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14910 story

自閉症にはコピー数多型の遺伝子変異が関与 46

ストーリー by mhatta
家庭の事情、ではない 部門より

matree3 曰く、

SignOnSanDiegoの記事によれば、 Cold Spring Harbor LaboratoryのJonathan Sebat博士らが264家族の自閉症患者を持つ遺伝子を調査した結果、 自閉症が100あまりの異なる遺伝子の変異に起因するかもしれないとレポートしたらしい。
この変異はコピー数多型(copy number variations)と呼ばれるもの。 通常は、ある病気のある人の家族には、同じ突然変異または突然変異のパターンが出るとのことだが、 196人の健常者のうち変異者が2人と比較して、自閉症スペクトル障害者では偶発突然変異を195人のうち14人で発見したとのこと。 また、14人の自閉症患者のうち、わずか2人が自閉症の親類を持っていたとのことである。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • NOT A FAMILY AFFAIR (スコア:3, 参考になる)

    by ymitsu (31883) on 2007年03月17日 11時00分 (#1127364)
    自閉症やアスペルガー症候群の原因は先天的(遺伝的)なものである
    という説が現在支配的であり、今回の研究内容はそれを補強するものです。
    一方で、幼年期に家庭で摂取した水銀などの有害物質が原因である
    (保護者に責任がある)との考えが未だに根強くあり、自閉症児の親を苦しめています。
    原文に「NOT A FAMILY AFFAIR」(自閉症は家庭に原因があるのではない)とあるのは、
    それを受けてのものだと思われます。
    ニュース自体は難しすぎて私にはよく理解できなかったのですが、とにかく、
    自閉症の原因解明に向けた遺伝子の研究が着実に進んでいるようですね。

    >家庭の事情、ではない部門より.
    この部門名はあまり好ましくないのではないでしょうか?
    • Re:NOT A FAMILY AFFAIR (スコア:2, 参考になる)

      by Eric Benton (31791) on 2007年03月17日 16時26分 (#1127451)
      一卵性双生児研究では、双生児間での発症の一致率が自閉症の場合は80%くらいありましたよね。統合失調症では50%程度とか。統合失調症の場合は、遺伝子要因は「なりやすさ」で、実際の発症には環境の要素も大きいのに比して、自閉症の場合は、発症に関しては環境云々よりも遺伝子が寄与する分が遙かに高いというわけです。今回の研究は、それを補強する結果でありますね。
      --
      Medu Lah! en' gula vrechen d' MOL! ~箇更なる高みで廼の困惑を姜す
      親コメント
    • Re:NOT A FAMILY AFFAIR (スコア:1, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2007年03月17日 11時19分 (#1127368)
      >>家庭の事情、ではない部門より.
      >この部門名はあまり好ましくないのではないでしょうか?

      そうかなあ。
      自閉症になるのは「親の育て方が悪いから(家庭の事情)」って思ってる人も多いんじゃない。

      # 自閉症児の親だからAC
      親コメント
    • by manmos (29892) on 2007年03月17日 19時01分 (#1127488) 日記
      > >家庭の事情、ではない部門より.
      > この部門名はあまり好ましくないのではないでしょうか?

      「家庭の事情」という言葉(ギャグ)が通じないということザンスかね。

      #「あなたのお名前なんてーの」ってことでID
      親コメント
    • 申し訳ありません。一行目の「遺伝的」は間違いで、正しくは「遺伝子的」です。
      あとは上でYouthさんのおっしゃっているとおりだと思います。
      >“For example, if you expose cells to radiation, you can produce similar types of effects,”
      遺伝子のglitch(変異)はその辺の放射線にでも晒されれば容易に起こりうるということで、
      親の遺伝は関係ないです。
      親コメント
  • 母集団が少なすぎる。
    仮にこの統計が母集団が多くても成り立つとしても、分かるのは正の相関があるというだけで、原因を遺伝子に求めるのは早計。

    「原因が遺伝子にあるのでは?」と仮定して、検証しうる実験を考案して行うというのが正しい科学の手続きかと。
    --
    Youthの半分はバファリンでできています。
    • by Anonymous Coward on 2007年03月17日 11時50分 (#1127380)
      原因を遺伝子に求めるのは早計。
      自閉症の原因が遺伝子にあることはすでに前提なのだと思います.Natureの論文 [dti.ne.jp]によれば,
      双子の研究が自閉症と遺伝子との関連に最も信頼できる証拠を与えている。ある研究では、一卵性双生児では一方が自閉症であるとき、もう一方の60%が自閉症となる可能性があり、92%が何らかの自閉症関連異常を有することが明らかとなった。2卵性双生児では、一方が自閉症となる確率は10%に落ちる。
      このような知識を前提にして,原因遺伝子を探っていたら,単一の遺伝子ではなくて遺伝子の複雑なパターンが原因だと考えられるというのが今回の研究ではないでしょうかね.素人考えですが.
      親コメント
      • by Youth (28154) on 2007年03月17日 17時47分 (#1127476) ホームページ 日記
        前のコメントですっかり頭から抜けていたことなのですが。

        胎内で遺伝子のコピーに異常が起きたことに起因する遺伝子異常疾患を「遺伝子病」(例えばダウン症)
        片親の遺伝的形質、両親の遺伝子の組み合わせなどに起因する疾患を「遺伝病」(例えば血友病)
        として、病理学では区別しています。

        貴方の挙げた論文は「遺伝子病」の観点から自閉症を見ていることになります。
        二卵性双生児のデータからすれば自閉症は「遺伝子病」と結論づける方が納得がいきます。
        ということで
        ×原因を遺伝子に求めるのは早計。
        ○原因を遺伝に求めるのは早計。

        今回の調査は家族歴から調査していますので「遺伝病」の観点から自閉症を見ているおり、この論文を読み違えると逆に優生学などの方向に傾いてしまうかも知れないので否定的なコメントをしました。

        #1127364 [srad.jp]で言及されているように、自閉症がNOT A FAMILY AFFAIRなのは古くから知られています。
        --
        Youthの半分はバファリンでできています。
        親コメント
        • by Youth (28154) on 2007年03月17日 20時48分 (#1127508) ホームページ 日記
          この親コメントにすば洞つけたモデレーター諸氏、専門外の分野なら手を出さない方がよいと思います。
          #あとできればマイナスモデして下さい。

          リンク元を軽く読んでみましたが、
          論文は自閉症を遺伝病と決めつけて取りかかっているものではありませんでした。

          折角の労にケチを付けるつもりは毛頭ありませんが、
          matree3氏の翻訳文が、遺伝病と遺伝子病の差異が分からない門外漢が読むと誤解を招きやすいレベルに留まっている感は否めません。

          2/196@健常者と14/195@自閉症スペクトル障害者の家族歴を比較して7倍も多いというのが結論ではなく、
          2/196と14/195のように差が見られたけれども
          その14人の自閉症患者のうち、自閉症の親類を持っていたのはわずか2人という調査結果から
          遺伝的要因が関与する可能性が低いというのがこの研究が示唆する内容です。

          実際に読み違えているコメントが下の方にちらほらありますし、前の二件の僕のコメントも読み違えた上で投稿したものです。
          差別云々の話題も出てきていますが、この研究は差別を払拭するものではあっても、助長するものではありません。
          --
          Youthの半分はバファリンでできています。
          親コメント
        • 胎内で遺伝子のコピーに異常が起きたことに起因する遺伝子異常疾患を「遺伝子病」(例えばダウン症)
          片親の遺伝的形質、両親の遺伝子の組み合わせなどに起因する疾患を「遺伝病」(例えば血友病)
          として、病理学では区別しています。
          仕様は正しいのに実装作業の段階でミスがあり不具合があるのが前者、単体では正しい仕様と実装なのに組み合わせると不具合が出てきてしまうのが後者ということだろうか。
          • 仕様は正しいのに実装作業の段階でミスがあり不具合があるのが前者、単体では正しい仕様と実装なのに組み合わせると不具合が出てきてしまうのが後者ということだろうか。

            DNAのコピーミスが突然変異および進化のトリックなので、バグを仕様と開き直るぐらいの大胆さがをもった仕様と言えるでしょう。

            受精時の相性問題により、病因性のDNAが出来てしまうのが後者、
            受精後の胎児期の細胞分裂の過程でDNAが変異した細胞が優勢を占めて別物が出てきてしまうのが前者、
            だったかと。

            ちなみに、生後の細胞分裂時にもDNAのコピーミスはあり得ます。
            死なないで増殖し続ける細胞に変異したのが癌細胞です。

            #親コメのスコア下げろとは言ったけどオフトピックとしてスコアゼロにされるような内容じゃないと思うんだけどな~
            #とここに愚痴らせて頂きます。
            --
            Youthの半分はバファリンでできています。
            親コメント
  • by Anonymous Coward on 2007年03月17日 8時50分 (#1127337)
    読みにくいと思うのは、俺だけか?
    • by Anonymous Coward on 2007年03月17日 10時47分 (#1127361)
      こんな感じかな

      これはコピー数多型(copy number variations)と呼ばれる変異であり、健常者ではこの変異があるのは196人のうち2人であるのと比較して、自閉症スペクトル障害者では195人のうち14人で変異を発見したとのこと。
      また、ある病気を持つ人の家族には、その人と同じ突然変異または突然変異のパターンが出るのだが、14人の自閉症患者のうち、同様の変異がある親類を持っているのはわずか2人であったとのことである。

      #読み間違いがあったらごめん。
      親コメント
      • by kupil (19588) on 2007年03月17日 20時18分 (#1127501)
        おおよそはそれでいいでしょうね。他の人のコメントと重複になりますが、
        原文の文意としては

        健常群2/196→自閉症患者群14/195と有意にコピー数多型の発生が
        あったことが認められる。が、ただしその14人の内、親類に同様の
        変異があ(り、遺伝病(≠遺伝子病)が疑われ)るのはわずか2人し
        かいなかった。

        という感じでしょうか。タレコミ文が「only two」の否定的ニュア
        ンスの訳出を意図的にかうっかりかはともかくはずしてしまったために、
        「遺伝病(世代間遺伝)ではなく、突然変異起因の「遺伝子病」の可能
        性が高いことが推測される」という元研究の内容が曖昧になってしまって
        います。
        親コメント
    • by Anonymous Coward
      日本語としてもおかしいと思う。
  • by Technical Type (3408) on 2007年03月17日 12時15分 (#1127387)
    正直言って、困った記事をタレコミおよび採用したな、と思います。このトピックス、および、全ての投稿の削除を提案します。理由は以下です。
    • つい最近登場したばかりの仮説に過ぎない主張を、患者に与える影響を考えずに掲示板の議題に取り上げた。
    • きちんと理解せずに、記事の前半の遺伝子が関与しているという主張を主に取り上げ、記事の後半の「これだけではわからない」といった趣旨の別の専門化の意見を省略
    これでは患者およびその家族が差別される口実に誤用されかねず、結果的にスラッシュドットも差別を助長する事態につながりかねない。
     
    元記事 [signonsandiego.com]でさえ、
    Usually, tests of DNA of people with diseases show that everyone in a family who has the disorder carries the same mutation or pattern of mutations.
    通常、病気を持つ人を DNA テストすると、家族の全員が突然異変のパターンを保有している。
     
    But that's not the case here. The researchers found numerous spontaneous mutations in 14 of 195 people with autism spectrum disorders compared to two of 196 unaffected people.
    しかし、この場合には当てはまらない。研究者達は自閉症患者195人中、14人にコピー数多型の遺伝子変異が発見されたのに対し、患者ではない196人中からは2人しかコピー数多型の遺伝子変異が発見されなかった。
     
    And of the 14 autism patients with mutations, only two had relatives with autism.
    また、その14人の、コピー数多型の遺伝子変異を持つ患者のうち、親戚に自閉症を持つ人がいたのは2人だけだった。
    とあるので、これからちょっと考えただけでも、
    • 自閉症患者195人中、14人以外の、181人には、コピー数多型の遺伝子変異など存在しない。
    という事実がわかる。
     
    それに、記事の後半のこちらを紹介しなかったは片手落ちでは? (拙訳ですが)
    • such work does not answer one overwhelming question about autism ? what causes these genetic changes in the first place.
      このような研究は、自閉症に関し、そもそも何がこれらの遺伝子の変化をもたらすのかという根本的な疑問に答えていない。
    • This is just one piece of information that is going to add to the evolving story but more is needed
      これは進展中の分野に付け加えられた情報の一つに過ぎない。もっと多くの調査が必要
    とありますよね。こちらの、否定的見解の別の研究者の意見も冒頭で紹介すべき、とういうか、こういう意見も出されるような仮説を取り上げる価値があったのか、と思います。
     
    最後に
    • もう少し詳しい発表 [sciencedaily.com]。以下に注目
      Boys with autism outnumber girls 4 to 1. Since each mutation is individually rare -- few were seen more than once -- the results suggest that many different sites in the genome likely contribute to autism.
    • NIH News [nih.gov]
    も紹介します。「男の子は女の子より4倍も多い」という傾向が生じる理由すら、遺伝子からきっちり説明できない事を考えれば、コピー数多型の遺伝子変異の影響などよりも遥かに多くの原因が関係しているでしょうね。
     
    単にこの研究者達は、さして病因の解明に寄与しなかった自分達の研究内容を「世紀の大発見」みたいに大袈裟に発表しているだけでしょう。
    • by Anonymous Coward on 2007年03月17日 14時50分 (#1127432)
      >このトピックス、および、全ての投稿の削除を提案します。

      >きちんと理解せずに、記事の前半の遺伝子が関与しているという主張を主に取り上げ、記事の後半の「これだけではわからない」といった趣旨の別の専門化の意見を省略

      スラドが単なるニュースサイトなら削除が妥当でしょうが、
      ここはコメントが主体なのですから(ですよね?)、
      どんなに間違ったストーリーであろうと、コメントで訂正すれば十分です。
      そう、あなたのコメントのように、適切な情報を加えることです。
      削ることは、建設的ではありません。

      >つい最近登場したばかりの仮説に過ぎない主張を、患者に与える影響を考えずに掲示板の議題に取り上げた。

      いいえ、実証された定説は議題に上げる必要がありません。
      議論すら許さないこと、これを言論統制と言います。

      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2007年03月17日 15時21分 (#1127443)
      基本的にROMの小児精神科医です。自閉症が専門。アカウント作るの面倒なのでAC。

      この論文およびトピックは差別とは全く関係ありません。

      自閉症の原因については、遺伝子レベルでの研究が以前から行われており。
      他の人のコメントにもあるとおり、双生児研究からも遺伝子レベルでの要因が大きいことは、すでに明らかになっています。
      問題は、いままで単一ないし少数の遺伝子を原因とするという仮説では、きれいな結果が出なかったことです。
      多数の遺伝子変異が関係するのではないかと、多くの研究者が考えるようになっているところなので、この論文にインパクトがあるのです。今後は、このような方向での研究が、更に発展することが期待されます。

      というわけなので、善意からの提起なのはよくわかりますが、勇み足ですよ?
      親コメント
      • 専門医とのことで質問ですが、日本では自閉症患者の成長後のケアはないのですか?「引きこもり」に加算されてるのかな。
        自閉症は出生150人にひとりくらいの頻度だそうですが「引きこもり」の頻度は知らない。
        --
        ヽ( )`ω´( )ノ
        親コメント
        • 専門医とのことで質問ですが、日本では自閉症患者の成長後のケアはないのですか?「引きこもり」に加算されてるのかな。

          自閉症と引きこもりは、全く別の概念です。 [wikipedia.org]
          「自閉症」と言う言葉の語感と、自閉症がコミュニケーション能力に関連する障害なので、よく誤解されてるみたいですが。(養老孟司の著書でも、そのあたりがごっちゃになってた、と言う話も聞いた事が……)
          詳しい事は、自閉症関連の書籍とかを読んでください。

          #言わば「空気読めない」の極限が自閉症って理解で……良いのかな?

          親コメント
          • by Anonymous Coward on 2007年03月18日 13時34分 (#1127692)
            > #言わば「空気読めない」の極限が自閉症って理解で……良いのかな?

            このあいだの週刊少年マガジン(10、11号)に「15の夜 〜いじめられているきみへ〜」というタイトルのマンガが掲載されていました。「アスペルガー症候群 [autism.jp]」の少年が「空気が読めない」ということでいじめられて…という展開。

            アスペルガー症候群は、一般的に知的障害の(ほとんど)ない自閉症、と同じものだとされているそうです。ただし、定義はいろいろあるようですので注意。
            親コメント
          • by Anonymous Coward on 2007年03月18日 13時39分 (#1127693)
            別ACですが、別の概念であるとしても「引きこもり」に加算されてしまって適切なケアが行われてない可能性があるのではないでしょうか。
            はっきりと異常の分かる低機能寄りの人はともかく、アスペルガー症候群であれば知能障害はないわけで、成人まで十分な対処が行わなければ結果として「引きこもり」「ニート」と呼ばれるような状態になりませんか?
            親コメント
            • by Anonymous Coward on 2007年03月19日 0時27分 (#1127816)

              屋上屋を重ねるのもなんなんですが、 引き籠りになるのは、健常児もADHDもいます。 高機能自閉の児童が引き籠りになる例はあるようですが、 多くはそうはならないようです。

              アスペは「空気が読めない」のですが、 そのうち「空気」があることを知り、 成人するころには「空気」を推定できるようになります。 社会になんとか適応できるようになり、 この段階でアスペルガーの診断基準から外れてしまいます。 職選びを間違えなければ、 人付き合いの悪い変人ぐらいの位置を確保し、 いずれパートナーを得て家庭をもつこともあります。

              ところで、こういうことがあるので、 私はこの研究を半分評価し、半分疑問に思います。 今まで遺伝子による先天性のものであることが分かっていたのですが、 その具体的な仕組みの有力な仮説が提示されたことは評価します。 一方、自閉症の親の割合は遺伝的要素があることを示しているが、 それは突然変異の寄与より低いという主張の方は疑問です。 学童期に診断を受けなかったことによる 隠れ元アスペルガーがどれぐらいいるのかを見積っているのか不明だからです。 また、主張されてるメカニズムであるなら、 一世代での突然変異だけでなく、 コピーミスの蓄積という形で遺伝が関係している可能性があると思います。

              # 自分が「人付き合いの悪い変人」で、 パートナーが引きこもり歴ありのADHDなのでAC。

              親コメント
              • > 高機能自閉の児童が引き籠りになる例はあるようですが、多くはそうはならないようです。
                > アスペは「空気が読めない」のですが、そのうち「空気」があることを知り、成人するころには「空気」を推定できるようになります。

                これらは「アスペルガーであることが成人する前に分かった人」に対する考察です。元ACが言っているのは、そもそも統計の対象から外れてしまっている人がいるのではないかということだと思います。
                上の2つのことが、アスペルガーであることを認知されて対応あるいは観察された幸運な人たち以外にも成り立つと考えるのは早計ではないでしょうか。
              • 何人かの臨床の人が、 自閉症やアスペルガー症候群の児童の父親の子どもの頃の話を聞くと、 アスペルガーだったのではないかと思うことが多いと書いていたはずです。 親の世代では、 アスペルガー症候群はあまり知られていなかったので、 児童のときにそういう診断をされていることはまれです。 この人たちは特別な配慮をされなくても、 引きこもりにならずに社会に出てきています。

                # だからと言って、特別な配慮が要らないということではありません。 空気が読めないことは、 空気で傷つかないことを意味しませんから。

              • 微妙な話題で又聞きの噂話レベルの事を書くのはよせよ。

                何人かの臨床の人が、自閉症やアスペルガー症候群の児童の父親の子どもの頃の話を聞くと、アスペルガーだったのではないかと思うことが多いと書いていたはずです。

                親は全く関係無くても子供の病気に責任を感じたりするもの。病気の子供を持つ親に身に覚えがないかと尋ねればあると答える方向にバイアスがかかるのは当然だ。

                親の世代では、アスペルガー症候群はあまり知られていなかったので、児童のときにそういう診断をされていることはまれです。この人たちは特別な配慮をされなくても、引きこもりにならずに社会に出てきています。

                社会状勢を加味せずにそういう議論をしても意味は無いと思う。穀潰しという言葉は昔からあるものだし。
              • 例えば、 この本 [amazon.co.jp]のp.46から遺伝的素因について言及があります。 そこには、この流れにあることが大体書いてあります。

            • アスペルガー症候群ですが、(定義が諸説あるので注意ですが)割合は100〜200人に1人、という見方もあるそうです。

              また、普通に会社勤めしている人もいるそうです。そういう方々はバカ正直だ頑固だ堅物だ自分ルールを曲げない人だ、とみられているかもしれません。
    • by Anonymous Coward on 2007年03月17日 13時04分 (#1127406)
      トピックス(記事)を削除ですか。うーむ。
      日本では自閉症関連の報道規制がかかってるような気がするのは差別を助長するからなのですか。ひと月くらい前のCNNで非常に知性に富んだ自閉症の女性が作ったYoutubeビデオが話題に上ってコメンテータのGupta医師が訪問するのを目玉に自閉症特集みたいなの [cnn.com]があり、大きな反響があり、わたしも興味深くみたのですが、日本ではほぼ黙殺。”cnn、自閉症”でググると"kazuhixの日記[slashdot.jp]" [google.co.jp]がトップにきちゃうのはなにか変だと思う。やはりへんな圧力がかかってるのか。
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2007年03月17日 13時48分 (#1127416)
        日本はクサい物には蓋を、だからな。

        自閉症差別を無くす為に正しい知識を流せばいいのに、間違える事を恐れたマスコミは
        誰もそれに触れなくなってしまった。結果的に口に出せない、という差別だけ残った。

        昔からそうだよね。差別的なものって正しい情報を流せば良いのに、口を塞いじゃう。
        国民もバカだけどね。一方的に情報を受けるだけで考えないから言われるがまま。
        だからマスコミがミスすると一方的に怒るだけ。それじゃあ「そもそも言わなければいい」ってなるよなw
        親コメント
      • by Anonymous Coward on 2007年03月17日 13時51分 (#1127418)
        あなたの気のせいでしょう。

        私もそのビデオは知りませんが、あなたの言う通り日本のマスコミがそれを無視しているとするなら、
        それは自閉症のせいではなくYoutubeだからという理由の方が大きいでしょう。
        これが国内の話題で海外から取材に来たのなら分かりませんがね。

        自閉症に関して、ETVでは子育て関連の番組ではコンスタントに取り上げてるし、
        民放でも単独番組こそ稀だとしても、ニュースの特集で毎年ちょこちょこやってます。
        ちょっと前に自閉症をテーマにしたドラマもやってましたね。
        ただ、怪しげな治療法を紹介したりとか、酷い番組が少なくないというのは残念ですが。
        自閉症は器質障害であるという前提はどの番組も同じようで、両親の子供に対する態度が原因という
        前提の番組は、少なくともここ数年は見た事無いですね。ひきこもりとの混同が一時期ありましたが、
        すぐ無くなったようです。
        親コメント
    • by Anonymous Coward on 2007年03月17日 14時58分 (#1127434)
      この記事のどこか自閉症差別に繋がるのでしょうか。
      むしろ、(遺伝子が原因の病気だとしても)家族性の遺伝病ではなく、
      突然変異(自然の変異)である、と主張できるような研究だと思います。
      サイエンスの記事 [sciencemag.org]にも書いてあります。
      > the finding could be useful for parents with an autistic child
      > who worry that the disorder is inherited in their family
      親コメント
      • by kupil (19588) on 2007年03月17日 20時30分 (#1127503)
        あえてHNで書きます。自分の家族は「家族性の遺伝病」なのですが、仮に
        この元研究の結論が「自閉症は家族性の遺伝病が推測される」だとしても、
        別に自閉症者に差別になるとは思わないですけどね。「家族性の遺伝病だから
        奴等は劣等だ、種を断絶しろ」であれば当然差別的なわけですが。

        医学的に正しいかどうか、遺伝子治療や療育訓練に役立てうるかどうかが検証
        できうる情報を隠蔽しようという方がよっぽど差別的なのでは無いかと思うところ。
        親コメント
    • 親コメントの「フレームのもと」モデレーションは不適切ではないでしょうか?
      コメント主さんが感情的になっているようには見えますが、読み手を怒らせるための文章ではないでしょう。

      フレームのもと -- 人を侮辱して怒らせることだけを目的としたコメントです。 誰かが見え透いたやり方で人にからんでいる場合 (人種的な侮辱は動かぬ証拠です)、それは "フレームのもと" です。
      (FAQ [srad.jp]より抜粋)
      親コメント
    • by Anonymous Coward on 2007年03月17日 17時38分 (#1127473)
      背景とした動機には一部同意しますが、

      >正直言って、困った記事をタレコミおよび採用したな、と思います。
      >このトピックス、および、全ての投稿の削除を提案します。

      この姿勢には反対です。科学的に間違っていると思うのであれば、それを逐一指摘すればよいのです。

      ヴェリコフスキーの「衝突する宇宙」 [google.co.jp]の際には
      科学者達がその本の出版をやめさせようとしたことでかえって信者たちの盲信
      (「真実が知られたくないから弾圧されるんだ!」)を生んでいます。

      自閉症に関しては冷蔵庫マザー仮説 [wikipedia.org]という、
      「冷たい家庭環境下で育てられたので自閉症になった」という現在では否定されている仮説がありますが、
      提唱者のベッテルハイムの著作が現在入手不可能(図書館の配架からさえも撤去されている)ので、
      後世の我々はそれがどのような議論で反駁されたのかということを追えないという事態になっています。
      #わかるのはベッテルハイムに関して人格的な問題があった [wikipedia.org]ということだけで、
      #科学的正当性に関しての批判はわからない。

      ##もちろん「冷蔵庫マザー仮説」は否定されるものと思ってますよ。
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        ・唐沢なをき描く、冷蔵庫とまぐわう男
        ・冷蔵庫に固定されたマザーボード

        を思い浮かべてしまった。
    • 文章というのは、多くの人間が読めばかならず誤解や勘違いをする人が出てくる。そこまで配慮して、誤解されにくい文章を書くほうが望ましい。読んだ結果、勘違いする人間が現れるだけでも、迷惑な結果を招く事がある。今回は誤解を招きやすい話題の取り上げ方をしている。
       
      男の子は女の子より4倍も自閉症の発症確率が高い。これは、明らかに有意な差である。しかし、なぜ男の子の方が発症しやすいのかを遺伝子のレベルで説明する事はできない。ところが今回の「研究成果」たるや、
      • 自閉症患者195人:コピー数多型の遺伝子変異を有しているのが14人:有していないのが181人。
      • 患者でない196人:コピー数多型の遺伝子変異を有しているのが 2人:有していないのが194人。
      これで自閉症の原因がコピー数多型の遺伝子変異で説明できるわけではないし、そもそもこんな少数のサンプルで有意な結論が出せるのかと思う。じっくり読むと「だから何だというのか、この研究結果で」という程度の内容に過ぎない。「自閉症には男の子である事が関与」と論じるのと差があるのかな。
       
      言論圧殺という意見も頂きましたが、こんな「研究の一つ」に過ぎない発表を、終わりまできちんと読む事すらせずにパッと見て大騒ぎして「自閉症にはコピー数多型の遺伝子変異が関与」なんて断定的なタイトルつけてトップページに置くのはどうか? だからトピックスの表現を真似して「自閉症差別にスラッシュドットの記事が関与」って言ってみただけ。これならトピックスごと削除した方がいいんじゃないかという意見なのだが、私の言論の自由は認めて貰えるんですよね。
       
      もちろん、自閉症の原因を解明しようとする努力は有益だと思うし、そのために遺伝子を研究するのも別に非難はしない。ただ、昨年12月に自閉症の解明につながる遺伝子発見か [afpbb.com]で注目された、シャンク3(SHANK3)という遺伝子の話とか、少し古い情報だが、自閉症児および知的障害児の血液では、8種のペプチド[タンパク質の成分]が急増している [goo.ne.jp]なんてのもあったが、あれからどうなったのか? と思う。いずれにせよコピー数多型の遺伝子変異が関与しているというのが科学的に根拠がある定説となるには、別の研究チームが調査しても同様の結論になる筈だ。しかしまだ、これは最近提唱されたばかりの仮説に過ぎない。
       
      Wikipedia では原因として現在では先天性の脳機能障害によるとされており、多くの遺伝的因子が関与する(遺伝子異常)と考えられている [wikipedia.org]とありますが、自閉症は発達障害でもあるので、話題にするには慎重さが求められる事柄だし、「遺伝子」と言うと優性遺伝するかのように勘違いする人間が出やすい。だから、読んだら「自閉症はコピー数多型の遺伝子変異が関与してたのかぁ~~!!」と思い込む人間を量産しかねない紹介の仕方は、配慮が不足してると思った。
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2007年03月17日 22時37分 (#1127550)
        あなたが間違っていることは、
        "遺伝子の病気"と"遺伝する病気"を全く同じものとして考えていること
        だと思います。
        この研究は「自閉症は"遺伝子の病気"である」可能性を示唆するものですが、
        同時に「自閉症は"遺伝する病気"ではない」可能性を示唆するものです。

        暴言だけど、研究内容を理解できないなら、長文で変な電波をまき散らさないでほしい。
        親コメント
      • 詳細は省きます。あなたが否定されたのは「言論圧殺」ではないのですから。
        この言葉の意味を理解できないのなら、もう一度自分の発言をおってみるといいと思いますよ。
      • >言論圧殺という意見も頂きましたが、こんな「研究の一つ」に過ぎない発表を、終わりまできちんと読む事すらせずにパッと見て大騒ぎして「自閉症にはコピー数多型の遺伝子変異が関与」なんて断定的なタイトルつけてトップページに置くのはどうか? 
        >だからトピックスの表現を真似して「自閉症差別にスラッシュドットの記事が関与」って言ってみただけ。

        こんな下らん意趣返ししているから馬鹿なんだよ。

        > これならトピックスごと削除した方がいいんじゃないかという意見なのだが、私の言論の自由は認めて貰えるんですよね。
        当然。てか消されてなんか無いだろ。
        単に馬鹿にされるだけ。
    • 「片手落ち」という言葉を使うと差別用語狩りゴロに差別してると言われてしまう危険がありますよ!
    • 削除提案以外に関しては、だいぶ参考になった、ような気がする。

      まぁ、こういう研究もあるということで、別にかまわないんじゃないかなぁ。

      #うちにも自閉児がひとりいます。あと、ADHDもひとり。
  • by Anonymous Coward on 2007年03月19日 2時21分 (#1127847)
    自閉症は自閉症スペクトラムという言葉があるように、様々な症状の様々な程度からなる障害なので、関係する遺伝子が多数ありうるのは納得できることです。

    逆に正常と思われる人々の中でも「対人関係」、「コミュニケーション」、「想像性」などに関する能力には違いがあるでしょう。こうした能力が特に優れた人々に高い頻度で存在する遺伝子変異のようなものがあるでしょうか。

    遺伝子的には「正常」な人々の集団内の違いは少ないが、正常な方々と自閉症の方々との間には断絶的な違いがある、ということなのでしょうか。

    あなたの「自閉症スペクトラム指数 [the-fortuneteller.com]」はいくつくらいでしょうか。

    私は28でした。
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