、M-Vロケット
    廃止に踏み切った判断には疑問符が付き、何か釈然としない
    退役と感じました。

    M-V退役と混沌とした次世代ロケット開発の影響で小~中型
    ロケット不在の空白期間がどれほど続くのかわかりませんが、
    それに伴う困難を乗り切った先には日本の宇宙開発の前途に
    幸あるよう願っております・・・。

    M-V最後の見事な打ち上げが次世代につながる祝砲でありますように。
typodupeerror

犯人はmoriwaka -- Anonymous Coward

読み込み中...