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アレゲなニュースと雑談サイト

mhattaによる 2008年06月04日 12時00分の掲載
これからはヤクルトを毎日飲むか部門より。

insiderman 曰く、

「善玉菌」などと呼ばれている特定のバクテリアを含む飲料を服用することで、花粉症の原因となる免疫反応を抑えることができたという実験結果が、イギリスの研究者によって発表されました(Rautersの記事原論文)。

この発表を行ったのは、英ノリッジ食品研究所のClaudio Nicoletti氏ら。花粉症を患っている被験者にカゼイ菌を含む乳製品飲料を5か月に渡って毎日飲用させ、その血液を調査したところ、アレルギーを引き起こす抗体の数がカゼイ菌を服用していない被験者と比べて少ないレベルになる、という結果が得られたそうです。さらに、アレルギー反応を防ぐ役割を持つIgGと呼ばれる抗体の数はより増加していたそうで、これらの変化により花粉症の症状を低減することができるとのこと。

日本でもヨーグルトや乳製品が花粉症に効くという話はよく言われていますが、その効果が正しく実証されたということで、これを活用して花粉症の特効薬などができるとよいですね。

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この議論は賞味期限が過ぎたので、保存されている。 新たにコメントを書くことはできない。
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  • ヤクルト? (スコア:3, 興味深い)

    Livingdead (18685) : 2008年06月04日 12時21分 (#1356156) ホームページ 日記
    都市伝説かもしれないけど、ヤクルトの選手は花粉症が少ないってのを以前聞いた。
    もしかしてヤクルトの選手にはただでヤクルトが配られるのか?
    って、ここでいう「カゼイ菌」とヤクルト菌(代田株)とは違う?
    --
    ペーストビン [windy.cx]
  • 原文にはLactobacillus casei Shirota (LcS) と書いてありますから、
    ヤクルトの乳酸菌とおんなじ物でしょう。

    #よく知らないのですが、L・バチルスナントカ株まで厳密に書くものなんですか?
    --
    ____
    #風邪をひきました、脳が故障しています
    #残念ながら仕様です。
  • Re:ヤクルト? (スコア:5, 参考になる)

    y_tambe (8218) : 2008年06月04日 13時54分 (#1356237) ホームページ 日記
    まぁ普通は、細菌についても、論文タイトルとか本文中では学名(Lactobacillus casei)だけで、菌株名はMaterials(実験材料)のセクションに書けばいいです。ただ、特殊な菌株を使ってたり、菌株の違いに意味があるような場合というのは別ですが(例えば、大腸菌K12株の全ゲノムを解読した、とか)

    シロタ株は、いわゆるプロバイオティクス用として選別して作成した菌株なんで、通常に分離されるL. caseiとは性質が異なる部分がありますから、そう考えれば菌株名を書くことに理由は付けられます。ただまぁ、タイトルには付けない方がむしろgeneralな話として広げられるんだけどなぁ…という部分はありますけどね。

    実は、わざわざ付けてるのは、ぶっちゃけて言うと宣伝的な意味があるというか。原報のAcknowledgementsにはちゃんと(というか)日本のヤクルト本社がスポンサーについてることが書かれてます。

    なんか、こう言っちゃうと「企業&御用学者の研究発表か!」みたいに、穿った見方をする人もいるだろうとは思うんですけどね。ただまぁ、ヤクルトは起業時の経緯なんかもあって、日本や世界の腸内細菌研究の発展に貢献した企業なんですよね。特に、日本で医学微生物学を研究しているラボは、最近では感染症の危険性がまた見直されてるとは言え、一時期(それこそWHOによる天然痘撲滅宣言の影響などから)「もう必要ない学問」として研究費配分が大幅に減らされ、正直、存続できないような状況に立たされたわけでして。そのときに、ヤクルトなどからの助成金に救われたところも少なくなかったり…。まぁ何にせよ、日本の微生物学研究を支えてきたところだ、という点については動かしがたいものがあるところです。
  • Namany (19002) : 2008年06月05日 14時53分 (#1357121) 日記
    >花粉症は本当に辛いものらしいからね。高価な薬を服用したり毎日マスクやゴーグルを
    >装着して不審者みたいな格好で通勤通学するくらいなら、ヤクルトを飲む方がずっと楽
    >だし安上がりなのでは。

    症状が酷いと「高価な薬を服用」して「不審者みたいな格好で通勤通学」しても耐え難いので、ヤクルトごときで代用になるとは思えません。
    「高価な薬を服用」して「不審者みたいな格好で通勤通学」した上でさらにヤクルトを飲むことになります。

    #最近も杉ほどではないけど症状があるので、たぶんカモガヤ花粉が飛んでいるんだろうなぁ
  • Anonymous Coward : 2008年06月04日 12時34分 (#1356170)
    マジにヤクルト製品は飲み放題?みたいですよ。
  • 一方○○では (スコア:1, おもしろおかしい)

    Anonymous Coward : 2008年06月04日 14時12分 (#1356251)
    よし、じゃあウチは新聞読み放題でどうだ!
  • Re:ヤクルト? (スコア:1, 参考になる)

    Anonymous Coward : 2008年06月04日 13時35分 (#1356227)
    クラブハウスにヤクルト製品が大量に置いてあるから持ち帰り自由の飲み放題だそうです。

    いつだかTVでヤクルトの選手が言っていたのを見た気がします。
  • 特効薬作るよりも (スコア:3, すばらしい洞察)

    Anonymous Coward : 2008年06月04日 12時26分 (#1356160)
    原因である手入れされてない森林の整備にお金を使ってくれないのでしょうか。
    杉や桧の花粉以外は低減されませんが、杉花粉による経済損失考えれば2年もあれば元取れると思うのですが。
    患者数の算出は厚生労働省で経済損失の算出は経済産業省で実際に整備事業するのは農林水産省だから無理ですね、
    じゃなくて、それをやらせるのが政治家ってモノじゃないんですかね?
    整備する会社に政治家の親族送り込めばやるんでしょうか。
  • Anonymous Coward : 2008年06月04日 16時15分 (#1356326)
    実は、お金は出てるんだけど全部ダムに消えてます。
    治山 ダム でぐぐればいくら位でてるかもわかっていただけるかと。
    ちょっとでも回ってくれば、整備ができるんですが・・・
  • Anonymous Coward : 2008年06月04日 21時52分 (#1356566)
    最近は間伐材を使用した治山ダムが作られるようになりました。
    もちろんすべての治山ダムが間伐材を使用したものではないのですが、このような取り組みが行われているのは知っておいたほうがよいかもしれません。

    治山ダムは農林事務所の所管です。農林事務所では植林された杉やヒノキの間伐が必要なことはもちろん把握しています。そのため間伐材を利用した治山ダムは、間伐と治山ダムの資材の調達ができるという一石二鳥の解決法となっているようです。
  • 管理されていない杉林を破棄し、自然林に戻すことができれば、
    <<略>>
    消費税増税とか言う前に、杉林を焼き払うなり何なりしてください。
    杉林を焼くだけじゃ自然林にはならないよ。植林せずに自然林になるまで放置するの?
    いくら杉林が防災・保水能力が低いと言っても、ゼロではないんだから、単に焼き払うだけでは問題が出るよ。
  • Ryo.F (3896) : 2008年06月04日 13時19分 (#1356209) 日記

    花粉症の患者って減るの?
    花粉症って治るの?
    アレルギー体質はそう簡単に治るもんじゃないけど、花粉が減れば発症する人も減る。それで十分じゃない?
  • Alef_F (27309) : 2008年06月04日 13時43分 (#1356230)
    話半分で聞いてもらいたい話ですが、漫画家の赤松健のアシスタント氏が、一年間毎日ヨーグルトを食べ続けて花粉症を治した [hatena.ne.jp]そうな。

    2005年5月号の日経サイエンスに、腸内細菌叢のバランスを変えることでアレルギー体質を改善可能であるという研究結果が載ってましたので、まるっきりの嘘ではないでしょう。
  • てめぇの土俵でならもうやってる [tokyo.jp]。

    #後の自治体がやるかどーかは別問題ですけどね。
    --
    「なんとかインチキできんのか?」
  • 私はちょっと楽観視してる。というのも、アジアの経済規模の拡大と原油高という流れがあるでしょ。
    世界の木材需要ってかなり進んできていて、すでに九州などではけっこう杉を輸出し始めている
    らしいよ。台湾や韓国、中国は木材の自給がほとんどできないし、ヨーロッパでは高級品としての
    需要があるそうな。カナダなどの輸出国からアジアに運ぶより日本から成長著しい東、東南アジア
    に運んだほうが、原油高の折、輸送費でかなり有利らしい。
    食料にしても減反なんかやってる場合じゃなく、すでに世界的に食糧不足になってきているから、
    日本もそろそろ農業や林業に本腰を入れたほうがいいんじゃないかな。

    --
    〜◍
  • いやまったく荒れた山は悲惨ですね。
    十年前の台風の倒木も手付かずってところも多いです。
    (倒木の処理ほど困難なことはないし)

    ただ、まだ少しは手入れされた山の杉が、切り出せば商品になる時代がようやくやってきました。
    米余りで減反していた状況も、世界的な食料の高騰で変わってきているようです。
    アジア経済の活発化や原油高、環境問題などで、今まで商売にならなかった第一次産業が
    また息を吹き返すのはいいことだと思うんですよ。
    木材にしても食料にしても、できるだけ自給するに越したことはないですし、雇用の拡大や
    高齢者の就労にもつながりますしね。
    田舎暮らしの生計が立つってのはいろんな面で悪くないと思います。
    --
    〜◍
  • 道路財源をすぐにほかの用途に振り分けることはできないんです。
    道路財源の主な使い道は、道路整備のために行った借金の返済ですからw

    今から道路の建設をやめたとしても、借金の返済が終わるのは数十年後
    なので、数十年は道路財源を維持する必要があります。
    --
    という話をTVで政治家がしているのを聞いて、めちゃくちゃ鬱になった。
  • 私の場合、生活環境変えたら治りました。
    鼻がひどかったのですがいつの間にか薬いらずに。

    結構生活パターンで健康に影響するんだなと実感しましたね。

    まずは腸内環境の改善を始めてみては如何でしょうか。

    それほどコストが高いわけでもないわけですし。

    あ、ヤク○トの回し者ではないですよ。
  • YOUsuke (6796) : 2008年06月04日 13時35分 (#1356224) ホームページ 日記
    イギリスにも花粉症ってあるんだ・・・
    --
    妖精哲学の三信
    「だらしねぇ」という戒めの心、「歪みねぇ」という賛美の心、「仕方ない」という許容の心
  • イギリスの花粉症は杉とか檜とかは主力じゃなくてイネ科の花粉みたいですね

    でもって、呼び名も(タレコミのリンク先にもありますが)hay feaverで日本語では枯草熱
    スタニスワフ・レムに同名の小説があったりします

    で、あっしも花粉症なんですが発症するのがもっぱら夏の終わりから秋にかけてなので
    枯草熱なんです、多分
  • SteppingWind (2654) : 2008年06月04日 18時17分 (#1356399)

    これにブタクサを含めると世界三大花粉症 [health.ne.jp]だとか.

    # 一時期セイタカアワダチソウも間違えて花粉症の原因と言われてましたね.

  • 腸と鼻 (スコア:2, 参考になる)

    Anonymous Coward : 2008年06月04日 15時56分 (#1356308)
    腸内細菌を摂取すると鼻炎に効果がある理由がわかりません。 ただ善玉菌を採る事で体調がよくなっただけ、って訳じゃないのかな。 要約の中には、免疫関係の細胞が花粉に対してあまり反応しなくなるとか、IgE濃度が下がるとかは書いてるけど、 症状が改善したとは書いてないんですよね~。 あと「アレルギー反応を防ぐ役割を持つIgG」ってのは間違いです。 Ⅱ型とかⅢ型アレルギーとかはまさにIgGが原因のひとつなので、せいぜい「花粉症の症状を防ぐかもしれないIgG」にしておいたほうがよいですよ。(Wikipediaにすら書いてあったです。)
  • Re:腸と鼻 (スコア:5, 興味深い)

    y_tambe (8218) : 2008年06月04日 17時10分 (#1356360) ホームページ 日記
    >ただ善玉菌を採る事で体調がよくなっただけ、って訳じゃないのかな。
    いや、その「だけ」っていうことの方がよくわからんのですけどね。

    一応、「鼻炎」というか、花粉症(その他、アトピー性皮膚炎とかのI型アレルギー全般を含む)に関しては、その根治療法につながることが期待されてる「Thバランス仮説」ってのがありまして。

    そもそも花粉症などのアレルギー(I型アレルギーと分類される)がなぜ起きるのか、というと、花粉に含まれる何らかのタンパク質に対する抗体が血中にたくさん増えるから、です。この抗体は、そのタンパク質と結合するものなら、何でもそうなるのか、というとそういうことはなくて、抗体の中でも特にIgEと呼ばれるタイプのものが問題になります。IgEは、アレルギーを引き起こすようなタンパク質(アレルゲン)と結合する傍ら、もう片方では(抗体分子のFc領域)では、マスト細胞とか肥満細胞とか呼ばれる、血液中の細胞と結合します。IgEを介して、アレルゲンがマスト細胞と結合することで(正確には、マスト細胞表面に結合しているIgEに、アレルゲンが結合し、細胞表面のIgEが架橋されることで)、マスト細胞が活性化されて、その細胞内にある顆粒から、ヒスタミンなどの、いわゆるアレルギー物質(ケミカルメディエーター)が細胞外へと放出されます。これが、くしゃみとか鼻水とか痒みとか、花粉症の諸症状の直接の原因になるわけです。(なので、抗ヒスタミン薬とか、ケミカルメディエーター遊離抑制剤なんかを対症療法的に用います)

    で、このマスト細胞の表面に結合するのは、確かに一部のIgGなども含まれますが、そのほとんどはIgEです。大部分のIgGやIgMなど、他のタイプの抗体は結合しません。またこういった抗体というのは、「抗体産生細胞」とか「形質細胞」とか呼ばれる、B細胞というリンパ球が分化して出来た細胞から産生されるのですが、最初の段階では、そのB細胞が「どのタイプの抗体」を作るか、というのは決まってません。ここがミソでして、B細胞が分化する過程で、「花粉と反応するIgG」を産生する細胞にたくさん分化していけば、その分「花粉と反応するIgE」を産生する細胞は減少する、というわけです(かなりおおざっぱな説明ですけど)。

    じゃあ、このB細胞の分化をコントロールしてるのは何かというと、それはサイトカインと呼ばれるタンパク質群です。サイトカインは体内のいろんな細胞、特に免疫に関わる細胞が分泌するタンパク質で、非常にたくさんの種類があり、俗に「サイトカインネットワーク」と呼ばれるように、それぞれが複雑に相互作用しながら、互いにコントロールしあってます。が、これまた非常におおざっぱに言うと、インターフェロン(IFN)と呼ばれるものが、B細胞をIgG産生細胞に、インターロイキン4(IL4)がIgE産生細胞に、それぞれ分化させます。そして、これらのサイトカインを産生するものとして、前者はヘルパーT細胞のタイプ1 (Th1) 、後者はタイプ2 (Th2) が知られています。このどちらが優位に働いているかによって、B細胞の分化のバランスが変化し、それによって血中のIgE濃度が下がれば、I型アレルギーの「根治的な」治療につながるだろう、というのが、もう10年以上前から言われている、Th1/2バランス仮説というヤツです。

    「でも、そんなこと可能なの」というのは、もっともな疑問だと思いますが、Thバランスが変化しうるだろうってこと自体には、一応裏付けがありまして。例えば、昔から医療用、実験用の抗体(抗血清)をウサギなんかに作らせるとき、抗原を吸着させて投与する「アジュバント」ってを利用するのですが、このアジュバントの種類によって、IgGとIgEのどちらを増やすかコントロールできることが知られてます。一般的に用いられるフロインド完全アジュバントは結核菌死菌成分と鉱物油からなりますが、これを用いるとIgGが増えやすくなるし、一方、水酸化アルミニウムゲル(アルミナ)を用いるとIgEを作りやすくなるなど、何らかの条件によって、できる抗体のタイプをコントロールすることは可能だと。また、寄生虫感染のときにはIgEが優位に増えてくることも知られてまして、そういう「体内に感染する微生物」の種類も、Th1/2バランスに影響するんじゃないか、と考えられてるわけです。

    腸内細菌との関係について言うと、近年「腸管免疫」と呼ばれる免疫機構の解明も進んできてまして、消化管の内部に存在するものの一部がM細胞という腸管の細胞を介して、マクロファージなどに取り込まれ、それに対する免疫反応が起こりうるというメカニズムが判ってきてます。なので、腸内細菌叢の状態がTh1/2バランスにも影響しうる、というのは、まぁちょっとばかし飛躍しているとは言え、ありえないとも言い切れないくらいの考え方です。ただ、じゃあ腸内細菌叢がどうなったら、Th1優位になって花粉症が軽減するのか、また実際にはどれくらいの効果があるのかについては、まだ何の手がかりもなかったわけで。今回の研究は、実際のヒトでの研究結果として、その第一歩と言えるものだと言えます。
  • Re:腸と鼻 (スコア:1, 興味深い)

    Anonymous Coward : 2008年06月04日 19時06分 (#1356435)
    ご説明ありがとうございます。
    私がy_tambeさんの引用部で言いたかったのは、花粉症の症状軽減策として、休養したり運動したりと、健康的な生活を送ることが言われていて、一方で善玉菌は体を健康にするのだから、善玉菌を採る→健康になる→花粉症緩和であって、善玉菌を採る→花粉症緩和ではないのではないか、つまり、善玉菌が花粉症の特効薬なのではなく、(これまでいわれている通り)善玉菌を採ることを含めた「健康的な生活を送ること」こそが花粉症対策に繋がる、というのがこの研究でわかったことなんではないのか、ということです。
    で、引用部の前文と関わるのですが、もし善玉菌を採り、腸内細菌のバランスがよくなり、Th1/2細胞のバランスがよくなったとして、その腸内の変化がどうして鼻まで伝わるのかがよくわからないのです。
    Th1/2細胞のバランスが血流にでも乗って徐々に伝わっていくのでしょうか。でもそれだったら、体全体のバランスがよくなるはずで、(花粉症の症状緩和も含めて)体が健康的になるということのはずです。
    もっと直接的に花粉症に影響する証拠があるのでなければ、善玉菌'が'花粉症の症状を緩和する、とはいえないんじゃないか、と思います。

    #血中IgGが増加しているのに、FcgRをもってる単核球の反応が抑えられてるのは何でなんだろうか。
  • Re:腸と鼻 (スコア:2, 興味深い)

    y_tambe (8218) : 2008年06月04日 20時22分 (#1356489) ホームページ 日記
    >一方で善玉菌は体を健康にするのだから

    んーと要するに、上で引用した意図というか、ツッコミどころはここなわけです。「善玉菌」というものが存在するということと、それが「健康にいい」ということ、この二つの前提が「ホントウにそうか?」ということ。

    これを「ホントウにそうだ」というためには、医学的/科学的な立場から実証しないといけないわけですが、そうなると結局のところ、順序が逆であることに気付くはずなんです。例えば「乳酸菌を採ると○○の症状が緩和された」「△△の症状も緩和された」「××を発症するリスクが下がった」 → 「乳酸菌は健康にいい」 → 「乳酸菌は善玉である」、という具合でなきゃならないわけで。今回の報告ってのは、要するに、その「○○」に「花粉症」が入っただけの話です。で、乳酸菌が「健康にいい」とか「善玉」というのが、そもそも十分に実証されてるわけではありません(つーか、そういう医学的に曖昧な指標をどうやって定義し、測定するというのか、という問題があるわけです)。

    「善玉」とか「体にいい」という考え方も、いわゆる「善悪二元論」というヤツで、とにかく分かりやすいのだけど、それが真実かどうかは判らないし、却って物事の本質を見誤ることがあります。そこを出発点にして議論するのは危険ってヤツです。
  • >もし善玉菌を採り、腸内細菌のバランスがよくなり、Th1/2細胞のバランスがよくなったとして、その腸内の変化がどうして鼻まで伝わるのかがよくわからないのです。

    Th1/2細胞は、そもそも血中のリンパ球(Tリンパ球)の一種です。ヘルパーT細胞、あるいはしばしば「免疫の司令塔」なんて喩えられることもあります。ヘルパーT細胞が産生するサイトカインが、免疫系の全体を左右すると言ってもいい存在なので、その作用はもちろん鼻を含めた全身に及びます。

    #ただまぁ、だからといって「体が軽くなった!」とか「朝からしゃきっとする!」などのような、「健康情報番組」的な意味での
    #「体全体のバランスを良くして……」なんていう、ものではありませんが

    花粉症に伴うアレルギー性の鼻炎も、上で説明したように、鼻から侵入した花粉(アレルゲン)が、鼻の粘膜のところに来たマスト細胞上のIgEと結合して、そこからケミカルメディエーターが放出されることによって起きると考えられてます。なので、血清中の花粉特異的IgEの量自体が減少すれば、その反応も和らぐ、ということになります。

    問題はむしろ「腸から血中」、つまり「消化管の中(=体『外』に当たる)にある抗原が、ちゃんと血液中のT細胞などに認識できるようになるのか?」というところなんですけど、そこらへんを効率よくつなぐシステムとして、上で述べたような腸管免疫のシステムが注目されている、というわけです。

    #サブジェクトに意味はない
  • Re:腸と鼻 (スコア:4, 参考になる)

    y_tambe (8218) : 2008年06月05日 2時06分 (#1356728) ホームページ 日記
    んー、いや、だから「健康にいい」って何ですか? ってことなんですよ。「血中コレステロールの増加を抑える」ってことを実験的に証明したとして、それから言えることは「血中コレステロールの増加を抑える」ってことだけなんです。

    特保に関しては、そういういくつかの実験を行って効果が証明できれば、「その効果について」宣伝的に述べることが許可されるのであって、無制限に「善玉」だとか「健康にいい」と標榜していいってわけではないんです。そもそも、「血中コレステロールの増加を抑えるけど、糖尿病のリスクを上げる」なんて可能性もないわけではないのであって、「善玉」とか「健康にいい」なんていうのは、そこらへんを網羅的に検証しつくした上で、ようやく言えるような性質のものなんです。そこらへんを、きちんと検証する前に色々言ってしまうと、それこそそこいらの「怪しげな健康食品」と変わらなくなっちゃいます。
    「腸内環境を改善するシロタ株を摂取することは、健康状態をより良くし、花粉症の症状を抑える」というけど、その「健康状態がより良くなる」というのを、そんな曖昧で「医学的でない」表現でなく、具体的に何がどうなったことをもって「健康状態がよくなった」と言うのかを、明確にしてもらえませんか?とか 「腸内環境の改善」なんてのも同様に、それが実際にどういう状況を指しているのか、具体的に述べることができるでしょうか?とか、私が指摘してるのは、そういうことなんです。

    これが単なる世間話の一つならば、そこまで追求することはありませんけど、まぁそもそもがきちんとした医学研究の話なので。上述のように、ヤクルトはプロバイオティクスについて非常に真剣に研究しています。もちろん「善玉菌」のような言葉を広めたのもヤクルトではあるんですが、それを広めたものの責任として、単に「善玉菌」という言葉のイメージだけで商売していこうとするのではなく、きちんとした科学の俎上で研究しようとしているわけですので。こちらとしても、それを正面から受け止めて「医学研究」という観点から評価するのが、まぁ礼儀かな、と思ってる次第です。
  • >ある物質が、下痢気味とか、便秘気味、という健康状態が、形がよくなったり、回数が増えるたりするようなら、その物質は健康にいい、と考えています。
    >排便回数の改善、便性状の改善等が確認された、等書いてありますが、これらは医学的ではないのでしょうか。

    もちろん医学的ですし、科学的です。ここらへん誤解されてるのかもしれないけど、腸内細菌叢の状態が、その人の健康状態に何らかの作用を及ぼす、というのは、私も否定するどころか、正しい考えだと思ってます。しかし、それは「排便回数や便性状の改善」であって、それを「健康にいい」と表現することは、その人の考えを大いに含んだ「意見」とか「推論」に当たるもので、「科学的に観測可能な事実」とは言えないんです。

    #まぁ医学的・科学的な話をする際には「事実と意見を分けて述べよ」(木下是雄『理科系の作文技術』)ってことで、このポイントは問題にしますけど、一般に語る分だけなら「♪トクホだーかーら、カラダにいい」と歌おうが別に構わないんですけどね ^^;

    加えて、その「何らかの作用」が別の作用と関係があるかどうか、これも明らかではないのです。例えばそうだなぁ、この食品を食べると「排便回数の改善」が見られるから、これは「健康にいい」。だからこれを食べてれば、「肺がんにも、胃癌にも掛かりにくくなり、インフルエンザにも、SARSにも、はしかにもかからなくなり、みんな100歳まで生きられる」とか主張したとしたら、さすが変だと思いませんか? この最後のヤツが「花粉症による鼻炎」になるのも、実は同じように「変な」ことなんですよ。

    おそらく「体の調子が『なんとなくいい』と感じられるときには、花粉症の症状も軽く感じられる」という経験則があって、その「なんとなくいい」状態になることに、プロバイオティクスが寄与するんじゃないか、と考えてるのだと思うんですが、その「体の調子がなんとなくいいときに、花粉症の症状が軽く感じられるのは、どういうメカニズムによるものなのか」とか「プロバイオティクスが寄与して生じる(と考えられる)「なんとなくいい」状態と、花粉症の症状を軽くさせる状態は、果たして同じ状態のことを指しているのか」ということを、「科学的に証明」できない以上、それは「科学的な説明」としてのロジックはつながらないんです。
    「排便回数の改善」が見られることが、どう回り回ってきたら「鼻炎」を抑えることになるの? ということを「科学的根拠を伴った上で」説明できるメカニズムがなければ、「科学的」には「通用しない理論」でしかないんです。便秘の人は世の中にたくさんいるけど、その人たちが便秘のときにみんな鼻炎を起こしてるかというと、そんなことはないでしょう? たまたま風邪で鼻炎を患っている人がいて、その人を治療するために、「排便回数の改善」を目的とした治療を行うかというと、そういうことはないでしょう? 「科学的にメカニズムの解明を追求する」というのは、つまるところ、そういうことなんです。何らかの理論を立てたら、それを実証できなければいけない。その実証ができない限り、それは「正しい理論」とは言えないし、仮説のままです。

    まぁまだ実証されていない「仮説」という点では、Th1/2仮説にしても同じことではあるんですが、両者には決定的な違いがあります。それは「健康にいい」とか「なんとなくいい」というような、その人ごとに、どうにでも定義可能なもの指標にを持ってくると、その仮説は「反証不能」になりかねない、ということです。反証不能なものを含むと、それは科学ではなく疑似科学の範疇に入ってしまいます。

    これは、特に腸内細菌叢の研究では注意しなければならないところでして……というのは、「生きたヒトの腸内細菌叢」は大きな「ブラックボックス」だからです。糞便中の細菌組成は、下部消化管(大腸)の状態しか反映せず、上部消化管の状態を知るには、それこそ解剖でもするしかない。しかも下部に行くに従って、酸素のない嫌気的な環境となり、酸素に触れただけで死んでしまう偏性嫌気性菌が多く生息するようになるため、そこにいる菌をそのまま培養することも難しい。さらに、腸内細菌叢は動物種ごとに全く異なるので、実験動物を使った検証もできません。こういうブラックボックスがあるがゆえに、さまざまな仮説が飛び交っているのだけど、そのほとんどが実証されないままに今に至っている、という事情があります。

    さらに言うなら、そもそもの発端としてのメチニコフ(ヨーグルトを広めた研究者ね)の考え方に引きずられつづけるのもなぁ…というところもありますね。メチニコフやパスツールが唱えた「病気や老化は、腸内細菌が作り出す腐敗物質による」という考え方が、そもそもプロバイオティクスの根底にはあるのですが、実際に医学の進歩にしたがって、さまざまな病気が起きるメカニズムが明らかになると、例えば遺伝子の異常が本当の原因だったなど、結局のところそういった腐敗物質なり何なりが大きく関与してると、きちんと証明できたものはほとんどない、というのが現状なわけでして。

    #解釈を広げれば、腸管出血性大腸菌によるベロ毒素産生とか、ウェルシュ菌食中毒とかを含めてもいいだろうけど、これらはむしろごく一部の「特殊な疾患」状態のときだけしか通用しない考え方だ、というのが、むしろ妥当なところかと。

    結局、メチニコフらが考えていたように「あんな疾患にもこんな疾患にも大きく関与する」というものではなくて、ごく一部の疾患にしか関与しないか、あるいはそれ以外のいろんな疾患に関与するとしても、その寄与は当初考えられていたものよりはるかに小さく、他の要因の影に隠れてしまう程度のものだろう、というのが、これまでのさまざまな病気の発症メカニズムの解析から、次第に明らかになってきた、ということなんです。まだ可能性の残っていそうなところとして、「大腸がんの発症に、消化管内で生じる発癌性の化学物質が関与するのではないか」なんてのも言われてはいますけど、それもきちんとヒトの発癌と結びつけた証明はされていない(in vitroや動物実験レベルでは示唆する結果も得られているけど)わけでして。それもまぁとりもなおさず「ブラックボックス」を抱えているがゆえの悩みなんですが。

    #また疑似科学屋さんってメチニコフが好きなんだよなぁ……なんせノーベル賞学者(とは言え、受賞は細胞性免疫の発見によるもので、不老長生論とは関係ない)でハクが付けやすいからなんだろうけど。
  • むー、私の不徳のいたすところというか、上手く説明できなかったようで申し訳ないです。

    まだまだ精進が足りない。もう少し判りやすい話ができるよう努力します。
  • んーと、要は「表現の問題」のような気がしてきました。

    >その人は(排便回数においては)標準的であり、つまり(排便回数においては)健康である

    私の主張は、要するに「科学の場では」、「(排便回数においては)標準的であり、つまり(排便回数においては)健康である」と言うのではなく、はっきりと「排便回数においては標準的であり、つまり排便回数においては健康である」と言わないといけない、ということです。

    「(漠然とした表現で)健康である→花粉症の症状が和らぐ」は、何となくそうかな?、という気分になりがちなんだけど、これが「排便回数においては健康である→花粉症の症状が和らぐ」だと、何か変だな?、という気分になりませんか? ということでもあります。前者のトリックはしばしば「怪しげな健康商売」をやっている人がよく使う論理トリックでもあるので、「科学の立場で」説明するときには、こういう表現を使うことは避けた方がいいですし、消費者の立場からもしこういう表現を見たら「黄色信号」だと思った方がいいですよ、と考えてもいます。

    #なお、私はACさん(という呼び方も変か)が、そういう怪しげな健康商売に関わっている人だとは全く思ってませんし、非難しようとしてるわけでもありません。特に念押しする必要もないかもしれませんが、これだけは誤解して欲しくないので念のため、ということで。

    あと「健康にいい」という表現は、「科学の場では」やっぱり使わない方がいい、というか、それできちんとした論文書いたり、学会発表したりするときには、言い回しを考えて使わないといけない、というのはありますね。

    例えば、「排便回数や便性状の改善に寄与した(寄与します)」という言葉につづけて、「だから健康にいい(と言える)」と言いきるのは、一般人同士ならもちろんOKだし、医学というよりはむしろ「医療」よりの場、つまりお医者さんが患者に向けて説明する言葉だとか、あるいは一般向けの講演会などで喋る分には、まぁOKかな、と。ただこれが科学よりの場だと、下手にそう言うのはトラブルの元なので、「〜の改善を介して、健康状態の維持に貢献『すると考えられる』」、「することが期待される」、「する可能性が示唆された」などの言い回しに変えるのが普通かな。
    だいたいにおいて、基礎医学研究であっても、論文とか学会発表の「締めの一言」としては、自分の研究成果が「実際の医療にも役立つ」ことをアピールするというのは、まぁ普通は許容範囲にあたることです。ただ、この場合も、(先に述べたように)「そういう可能性もある」という著者の推論である、ということが判るようなかたちで(事実と意見を区別して)述べないといけないわけでして。

    あと、ここらへん、科学者が「理科系の文章」の中で「可能性が示唆される」と言っている場合は、本当に文字通り「可能性が示唆されてる」というだけの意味しかないのだ、という点については、読む側にも注意が必要なんですよね。新聞記者なんかですら、ここらへんを正しく読み解けずに、的外れな科学記事を書いたりするケースもまま見られますから。前述の『理科系の作文技術』でも、「日本人は、そもそも事実と意見を区別するというトレーニングが不足してる」旨が指摘されてたりしますし。