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月と彗星の試料を同時公開、「ひかりグリッド」によるイトカワの探査データの解析も 25

ストーリー by yosuke
「ユビキタスコンピューティング技術と博物館」展も開催中 部門より

Takeshima 曰く、

東京大学総合研究博物館にて「異星の踏査 アポロからはやぶさへ」が開催されている。
本展示は惑星科学の最先端の成果を紹介するもので、主に「月」「火星」「イトカワ」「スターダスト」の4コーナーから構成されている。
特筆すべきはアポロ計画で得られた月の石とスターダスト計画で得られたWild 2彗星の試料という「人類が地球外で手に入れた」本物のサンプル2種が同時に展示されていることだろう。(なお、月の石はアポロ17号で得たものである)
また、巨大スクリーンに投影された火星の地表画像を入場者が好きにスクロールすることも可能。

  • 会期:2007/10/20(土)〜2007/12/26(水)
  • 時間:10:00〜17:00(入場は16:30まで)
  • 休館日:月曜(祝日の場合は開館し、翌日休館)
  • 料金:無料
図録は総合研究博物館ではなく東京大学コミュニケーションセンターでの発売となる。(定休:日・祝)
なお、本展示は個人利用に限り写真撮影可能。館内で同時開催されている他の展示は撮影不可なので注意してほしい。

11月7日〜12月5日の毎週水曜日には、展示ルーム内講義室で東京大学創立130周年記念事業公開講座『異星の踏査—「アポロ」から「はやぶさ」へ—』も併せて開催される。こちらは受講料¥5,000。

さらに関連情報として、 KENN 曰く

NTT西日本と会津大学は、NTT西日本が提供するグリッドコンピューティング環境ひかりグリッドを利用して、はやぶさから送信された小惑星イトカワの探査データを解析する実験を共同で実施すると発表した(プレスリリース)。

実験の進捗状況、および成果は東京大学総合研究博物館で10/20から12/26まで開催されている特別展示 『異星の踏査-「アポロ」から「はやぶさ」へ-』にて随時公開される予定だ。

また、この共同実験の成果を元に、いずれは他の惑星への適用や、地球観測衛星や天体観測衛星など惑星探査以外の分野の解析にも展開したいとのことなので、今年打ち上げられたかぐやからいずれ送られてくるであろう観測データの解析に利用されるかもしれない。

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  • by Anonymous Coward on 2007年10月23日 7時47分 (#1237673)
    残念ながら、
    はやぶさを打ち上げたJAXA内部では正しい評価はされていないようです・・・。orz

    http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/matsuura/space/070925_hayabusa2/ [nikkeibp.co.jp]
    http://smatsu.air-nifty.com/lbyd/2007/10/2_b5ff.html#comments [air-nifty.com]

    宇宙科学で目先のことしか見なくなった時点でもうこの国はおしまいだと思う。
    • 今のJAXAは、ご存知のとおり、旧NAL,ISAS,NASDAと言う全く違う出自の法人を「行政改革」の掛け声の下に一本化した独立行政法人な訳ですが、NASDAとそれ以外の組織を統合すれば、こういうような事態になるのは火を見るよりも明らかだったんじゃないですかね?

      そもそもNSADAの政治力に他の二組織が勝てる状況でもなく、そういう状況なのに(はっきりいって中央の高級官僚の天下り先を大量に作る結果になった、そもそもそういう目的でやられたのが明確な)研究・学術機関の統廃合と独立行政法人化の一環として強引に色々と口実を並べて(この辺は中央官僚の口が上手い)JAXAへと統合して表向き民間法人に近くしたのですから、
      目先の金を持ってくる連中が一人勝ちするのは当たり前だった
      と思いますよ。
      あまり話題に上がらないですけど旧NALの研究だって、統合前から碌に新しい研究が出てこないし、JAXA内部での政治力を確たるものとしたいJAXAの主流派(=旧NASDA閥)が世界的に関心を持たれはじめて「しまった」旧ISASのグループに危機感を感じたとしてもおかしくはないし、実際、親コメントからリンクされている松浦氏のblog本文にもこんな記述がある訳です。


       困ったことに、JAXA経営企画セクションが「十分に宇宙科学には厚く付けた」という気分になる事情が存在する。

       次期固体ロケットの開発と、同ロケットで打ち上げる小型科学衛星が、次期中期計画に盛り込まれたことだ。次期固体ロケットは、当初開発費が 100〜120億円ということだったが、この1年間の検討によりロケットが、そもそも無理がある2段式から技術的にまともな3段式になり、低軌道 500kgから1.2tに能力が向上したなどの理由から200億円に増加した

       余談だが、昨年にM-Vが中止になった表向きの理由「今後4年間、内之浦のM- V発射施設を維持し、PLANET-CをM-Vで打ち上げた場合のコストは106億円になる」を、思い出してもらいたい。当時ISASは100億円でM- V第1段を改良する希望を持っていた。結果として施設維持費を考えても新ロケット開発は、M-V改良と同じだけのコストがかかることになったわけだ。

       既存ロケットを改良したほうが、信頼できる大きなロケットが入手できるのが道理である。

       次期固体ロケットの開発費用が200億円に増えたことは、ロケットの開発には喜ぶべきことだ。しかし、合理的なロケット構成を採用し、必要なコストを積み上げた結果が200億円であるということは、「そもそも、無理やりの理由を付けてM-Vを廃止に追い込んだのではないか」という疑惑に対する傍証になるであろう。

       そして、次期固体ロケットで打ち上げる小型科学衛星は1機40億円と見積もられている。

       「これだけ付けたのだから、次期中期計画で、もう宇宙科学はいいだろう」というわけである。

       しかし、そうではない。次期固体では十分なサイズの探査機を惑星間軌道に投入する能力はない(今のところ、ではあるのだけれども)。宇宙科学を次期固体に絞るということは、「日本は太陽系探査に手を出しかけたけれども、金がないから手を引きます」ということにつながるのである。
       本当に金がないならともかく、その一方で不良債権的計画は、ずるずると進行しているのだ。



      このエントリでは例のG-X計画に関する言及やバブル全盛期に実は宇宙開発計画が科学技術庁の官吏によって大幅に縮小さた事なんかへの述懐なんかもあるんですが、つまりは「金にならない研究や金にならない開発計画はいらない」と言うのがJSXA主流派の意向で、メーカなどからのキックバックが殆どないISAS的な宇宙科学とかNAL的な基礎工学的な内容の研究は生かさず殺さず程度で抑え込んでおきたいと言うのが「独立法人」になったJAXAの現実と言うか、JAXA主流派や監督官庁の高級官僚たちの「本音」なんでしょう。

      これはJAXAに限った話ではなく、多くの独立行政法人化された研究機関で直面している問題でして、例えば同じように独立行政法人化された国立大学なんかでも山形大のように文部官僚を学長にするために教授会の規約を強引に変えて大揉めしたり [shutoken-net.jp]、この十年弱、「官から民へ」と言うスローガンで行われた独立行政法人化や民営化によって、中央官僚の介入(と言うか専横化と言うべきか?)が強化されただけでなく、大儲けしている部門以外の現場にお金が降りないで、結果として上の方でお金が循環して先細りになってしまう事例が続発している訳で(大学に関しては旧帝大や大手大学に対してお金などのリソースが集中して予算がより潤沢になる反面、他の大学の予算が更に削らされて死活問題に発展している傾向が酷くなっている…あまり大学単位での実績と降りるお金とは関係ないように見えますが…兎に角、予算出す側にせよ共同研究持ち掛ける側にせよブランド指向がより酷くなった気がする)
      …国立大学に関しても現場の研究者や技官たちはこの事態を見越して反対を繰り広げていましたが「抵抗勢力」と言う形でマトモにマスコミで取り上げられないで「独立行政法人」へとなってしまってここまでずるずると来た訳で…

      だからいわんこっちゃない┐(´ー`)┌とか思いますけどね。
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    • 国民を挙げてのネガティブキャンペーンの大いなる成果というか何というか…。
      民意ってのは大きいものですね、やはり。
      --
      =-=-= The Inelegance(無粋な人) =-=-=
      親コメント
    • 「はやぶさ2」より優先すべきことがある。
      それだけのことだろ。別にはやぶさなんて要らんといってるわけじゃない。
    • ぼくはむしろ逆の見方で、よくこれまで直近の目標無しで宇宙に関するプロジェクトを進めてこれたなと思っています。他国が軍事ありきの宇宙開発である一方、公式には軍も持てず国内にまともな航空機メーカーもない日本がなぜ今まで宇宙に手を出していたのか全く理解しかねます。近年の情報収集衛星などに取り組むなど、宇宙開発に対する日本の姿勢がやっと普通の状況になりつつあると考えています。

      H2-Aロケットのようにそれ単体の産業化を目指す分野の場合、ノウハウの蓄積が重要ですから他との協力には慎重な姿勢をとる必要があります。一方はやぶさの目的は純粋な科学でありその研究結果は広く公表されるんですから他国との相乗りで全く問題ありません。CERNの大型加速器やニュートリノ観測など素粒子物理学においては国際協力が当たり前に行われています。ペイロードだけちゃんと運んでくれればどこのロケットだっていいんです。

    • 研究開発に必要なリソースは金だけじゃない
      リソース不足なのに金だけ貰ったら「税金泥棒」といわれる
      なら貰わないほうがマシ
    • 研究者や研究内容も全て外国の研究機関に譲渡すれば実現できるかもしれませんね。
      失ってから気が付くのが本当の宝物。
  • by Takeshima (20459) on 2007年10月23日 0時49分 (#1237600)
    タレコミ子です。
    図録ですが、21日(日)の時点では「発売開始日未定」とのことでした。
    内容は非常に充実しているので(¥2,600だったかな?)、入手したい方は行かれる前に東大コミュニケーションセンターに問い合わせることをお薦めします。
    また総合研究博物館ニュース「ウロボロス」Vol.12(こちらは無料、入手可能)が本展示についての内容ですので、そちらもお薦めします。
    「小惑星にもっとも近い部屋」というタイトルで会津大の平田成氏が寄稿しておいでです。
    --
    Someday, somehow, gonna make it alright but not right now.
    • 後で送ってもらえるのでしょうか?
      発行されたとしても、博物館は日曜にやっていても、
      センターがお休みだとしたら、図録の入手は結構不便ですね。

      実質「土曜日に来てね」とか?
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    • すみません、上記最後の1行は「日本の『はやぶさ』ミッションでは」です。
      他、「ウロボロス」の本展示に関する記事は
      • 『異星の踏査―「アポロ」から「はやぶさ」へ』展に寄せて(宮本英昭・総合研究博物館准教授)
      • 隕石から覗く太陽系(橘省吾・東大理学系研究科助教)
      • 宇宙創世 ─異星の踏査展のデザイン(洪恒夫・総合研究博物館客員教授)
      です。関係各位に失礼をお詫び致します。

      # 「はやぶさ頑張れ〜」と思いながら書いてたら orz
      --
      Someday, somehow, gonna make it alright but not right now.
      親コメント
    • by Takeshima (20459) on 2007年10月31日 23時55分 (#1242784)
      10/30(火)より図録の販売がはじまりました。フルカラー260ページ、¥2,500です。
      まだコミュニケーションセンターの通販サイトでの取り扱いはありません。
      --
      Someday, somehow, gonna make it alright but not right now.
      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2007年10月23日 0時27分 (#1237592)
    アポロのは月の石って感じがしますが、スターダスト計画で得られたWild 2彗星の試料は、顕微鏡で見ないとってイメージなのでちょっと感じが違います。

    がんばれ、はやぶさ<これが言いたかっただけ
    • > がんばれ、はやぶさ
      宇宙大国の米国に比べたらお話にならないくらいの宇宙小国である日本が
      「はやぶさ」でどれだけ貴重な仕事をしたのか、はっきり理解できるよね。
      「はやぶさ2」実現の為の働きかけもヨロシク!
      • いままで税金の無駄遣いだの言われながら、コツコツ続けてきた努力の成果ですね。本当におめでとう。

        昔は技術の○×といわれていた企業が、上っ面だけの設計しかしなくなって魅力がなくなっていくのを見ると、「技術は継承されるものだ、いったん破棄してしまうと、復活させることが難しい」と言う言葉を思い出さずにはいられない。
        • 技術の○×といわれていた企業

          ソニーのことを言いたいんだとしたらその考えは間違っています。ソニーは家電の完成品を手がける一方、CCDや半導体レーザー、リチウムイオンバッテリ、有機EL、磁気メディア、昔はダイオードやトランジスタ、GMRヘッドなど要素デバイスメーカーとしての一面も持ってます。その一面を忘れて「上っ面の」一般消費者向けプロダクトの不調を叩いて技術云々を語るとは浅はかもいいとこですね。

          もちろんリチウムイオンバッテリの爆発とかCCDの封止材の問題もあるんですが、あれはシェアが寡占状態だから問題がでかくなったという一面もあるわけで。あとソニーのQuality Assurance部門がイマイチなのは今に限ったことじゃないし。

          • >> 技術の○×といわれていた企業
            >
            > ソニーのことを言いたいんだとしたら

            「明日をつくる技術の東芝」

            がお送りします。
            いたしま~す。

            # ...自称だけど(笑)
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192.168.0.1は、私が使っている IPアドレスですので勝手に使わないでください --- ある通りすがり

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