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食べ物の調理が脳の進化に繋がった? 54

ストーリー by hylom

capra 曰く、

人間の脳の能力が飛躍的に向上したのは、食べ物を調理することでそれまで消化に消費していたエネルギーを脳にまわせるようになったためで、その進化があまりにも速いスピードで起きた為に、副産物としてうつ病などの精神病が発生したのではないかという研究がGenome Biologyの8月号で発表されました(Live Science記事本家記事)。

人間の脳は200万年程前、肉類などといった良質な食糧を食べ始めたことにより他の霊長類の2倍ほどの大きさに進化しました。その次に大きな進化を遂げたのは15万年程前で、新たな材料での道具作りや、抽象的な思考や芸術行為など、飛躍的に賢くなったっとされています。

(つづく...)

この進化の原因を探るため、Partner Institute for Computational Biologyの研究チームは人間の脳の処理プロセスの変化に着目し、調査を行ったところ、エネルギー代謝に関わる部分で最も顕著な変化が見られたそうです。現時点で因果関係は断定できないとしながらも、摂取カロリーの増加が脳の進化に拍車をかけたのではないかと、チームを率いるKhaitovich氏は推測しています。

また、摂取カロリーの増加の要因は食糧の量が増加したからではなく、調理行為が出現したからではないかと見られています。人間が火を使い始めたのは20万年程前からと推測されていますが、火を使って調理することにより身体が消化に使うエネルギーを減らすことが可能になり、その分を脳にまわせるようになったと推測されています。現在人間は比較的小さな消化器官を持ち、代謝の20-25%を脳の活動が占めていますが、他の霊長類では13%程度、その他の脊椎動物ではたった2%程度となっています。

この脳の進化があまりに速いスピードで起こったため、その副産物としてうつ病や躁うつ病、また統合失調症などの精神障害が発生したのでは、と研究チームは推測しています。なお、脳の進化の原因は諸説あり、例えば人間が魚を食べるようになったことなども一説です。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • で、 (スコア:3, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2008年08月15日 14時48分 (#1404178)
    ペディグリーチャムを食べさせているうちの犬が話しはじめるのは、いつごろからでしょうか?
    • Re:で、 (スコア:3, おもしろおかしい)

      by Anonymous Coward on 2008年08月15日 14時58分 (#1404190)
      ワンワン!(ウチの飼い主が犬の言葉を話しはじめるのは、いつごろからでしょうか?)
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        あなたにはただ吠えているようにみえるかもしれません。
        声帯の構造が人間と異なる以上、人間と同じ言語を扱う
        ことはできませんから。

        でも、実はすでに、ご近所のわんこ同士で高度な会話を
        おこなっているのですよ。人間の耳には聞こえない音域を
        巧みに利用して・・・。

        せいぜい愛犬(ご主人さま)の機嫌を損ねないように頑張ってください。
        ある日突然、愛犬(ご主人さま)に粛清されたりしませんように。
        • ある日突然、愛子さまに粛清されたりしませんように。
          という文章を見て、はいぃぃいいいい?!!と驚いてしまいました。

          -

          ある日突然、愛犬(ご主人さま)に粛清されたりしませんように。
          あぁ、よかった。
          --
          fjの教祖様
    • by Anonymous Coward
      サイエンスダイエットを食べさせているうちの猫がうるさいので静かにさせてください
  • by poundcake (11852) on 2008年08月15日 16時13分 (#1404242) 日記
    1) 脳における遺伝子発現(ありもののデータをメタ分析)

    ヒトへの進化に関連した(要はヒト特有の?)遺伝子の発現を調べてみると、22個のうち6つが、統合失調症と健常者で違いがあるものだった。その6つはすべて、22個のうち7つしかないエネルギー代謝に関連したものだった。
    →病気とエネルギー代謝に関連が!(でもヒト特有じゃない遺伝子はどうなの?)

    2) 脳の、アミノ酸とかいろいろな代謝産物の含有量(今回の新しいデータ)

    識別できた21種類の分子の存在比率を主成分分析にかけたら、健常ヒト・統合失調症・チンパンジー・アカゲザルの4者が分離できた。
    →病気とエネルギー代謝と、さらに進化に関連が!

    どちらも、死後に脳をすりつぶした材料の話です。面白いけど、もっといろんな病気でやるとか、知能との相関とか、とことんやってもらいたい。生前のアタマの使い方とかは、影響しないのでしょうか。
    • プラスモデした者ですが、私も論文を読んでみましたので、モデレーションが消えてしまいますが
      コメントを。

      簡潔に言えば、私もこの論文は「言い過ぎ」の部類だと思います。

      どちらも、死後に脳をすりつぶした材料の話です。面白いけど、もっといろんな病気でやるとか、知能との相関とか、とことんやってもらいたい。生前のアタマの使い方とかは、影響しないのでしょうか。

      これはその通りなのですが、一見健常者、統合失調症患者、チンパンジー、アカゲザルできれいに
      分かれるような図(Figure 2)は最も重要なファクター、つまり「組織採取時の個体の年齢」
      の影響を表しているに過ぎないように見えます。

      もっと専門的な話をすれば、解析方法にごく基本的な誤解/誤りがあり、ちょっと私には読むに耐えま
      せんでした。
      例えばNeighbor-joning法で描かれた系統樹(Figure 3)の枝の長さを進化速度に対応させるのは間違って
      いますし、検定方法でも有意水準を一定させない、FDRの意味を誤解している、Man-WhiteneyのU検定を使って
      いるだろうところ(9遺伝子と12遺伝子の連鎖不平衡比較)でWilcoxonの検定を使ったと書くなど、
      レビュアーは何を読んでいるのかという気持ちになりました。

      そもそも脳というのはかなり遺伝子発現がイレギュラーな組織なので、脳全体の発現データをもって
      何かを言おうとするのは危険ですし、エネルギー代謝の進化が特徴的に見られるとしても、血液脳関門 [slashdot.jp]の
      関与を考えれば軽々に経口摂取された食物との関係は言えないと思います。
      --
      kaho
      親コメント
      • 応答ありがとうございます。このジャーナルを見たこともない門外漢ですので、たいへん参考になります。

        サンプルの年齢については、前半のネタにlinear regressionで除いた、と書いてあるので納得してましたが、たしかに後半はその限りでないですね。でも、いま補遺のファイルを見てみたところ、ヒトおよびサル同士では年齢は(PCAの分布ほどは)違いません。歳だけでもないということでしょうか。

        私は統計が弱いので単に、前半の話で、本当にそこまでの計算が必要なのかと思っていました。悲しいかな、レビューアのほうから、誤った統計計算を要求してくることもあるのが辛いところです。この論文でのFDRは、一貫性はあるようですが、どういう理屈なのでしょうか。中国はともかくライプツィヒにケンブリッジ大学という共同研究で、誤った統計計算が出てくるとは驚きです。
        親コメント
        • 悲しいかな、レビューアのほうから、誤った統計計算を要求してくることもあるのが辛いところです。

          それは確かにありますね。最近では統計的な評価をしないと論文が通らないことも多いですが、逆にP値が書いてあれば安心するという
          レビュアーもいるのも実情です。

          この論文でのFDRは、一貫性はあるようですが、どういう理屈なのでしょうか。

          最近では拡張して適用されるのかもしれませんが、私の認識ではFDR (false discovery rate)は多重検定において個別のP値を過大評価
          しないように行う補正であり、FDRの水準をまず先に決めて(一般にはα=0.05など)ある検定のP値が多重検定の補正に耐えるかどうか
          の判定をするものです。
          従ってFDRの出力は真偽値であるのにFDR=11%と数値を出力にしているのは大変違和感があります。

          中国はともかくライプツィヒにケンブリッジ大学という共同研究で、誤った統計計算が出てくるとは驚きです。

          残念なことですが日本でも海外でも、どんな有名な研究機関でも、実験の専門家が統計の専門家であることは少ないので、チームの中に
          統計分析に詳しい研究者がいないとこういうことはよくあります。とはいっても統計の専門家には生物学のデータがどういう性質のものか
          伝える部分で困難があるので単純に統計学者を入れれば解決されるわけではないのですが。
          --
          kaho
          親コメント
  • by akiraani (24305) on 2008年08月15日 16時53分 (#1404264) 日記
    テレビの科学番組か何かで、固いものをかまなくなりあごが退化→あごでものを噛み砕く衝撃が減ったので脳が高度に発達出来るようになった、みたいな話を見た覚えがあります。

    #まあ、口だって消化器官だし、これも同じ話なのかな?
    --
    しもべは投稿を求める →スッポン放送局がくいつく →バンブラの新作が発売される
    • 『「調理以前」においては、あごの筋力が低下することは消化効率の低下を意味し、
       人類にとって死活問題でした。

       そして、あごの筋力が強いということは、脳容量が大きくなれないということを
       意味していました。(※どこかで読んだ本の受け売りが混ざっています)

       ですが、「調理以後」においては、あごの筋力が低下することは死活問題ではなくなり、
       あごの筋力が低下した、従って脳容量を大きくすることができた、より知的な新人類が
       進化する余地が生じたのです。』

      ・・・まとめると、こんな感じかなあ?

      おそらく、あごの筋力が弱くなる進化(病気?)は定期的に起こっていて、
      それが生き延びられる条件が揃ったのが、「調理以後」だった、という流れでしょう。

      個人的な所感ですが、単なる「あごの筋力が弱くなる突然変異が起きた」説よりも
      「調理以後」との合わせ技にすることで、説得力が大きくなったと思いますね。
      親コメント
      • どうでもいいけどアンニオ猪木は退化した存在なのだろうか。
        親コメント
        • by Anonymous Coward on 2008年08月16日 6時35分 (#1404639)
          あれ系の人はおそらく(彼が実際そうだと保証するわけではないが) 巨人症とかいう奴だと思う。

          脳下垂体から出る成長ホルモンが過剰。そうすると平均的にじゃなく「末端が」過剰に成長しがちなのだそうだ。末端肥大症とかいったかな。手足とか、あと顎とか、がでかくなるらしい。あと見えないところでは大腸も長くなると言っていたような。

          それにしてもなんだな、
          手とか足とか顎とか大腸とか。
          なんかどれも「強大になれば生存競争に(物理的に)勝ち易くなる」ようなところばかりな気がする。
          …これが成長ホルモンの本質なのかも知れない。つまり生き物を”強く”するホルモン。
          親コメント
        • by Anonymous Coward
          ブラジルのコーヒー豆に適応して進化したんですよ。
  • オレの場合 (スコア:1, おもしろおかしい)

    by Anonymous Coward on 2008年08月15日 14時49分 (#1404180)
    立って見下ろしてみると、摂取カロリーによって進化した部分のせいでそれほど影響を受けなかった部分が隠されてしまい、それが原因で鬱になりそうです。
    あまり急速な進化ってのも考えものですな。
  • 脳への栄養が豊富だったから進化したんじゃなくて、
    たまたま脳への栄養が豊富になるように進化しちゃった人類が生き残ったのではないの?
  • 記事本文から一つ前の記事へのリンクまでを通して読んで、人間はさまざまな要因から脳を進化させ
    夫に浮気された腹いせに浮気の証拠をネットオークションで販売するところまで到達したんだなぁと
    しみじみ思いました。
    • by Anonymous Coward
      >夫に浮気された腹いせに浮気の証拠をネットオークションで販売するところまで到達したんだなぁと
      >しみじみ思いました。
      愛の形にも色々あってですな、失った愛犬をクローンで取り戻すところまで到達したんですよ。
  • みんな、特に /. の住人のほとんども思ってるでしょうけど、ハラの回りの肉には退化してほしいんですけど。
    いや、腹の周りに肉がつく機構に退化してほしいというのが正しいかな。
    • いや、ここはもっと脳を進化させて、より多くのエネルギーを
      脳味噌が浪費するようになるのが、問題解決の早道だろう。
      幸いにも進化はその方向に向いているようだし、
      あえて別方向の進化の道を探らなくてもよいと思う。

      とりあえずは、稼働時間を延ばすのが、一番手っ取り早く
      今すぐに始められるのではないかと思う。

      さぁ、GeekならGeekらしく、睡眠も風呂も食事も削って、
      ただひたすらコンピュータのキーをたたき続けるんだ。
      親コメント
    • 料理は熱処理だと悟った瞬間から、猛烈に料理の腕が上がり留まる所を知らず太り始めました。
      おかげで脳は退化し、幸せな人生を送っています。
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      いいえ、それは進化ですよ

      ぷにぷにっ
  • それが事実ならゲーム脳も遺伝するかもしれない。
  • by Anonymous Coward on 2008年08月15日 14時53分 (#1404187)
    と思っていた時期が、俺にもありました。
  • 代謝の20-25% (スコア:0, フレームのもと)

    by manmos (29892) on 2008年08月15日 15時13分 (#1404200) 日記
    最近のダイエットに走るバカ女たちは、もっと少ないに違いない。
  • by Anonymous Coward on 2008年08月15日 16時11分 (#1404238)
    こいつら [yahoo.co.jp]は人類を更に進化させるわけですか
  • by Anonymous Coward on 2008年08月15日 16時11分 (#1404240)
    部門名はもはや廃止ですか?
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普通のやつらの下を行け -- バッドノウハウ専門家

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