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戦争の帰趨を統計で判断 97

ストーリー by mhatta
勝てる確率51%とか微妙な結果が出たらどうするんだろう 部門より

pinbou 曰く、

本家/.の記事より。ジョージア大学のPatricia L. Sullivan准教授は、戦争の帰趨を80%の精度で統計的に判定することが可能なモデルを開発したという(ジョージア大学のプレスリリース原論文(登録無しで読めるのは要旨のみ)2006年の段階での草稿[PDF])。
歴史上のケースをこのモデルに当てはめて計算すると、アメリカが湾岸戦争で勝利する可能性は93%だった一方、ソ連がアフガニスタン侵攻で勝利する可能性はわずか7%しかなかったという。現在進行中のイラク紛争に関しては、体制転換そのものに成功する可能性は70%だったものの(事実サダム・フセイン政権の転覆には成功した)、その後で情勢を安定化できる可能性は26%しかないという結果になるようだ。

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  • by x-rebuttal (33869) on 2007年06月15日 7時51分 (#1173970)
    できました!
    精度80%は堅いと思います。

    if(1){
            cout << "こりゃデスマーチだな" << endl;
    }
  • by Anonymous Coward on 2007年06月15日 8時07分 (#1173977)
    入力するデータに多分に主観的、あいまいな要素が多く、
    それらを恣意的にいじってやることで、結果を如何様にでも出すことが可能なので、
    過去の出来事に当てはめて結果を的中させるということにかけては、すばらしい的中率を見せるものの、
    結果を誰も知らない未来の出来事に関しては、ぼろぼろで使えないというのが常だけど。
  • by Anonymous Coward on 2007年06月15日 7時39分 (#1173967)
    興味あります。でも、本当にやりたがっている人にとっては
    「勝てそうにないからやらない」という選択肢はないでしょう
    から、この研究自体あまり意味ないかも。
    • それはとても古い問題ですね。

      日本では昭和十六年に「総力戦研究所」という国立シンクタンクが設立されました。
      気鋭の若手官僚や産業界・大学の知的エリートたちが集められ、対米戦争を
      遂行した場合勝敗はどうなるか、ということを戦略のみならず生産・資源・交通輸送・労働力など
      政府の持つすべての情報を総合してシミュレーションしました。

      その結果は「日本必敗」。どのように戦争をしても、物資不足になり日本は敗れるという
      結果がでたのでした。

      ところが、当時陸軍大臣だった東條英機は「これは所詮机上の演習であり
      実際の戦争とはやってみないとわからない。戦争は計画通りにはいかないものだ。」と一蹴。
      この報告書の内容を知りながらも東條首相はこの年の12月に対米開戦を決意します。

      #この研究所については猪瀬直樹の『日本人は何故戦争をしたか――昭和十六年夏の敗戦』に詳しいので
      #興味のある方はご一読をお勧めします。

      結論:どんなに優れたシミュレーションでも、トップがおバカだと何の役にも立たない。
      親コメント
      • ま、あの戦争について言えば、戦争はしないと決定したところで
        やはり身ぐるみ剥がれて蹂躙されてたでしょうからねぇ。

        黙ってされるがままになるよりは、打って出れば何かの間違いで…
        なんて大甘な発想が頭をよぎってもおかしくはないですよ。
        親コメント
        • by Anonymous Coward on 2007年06月15日 13時25分 (#1174220)
          >黙ってされるがままになるよりは、打って出れば何かの間違いで…
          >なんて大甘な発想が頭をよぎってもおかしくはないですよ。
          その割には「どこまでやって止める(講話に持ち込む)か」と言うような目論見は一切無かったようですね。
          旧海軍のジョークには「アメリカに勝ってハドソン河口で観艦式」ってのがありましたが、始めたら止めなきゃならないのに、走りだしてから泥縄で考えようとしてるうちに泥沼にはまったとしか見えません。
          このあたり、何をもって戦略目標の達成とすべきだったか、いわば「如何に勝つべきだったか」という点での反省や検証は少なく近年日本の国家戦略云々でもその影響は小さくないような。

          対米英戦の見通しという点では、三国軍事同盟締結問題が焦点になっていた当時、国策決定の場であった五相会議の席上陸軍大臣が無留保の同盟締結を主張した際、大蔵大臣が
          「同盟を結ぶとすれば、日独伊3国が、英仏米ソ4国を相手に戦争をする場合がありうる。その際、8割までは海軍の戦争になるが日独伊の海軍は、英仏米ソの海軍と戦って勝つ見込みがあるのか」
          と聞いたのに対して、海軍大臣は
          「勝つ見込みはありません。大体、日本の海軍は米英を向うに回して戦争をするように建造されてはおりません。独伊の海軍に到っては問題になりません。」
          と答えています。
          親コメント
        • 一方、あの戦争をやったがために、
          日本人だけで400万人以上が無為の死を遂げたわけで。

          それまで得てきたものを失う
          リスクをあまりに過大評価したと思いますね。
          そもそもハルノートを受託することによって
          満州の独占を失ったとしても、
          実際にみぐるみ剥がされる状態に陥ったとも言えません。

           日中戦争開始前の貿易統計を一覧しても
           日本の満州国を含む対アジア貿易は、
           対英米貿易と比べて余りに低いです。
           日本からの輸出額でやっと半分、輸入額で5分の1くらい。
           満州は日本の国力の源とはなり得てませんでした。

           まぁ陸軍がアヘンの密売で裏金作るための
           最重要拠点ではあったかもしれませんが。

          日本が国力を維持するために
          必要な対外関係は、どの国との間のものであるか
          判断できてなかったとしか言いようありません。
          --
          〜後悔先に立たず・後悔役に立たず・後悔後を絶たず〜
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          • とは言っても、弱みを見せたら欧米列強に植民地化される、という
            強迫観念(周辺国の状況を見る限り事実でもありますね)がありましたからね。
            それに、当時は現在以上に「一歩譲歩すれば五歩十歩と踏み込まれる」時代でしたし、
            あんな条件飲めば、すぐ次が来て身ぐるみ剥がれる、と考えること自体は、まっとうな判断だと思いますよ。

            #1174220さんが指摘されてますが、
            「勝てるわけないが、始めるしかない」と判断したくせに、落としどころも考えてなかった、
            という方が問題でしょう。
            親コメント
            • >とは言っても、弱みを見せたら欧米列強に植民地化される、という
              >強迫観念(周辺国の状況を見る限り事実でもありますね)がありましたからね。

              この認識って当時の内外の指導層において、どの程度のものだったのでしょうね。
              すでに完成された政体を維持している日本本土の植民地化が可能であると
              考えられていたとは、ちょっと考えがたいのです。
              例えばアジアにおいて日本より遥かに弱体でありながら、
              安定した政体を維持していたためか、
              独立を維持しえていたタイ王国のような例もあります。

              もし一戦して敗れたとして
              過大な賠償を背負わされ、悲惨な経済状態に陥った一次大戦敗戦後のドイツが
              強力な(強力すぎる?)指導者のもとにおいて
              一応立て直しには成功した実例も目の前にあったわけです。

              みぐるみ剥がされるという被害妄想に陥った
              ハルノート以前の国家運営にも
              誤りがあったとしかいいようが無いと考えています。

              --
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              親コメント
              • まあ、おっしゃることには一応同意しますが。

                ○○の判断が誤りだ。
                 ↑
                この状況ではやむを得ない選択だ。
                 ↑
                そういう状況に陥ったのは、その前の△△の判断が誤りだ。
                 ↑
                ……

                まるでデスマの原因探しのようですが、
                具体的目標や理想的なプロセスの決まっているプロジェクトと違って、
                国家運営で、あの選択は誤りだったってのは、後からしか言えないんですよね。

                当時の認識について、私のコメントはちょっと極端だったかも知れませんが、
                他国の成功例に倣えるかというと、状況が異なれば無理でしょう。

                特に、日本があらぬ方向に突っ走ることになった要因の一つに
                白人の他人種差別がありますから、欧州の国であるドイツが参考になるかどうか。
                # でもタイはアジアだろう、まずは日本がそういう状況に(略)と言われてもアレですが…

                親コメント
              • お付き合いいただきありがとうございます。

                私がもっとも懸念していることは
                やむを得ない選択であった。といって御仕舞にしてしまうことで
                責任の所在を不明確し、再発防止の検討を蔑ろにすることなんです。
                そして後からであるからこと、
                原因と責任を明らかにすることができると考えます。

                デスマの例を挙げていただきましたが
                すべてのPJが尽くデスマに突入するわけではありません。
                やはり原因となる因子があって、デスマに至るわけです。
                そしてデスマや赤字物件を生み出した管理者というのは
                やむを得ざる理由というのがあったとしても
                真っ当な企業なら相応の責任を取らされますよね。

                戦争は道義上および経済上の観点から、最大限徹底的に避けるべきものです。
                一方で、戦争は外交の究極の形態に過ぎないとも考えています。
                ですから、必要ならばその選択を取る、取り得る状況を設定することは
                国家の選択としては間違っていないと思います。
                ただし、やるからには"絶対に"勝たなければ意味がありません。
                負ける戦争に突入した、突入させた原因はこれを洗い出し
                責任を追及し、反省の材料にするべきと考えるのです。
                 →何をもって勝ちとするか、その目標設定も肝要であります。
                  また、あの戦争で負けてよかったという意見も散見しますが
                  それこそ冗談ではないと思っています。

                国家の目的の一つが自国民の保護にあるのは自明だと思います。
                よって負ける戦争をやった責任、数百万の自国民を犬死にさせた罪は、
                その時点においてやむを得ざる選択であったといっても
                そのときの為政者、指導者が負うべきものであり
                半世紀やそこらで消えるものではないと思います。

                後に続く者としては死を代償として得た教訓を
                無駄にしないよう努めたいと思いますが。
                --
                〜後悔先に立たず・後悔役に立たず・後悔後を絶たず〜
                親コメント
      • しかし、今度のイラク戦争でも事前にアメリカ国内のシンクタンクから
        いろいろとシミュレーションは出てたわけで。
        それのうちのひとつが「当たった」のを取り上げて、「政府はそれを
        知っていたのに開戦に踏み切った」と言うのと似ている気がする。

        事に当たってはどちら側の予測も出てくるし、
        事が済めばどれかが当たる。

        太平洋戦争については日本に対して強硬に圧してくるアメリカの
        真の意図(対ドイツ参戦のためのダシにする)を見抜いて、
        それを外すようにする政治戦略が必要だったのでは。
        単純な勝敗予測どうこうではなく。

        # アメリカの予測・予定を外したということには一応なるのかな?
        # 主敵でない日本が意外に頑張って、多大の損害を出したという点でw
        親コメント
    • 戦争屋さんにとっても、戦略の最適化には役立つのではないでしょうか。

      「おぉ、こんだけ予算(とか兵力とか期間)減らしてもまだ勝率××%あるじゃないかー」
      みたいな使い方ができるのでは。
      親コメント
    • 答:戦争は余裕で勝てるが占領政策の成否については当プログラムの範囲外。
      親コメント
  • たとえば桶狭間の戦い [wikipedia.org]とかの場合、何パーセントくらいだったんでしょうね。
    • 桶狭間はデータの正確性に欠けるので、太平洋戦争のミッドウェー海戦がいいのでは。
  • by ncube2 (2864) on 2007年06月15日 8時17分 (#1173984)
    対日戦争ではうまくいったけどベトナム戦争ではダメダメだった、史上最年少でハーバード大学の教官になったロバート・ストレンジ・マクナマラは、ここまで辿り着けなかったってことかい?
  • おしいなあ。

    セルダン教授なら、最終的には心理歴史学 [wikipedia.org]に発展したかもしれないのに。

  • by Anonymous Coward on 2007年06月15日 9時07分 (#1174010)
    過去の事例を演算して「ほら!合ってるでしょ!」と言われても、、。
    ときに『対テロ戦争』にアメリカが勝つ可能性は演算できるのでしょうか?
  • 「戦いは数だよアニキ!」で総括できたりして。
  • by shoji12 (14093) on 2007年06月15日 10時50分 (#1174090)
    初めてロッキー山脈を越えた時、眼下に見える小麦畑の広さに衝撃を受けた。
    かなり時間が経っても大地は黄金色のままだった。
    その時、悟った。こんな国と戦争しても勝てる訳がないと。
    十分に自給自足できて、戦争をしに地球上のどこに行っても、自国では普通に生活できる国なんだと。
    第二次世界大戦に参戦すると決断した日本人達は、そのような事を知っていたに違いない。
    負ける事を知っていながら、参戦し自国民を死に追いやったそれらの人達には、何の利益があったのだろう。
    また、アメリカ人は日本人と違って、自分たちの納めた税金の多くが軍事費として使われている事を知っている。
    知っているだけではなく、人を殺すために税金を納めていることを自覚している。
    だから、自衛隊みたいに紛争地域にのこのこ出かけていって土木工事なんかしようものなら、あっという間に政権を交代させるだろう。
    税金を有効利用できない政権なんてつぶしてしまえ、という論理だ。
    小麦畑を守り抜くために、税金を使って他国民を殺すことも、論理的に真だからやろう、という国なんだ。
    小麦の生産量は、今回の統計処理の要素として入っているのだろうか?
    それに、自国内が戦争状態になるという仮定はないんだろうな。
    • by Anonymous Coward on 2007年06月15日 15時24分 (#1174292)
      >だから、自衛隊みたいに紛争地域にのこのこ出かけていって土木工事なんかしようものなら、あっという間に政権を交代させるだろう。
      ウン?世界最大のゼネコンはアメリカの陸軍工兵隊だと知っているんだろうか?

      ありゃ既に軍隊の工兵部門なんてものは通り越して、アメリカの公共事業の恒常的なインフラの一つなんだよな。

      親コメント
  • こういうのって天気予報以上の精度で当たる事って無いと思いますよ。

    どういうアルゴリズムであるかは別として、未来のことについて現時点で結果が100%に近い確率で分かるようになるかどうかという話に還元できるわけで。

    "誰もが数で優る連邦軍の勝利を疑わなかったが、新兵器モビルスーツを開発したジオン軍との戦況は次第に膠着状態に"
    というガンダムの話に説得力があるのは、経験的にみんなこのことを分かっているからじゃないですか?

    戦争の勝敗と聞くと当たるのかな、と思うけれどこんなシュミレーションが本当に役に立つならば、恋敵の沢山いる可愛い女の子に告白してうまくいくかどうか占ってほしいですわ。

    戦争で負けると莫大なコストが無駄になるためにこんな事を考える人が出てくるんでしょうが、Patricia L. Sullivan准教授には人類の歴史において、無数の男性がかなわぬ恋愛に掛け、無駄に終わった莫大なコストを鑑みてあらたなシュミレーションに取り組んで貰いたいです(笑)

    #結果的にSullivan准教授に「今お前が愛している女とうまくいく確率は、恋敵から奪える可能性は70%だったものの、その後で結婚できる可能性は26%」なんて言われたら笑えます。
    • by Namo (14104) on 2007年06月15日 17時48分 (#1174371) 日記
      運の要素を数値化出来ない以上、こう言ったモノは無意味です。

      あー管理者さん、何故かMozilla1.01.jp NC4.48jpだと、
      返信するのボタンが出ない、又は押せないんですけど
      バグではないですか?お陰でぶら下げることしかできない。

      およそ、戦場に限らず戦争とは、運という第三者が勝手気ままに振る舞う場所である

      #もう一つ、ハドソン川の下りのスレッド、あれは間違って伝わったもの
      #ジョークと書いてあるから、釈迦に説法と思うけど、あれは山本が、
      #当時、やや、リベラルで異端な右翼として有名だった笹川(あのモーターボートの爺)へ送った手紙の一節だ
      #その下りの後に、「政府はそんな事本気で出来ると思っているのか?」とあり
      #「はたして、現状の政府要人に、それほどの肝の据わった人材はいるのか?
      #と、笹川へ書いたもので、受け取った笹川は、これを読んで日米戦回避の為に動いたが
      #その話に耳を傾けるモノは全く居なかったそうな(山本五十六 阿川弘之)
      #で後に、その下り「ホワイトハウスで談判」のみが米国に伝わり
      #山本を殺せな空気が出来上がっていった、実に不幸な事である
      #米海軍のハルゼーは、孔雀を墜す作戦に対し 
      #俺は奴(山本五十六)を鎖に繋いで、ホワイトハウスの周りを引きずり回すつもりだったが
      #結局、楽な死なせ方をさせた、と敵意をあらわにしてたしな。
      #山本五十六の一貫した対米戦回避の意志が米国、
      #そして米海軍将兵一般に知られる様になったのは戦後の事。
      #全て遅すぎた。

      #ちゃんと史学や、海軍叢書、そして文学も読もうよ
      #戦史は教養の一つだよ。
      親コメント
  • その後で情勢を安定化できる可能性は26%しかないという結果になるようだ。

    情勢を安定化できる可能性が、26%有った事に、驚きました。

  • by Anonymous Coward on 2007年06月15日 8時05分 (#1173975)
    勝つという見込み → 油断する → 負ける
    負けるという見込み → がんばる → 勝つ
typodupeerror

ハッカーとクラッカーの違い。大してないと思います -- あるアレゲ

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