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放射性崩壊は太陽との距離に影響される? 49

ストーリー by hylom
年代測定の精度にも影響? 部門より

capra 曰く、

放射性崩壊の崩壊率は原則として一定であるとされているが、1980年代に別々の研究機関で行われたシリコン32とラジウム226の崩壊率は、長年に渡り違いが観察されている。米パーデュ大学の研究チームはこれらの原データを改めて分析し、崩壊率は太陽と地球の距離に影響されるのではないかと唱えている(論文概要)。

この研究で示唆される太陽の影響とは、例えば微細構造定数が太陽からの電磁波などによって何らかの影響を受けており、これが太陽からの距離によって異なるという説や、太陽内部のニュートリノ流束の影響によって崩壊率に違いが発生し、この影響が太陽との距離によるという説などが考えられるとのこと(本家記事)。

他にもチタン44やセシウム137などは崩壊率に諸説あるが、この説が正しいとすれば、実験を行った時期が異なったため太陽との距離に違いがあったのかもしれない。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by chapati (17656) on 2008年09月02日 23時07分 (#1414265) 日記
    タレコミ文の

    1980年代に別々の研究機関で行われたシリコン32とラジウム226の崩壊率は、長年に渡り違いが観察されている。
    の意味がわからなかったので,論文概要を訳してみた。

    しかし適当なので,皆様フォローねがいます。

    ▼パラグラフ1

    Unexplained periodic fluctuations in the decay rates of Si-32 and Ra-226 have been reported by groups at Brookhaven National Laboratory (Si-32), and at the Physikalisch-Technische-Bundesandstalt in Germany (Ra-226).
    Brookhaven National Laboratory およびドイツの Physikalisch-Technische-Bundesandstalt のグループによって,それぞれ Si32 および Ra266 の崩壊速度に,説明されない (=説明の付かない?) 変動が観測されつづけていることが報告されている。

    ▼パラグラフ2

    We show from an analysis of the raw data in these experiments that the observed fluctuations are strongly correlated in time, not only with each other, but also with the distance between the Earth and the Sun.
    我々は,これらの実験で得た生データの解析から,次のことを示す: 観測されたこれらの時間経過に伴う変動は,互いに強く相関していたのみならず,地球と太陽との間の距離に対しても相関があった。

    ▼パラグラフ3

    Some implications of these results are also discussed, including the suggestion that discrepancies in published half-life determinations for these and other nuclides may be attributable in part to differences in solar activity during the course of the various experiments, or to seasonal variations in fundamental constants.
    これらの結果が示唆することとして,次のことについても論じる: すなわち,ここで挙げたSi32やRa226をはじめとして,その他の核種についても,半減期推定値の公称値どうしの食い違いの原因の一部は,実験の過程での太陽活動の差異のせいであるかもしれないし,また基礎的な物理定数が季節変動しているせいかもしれない。
    • by rockwall (33028) on 2008年09月03日 0時59分 (#1414301) 日記
      眠いので、図をメインに眺めたけど
      Fig.1は崩壊率と 太陽と地球の距離(R)の2乗の逆数(1/R^2)の間に相関係数r=0.52が見られ
      Fig.2は崩壊率5ポイントの移動平均とでは、相関係数r=0.65が見られた。というとこか
      Fig3はラジウム226の崩壊率で、これも相関係数r=0.66
      で、Fig4でシリコン32とラジウム226の崩壊率をまとめて乗せたら 両者の相関係数r=0.88。

      以下、個人的意見。
      シリコン32とラジウム226ともに、(1/R^2)との相関係数r=0.65とr=0.66でほぼ同じ
      ってのが興味深いが、観測期間が違うんだよね(Fig2,Fig3)
      でもって、同じ年代だけピックアップしてみるとずれてるし。。(Fig4)
      もっと長い期間で見た追データがほしいね。

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2008年09月02日 20時01分 (#1414172)
    Si-32がβ崩壊で弱い力の影響、Ra-226がα崩壊で強い力の影響ってことは、どちらの力についても同じように作用する要因が太陽活動にあるってわけですか。重力は関係なさそうなのが残念
    • by Anonymous Coward
      ということは、放射能汚染された土壌などに、ニュートリノをぶつけることで、
      半減期を早くして、無害化することも可能?

      ニュートリノを地球上でぶつけるのは危険そうだから、宇宙空間で処理する必要があるな。

      #そのまま宇宙に捨てた方が安上がりっぽいですが。
    • by Anonymous Coward
      なんで素直にまず背景放射線量と比較しないんだろうな。
      つーか既に比較はしてるのかな。
  • あの日はいつもよりネジを巻き過ぎたみたいだ…
    --
    -------- tear straight across --------
  • by 335 (4199) on 2008年09月03日 7時23分 (#1414344) 日記
    インジウム [wikipedia.org]なら世界中においてあるので、検証に使えるかも知れない。。 半減期長すぎか。。
  • by the.ACount (31144) on 2008年09月04日 15時29分 (#1415435)
    以前、中性子の半減期がアレコレ変わって結局それまでの値と倍も違う半減期に決まった事がある。
    これも、同様の経過を辿るんじゃないか?
    --
    the.ACount
  • by Anonymous Coward on 2008年09月02日 19時59分 (#1414170)
    http://www.heavens-above.com/solar-escape.asp [heavens-above.com]
    こんな所を飛んでいるボイジャーには原子力電池が搭載されていますが、
    何かデータは得られないのかな?
    • Re:ボイジャー (スコア:1, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2008年09月03日 22時53分 (#1414970)
      何気に鋭い洞察かと。

      もし仮に、論文のような性質が放射性同位元素にあったとして、
      地球の直径程度の距離の差で壊変速度が変動するのであれば、
      外惑星探査機(もはや系外探査機か?)の存在するくらい
      太陽から距離をとればその影響はもっと観測できるくらい変化になっているはず。
      (詳しい計算は面倒なので省略、地球の直径と1天文単位の比は0.01%くらいか?)

      実際の所は経年劣化に伴う起電力の低下の中での検出になるから難しいでしょうが。

      #放射線取扱主任だけどACでいいや
      #つうか、ウチの施設も遠くにやってしまいたい。
      親コメント
    • Re: (スコア:0, おもしろおかしい)

      by Anonymous Coward
      つまり、太陽系辺縁部と太陽系中心部では光速度が異なるわけであり
      太陽内部では光の速度がきわめて遅い「無思考深部」(そもそも太陽中心核で発生した光子が太陽から出るまでに100万年かかるという事実はこれに由来する)であり、
      太陽系中心部に近い地球は「低速圏」に属しており超光速航法は開発できず
      太陽系外縁近い「際涯圏」では光は速く進み
      太陽系外の「超越界」ではきわめて高度な知的生命体が存在しうるのだ、という説はどうだろう。

      ……いや、「どうだろう」とか言われても。

      とかヴァーナー・ヴ [wikipedia.org]
      • by Anonymous Coward
        夏休みは終わってますよ。
      • by Anonymous Coward
        っぽいっつうか、まんまやん(笑)
  • 直感的に… (スコア:0, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2008年09月02日 21時02分 (#1414192)
    そりゃあんだけでっかい火の玉が
    日がな一日爆発してるんだから、
    いろんなもんがしこたま降り注ぎますよね。

    安定してそうなTシャツの染料も太陽に当ててれば分解してなくなっちゃうんだし、
    不安定な物質はよっぽど影響受けそうだなぁ

    というのが素人な私の感想。

    直射日光あててみたら半減期もっと変動するんじゃないカナ?
    そういう調査ってまったくやってないのカナ?
    危なくてできないカナ?
    • by Anonymous Coward on 2008年09月03日 11時32分 (#1414419)
      いや、それを調べるのが科学なので..
      “こうかもしれない”、“いろんなもんがありそう”を
      “これとこれがこれだけあれば、こう”というところまで
      もっていくことこそ科学のすべてでして。
      今までの観測結果は、太陽は影響ありそうだと誰もが思えても
      それを示していなかったけど、あるかもしれないという結果が
      見つかったからちょっと面白い。
      で、そんな調査を今までやっていなかったのかな?と思い
      やろうとすると精度良い測定が必要でどうにも観測装置に金がかかる。
      で、がんばって金を集めようとすると、“半減期がちょびっと太陽に
      影響を受けるかどうかを調べて何の役に立つの?”と大声だけど
      学生時代に勉強してなかった自称社会人が言いだす。
      バッシングが大きくなると結局80年代の観測結果が偶然見つけ出される
      まで、こんな誰でも思いつきそうな結果が科学的に今まで言えない
      ことになる。

      でも、今回は見つかった訳だからよかった
      もし結果が本当ならば、人間界にようこそ真理君。
      親コメント
    • by Anonymous Coward
      >安定してそうなTシャツの染料も太陽に当ててれば分解してなくなっちゃうんだし

      それは、放射性崩壊とは違う現象ですよ。
      • by Anonymous Coward
        >いろんなもんがしこたま降り注ぎますよね。
        って言ってるから、もっと一般論なんじゃないの?
        太陽に当てると、いろんなものの変化が速まるって感じ?

        さすがに放射性崩壊と紫外線による漂白作用を同じだというやつはいないだろう
        • by Anonymous Coward
          宗教団体や怪しげな人たちが、太陽は浄化の光を放ってるとか言い出しそうでヤダな
          • by Anonymous Coward
            実際、太陽光には殺菌能力があるんだけどな。
  • あんがい (スコア:0, オフトピック)

    by Anonymous Coward on 2008年09月02日 23時22分 (#1414271)
    星座占いって信憑性あるのかも
    • by Anonymous Coward
      恋愛が崩壊するのは星の巡り合わせだったのか。

      コアのちからすなわち核力がコイのちからに影響するのか。
  • by Anonymous Coward on 2008年09月02日 23時44分 (#1414280)
    これPeer-reviewed journalの論文じゃないですよね?
    Submitされてから数日しか経ってないし。
    分野が違うのでよくわからないんですが、arXiv.orgってのは何なんでしょう?

    • by Anonymous Coward on 2008年09月02日 23時54分 (#1414285)
      arXiv.orgはプレプリントサーバです。査読はありません。研究者間の迅速な情報交換が主たる目的です。
      とはいえ、ここに掲載された論文が査読付きのJournalに送付されている可能性はなくはないです。
      apJやICARUSなど、天文分野はその傾向が顕著です。
      #とはいえ、ScienceやNatureなどに載った論文がここに出てるのは見た経験がないような気がする。
      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2008年09月03日 1時40分 (#1414311)

        #とはいえ、ScienceやNatureなどに載った論文がここに出てるのは見た経験がないような気がする。
        Scienceは知りませんが、Natureは当該号発行日まで論文の内容の公開は(文書に限らず)禁じられていたはずです。

        #ScienceにもNatureに縁のない底辺研究者なのでAC
        親コメント
      • by Anonymous Coward on 2008年09月03日 8時01分 (#1414351)
        > #とはいえ、ScienceやNatureなどに載った論文がここに出てるのは見た経験がないような気がする。

        いちおう微妙なタイミングっぽいけど、
        Louis E. Strigari, et.al, A common mass scale for satellite galaxies of the Milky Way [nature.com], Nature 454, 1096-1097, (28 August 2008)
        Louis E. Strigari, et.al, A common mass scale for satellite galaxies of the Milky Way [arxiv.org], arXiv:0808.3772v1, (Submitted on 27 Aug 2008)

        # 牧野先生のサイトで叩かれてた論文。
        親コメント
      • by Anonymous Coward
        >> ここに掲載された論文が査読付きのJournalに送付されている可能性はなくはないです。

        業界の常識として,公開済みの論文の投稿は禁止,二重投稿禁止です,

        >> 研究者間の迅速な情報交換が主たる目的です。

        通常の論文誌であればこの目的のため,論文とは別に速報(letter)を投稿可能です.
        新規性が重視される速報でも掲載までにはそれなりの時間がかかりますが,
        天文屋さんの業界なら速報を電子版で公開可能な論文誌もあるのでは?

        日常的にarXiv.orgを使うのは基礎分野の数学屋さんがメインだと思ってた.
        • by Anonymous Coward on 2008年09月03日 9時14分 (#1414370)
          >日常的にarXiv.orgを使うのは基礎分野の数学屋さんがメインだと思ってた.

          うちら物理系でもそれなりに使いますよ。特に理論よりなんかですと。
          むしろ物理が本流かと思ってました。なにせもともと物理分野用に作られたものですよね。
          #でも調べてみると確かに天文は多い。

          >二重投稿禁止です

          ただ、この手のpreprintサーバは二重投稿というよりも、投稿前のディス
          カッションの場とか、自分らが先であると明確に示すためだとか、速報用
          (letterなんぞよりより早く、場合によっては論文にまとめる前の概要段階で
          載せたりとか)として結構普通に昔から利用されていますので、いわゆる
          二重投稿には当たらないという判断かと。極端な話、preprintサーバの当該
          論文のアドレスを送ると、その時点での最新版をそのまま投稿論文の原稿として
          受け付けてくれる論文誌もあったりしますし。
          #PRA、PRB、PRD、PRLとか投稿中の論文が結構arXivに出てますよね。(C、Eは知らない)
          #Accept後、onlineで載るまでの間にpreprintサーバに上げる方も結構います。
          親コメント
  • by Anonymous Coward on 2008年09月02日 23時50分 (#1414283)
    計測器の(感度や雑音とかの)季節変動、とかいうような話だったりして・・・。そんな、説明できそうなことではないんだろうけど。
    • by Anonymous Coward on 2008年09月03日 0時50分 (#1414298)
      一応、検出系の気温、湿度、気圧の変動によるものでは説明できない、という過去の文献が
      referenceの6に入ってるみたいですね。そっちまでは読んでませんけど。
      親コメント
      • by Anonymous Coward
        片方の元素には「ありがとう」って言葉を掛けたに決まってるでしょう。
        冗談はさておき、微細構造定数にそんな簡単に変動されたら微細構造定数が一定であることを(暗黙に)前提としたとてつもない数の実験が影響を受けると思うのですが。そういう意味で水伝レベルだと思いますね。プログラマだったらまずOSのバグ、次にドライバのバグ、それからハードウェアのバグ、続いてライブラリのバグ、最後にようやく自分のコーディングミスの可能性を調べ始めるみたいな。
  • by Anonymous Coward on 2008年09月03日 11時09分 (#1414403)
    ケイ素と呼ぶと習った気がするのですが、「シリコン」でもいいんですか?
    • by Anonymous Coward
      シリコンとシリコーンをまぜこんでおっぱい星人を呼び出すためのおまじないです
    • by Anonymous Coward
      例えばホウ素だって普通にボロンと呼んだりもしますし、炭素だってカーボンとか
      言いますのでどちらでもOKです。
      #例えば13Cも「たんそじゅうさん」とか「じゅうさんしー」とか
      #「かーぼんさーてぃーん」だの人によっていろいろな言い方をします。
    • by Anonymous Coward
      電子計算機のことをコンピュータと呼んでみたり、
      電灯のことをランプと呼んでみたり、
      扉のことをドアと呼んでみたり、

      その程度のことだと思って頂ければいいかと。
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Stay hungry, Stay foolish. -- Steven Paul Jobs

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