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数学

数学は「発見」?それとも「発明」? 107

ストーリー by nabeshin
世の理を見つける?、作り出す? 部門より

capra 曰く、

本家記事より。数学とは元から存在するものを人が「発見」するのだろうか? それとも人間による「発明」なのだろうか? 古くから議論されているこの論題をScience Newsがあらためて取り上げています。数学者・理論物理学者であるRoger Penrose氏などは数学を「発見」とするプラトン主義の流れを汲む一人ですが、もし数学が元から存在し「発見」されるものならば一体どこに存在するのだろうか? 人間が考えつく前に数学は存在し得るのだろうか? と記事は疑問を投げかけています。プラトン主義的な考えを否定するBrian Davies氏はプラトン哲学は現代科学より宗教との共通点の方が多いと論じ、人間の数学的思考が発生する生物学的基礎は最近の脳画像の研究で解明され始めている、とも指摘しています。どちらの立場を取ろうと、数学に長く携わっていると突き当たる論題であることは変わりがないようです。皆様もGWの余暇(があれば、ですが…)に考えてみてはいかがでしょうか?

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2008年05月01日 13時16分 (#1338350)
    夏目漱石の「夢十夜」 [aozora.gr.jp]という作品に運慶が仏像を彫る様が以下のように描写されています:

    「なに、あれは眉や鼻を鑿で作るんじゃない。あの通りの眉や鼻が木の中に埋(うま)っているのを、鑿(のみ)と槌(つち)の力で掘り出すまでだ。まるで土の中から石を掘り出すようなものだからけっして間違うはずはない」
    数学はまったくの門外漢の物理屋ですが、定理を見つけ出す過程に通じるものがあるかなという気がします。
    数学で研究職を得ている友人にこれをはなすと

    「感覚は分かるけど、仏像が埋まっている状態になるにはトレーニングがいるよ。それは地道なトレーニングの積み重ねである意味、語学のトレーニングにも似ている。意味は分からずとも定理を何度も何度も書写を重ねていく内に、ある日ハッとわかるようになる。 よく『化学は物理学に、物理学は数学に、数学は哲学になる』っていうけど、あれはウソだ。そうやって懐手して数学している気になったヤツはたいていつぶれる。」
    というはなしてくれました。
  • 「解釈」 (スコア:3, 興味深い)

    by ots556556 (34248) on 2008年05月01日 12時06分 (#1338298)
    とか、どうでしょ。
    • Re:「解釈」 (スコア:2, おもしろおかしい)

      by unchikun (14429) on 2008年05月01日 12時28分 (#1338312)
      個人的にはどうでもいいと思うけど、結論が出そうになった頃になって
      「数学的に証明しろ」と言い出す人が出てくる気がする。

      親コメント
    • Re:「解釈」 (スコア:2, 参考になる)

      by bewon (36083) on 2008年05月01日 14時09分 (#1338397) 日記
      もはや過去の笑い話となりましたが、「ノストラダムスの大予言」
      あれは、日本において詩集を「解釈」した本が売れたのでした。

      予言書から世界が滅びる云々の話が飛び出るニュアンスとして、
      数字から数式を導く感じは近・・・くはないですね。

      でも「○○の数式が発見されるだろう」みたいな予言がでる学問ですし。
      なんか近しい感じです。

      親コメント
  • by Fatalwedge (6623) <fatal@fuurai.org> on 2008年05月01日 12時27分 (#1338309) 日記
    いや、ほら「車輪の再発明」って言葉もあるぐらいですし、
    既にあるものを「発明」してもいいんじゃないでしょうか、と。

    #あえて言うなら円周率を何兆桁も求めるのは「発見」、「22/7」みたいなのは「発明」でいいのかなと思います。
    • by Deasuke (34806) on 2008年05月01日 12時35分 (#1338316) 日記
      > #あえて言うなら円周率を何兆桁も求めるのは「発見」、「22/7」みたいなのは「発明」でいいのかなと思います。
      「発見」に一票を入れているような...。
      上記の例で言うと(両方「数学」と言うよりは「工学」ですが)、「22/7」のほうがより「工学」よりです。なので「数学=発見」、「工学=発明」的な考え方に見えます。
      私自身上記の#〜のコメントに同意しますが、そこから導かれる結論は、数学には「発明」的な部分もあるにしても、どちらか決めろと言われると「発見」に一票です。

      --
      Best regards, でぃーすけ
      親コメント
    • by albireo (7374) on 2008年05月01日 13時11分 (#1338343) 日記
      >円周率を何兆桁も求める

      最初に円周率を求めるための公式を発表した人は「発見」したの?「発明」したの?
      より効率のよい計算式を披露した人は発明?発見?改良?
      それをスパコンのような並列計算向けのアルゴリズムとして実装した人は?

      「アルゴリズムは発見じゃないだろ」というつっこみが入りそうですが、
      「この問題はこういう方法を使えばより効率よく解ける」ということを「発見」しなければ
      アルゴリズムは改良できないといえなくもないような。うーん。
      --
      うじゃうじゃ
      親コメント
      • 発明とは、「発見」された自然のプロセスを、より現実社会のプロセスに当てはまるように改良し、発見されたことを
        より容易に用いて何事か(意味があることとは限らない)を成す事ができるようにする事、と言えるのではないだろうか。

        たとえば、「火」というものは発見されるもの。その「火」を容易に生み出す事が出来るようにするためのプロセスは発明されるもの。
        円周率は発見されるもの。円周率をより容易に求めるためのプロセスは発明されるもの。
        時に、発明と発見は同時に起こり不可分であることもあるかもしれない。

        ……個人的にはこんな感じなんですが。
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    • by wd-nara (25864) on 2008年05月02日 11時51分 (#1338905) 日記
      この議論は、過去にさんざん繰り返されていて、思いつきそうな主張は出尽していて、結論が出ないことが結論の状態になっています。その議論をいまさら繰り返すことこそが、車輪の再発明です。
      親コメント
  • 3の倍数と3がつく… (スコア:2, おもしろおかしい)

    by patagon (1453) on 2008年05月01日 12時48分 (#1338324) 日記
    発見?発明? ええい、面倒。
    こうなったら世界のナベアツ [sanspo.com]に決めてもらおう。

    しかし「3の倍数と3がつくページだけアホになります」っていい具合にアホ過ぎ。
  • 両方 (スコア:1, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2008年05月01日 12時10分 (#1338299)
    発見されるものもあれば発明されるものもある
    なぜ片方のみに当てはめようとする?
    • Re:両方 (スコア:2, すばらしい洞察)

      by icecream (33977) on 2008年05月01日 13時16分 (#1338349) ホームページ
      議論自体が目的だから、当然の帰結。
      親コメント
    • Re:両方 (スコア:2, 興味深い)

      by Tatenon (20311) on 2008年05月01日 14時05分 (#1338395) 日記
      そうですねぇ。例えば

      法則・定理・公式 ← 発見
      概念 ← 発明

      ってな感じでしょうか。
      後者は「0・負数・素数・代数・虚数・分数」なんかが挙げられると思いますが。

      親コメント
      • Re:両方 (スコア:3, おもしろおかしい)

        by manmos (29892) on 2008年05月01日 14時50分 (#1338431) 日記
        数学の専門教育は授けましたが、

        > 後者は「0・負数・素数・代数・虚数・分数」なんかが挙げられると思いますが。

        うーん、全然そうは思わない。どれも、「元からあるもの」でしょう。虚数でさえ、
        ちょっと、電気の交流とかの勉強をしただけで「ある」事が実感できます。

        この話題で、「記法は発明かなぁ」と思いましたが、でもアラビア数字記法なんかは、
        ローマ数字記法よりも便利な事を「発見」したから使われているだけだと思う。

        まあ、あとは「分類」かな。「位相幾何」的だと思われた「ポアンカレ予想」が「微
        分幾何」的だったり…

        #少数表記のせいで、0.3333...を3つ足しても1にならないとか、言い出す変な奴も
        #出てきますが。

        私が良く話題にするネタで、同程度の数学の知識を持つ宇宙人に、たとえば円とπの
        十進数記法で数百桁書かれたものを渡せば、我々地球人が十進数を使用する文化を持
        つことを理解できるくらい、数学は普遍的なもので、地球人が「発明」したとはいい
        にくいです。

        ただ、その美しさ故「数学は科学の女王」といわれるわけですが、最近の女性の美しさ
        は、「発明」されたものも少なくないので…
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        • by L.Entis (21733) on 2008年05月01日 17時13分 (#1338561) ホームページ 日記
          >> 後者は「0・負数・素数・代数・虚数・分数」なんかが挙げられると思いますが。
          >うーん、全然そうは思わない。どれも、「元からあるもの」でしょう。虚数でさえ、
          >ちょっと、電気の交流とかの勉強をしただけで「ある」事が実感できます。

          交流回路の虚数成分なんて便宜上のものでしかないと思っていたのですが、「ある」んですか!?
          『「ある」事が実感』できるかどうかは人それぞれかもしれませんが。

          親コメント
          • Re:両方 (スコア:1, 興味深い)

            by Anonymous Coward on 2008年05月01日 17時51分 (#1338593)
            それ言うたらゼロだって便宜上のものだろ。「ある」のか?
            親コメント
        • by flutist (16098) on 2008年05月01日 18時05分 (#1338600)
          > 数学の専門教育は授けました

          大学の先生ですか?
          そういえば「教授」とは「教えを授ける」ってことなんだなぁ、と今しみじみ思いました。
          親コメント
  • by Anonymous Coward on 2008年05月01日 12時14分 (#1338301)
    発見=観測的手法
    発明=思考的手法
  • 専有物か (スコア:1, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2008年05月01日 12時26分 (#1338308)
    これは単なる言い回しの問題だけではなくて、現実に特許とかの問題が絡むから問題になるってやつですよね。
    「発明」するものであれば、「○○計算法」とか「○○暗号」「○○圧縮」が特許の対象になりえますが、
    「発見」であれば、幾ら考え方や解釈に画期的な要素が含まれていたとしても、それは病名や昆虫の名前が特許にならないのと同様、広く世界の共有物になる。
    最初に現実にこれが問題になったのは、確か線形計画法を解くアルゴリズムでしたっけ。

    現実に即したこの問題の再定義としては、「数学上の大発見は、個人が発明した物として、その成果が15年間くらいの経済的な保護に値するか」ということになるわけで。大半の純粋な数学者は「そんなわけねえ」と思っているはずですが…
    • Re:専有物か (スコア:2, 興味深い)

      by USH (8040) on 2008年05月01日 16時13分 (#1338507) 日記

      これは単なる言い回しの問題だけではなくて、現実に特許とかの問題が絡むから問題になるってやつですよね。

      特許権にしろ著作権にしろ、本来は人間の知的活動の相互活性化を支援するためのシステムのはず。たとえば特許として経済的な権利を保証することでそのアイデアを公開し、社会への普及や他の技術開発への波及を促進する。もし権利が保証されなければ、発明者はその技術を秘匿し、自らそれで作った製品を売ることに邁進する。つまり、特許なり著作権は、発見なり発明なり創作なりしたものを積極的に公表させるようにするためのインセンティブ。

      ですが最近は権利が先にありきになって、議論が本末転倒。

      ポイントは、その発見なり発明を公表することを控える(そうやって、そのアイデアによる利益を一人占めする)要素があるのかどうか、ってところが、権利を付与すべきかどうかの分かれ目ではないのかなぁ。

      親コメント
  • 芸術の分野では (スコア:1, すばらしい洞察)

    by Anonymous Coward on 2008年05月01日 12時36分 (#1338319)
    分野は異なりますが、ミケランジェロ [wikipedia.org]曰く

    彫刻の題材をどうやって決めるかをたずねられた際、「考えたこともない。素材が命じるままに彫るだけだ」と答えた。

    ということですから、「発明」「発見」を無理やり当てはめると、彼の見解では芸術(彫刻)は(自分が作り出した)発明ではなく(命じるままに随ったうえでの)発見であろうと。

    で、何を言いたいかというと「芸術でさえこうなんだから、数学も人それぞれで違いまっせ」ということです。
  • by parsley (5772) on 2008年05月01日 12時51分 (#1338328) 日記
    発明とか発見とか言っている時点でこっち側からしか見ていないぞ。
    あんなものは、人間が居なくても存在し続けるんだから「法則」だ。
    --
    Copyright (c) 2001-2014 Parsley, All rights reserved.
  • あとの残りは人間が作ったものである…というのがありましたよね。
  • りんごが「1」個というのは昔からあっただろうし・・・
    んで、お日様が昇って沈んでまた出てくることを「1」日といってるわけで、
    「1」ていう概念を「見つけた」て感じじゃないのかな。

    ギリシャ数字だと「0」はないけど「1」はあったわけで、
    「発明」というよりは「発見」に近いような気がします。

    数の表記方法は「発明」じゃないのかな。
    12本で1ダースとか、60分で1時間とかは「発明」に近いんじゃないのかな?
  • by vbNullString (22249) on 2008年05月01日 15時20分 (#1338457) ホームページ
    数学が発明だとすると特許を申請すれば特許権が発生し、例えば公式を使うたびに料金とられるとか?そんな学問の世界は嫌だ。
  • by the.ACount (31144) on 2008年05月01日 16時46分 (#1338530)
    概念は発見、表現は発明。
    というところで、お茶を濁す。
    --
    the.ACount
  • by taro-nishino (32033) on 2008年05月01日 17時38分 (#1338577)
    故・小平邦彦先生は、はっきりと著書で「発見」と言い切っていらっしゃいましたね。 佐藤幹夫先生も、そちらのほうですね。
  • by Arc Cosine (35004) on 2008年05月01日 21時32分 (#1338694) 日記
    いわゆる公式とかは自然に存在しているから扱いとしては「発見」が正しいと思う。
    しかし、そこにたどり着くまでの思考の積み重ねは「発明」だと思う。
    なので、数学者は発明家ばかりと言う事で、FA。
  •  数学が全然駄目な私は、問題を見ているだけで発狂しそうになります。
    --
    #Insanely great!
    #をかのゆ
  • 大前提に「数学の様な巨大なものを、一つの言語で括るべきか」という問題があり
    Noだと考えている私には、その下位の問題でぐだぐだ議論しても
    余り意味ないように思える。
  • by maoyam (16680) on 2008年05月03日 0時08分 (#1339233) 日記
    「彼はイイ数学をやっている」「最近、数学した?」
    こういった言い回しに違和感がなく、「数学する」ことができる人ならば、
    「数学は芸術」と思うんじゃないでしょうか?
    発見も発明もガシガシやっていくタイプでなければ「数学の分野を開発する」なんて芸当はできないのではないでしょうか?

    数学は、紙と鉛筆があればどれだけ巨大なものも繊細秘妙なものも扱える芸術なんだと思います。
  • by alternative (23238) on 2008年05月03日 9時48分 (#1339302)
    数学の定義・定理は発見だが、同時に万人に分かりやすい表現方法を発明しているのだとあった。
    確かに、微分積分のデルタdや積分のインテグラル∫なしには微分積分はできないよな、と思った次第。
typodupeerror

目玉の数さえ十分あれば、どんなバグも深刻ではない -- Eric Raymond

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