赤外線を遮断するクールなガラスが開発される 26
ストーリー by kazekiri
クールだ 部門より
クールだ 部門より
papa-pahoo 曰く、
産業技術総合研究所のプレスリリースによると、同研究所が、日光の明るさを落とさずに熱だけを効率よく遮るガラスを開発したという。可視光の80%以上を透過する一方、赤外線の50%以上を反射する。また、人体に有害な紫外光に対しては反射および吸収により遮断する。
このガラスは、表面に酸化チタンと酸化ケイ素の薄膜を10~20層交互に積み重ねて作る。光の波長によって薄膜の境目で位相の変わり方が違う性質を利用し、膜の厚さを調節するなどして赤外線だけ反射するようにした。温度計に直射日光を当てる実験では、通常のガラスを通した場合の34℃より新開発のガラスを通した方が1.5℃低くなった。
ビルなどの窓ガラスに使えるようになれば冷房にかかるエネルギーを抑えられるとして、ガラスの製造コストを削減し、5年後の実用化を目指すという。
昔もっと優れた考えのガラスを読んだような… (スコア:4, 興味深い)
要約すると、
「青空からの放射は、波長8ミクロンから13ミクロンの熱線(赤外線)が来ない。(つまり空から降ってこない)
そこで、波長8ミクロンから13ミクロンだけ通して、それ以外の波長の赤外線を反射するガラスを
作ってそれを窓にはめる。
すると、部屋の中からその範囲の熱線がガラスを通して逃げる。
外からの赤外線は反射する。
→室内が冷える」
この本は当時昭和44年出版。
当時の技術では大きな蒸着装置はなかなかなく、実証実験は小さな箱でやったそうですが、箱の中が数度下がったそうです。
冷房効率では産総研よりこっちの方がより優れているように思えます。
※1
第四物理の散歩道
昭和44年3月22日出版
青空限定? (スコア:1, すばらしい洞察)
というか、
>波長8ミクロンから13ミクロンだけ通して、それ以外の波長の赤外線を反射するガラス
みたいに選択的に光を通すガラスの、より高性能なものが出来たってだけで
その理屈を助けこそすれ競合するものではないです。
その実証実験も当時より高性能に光を選択できる件のガラスを使えばより効果が期待
できるんじゃないかな。
Re:昔もっと優れた考えのガラスを読んだような… (スコア:1, 興味深い)
農産物冷蔵冷却装置 [affrc.go.jp]
非電化冷蔵庫 [hidenka.net]
(offtopic: -1) (スコア:0)
な、なつかしい‥‥‥
親の本棚にあった黄ばんだのを、背表紙が壊れやしないかとひやひやしながら読んだなぁ
従来品との違いは? (スコア:1, 興味深い)
今回のこれは何かすごい進歩とか利点とかあるのかしら。
Re:従来品との違いは? (スコア:4, 参考になる)
例えば、てきとーにWebを検索してひっかかった旭硝子の現行品サンバランス(PDF) [asahiglassplaza.net]では、可視光を8割通して熱線を5割反射するほどのものは無いようです。
ただし、「コールドミラー [google.com]」と呼ばれる光学部品の類では、すでにそれ以上の性能のものが当たり前にあります。
…というわけで、ガラスが凄いのではなく
という点が凄いのかも。
で、その技術のわかりやすいデモンストレーションが、熱線反射ガラス?
#ごしごしと、ぞうきんで拭いても大丈夫なのかな?
#また、窓ガラスとして使えるぐらい廉価に生産できるのだろうか?
Re:従来品との違いは? (スコア:2, すばらしい洞察)
層をはさんでガラス2枚でサンドイッチにすればいいんじゃない?だめ?
Re:従来品との違いは? (スコア:2, 参考になる)
>層をはさんでガラス2枚でサンドイッチにすればいいんじゃない?だめ?
あ゛、確かに。そうすればコーティングが剥がれる心配とは無縁ですな。
多層膜のコーティングというと、ついレンズとかCRT表面とかの反射防止・透過率向上のを思い浮かべてしまいました。表面を適切にコーティングした方が可視光の透過率が少々増しますけど、窓ガラスにそこまでする必要はないかも。
せっかくだから色々検索してみたら、セントラル硝子 [cg-glass.jp]の板ガラスの設計技術 [cg-glass.jp]なんて充実したページが見つかりました。
タレコミに関連するものでは、各種板ガラスの光学特性・熱的特性(PDF) [cg-glass.jp]・板ガラスの日射エネルギー収支比 [cg-glass.jp] 板ガラスと省エネルギー [cg-glass.jp]に図や具体的な数値が載っていて、色々興味深いです。
Re:従来品との違いは? (スコア:0)
では、一段階目が「空気->コーティング」だったのが先に「空気-ガラス」が挟まりその後「ガラス->コーティング」になるから、また計算やりなおしになるんじゃないかな。
Re:従来品との違いは? (スコア:1)
すごく短略的だけど。だめ?
Re:従来品との違いは? (スコア:0)
比べ優れているといえるでしょう。
但し,確かに商品としてはこのようなものは存在しないの
ですが,研究レベルでは十数年以上前から多くの研究者が
この手の検討をして,既に同等のものを作製しています。
なぜ実用化されないかというと,理由は主に成膜コストと
色(特に斜めから見たときの)にあるのですが,プレスリリースを
読む限りでは,それを解決できていないようなので,わざわざ
発表するほどのものではないような気がします。
中の人はいいけど (スコア:1)
Re:中の人はいいけど (スコア:1, すばらしい洞察)
中に入射するエネルギーが減る分
エアコンの室外機から排出される熱が減るわけだから
外の人には変わらないのでは?
Re:中の人はいいけど (スコア:1, すばらしい洞察)
Re:中の人はいいけど (スコア:0)
これもしかして、 (スコア:1)
Re:これもしかして、 (スコア:0)
Re:これもしかして、 (スコア:0)
# ガラス関係なので UMU を思い出した。懐かしいと思ったらなんか普通に普及している…?
結局、採用されない (スコア:1, 興味深い)
自動速度読取装置、通称鼠取りのHシステムが機能しなくなるので採用されないと思います。
Re:結局、採用されない (スコア:2, 参考になる)
可視光透過率70%以上で [aichi.jp]あればOK。
Re:結局、採用されない (スコア:1, 興味深い)
最近は熱線カットガラスな車両が増えてますが,熱いものは熱いんです...
防犯装置に有効? (スコア:0)
い、いや、別に悪いことに使うんじゃないですよ。「怪しい伝説 [discovery.com]」を思い出しただけなんだから。ほんとだよ。
たしか、エピソード59「映画の中の盗みの技2」(Crimes and Myth-Demeanors 2)だったはず。
Re:防犯装置に有効? (スコア:1)
普通は、赤外線を出しつづけているのをキャッチして、それが遮られたら反応するという作りなのでは?
たとえば、階段面に赤外線センサーが張り巡らされている状況を考えてみましょう。
ガラスの下駄を履いて、こんな階段を駆けおりた場合、従来ならばセンサーに反応せずに無事に済んだ状況だった。
しかし、今回のガラス製の下駄を履いていた場合には、ばっちりセンサーにひっかかるようになってしまう…。
……ということな気がするのですが、違うでしょうか?
タブレット中毒者。
Re:防犯装置に有効? (スコア:0)
>普通は、赤外線を出しつづけているのをキャッチして、それが遮られたら反応するという作りなのでは?
番組でやっていたのは、熱感知センサーだったかな。熱源(人間とか)から発生した熱を感知するものだったような。なので、センサーの前にガラスを置けばオッケー、になっていました。ちなみに消防服を着ても成功。
それとは別に、赤外線レーザーを遮断すると反応する防犯装置の話もあって、こちらは最終的に、鏡を使った大掛かりな装置(=実用にならない)でなんとか騙すことができました。
Re:防犯装置に有効? (スコア:0)
多層膜のみらー (スコア:0)
つくってみた、という理解で良いのかなぁ?