ウイルスの自己複製システムを乗っ取って複製する新種ウイルス 23
ストーリー by mhatta
ぼくらはみんな生きている 部門より
ぼくらはみんな生きている 部門より
capra 曰く、
大腸菌の1/50ほどの大きさもある、ミミウイルス(mimivirus)という最大級の大きさのウイルスが存在しますが、パリの冷却塔でこのミミウイルスの新種が発見されました。ミミウイルスよりも少し大きかったためママウイルス(mamavirus)と命名されたこのウイルスを観察したところ、ママウイルスの自己複製システムを使って複製する新種のウイルスが発見されたとのことです。人類初の無人人工衛星にちなんでスプートニクと名付けられたこの新種ウイルスは、ママウイルスがアメーバに感染する際アメーバ内に作る自己複製システムを乗っ取ることで自己複製を行うとのこと。
単体のウイルスがウイルスに「感染」するというわけではなく、あくまでウイルスに感染したアメーバ内の自己複製システムを乗っ取るという形ですが、ママウイルスとスプートニク両方に感染したアメーバでは、ママウイルスは正常に自己複製できなくなってしまうため、ウイルスがウイルスに「感染」して「病気になる」として、ウイルスが生物かどうかという議論に波紋を広げそうです(naturenews記事、Telegraph記事、本家/.記事より)。
The fact that it can get sick makes it more alive? (スコア:2, 興味深い)
「機械は考えることができるのでしょうか」
「どうでしょうね。潜水艦は泳げますか?」(エドガー・ダイクストラ)
Re:The fact that it can get sick makes it more ali (スコア:1, おもしろおかしい)
そうですね。Windowsのブルースクリーンも「Meタンが病気になった」と思えば
やさしい気持ちになれそうです。
なれねーよ。
Re:The fact that it can get sick makes it more ali (スコア:0)
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
表現上のレトリックを使ったからといって、それが、何らかの新たな事実を見つけ出す
ことにはならないのでは。
でも、生物かどうか、という議論が、事実に関する議論じゃなくて、「生物」という
言葉の定義や意味合いに関する議論なのなら、話は別だと思います。
Re:The fact that it can get sick makes it more ali (スコア:2, 興味深い)
それは必ずしも悪ではなくて、NatureやScienceという雑誌は、広範囲の専門家に議論を喚起し、一般読者に興味を持ってもらうという、とても重要な役割を担ってるわけです。
で、
>単なる擬人法、表現上のレトリックじゃないの?
だけど、リンク先を読めばわかりますが「ウィルスは生命だ」と言い切っちゃってます。レトリックの問題では全然なくて、「生命とは何か」という本質的な問題に対する意見表明です。だからこそNature掲載なんですよ。
「わぁ、Virusって生き物みたい」なんていう薬にも毒にもならない意見であれば、それこそチラシの裏にでも書いとけって話です。
間違ってほしくないのは、Nature掲載=正しい、ではないことです。こうやって表明された新しい概念や見解に多くの科学者が、あーだこーだと、それは胃の痛くなるような、時にはドロドロした議論を戦わせて、共通の認識に落としていくことで、人類の英知として結晶化させようというのが、科学という活動です。議論から逃げてはいけない。
で、スラド読者諸兄諸姉、どう思うよ? ウィルスは生命か?
#私はこの件がなくとも生命に括られていいと思ってる。
#もっとも、生命の定義ってのはまだまだ答えの出るような問題ではないだろうけどさ。
Re:The fact that it can get sick makes it more ali (スコア:3, すばらしい洞察)
>#もっとも、生命の定義ってのはまだまだ答えの出るような問題ではないだろうけどさ。
この手の議論、私はいつも不毛だと思うのですが、いかがでしょう。
ウィルスを生命だと思おうが、生命じゃないと思おうが、それは単に「生命」という単語の定義について
議論しているだけで、何も自然科学とは関係ありません。
そんなのはどう決めようが実際にウィルスの振る舞いが変わるわけではないのです。
私なら、「生命」という単語を使うのはやめにして、「自己複製しないもの」と、「ウィルス」、
「他の自己複製メカニズムに依存せずに自己複製するもの」に分けます。
言いにくいので、「ブルース」「ウィルス」「ナハナハ」と名付けますが。
「生命」という単語の定義に関する議論が、人類の英知にそれほど寄与するとは私は思いません。
そんなことをする暇があるのなら、具体的なウィルスの研究をしたほうがましですし、
#今回の研究も、その一環でしょう。
そしてもし、生命かどうかで法律的な扱いがかわるとか、なにか実務上の問題があるのなら、
それは個別に議論すべき問題です。
胎児は人間だと思う人もいるかもしれませんが、胎児を殺しても殺人罪にはなりません。
けれど、相続はできます。宗教的には重要な問題かもしれなせんが、
「胎児が人間かどうか」は実際的(世俗的)にはどうでもいいことなのです。
「堕胎に殺人罪が成立するか」「胎児に相続権が発生するか」等、
個別に問題が解決できれば十分なのですから。
Re: (スコア:0)
ウィルスの機能が"生命"に該当するかどうか、掘り下げて考える事は、
ウィルスのみならず、生命というシステム自体についての研究と言えるでしょう。
むしろこの極限の物質/生命こそが、我々がどこから来てどこに行くのかを
見出す為の鍵であるのかもしれません。
分類学なくして進化論はありませんでしたし、
そもそも博物学は科学の祖と言っても過言では無いと思います。
Re: (スコア:0)
>ウィルスの機能が"生命"に該当するかどうか、掘り下げて考える事は、
>ウィルスのみならず、生命というシステム自体についての研究と言えるでしょう。
不毛どころか生命科学の本質だと思うんだけどね。
ウィルスの発見をはじめとして生命のとらえかたは常に変更を迫られてきた歴史がある
わけで。生命の定まった定義は実のところないですよね。ならば何が生命を生命たらし
めてるのか、その本質は何なのかという疑問は今も問われてますよ。
まあ、スラドは科学者の集まりではないので「不毛」という考えが出てくるのは、仕方
ないのかもしれません。もっとも、面倒を見ている学生がそんなこと言い出したら、
それこそ不毛で、アカデミックな場から出て行くことを強く推奨するでしょう。
生物系研究者なのでAC
ウィルスは生命か? (スコア:1)
単に、生息に必要な条件が特殊なだけだ。(と言っても、どの生物も他の生物のいる環境を必要としてるが)
the.ACount
Re: (スコア:0)
大型トレーラの中にミニバンがいて、このミニバンが強盗している
見ようによってはミニバンが大型トレーラを乗っ取っているようにも思える、
そういったこと?
医療に使えないか (スコア:2, すばらしい洞察)
Re: (スコア:0)
増殖機構を阻害する薬品を作るのはどっちが楽なんだろうなぁ。
あぁ、スプートニクを改造したものを多種作って駆除したいウイルスに混ぜて、
うまく増殖してるスプートニクを使えばいいのかな?
ひとつ確認したいんだが・・・ (スコア:0)
Re:ひとつ確認したいんだが・・・ (スコア:2, 参考になる)
http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/abs/nature07218.html [nature.com]
Re: (スコア:0)
Re: (スコア:0)
この辺、編集しっかりしろよ、って気がしますが。
Re:ひとつ確認したいんだが・・・ (スコア:1)
ママウイルスがウイルスに「感染」して「病気になる」から生物っぽいぞ、って話だと読んだのだけど、違うのかな?
私が感染するウイルスがどんなウイルスかは私が生物であるという評価に影響を与えないように思える。
Re:ひとつ確認したいんだが・・・ (スコア:1, 興味深い)
カッコウが托卵するとは言っても、生物的には普通の鳥なので自力で
育てることも可能でしょう。ウイルスには自力の複製機能がなく、生物
の複製機能を使って複製しないと繁殖できない。よってウイルスは「単独
では繁殖できないが生物の機構を利用して増殖できる半生物」という位置
付けですよね。
スプートニクが単独で生物に感染して増殖できるなら、托卵のような機能を
付けただけの単なるウイルスです。もし「単独では生存できないし、通常の
生物がいても生存できないが、ママウイルスが感染した生物がいれば繁殖できる」
だった場合は、スプートニクは「生物でもウイルスでもない何か」ということに
なりはしませんかね。
そうです。 (スコア:0)
てっきり…。 (スコア:0)
コンピュータウイルスの場合解析されないための自己防衛機能としてパックされてたり暗号みたいなコードになってたりしますが、
ウイルスにはそういう自己防衛機能ってあるんでしょうか?
# でも「感染」して「病気になる」のが「生物」なら、PCは生物なんですね(ぉ
コンピュータウイルスの自己複製システムを乗っ取って複製する新種コンピュータウイルス (スコア:0)
リアルウイルスのほうでしたか。
一瞬、新種のウイルスか!?と思った (スコア:0)