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14868 story

綿ぼこりを吸い込んでる人ほど肺がんのリスクが低い? 46

ストーリー by kazekiri
毒素がいいのか 部門より

jonykatz 曰く、

繊維工場で綿ぼこりを多量に吸い込んでいる人ほど、肺がんになりにくいという調査結果を、米中の研究チームが米国立がん研究所報にて発表したという、 一見「逆じゃないのか?」と言いたくなるような記事が読売新聞に掲載されている。非常に短い記事で、綿ぼこりに含まれる細菌の毒素エンドトキシンが免疫系に影響を与えているという推測だけが書かれている。 ということで調べてみると、Medical News TODAYに関連する記事を見つけた。記事中には上海での綿の織物工場の労働者である女性をサンプルにして調査した結果、平均的な上海出身の女性の100,000につき19.1という肺がん発病率が、エンドトキシンへ20年間の暴露を経ることで100,000につき、7.6にまで下がっているということだ。メカニズムはやはり分かっていないようだが、何だか興味深い話である。

話の出所の米国立がん研究所報での論文も参照。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2007年03月12日 20時56分 (#1124842)
    我が家の布団など、わたぼこりと見せかけてカビの胞子やもしれませぬ。
    こんなの吸ってたら、癌以前に別の病気になっちゃうよ(笑

    私の祖母は、長いこと衣類の卸商やっていました。
    わたぼこりを多量に吸い込む生活を何十年もしていたわけです。
    その結果、肺ガンにはなりませんでしたが、別の肺病を患いました。
    たしか、肺胞に繊維がつまる系の病気だったかと思います。肺機能は半分以下になってたそうな。

    まぁ、今回の研究は、癌になりにくい要素を発見、というだけで、わたぼこりが健康に良い、という「あるある」系のコト言ってるわけじゃないですからね。
    勘違いする人も出てくるんだろーなぁ。
  • Medical News Todayが引用ミスをしていると思います。19.1/100000が7.6/100000に下がったのではありません。

    これはネスティッドケースコホートスタディというデザインの疫学研究です。元は,乳がん死亡率を下げるための自己触診の有効性を調べるためにリクルートされた267400人で,20年間フォローアップされています。この中から肺がんにかかった人と,エンドトキシンへの曝露状況をマッチングした対照群をランダムに選んで分析してみたというわけです。

    喫煙しない対象者のうち,エンドトキシンへの累積曝露が高度なグループ315人中20年間の肺がん発生が51人,エンドトキシンへの曝露がないグループ1045人中20年間の肺がん発生が186人だったので,リスク比で考えると0.9くらいになってしまうのですが,肺がん発生までの期間も考え,打ち切りも考慮した指標を出すためにCox回帰を行って,ハザード比が0.60(信頼区間が0.43から0.83なので統計的に有意な差があります。なお,Table3には0.85となっていますが,本文とabstractには0.83となっているのでTable3の誤植だと思われます)だったので,2000年の上海全体の女性の肺がん罹患率19.1/100000にこの値を当てはめると,19.1*(1-0.60)が約7.6(レンジが3.2-10.9と書かれているのですが,これが19.1*(1-0.83)と19.1*(1-0.43)です)なので,20年間エンドトキシンに曝露すると,上海女性では,100000人当たり7.6だけ肺がん罹患率を下げることができると推計されているのです。

    以上,ご参考まで。

    --
    Minato NAKAZAWA, Ph.D. Demographer, Human Ecologist
  • お腹に回虫を飼っている人ほど花粉症にならない話 [allergy-i.jp]を思い出した。似たようなものなのでしょうか?(^^;
    --
    モデレータは基本役立たずなの気にしてないよ
  • 記事を斜め読みして (スコア:2, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2007年03月12日 21時08分 (#1124851)
    「掃除しないほうが健康にいいんだぜ」と言いだす輩が出てくるに違いない。

    オレオレ。

    -- A.C., nothing more, nothing less.
  • その差0.0115% (スコア:2, 興味深い)

    by rin_penguin (9144) on 2007年03月12日 21時51分 (#1124889)
    0.0191%の可能性が、20年間ホコリを吸うことで0.0076%になると。
    母数が分からんけど、これって有意な数字なのかな。
    • Re:その差0.0115% (スコア:3, 参考になる)

      by y_tambe (8218) on 2007年03月13日 10時17分 (#1125131) ホームページ 日記
      詳しいことは疫学が専門の方に譲りますが、とりあえず。

      「有意差がある」ってのはそれぞれのグループの母集団に「差がある」という定性的なものを見てるもんなんで、極端な話、標本数が極端に大きければ、1あったものが0.7になろうが、0.8だろうが、0.98だろうが、「統計的に有意」ってことはありえます。そういう意味で、有意差は大事なことは大事なんだけど、「有意差がある」だけで判断するのも良くないんですね。「有意差がある」のは初めの一歩として、実際にどれだけ下がったか(上がったか)というところまで考慮する必要があり、その指標の一つがオッズ比(odd ratios, OR)と95%信頼区間(95% confidence intervals, CI)です。今回の原報ではHR(Hazard ratios)って言ってますが、まあ同じものですね。

      この手の疾患のリスクファクターを見る場合、大体はオッズ比またはその逆数が1.5以上の(0.7以下に下がったり、1.5以上に上がったりした)場合に、「単一のリスクファクターとしても意味がありそう」という判断になることが多いようです。それと信頼区間があんまり広すぎないこと、ですね(この幅が大きいとそもそも有意差がつかなくなりますが)。後は、用量−反応曲線を見たときに用量依存になっているとかでデータを補強したり(U字や逆U字型のことも結構あるんで、必ず上手くいくというものではないですが)。

      今回の場合、実際に実験での比較対照となった群(最近流行のコホート内症例対照でやってるので、そういうのが設定されるんですが)との間で、HRが0.60、CIが0.43-0.83ということなんで、とりあえず「意味のある差」とは言えそうです。で、記事中で出てる「0.0191%」ってのは市中での発生件数なんで、これと直接比較していいか、と言われると問題あるんですが、まぁ無理矢理比べると。オッズ比 0.0076/0.0191 = 0.4ですから一応は下がったと考えてよさそうで、しかも先の実験内のデータと「矛盾はしない」ので、まぁ比べた結果に言及してもいいかな、という感じですね(論文のdiscussionとかで)。

      で、疫学調査の常として、今回の調査結果から実際に「エンドトキシンの暴露量が多いほど肺がんリスクが下がる」と言えるかというと、まだ「追試を待つ必要がある」という判断になるかと思います。平たく言うと、単回の調査の場合調査対象はあくまでその「母集団」であるので、例えば、今回の場合「上海在住の、調査対象とした年代の女性について」は正しい結果なんだろうけど、私たちを含んだ「世界中の人々」にまで一般化できるかどうかはまだ判らない。だから、いろんなグループが追試することでそこらへんが明らかにされる、ということかと。それと、もちろんリスクファクターを元にして、基礎的な動物実験でメカニズムの方を詰めたり、実際にヒトでの介入試験をやるのが理想的ではありますが……今回は介入試験やるのが難しいでしょうね。

      エンドトキシンが免疫系の効果を高めるってことを著者らが言及してるのには、最近、Toll様受容体 [wikipedia.org]の機能が大きなトピックとして注目されている、ということが大いに関係してると考えるのが自然でしょうね。自然免疫系に関与している細胞膜(およびエンドソーム内)受容体で、細胞外のエンドトキシン(=リポ多糖:グラム陰性菌の外膜成分)の他、結核菌の細胞壁成分(リポアラビノマンナン)、ウイルスなどの核酸成分(dsRNA, ssDNA、非メチル化DNAなど)を感知して、抗ウイルス性インターフェロン合成などの多彩な生理作用を発現させるものです。まぁ、今回の著者らの主張をそのまま受け入れるのであれば、「清潔すぎる環境だと却って抵抗力(免疫力)が落ちる」という、「抗『抗菌指向』派」の主張を後押しするものになるかもしれないですね。

      ただまぁ今回の実験については、あくまでエンドトキシンとの相関のみを(計測上の関係があるとはいえ)見てるので、実際に効いてるのがエンドトキシンなのか、それともそれと常に相関してる別のものなのかは判らないです。個人的には、綿ぼこりみたいに乾燥したものなら、むしろグラム陽性菌の方が優勢になるんじゃないの?とか、もっとありそうなのは(上でも指摘ありますが)カビの影響があるんじゃないの? とか。特にカビ(真菌)の細胞壁多糖には免疫賦活作用があることが結構古くから知られてますし(まーこれもいずれ、Toll様受容体かその近くに行き着くのかもしれませんが)
      それとまぁ、これはかなり個人的なイメージなんですが、コホート内症例対照研究(Case-control study nested within cohort)って手法に、まだいまいち信頼しきれないところを感じてたりして(どうも話がうますぎて ^^;)
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      • コメント主ですが、今回の結果の解釈についていろいろと読み違えてました。#1125143 [srad.jp]の方が正しいと思いますので参照ください。

        以下、正誤表ですが
        1. 今回のHRは単なるORではなくて外挿値(おそらくCIもそちらの95%信頼区間)
        2. 0.0076/0.0191が0.4になってるのは、もともと0.0076という数値そのものが(1-HR)から算出されたものだから。
          1. ほかにも今回の結果の解釈についてはちょこちょこしたミスがあるかもしれません(一般論の部分は大きな問題はないと思いますが)
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    • Re:その差0.0115ポイント (スコア:2, すばらしい洞察)

      by baffclan (9449) on 2007年03月12日 23時58分 (#1124963) ホームページ
      > 0.0191%の可能性が、20年間ホコリを吸うことで0.0076%になると。
      0.0076/0.0191と考えると約1/2になりますが、
      これは大きな差と思います。
      親コメント
      • by roto (17040) on 2007年03月13日 2時12分 (#1125007) ホームページ 日記
        > 0.0076/0.0191と考えると約1/2になりますが、

        その計算結果に何の意味があるのですか?

        # (100-0.0076)/(100-0.0191)はほぼ1になります。
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        • by altosax (19113) on 2007年03月13日 6時12分 (#1125035)
          「肺ガンになる確率」の話をしているので、
          その計算には意味があります。
          0.0191% だった確率が 0.0076% になったのだから、
          「確率が半分になった」という主張は(大体)正しい。

          しかし、元コメント(#1124889 [srad.jp])の意図はそこではなく、
          #1124997 [srad.jp]で指摘されている通り、
          この数字が「統計的に有意かどうか」です。

          10万人あたり、という母数が恣意的なので分りにくいのですが、
          小数点以下一桁まで書かれていますので、仮に調査対象が100万人であったとしましょう。
          確率が小さいときには、事象の分布はほぼポアソン統計(厳密には二項分布)にしたがいますので、
          誤差は事象数の sqrt です。詳細は省きますが、二つの値の差 (191-76)e-6 = 1.1e-4 は
          伝播誤差 sqrt(191+76) x1e-6 ~ 1.6e-5 の6倍以上大きいですので、
          統計的にその差が有意である、と言うことができます。
          親コメント
      • サンプル数4で0.25/0.5でも1/2な訳で、問題となるのは親コメの言っているようにサンプル数と統計量の差の対比ではないかと。
  • by Anonymous Coward on 2007年03月12日 21時03分 (#1124847)
    ある程度なら効果的だが、それを過ぎれば害になる。
    鍛えれば筋肉は強化されるが鍛えすぎると壊れる。
    料理に適度な塩を入れると美味くなる、が、入れすぎると不味くなる。
    それと同じことじゃないのかね?

    と、雑感。

    #でも、肺に溜まったゴミの排出までは考慮外だと思うんだが‥。
    • 放射線は適度に浴びるのがいい、
      ってやつと同じかね。

      低線量放射線は人の寿命を延ばす [iips.co.jp]
      • とっくに否定されたと思ってたのに、まだ生き残っていたのか。
        ニセ科学は根強いねー。
        --
        the.ACount
        親コメント
        • ニセ科学は根強いねー。
          大阪大学の医学部でも教えている [osaka-u.ac.jp]らしいから、ニセ科学を教えるなって抗議してきたら?
          (2)放射線診断学 総論 2.
          (中略)また、放射線防護の実際について提示し、低線量放射線の有益な影響(ホルミシス)についても述べる。

        • どっちかというと、hormesisを安易に「ニセ科学」に分類しちゃう姿勢の方が問題アリでしょう。きちんと科学の俎上で議論が続いてるものなんだから。
          • 30年も「議論が続いてる」だけかい。 それって「議論」なの?
            まあ、科学上の議論とか講義で取り上げるのは良いとして、証明されてないものを商売に利用してるのは充分「ニセ科学」だ。
            --
            the.ACount
            親コメント
            • >30年も「議論が続いてる」だけかい。 それって「議論」なの?

              つい最近も、Br J Radiolで論文も出たりして(Feinendegen LE. Evidence for beneficial low level radiation effects and radiation hormesis. Br J Radiol 2005;78:3–7.)hormesisについての論争はいまだcontroversialなんよ。LNT (lenear no threshold) 仮説の解釈なんかも絡んでるし、あと放射線以外で、化学物質の毒性についてのホルミシス効果についての知見(Zapponi GA, Marcello I. Low-dose risk, hormesis, analogical and logical thinking. Ann N Y Acad Sci. 2006;1076:839-57.)
              • いまだに証明されず、「常温核融合」と同様に最初は科学だったのが賞味期限切れでニセ科学になったと判断してたのが、これで確認できました。情報を感謝します。
                あ、もちろん、自分の判断を人に押し付ける気はありません。それは各自が自分自身の利害によって行なうことですから。
                ニセ科学よばわりされて面白くないのは分かるが、他人の判断なんだから、しょうがないでしょ?
                --
                the.ACount
                親コメント
  • 本当かな? (スコア:1, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2007年03月12日 22時54分 (#1124928)
    繊維工場で綿ぼこりを多量に吸い込んで生き残った人はってのはないよな?
    • by Anonymous Coward
      まじで、肺の丈夫な母集団と一般の母集団を比較しているような気がしてきた。。
  • 「清潔な部屋が肺がんを招く!?掃除のしすぎにご用心!!~生活環境の見直しで肺がんは治る~」

    なんてタイトルの番組が放送される予感。
  • by pinch (22469) on 2007年03月13日 0時27分 (#1124974)
    石綿(アスベスト)の綿ぼこりはダメなんだよな。たぶん。
    • by Anonymous Coward
      普通の綿ぼこりであれば逆にアスベストが引っかかって発癌しにくくなるとおもわれます
  • by pinch (22469) on 2007年03月13日 23時53分 (#1125620)
    Waterを1日2㍑飲むと、健康にいいらしい…

    最近、オヤジ化しちまったな。
  • by Anonymous Coward on 2007年03月12日 20時57分 (#1124843)
    先に肺がやられて亡くなっているという可能性は?
    • Re:むしろ (スコア:3, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2007年03月12日 21時06分 (#1124849)
      いや、「むしろ」という連想は筵

      ・繊維工場に長時間勤務
       →燃えやすいものあつかっとんじゃ(゚Д゚)ゴルァ! タバコ吸うんじゃねー!!
       →タバコすう暇ねーヽ(`Д´)ノ
       →綺麗な肺

      って流れを思いついた。
      参考:女性の喫煙者数、年10%増で3000万人超に [searchina.ne.jp]
      大陸女性ではタバコを吸うのが流行?
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        フィリピンでは、火の付いたほうを口にくわえるのが常識です。
        火事にはなりません。
        • by Anonymous Coward
          紙巻にした乾燥大麻に火をつけて、火のついた方を咥える吸い方があります。
          この方が効果的に効くとか。

          #さすがにAC
  • by Anonymous Coward on 2007年03月12日 21時40分 (#1124880)
    妻「ゴホッ、ゴホッ」
    夫「どうした?」
    妻「埃まみれのところで働いてんだから、せめて家では煙草やめてよ」
    夫「おっすまんな」

    だだそれだけの話かも
  • by Anonymous Coward on 2007年03月12日 21時56分 (#1124895)
    ふつう、綿ぼこりというと、綿のようになったホコリを連想しますが、
    辞書を引いてみると、「(2)細かい綿くずがほこりのように散ったもの」も「綿ぼこり」と言う [goo.ne.jp]ようで、
    繊維工場の話という文脈から判断して、今回はそちらの方をさすのではないでしょうか?

    なので、掃除がどうのこうのというコメントは、繊維工場の隣に住んでるのでもない限り、的外れかもしれません。
  • by Anonymous Coward on 2007年03月12日 23時01分 (#1124931)
    だけじゃないの? 上海とかの工場だと労働者の保護なんて皆無だろうし。
  • by Anonymous Coward on 2007年03月12日 23時41分 (#1124953)
    中国と聞くと今真っ先に思い浮かぶのは大気汚染。
    綿埃によってそういった汚染物質の肺への浸透を防いでいる可能性はないのかな。
  • by Anonymous Coward on 2007年03月13日 0時35分 (#1124978)
    肺ガンになる前に呼吸器系の病気にかかってしまうから、というオチは無いよな。
  • by Anonymous Coward on 2007年03月13日 9時38分 (#1125102)
    ワタポコをいっぱい吸い込んでおくと体内でワタポコが有害物質を排除してくれるって事?
  • by Anonymous Coward on 2007年03月14日 5時42分 (#1125698)
    20年で空気、飲用水に含まれる物質がかなり多様化(化学物質ミックス)。
    20年で食生活が大幅変化(肉が食えるようになり、野菜は農薬まみれ)。
    20年で清潔度などが大幅変化(便用の壷→水洗トイレ)。
    20年で医療が大幅進歩(明治→平成)。

    不確定かつ病気に影響しそうな要素が変化しすぎです。
    サンプルは、現代日本人が同じ生活をしたら10年健康を
    維持できる人が10万人で何人いるかというほど過酷で困難な
    環境の中国の20年を生き抜いたかなり丈夫な人である。

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物事のやり方は一つではない -- Perlな人

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