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日本の科学応用力は以前より低下? 94

ストーリー by yoosee
頑張れ科学立国 部門より

nabeshin 曰く、

時事通信朝日新聞の記事によると、経済協力開発機構(OECD)は29日、2006年の国際学習到達度調査(PISA)を一部公表し、その中で日本は「科学的応用力」分野で6位に後退したとのこと。1位は前回に続きフィンランド。新卒や大学での悲鳴はこのところ頻繁に聞かれるようになった気がしますが、ゆとり教育の成果が数字にも表れているといったところでしょうか。
ちなみに前回2003年のPISA調査、および前々回2000年のPISA調査は文部科学省のWebで閲覧できます。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • 短絡 (スコア:3, すばらしい洞察)

    by the.ACount (31144) on 2007年12月03日 11時58分 (#1259156)
    「順位の低下」を「学力の低下」と短絡するマスコミなど信用できん。
    --
    the.ACount
  • by Anonymous Coward on 2007年12月03日 0時51分 (#1258897)
    教育によって愚か者を賢くする事が不可能なのに、 教育が失敗したせいで馬鹿になったと言うのはおかしな話だ。 本当の原因は
    • 携帯の電磁波で脳が破壊された
    • ゲーム機で脳が破壊された
    • アトピーなどのアレルギー性疾患で脳が破壊された
    • 大陸からの有害物質で脳が破壊された
    のどれかだろ
  • by Anonymous Coward on 2007年12月03日 1時01分 (#1258904)
    PISAの試験で高得点をとれるような教育が日本ではなされていません。
    順位が下がっているのは、参加国が増えているからでしょう。
    むしろ「総合学習」みたいなことをキチンと積み重ねていけば PISAの試験で高得点をおさめることが可能になると思いますよ。
    ただ、それは日本で一般的に考えられている学力(読み、書き、そろばん)とはちょっと異なったものになると思います。
    • by Anonymous Coward on 2007年12月03日 2時59分 (#1258968)
      PISA型の学力は、「応用力」ばかりが求められるのであって、基礎力は基本的にみていません。しかし日本は基礎的な学力を重視した教育を今も昔もしています。ゆとり教育の流れはある意味でPISA型に近い学力を求めていましたが、結果「学力低下」という批判を国内から浴びて下火になりつつあります。

      しかし、従来日本でいわれてきた「学力」(従来型学力)とPISA型学力はまったく性質が違いますから、同じ文脈で論じることはできません。

      戦後すぐのころの社会科(昭和30年代以前)ではこうした「考察」能力を鍛える、あるいは意見を言うという教育が推進されました。自分なりに社会の問題を拾ってきて、調べて、意見をつくる、みたいな。『やまびこ学校』あたりがその代表です。しかしそういた教育にたいして「厳密に科学的な知識がみについていないただの自己満足」という批判がおきて、いわゆる「詰め込み学習」と揶揄される30年代~80年代初頭までの教育方式がうまれました。そのあと、詰め込みゆえのキリのなさ(=「ゆとり」のなさ)から
      くる「落ちこぼれ」や非行が問題となり、ゆとり教育がはじまります。さらに「自ら学ぶ」児童生徒中心の学習として総合的な学習が導入されます。総合的な学習は一部ですぐれた実践をうみ、一部で適当に消費されましたが、結局「学力低下」といわれて後退していこうとしています。

      と、いうこれまでの日本の流れをおさえておきますと、いわゆる「ゆとり教育」批判の文脈で語られる従来型学力とPISA型学力は真逆の性質であることがわかると思います。むしろ、本気でPISA型学力をきたいするなら、ゆとり教育なかんずく総合的な学習を進めまくるべきなのです。ただし厳密な科学知識は多少おろそかになるのは当然です。それは二の次なのです。それは、従来型学力を追求する学習において、まず基礎的な知識を固めてから応用的な課題にうつっていくのとおなじことです。

      たとえば具体例を出しましょう。あるグラフを提示されて、このグラフをみてどう考えるか、というような質問に解答できるのがPISA型学力になります。理想としては、まずグラフを正確に読み取って、自分なりに考察して記述するのがよいのですが、日本の公教育ではグラフの正確な読み取りをみっちり仕込みます。しかし、PISAではそんなの関係ねえのでして、そんなことは点数に反映されません。ただただ最後の結果として考察のみが求められます。

      当然ながら、真の学力というならば従来型学力もPISA型学力も両方備わっていなければいけません。でないとただの「知ってるだけ」か「知ったかぶり」になるだけです。ただそれらを育成する方法として、どちらからアプローチしていくか、というだけの違いなのです。どうも最近の議論では、PISA型学力と従来型学力を混同している人が多いように思います。ついさっきまでゆとり教育(=PISA型学力)を批判していた人が、返す刀でPISAを例に出して「学力(当然PISA型をいっていることになる)低下」を批判する。いっていることが矛盾しているわけです。これでは解決策が生み出せません。

      PISA型学力とは「ゆとり教育」の超徹底したものであること。それを把握した上で、なおPISAの得点を求めるというなら結構です。ただし、私はそのようなアプローチがかならずしも適切であるとは思いません。それこそ、最近よく揶揄される「ゆとり」(悪い意味の)が蔓延するだけだと思っています。むろん、先にも書いたとおりPISA型学力や「ゆとり」が必要ないとは思いません。ただ今のようにPISAを絶対視するべきではないと思います。
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2007年12月03日 14時19分 (#1259266)
        >PISAではそんなの関係ねえのでして、そんなことは点数に反映されません。
        >ただただ最後の結果として考察のみが求められます。
        というのがどれほど正鵠を射ているのかはわかりませんが、以下のような例があります。

        ------------------------------------------------------------------------------
        Q.
        状況「小学校低学年の生活科(理科+社会科)の野外授業。風が吹いていて、木の枝が風にそよいでいる。」
        教師の問いかけ「風はどのようにして起きるのでしょう?」
        生徒A「木の枝が揺れているから風が起きるの (はぁと」

        これに対して教師はどのように評価すべきか?

        A.

        正解であるとして積極的に評価すべきである。生徒Aの年齢における発達段階から「ウチワを扇ぐことで風が発生する」といった生徒の経験から合理的な推論をしたことが伺われる。気圧などのメカニズムを説明して誤りを指摘することは生徒の推論能力の発達を阻害する可能性がある。
        さらに生徒Aの発達段階が進んだ時点で、改めて推論の可否を検証することを指導し、「気圧などの概念を用いた風発生のメカニズム」などへ発展させていくことが望ましい。
        ------------------------------------------------------------------------------

        「そんなバカな」と思われるかもしれませんが、この生徒Aの回答は「因果関係と相関関係の混同」を含んでおり、それほど自明な問題でもないでしょう。対象としているのが「風」というよく知られている現象だから「そんなバカな」と一蹴できますが。
        #因果関係と相関関係を混同してミスリーディングな結論を導く世論調査などは
        #ご存じのとおり掃いて捨てるほどあり、それにだまされる大人も掃いて捨てるほどあります。
        このように推論を行い、その妥当性を吟味していく訓練を初等教育から積み上げていくことは重要なことだと思います。

        ただ現実問題として、これだけの肌理細かい指導を行うためには、とてつもない人的、物的リソースを必要 とすることは自明なのですが、日本国民の教育への冷淡さを見るに実現不可能という気もしますね。

        「学びて思わざれば即ち罔く、思いて学ばざれば即ち殆し」(論語 為政編)という言葉を胸にとめながら、現実に処していかなければならないのかなと思います。
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      • by Anonymous Coward on 2007年12月03日 9時43分 (#1259053)
        この論述の最大の問題点は、結果(「PISA型学力」か、「従来型学力」か?)と手段(「ゆとり教育」か、「詰め込み教育」か?)を混同していることだと思う。

        「詰め込み式教育で育ったクイズ王(従来型学力)」
        と、
        「広範な知識を元に推論を重ねて自分の意見を表明できる人(PISA型学力)」
        とどちらがいいですか? と聞かれれば、誰だって後者と答えるに決まっているよ。

        しかし、そのための手段として、
        まず知識を詰め込むところから始めますか?(詰め込み教育)
        それとも、
        「知識は自ら学ぶに任せ、意見の表明を行わせることを重視しますか?(ゆとり教育)」
        のどちらがいいかという話になったら、これは諸説あるでしょ。

        で、日本全体を巻き込んだ、壮大な社会実験の結果が、現状ではないかな。
        親コメント
      • 一点だけ。

        > たとえば具体例を出しましょう。あるグラフを提示されて、
        > このグラフをみてどう考えるか、というような質問に解答
        > できるのがPISA型学力になります。理想としては、まずグ
        > ラフを正確に読み取って、自分なりに考察して記述するの
        > がよいのですが、日本の公教育ではグラフの正確な読み取
        > りをみっちり仕込みます。しかし、PISAではそんなの関係
        > ねえのでして、そんなことは点数に反映されません。ただ
        > ただ最後の結果として考察のみが求められます。

        それは誤解です。読解力のテストの方ですが、「情報の取り
        出し」というグラフの読み取り能力を問う問題も、ちゃんと
        出題されています。
    • by Anonymous Coward on 2007年12月03日 1時43分 (#1258936)
      >> PISAの試験で高得点をとれるような教育が日本ではなされていません。

      このPISAってのはよく知らないけど,(オレの印象として)ここ5,6年で「日本の若者の学力の低下」という調査結果は何度も報道されてるし,逆にそれを否定するような報告は全く見ない気がするんだけど.あれって「先に結論ありき」の調査結果なのか,それとも実際に学力が低下してるのか,どっちなんだろね.

      ちなみにオレは研究職(≠教員)で,出身研究室も含めて大学生や院生に接する機会はそれなりにある(ただし理系のみ)んだけど,個人的感覚としてはここ10年くらいで(特定の大学内でも)レベルの格差がかなり広がった気がする.しかも上位層のレベルは特に伸びてるわけでもなく,中間層がめちゃめちゃレベル低下してる感じ.だから全体の平均レベルとしてはすごく低下してる感じがする.もちろんここで言ってるのは「勉強してきた知識がある/ない」みたいな話じゃなくて,論理的に物事を考える能力って意味でね.こっちが全部噛み砕いて説明してあげないと,論理的に大きな問題から個々の問題に分解して切り分けたり,小さい論理を積み重ねて大きな考え方にするようなことが全然できない学生が増加してる,ってのが実感.

      ま,色んな意味でアメリカに近づいてきてるんだろうなぁ…
      親コメント
  • by Hatris (33732) on 2007年12月03日 14時49分 (#1259292) 日記
    だいたい、ゆとりがど~のこ~のって話で盛り上がるんですが、
    実際のところ、原因の全てが学校にあるんですかねぇ。

    私としては、親というか家庭を含む環境の変化の方が大きいと思うんですよね。
    田舎育ちだからってのもあるんですが、あっちこっちで走り回れる場所もあり、探検できるような小さな山もあり・・・
    そんなところでいろんなものに触れ合うことで、好奇心が育まれるんじゃないかと。

    もちろん、外の環境だけではなく、最も大きいものは家庭内だと思うんですけど。
    今日の発見を家で発表したり質問したりして、その反応を吸収してみたり、 親のやっている事に興味をもってみたり。
    祖父から玩具の作り方を教えてもらったり。

    そんな環境が核家族化だとか残業だとかで失われてしまった結果が今現れているだけなんじゃないかと思うんですよ。
    今時の親の中には、「運動会が中止になったから呼んだ祖父母の交通費を返せ」なんて学校に怒鳴り込む、って話を以前どこかで見かけましたが、事の真偽はわからぬもののやりかねないとは思った。

    結局のところ、学力って知識を持ってそれを使う応用力があって初めて向上するものだと思うけど、興味がなければ向上するわけがない。
    勉強だけじゃないけど、いろんな事に興味を持つような子供を育てられるように、 親の教育とか生活環境の改善が必要なのかもしれない。
  • by Anonymous Coward on 2007年12月03日 1時39分 (#1258935)
    経済的にも科学的にも大国かと言われるとそうでもないわけで、
    つまり、PISAは、科学応用力が実社会でたいして役には立ってないことの良い証明になってるわけですよ。
    そんなことにも気がつかないで騒いでる馬鹿な国民ばっかの日本は、やっぱ科学の応用力ないってことだよね。

    # と、ほんとは思ってない物理学科出身のACより

    ちなみに、得点をさらに勉強時間で割った効率をみたら、日本はどれだけ順位が下がるのだろうか。
    競争だけが苛酷で、学習内容が薄い、過当競争になちゃってるのが日本の学校の問題の本質なんじゃないかな。

    • by Anonymous Coward on 2007年12月03日 11時24分 (#1259126)
      まさに学力低下の賜物としか言いようのないアホな意見だな。
      フィンランドなんて池と森林以外に何もないし、人口も少ない。
      しかも、近代史においてはロシアとスウェーデンという陸軍国にはさまれ頻繁に戦場となり、ロシア革命の時には、反革命軍が逃げ込んで戦場になり、なんとか独立を回復したのちも、経済的貧窮が続き、若者の多くが出稼ぎに出て何とか生き残ってきた。
      第二次世界大戦にも巻き込まれたが、間の悪いタイミングでナチスに協力してしまったために敗戦国になってしまった。
      戦後もソ連から地続きだし目と鼻の先にワルシャワ条約軍の拠点があり、いつソ連軍の戦車が押し寄せてきても不思議じゃない状態が続いていたわけで、間に海がありアメリカ軍が駐屯していた日本とは緊張感が桁違いだったんだけど。
      生きてるだけで丸儲けだよ、しかもそこから世界的企業や有名な学者が人口比で考えたらかなりの高率で出てるよ、化学者が多いけど物理学者も少なくないよ。
      「名前は知ってるけどドイツ人だと思ってたー!」っていうバカ多いんだよな。

      要するに、日本人はぬるま湯になれきってボケちゃったってことだろ、要するに。
      親コメント
    • by saitoh (10803) on 2007年12月03日 14時23分 (#1259270)
      得点をさらに勉強時間で割った効率をみたら、日本の順位は上がるんじゃないですか?

      いまだに受験戦争をやっているごく一部の層を除いて、家庭学習はほぼゼロ、TV見てゲームで遊んで喰っちゃ寝の生活をしているのが大多数の日本の児童生徒ですよ。

      親コメント
    • by Anonymous Coward
      そうそう、linux みたいの作っても実社会でたいして役に立ってないしね。
      いくら学習の成果が上がっても努力や根性や忍耐力がつかなきゃ意味ないね。
    • by Anonymous Coward
      >経済的にも科学的にも大国かと言われるとそうでもないわけで、

      大国だけど。
  • by Anonymous Coward on 2007年12月03日 1時52分 (#1258942)
    応用力が落ちたって?
    おうよ!
  • by Anonymous Coward on 2007年12月03日 0時57分 (#1258899)
    最近の若い者には根性が足りない。
    昔は、大東亜戦争。今は、PISA。
    • by Anonymous Coward on 2007年12月03日 1時33分 (#1258930)
      最近の古い者が子供の頃にPISAを受験していてもそう変わらない結果だったんじゃないかな。
      親コメント
    • 狭き門。

      オレ達が若かった頃は、大学入学にしろ就職にしろ、今よりずっと狭き門
      だったからこそ生き残りをかけて、それこそ死に物狂いで勉強した。それ
      でもバブル崩壊で満足に就職できなかった者も多かった。

      今の若い者はずっと門が広くなっているので、そこまで必死になる必要がない。
      それが彼らにとって良いことなのか悪いことなのかは、オレにもわからん。
      • いまもむかしも,良い学校,良い職業は狭き門だと思います.
        親コメント
  • by Anonymous Coward on 2007年12月03日 1時58分 (#1258945)
    詐欺商法に引っかかってもゴネればお金が返ってくるから
typodupeerror

計算機科学者とは、壊れていないものを修理する人々のことである

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