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日本

GXロケット、開発中止へ 44

ストーリー by mhatta
事情通歓迎 部門より

Mooolyeee 曰く、

読売新聞の記事によると、JAXAや石川島播磨重工業などが開発を続けてきたGXロケットについて、文部科学省の宇宙開発委員会はその開発中止を勧告する方針を固めたとのこと。それによりGXロケットの開発プロジェクトは基礎研究を除き、中止に追い込まれる可能性が高くなった、とのことである。

タレコミ人は、そっち方面に関しては全くの素人ではありますが、GXプロジェクトそのものは、「船頭多くして」の印象が強く、あまり魅力を感じていませんでした。ですがLNG推進系の開発プロジェクトについては是非モノになって欲しいものだなぁと感じていました。

ケロシン×液酸や、水素×液酸のエンジンが既に実用化されている中、LNG推進系の開発は難航していたようですが、難航の要因は何だったのか気になります。ハイスペックを狙いすぎたのか?、原理的な無理があったのか? 日本にはまだ技術力が無かったのか? 気になるところであります。

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  • 失敗の原因 (スコア:5, 参考になる)

    by Anonymous Coward on 2008年06月01日 8時39分 (#1353906)
    松浦晋也の「宇宙開発を読む」 [nikkeibp.co.jp]が詳しいです、
    NikkeiBP だけど会員登録なしに読めると思います。
    • by Anonymous Coward
      リンク先興味深く読ませてもらったが、読んでいて湧いた素朴な疑問があるので
      便乗おしえてくんさせてくれい。

      アポロが月に行ったのは1969年。この時点で既にアメリカは液体燃料のロケットを使っていたはずで
      ところが日本が液体燃料ロケットの開発に「基礎」研究含めて動き出したのは1971年とある。
      この手の「基礎」研究の成果は、つまり国が囲い込んで世界的に共有されないのか?「基礎」研究であっても?
      原子爆弾なんかなら分かる気がするが、宇宙開発に携わる学者は国のために働いているのか?
      当時は冷戦真っ最中だし宇宙開発競争なんてのもあったそうだからぎりぎり飲み込めなくもないが
      それは今でもなのか?
      悪意も嫌味もなく、ただただ素朴な疑問。
      • by Anonymous Coward on 2008年06月01日 13時50分 (#1354030)
        そのとおり。
        研究者はそんなつもり無いかもしれないけど、国が安全保障を優先すれば逆らえない。

        はやぶさのリアクションホイール(姿勢制御の為の装置)の故障が有名だと思うけど、
        過去にはアメリカ製のアポジモーター(軌道に乗せる為のロケット)が度々故障しました。

        アメリカ製の実績あるものを採用したはずなのに故障する。
        それどころか、売ってやるが何も教えない嫌なら買うな、という状態。
        詳細不明なブラックボックスで、当然リバースエンジニアリングも禁止。
        どんな使い方がマズいのかも解らない。何かあっても泣き寝入り、もちろん補償はなし。

        日本が純国産にこだわって来たのにはそういう経緯があるんです。
        親コメント
      • 研究の成果 (スコア:3, すばらしい洞察)

        by ko-ji.t (21285) on 2008年06月01日 15時16分 (#1354056)
        >この手の「基礎」研究の成果は、つまり国が囲い込んで世界的に共有されないのか?
        >「基礎」研究であっても?
        どんな研究でもその成果は研究費を出した処に権利があるのではないでしょうか
        もちろん学会発表レベルの内容は公表するかもしれませんが実装可能な程詳細な情報は
        共同研究として金をだすか、応用研究の成果を共有するなどの見返りがないと無理でしょう

        逆に日本が税金を投じて開発したロケットエンジンをなんの見返りもなくアメリカへ情報公開し
        アメリカのロケット産業会社が製造・打ち上げを行って日本へ一切実入りがなくても
        「基礎」研究なら納得できますか?
        親コメント
      • by bochi-bochi (4490) on 2008年06月01日 16時07分 (#1354073) ホームページ 日記
        そこには、ロケット技術の開発が国家の安全保障と関連している前提があります。

        ロケットエンジンを制作できること
        所定の軌道へ大きな有効重量を投入できること
        軌道上での分離や複数の衛星を一度に軌道へ投入すること
        皆、大陸間弾道弾の開発に直結しているわけですね。
        つまり核開発とほぼ同等の機密事項ということになります。

        --
        〜後悔先に立たず・後悔役に立たず・後悔後を絶たず〜
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        • by Anonymous Coward on 2008年06月01日 21時23分 (#1354163)
          昔、純粋に科学技術としてロケット技術を他国に教えたら
          アメリカからえらく怒られたって話が有名ですよね。
          今となっては笑い話でも、当時としては研究を抹殺されかねない
          一大事だったとか。

          まあ、科学者として付き合ってて、相手の国にいざ行ったときに
          相手が軍服着てたって話もあったようですし、この辺の分野は
          国家安全保障ド真ん中の機密事項ですよね。
          親コメント
          • by Anonymous Coward

            問題になったのは宇宙研の固体ロケットを輸出するという話なので、アメリカから供与された技術じゃないけどな。

            Wikipedia [wikipedia.org]にも載ってる(カッパロケットのあたり)。

            • by qem_morioka (30932) on 2008年06月02日 13時08分 (#1354580) 日記
              でも、その血筋をもつM-Vの

              世界最大級の固体燃料ロケット

              ってのは、いいなあ。素直に良いと思うよ。
              うまく制御しつつ飛ばす優等生な液体燃料ロケットに比べて、
              なんか、こう、暴れ馬というか、なんというか、
              ツンデレ気味なところが萌えないか?

              #燃えたら困りますね
              親コメント
        • by Anonymous Coward
          つか液体ロケットの基礎技術って「ナチスドイツのV2ロケットの設計図と実装ノウハウ」のことでしょ。これが軍事技術以外の何なのかと。
      • by albireo (7374) on 2008年06月02日 12時42分 (#1354557) 日記
        さらにいえば基礎データだけじゃロケットは飛ばないってことです。

        ノズルの形状とか各部品の配置とか配管の取り回しとか、「こうなってる」というのはわかっても「なぜこうなのか」というのはそうそうわかりません。
        そこにたどり着くまでに、どういう案が出てどれを実際に試して、その結果どういう理由で今のものが採用されたのか。
        そんな細かいところまではそう簡単には教えてくれないので、実績のあるものをそのまま使うだけならうまくいってもそこから改良しようとするとなんにもわからないとか。

        アメリカのロケットをベースにした旧NASDAとペンシルロケットから試行錯誤を積み重ねていった旧ISASでは、同じロケットと言ってもそこにたどり着くまでの方法論や開発思想に大きな違いがあるので「それぞれの技術を統合してもっといいものを」という素人なら誰でも期待することが、現実にやろうとするととんでもなく大変なようです。(よく言われるように感情的な対立もあるけど、それだけの問題じゃない)
        --
        うじゃうじゃ
        親コメント
      • > アポロが月に行ったのは1969年。この時点で既にアメリカは液体燃料のロケットを使っていたはずで
        > ところが日本が液体燃料ロケットの開発に「基礎」研究含めて動き出したのは1971年とある。
        > この手の「基礎」研究の成果は、つまり国が囲い込んで世界的に共有されないのか?「基礎」研究であっても?

        質問の意味が良く分からないけど、NASDAが最初に打ち上げたN-Iロケット [wikipedia.org]は、アメリカの技術を導入してたので、日本とアメリカの間での共有はされていたといえる。
        一方、日本が自主開発した成果を外国と共有する場合、武器輸出三原則に抵触するという指摘があるけど、民生用のロケットに当てはまるかは疑問だと自分は考えている。
        あと国際宇宙ステーション計画などでは、アメリカ、EU、ロシア、日本などが共同でプロジェクトを進めているので、宇宙開発全般については共有していく方向だと思う。
        --
        I'm out of my mind, but feel free to leave a comment.
        親コメント
  • 以前 (スコア:3, すばらしい洞察)

    by piper (15067) on 2008年06月01日 8時41分 (#1353907) 日記
    GXロケットを新規開発するよりもM-V [wikipedia.org]改造のほうが安上がりだと
    以前スラドにありました [rikai.com]がしますが・・やはり予感的中ですか。
    • by Anonymous Coward
      加速度の厳しいM-Vでは商用利用は不可能です
      とてつもないディスカウント価格でも提示出来ない限り顧客は他の既存のロケットに流れていきます
      • by Anonymous Coward on 2008年06月01日 13時01分 (#1354010)
        M-Ⅴ低コスト化改造案で性能を向上しつつ打ち上げコストを
        引き下げる手法として、
        一~二段目の素材変更と製造法の見直しによるコスト削減。
        能力向上には三段目~キックモータの液体エンジン化という事が
        考えられているようです。

        固体故に燃焼を調整できないM-Ⅴはミッションに応じて制作時から
        様々なカスタマイズを施すのですが、これもコストに響いているでしょう。
        さらに宇宙空間を飛翔する三段目以降も含めて液体燃料と比べ比推力が小さい
        固体ロケットにするメリットは薄いです。

        見方を変えるとM-Ⅴは全段を固体に拘っているが故に
        真の実力を発揮し切れていないのです。

        液体エンジン化による上段ステージの比推力向上は
        性能にかなり効いてくるはずです。
        M-Ⅴの泣き所と言われる加速度の厳しさですが、
        聞いた話によれば、衛星にとってはM-Ⅴは打ち上げ時の加速度よりも
        三段目の振動が厳しいのだとか・・・・。
        そこを液体エンジン化すれば泣き所も改善できると思いますね。

        当初の見込み通り、地球低軌道投入ペイロードは3トンの性能を持ち、
        価格を20~30億円程度のロケットに出来ればロシアのロケットに対抗できるとの事。
        キックモータを搭載すれば惑星探査ミッションも可能。
        GXが霞んで見えるロケットになります。
        親コメント
        • > 一~二段目の素材変更と製造法の見直しによるコスト削減。
          > 能力向上には三段目~キックモータの液体エンジン化

          > 価格を20~30億円程度のロケットに出来れば

          そういうレベルの改造を普通は新規開発と言います。つか元のM-Vで残る部分無いじゃん。
          そして、M-Vの1段目M14と同サイズのモータケースをCFRPで作ったのがSRB-Aのそれです。
          親コメント
          • by Anonymous Coward
            だから何だ?
            • by Anonymous Coward
              それは「M-Ⅴ低コスト化改造案」ではなく「新規開発案」だって、
              書いてあるように俺には読めるが、貴方には読めませんか?
              • by Anonymous Coward
                でっていう
              • by Anonymous Coward
                別ACだが俺にもちゃんとそう読める
              • by Anonymous Coward
                主旨を明らかにしてやってくれって。
                無視されるだけでしょ?
        • by Anonymous Coward
          打ち上げロケットとしての性能とかコストとは別に、固体ロケットの技術を維持する必要性というものもあったと思うけど、3段目を液体エンジン化するってのはその点で見て問題無いものなんでしょうか?
      • by Anonymous Coward
        M-Vの発射時の異様な加速度というか振動は、M-Vの噴射炎の吹き返しが原因で、発射台の下を堀抜けば解決したんだよね・・・。

        その予算が出なかったらしいけど。
  • クリティカルで、しかもコストが重視されている案件なら、枯れた技術を採用するのが常道じゃないですかね。
    新技術開発は立派だと思うけど、それは代替策があるときにおこなうべきなんじゃないかと。
    • by Anonymous Coward
      つまりクリティカルではなく、しかもコストが重視されていなっかたという事ですよ。
      ・・・偉い人の脳内では。

      あえて言うとLNGエンジン自体はこのくらい時間かかって当たり前だと思うし、
      やっと目鼻がついてきた所なのでもったいないですね。

      #儲かりそうだからとナメてかかって請けてくれた仕事でよく散々な目にあうのでAC
  • by qem_morioka (30932) on 2008年06月01日 8時21分 (#1353904) 日記
    なんだろう、こういった出口が見えにくいプロジェクトって本当に
    失敗しやすいなあ。

    既存技術の積み重ねよりも、開発案件が多いプロジェクトって
    どうも失敗ばかりという印象があるけど・・・・

    うまくいったとしてもさ、
    「伝説の技術者が立ち上がった」なんて個人頼みになってしまうのが
    日本なのかなと思うよ。
    • by Anonymous Coward
      どの世界でも個人頼みですよ。
      どうせ組織なんて有能な人間にぶら下がるためのものなんですから。
      • by Anonymous Coward
        そのぶら下がり方が問題なんじゃないかと。
        有能な人間が自分で全部やってしまうか、バカでも出来るように工程を決めてこき使うかの違い。
  • 関係者へ (スコア:1, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2008年06月01日 9時32分 (#1353921)
    失敗知識データベース [jst.go.jp]への登録よろしく.
  • by Anonymous Coward on 2008年06月01日 12時07分 (#1353984)
    去年7月に「石川島播磨重工業株式会社」から「株式会社IHI」に名称変更してます。
  • 前に開発縮小ニュースが出たときにはもう予測できてたけど、
    Εロケット(仮)案が出てきた時点でもう役目終わってたでしょう。
    松浦さんのところだと思うけど、コスト削減のために既存の物をまんま流用しようとすると逆にコスト高になる事が多い様な話が。
    ポストJ-1ロケット? [www.jaxa.jp]

    ΕロケットもSRB-Aだか何か流用するらしいけど、そろそろ何の制限もなく彼らにロケット開発させてあげてほしいもんだよ。

    #J-1、GX、Ε。そんなにH-2Aが好きかおまいら [www.jaxa.jp]
    --
    ヽ(・Д . )ノ
    • by Anonymous Coward
      Εロケット(仮)なんてものは存在しませんよ
    • by Anonymous Coward
      >ΕロケットもSRB-Aだか何か流用するらしいけど、そろそろ何の制限もなく彼らにロケット開発させてあげてほしいもんだよ。

      逆に海外では出つつある様に、素直に企業化して自らの業務に即した設計ってのを出来ないのだろうか?

      ぶっちゃけ、お役所が概要決めてそれぞれの企業に仕事を出すって現状のやり方では、思い切った設計も出来ないんじゃないかな。

      • by Anonymous Coward
        起業してやっていける技術とセンスを持った人がいるなら、勝手にやればいいんじゃない?
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アレゲはアレゲ以上のなにものでもなさげ -- アレゲ研究家

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