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数学

「フラクタル日よけ」、京大の研究者らが開発 86

ストーリー by reo
フラクタル音頭のページがなくなってる… 部門より

ある Anonymous Coward 曰く、

京大の酒井敏教授と京都府立八幡高校、積水化学が共同で「フラクタル日よけ」を開発した (毎日 jp の記事より) 。

塩化ビニールの三角形の素材を組み合わせたもので、いわゆるシェルピンスキーのギャスケットを模した形状のようだ。地表温度の測定を繰り返した結果、この形状には、屋根で完全に覆うよりも温度が下がり、冬は逆に放射冷却を防いで寒さを和らげるなど、優れた特長があることが分かったという。

この議論は賞味期限が切れたので、アーカイブ化されています。 新たにコメントを付けることはできません。
  • by Anonymous Coward on 2009年08月24日 12時23分 (#1628051)

    フラクタル日除け [kyoto-u.ac.jp]

    "。ある一方向から見ると一つ一つのピースが一面を埋め尽くしますが、また別の方向から見ると穴ぼこだらけですかすかです。この構造のために、光はさえぎるが風はよく通す日よけが完成しました。"

  • 実物は (スコア:2, 参考になる)

    by inmos (24938) on 2009年08月24日 12時24分 (#1628052) 日記
    日本未来科学館で展示中 [jst.go.jp]。

    #先日、これと実物大Gを見てきた。
  • by oltio (3848) on 2009年08月24日 12時56分 (#1628072) 日記

    シェルピンスキーガスケットを無限に再帰させた場合に影ができるかどうか、自分ではわからなかったのでどなたか教えてください。

    シェルピンスキーガスケットは無限に再帰させた場合、容積は0に漸近していきます。また、三角錐の各面の垂線上に太陽がある場合、光線を遮る面がありませんから、影はできません。では、斜めから日が差した場合には、影はできるのかできないのか? 底面から三角錐の他の面が見えない角度の場合は同様かと思いますが、それ以上浅い角度で差した場合にどうなるのでしょうか。パッと考えると影はできなさそうな気がするのですが、無限が絡むと直感を裏切られるのが常ですので…。

    • by deleted user (12487) on 2009年08月25日 3時14分 (#1628491)

      #1628478と#1628474に書いたけどこっちにまとめておきます。

       A:正三角形の板
       B:正四面体
       C:シェルピンスキーガスケット [synapse.ne.jp]

      ・面の垂線上から見た面積はA,B,Cのいずれも同じ
       →遮光性は同じ
      ・表面積は、Aに対してB,Cは4倍になる
       →冷却性に差が出るはず
      ・容積は、A ≒ C ≪ B で、中身が詰まって居るとするなら質量もこれに同じ。
       →熱容量(熱のこもりやすさ)は板と変わらないが、正四面体より小さい。

      つまり板より冷却効果が期待できて、正四面体に比べて熱がこもりにくいと考えられます。

      ちなみに公式サイト [kyoto-u.ac.jp]の実験2で、表面積は変わらないはずなのに
      結果に差が出ていますが、素片のサイズを極限まで小さくすると

       2(Chopped) → 正方形の板?
       3(Punched) → 1(Flat)と同じ形(菱形の板を折り曲げた形)
       4(Flactal) → 正四面体

      なので (熱) 2 < 1 < 3 < 4 (冷) となる事が予想でき、
      実際サーモグラフィーを見るとそうなってます。

      親コメント
    • どんなに薄くても光を遮り得る素材の存在を仮定するか否かに依ると思います。

      少し詳しく考えると、3次元上で容積が0に漸近するんですから、
      「ガスケットを通って目に入るような任意の光線rが通過する素材の厚み合計」が0に漸近します、
      で、光線rの通る部分の厚み合計が0に漸近なので影は見えないのでしょう。

      逆に、ガスケットを透過して目に入る光線rが存在するとして、
      ガスケットがある場合とない場合の光線rの明るさの差が0に漸近しない(影がある)とすれば、
      そのガスケットはどんなに薄くても光を遮りうる素材でできていることになるでしょう。

      親コメント
      • 面は必ず光を遮る、ということにした、数学的な問題としてはどうでしょうか。

        この日よけがフラクタルであることに本当に意味があるのかについての考察をしたいので、まずは数学的解を知りたいのです。

        親コメント
        • 微妙に勘違いしてましたが、シェルピンスキーのガスケット [wikipedia.org]に厚みをつけたような(3角柱の集合で表現されるような)形状と思っていたのですが、よく見るとシェルピンスキー4面体 [kyoto-u.ac.jp]だったのですね。
          # 勘違いの有無に関わらず「薄いと光を通すようになる場合は見えなくなる」と言う点では一緒ですが・・・

          シェルピンスキー4面体は一回の再帰で各正四面体の真ん中を抜いて4つの正四面体が作られるような図形と思えば良いでしょうか。

          で、特定の方向からならば100%光を遮るという話に入ります。図説がここ(PDF注意) [kyoto-u.ac.jp]にありますが、特定の方向から平行光線を当てたならば再帰を繰り返しても影の面積が減少しないようです。つまり無限に繰り返してもこの影は見えてしまう。これは数学的帰納法で証明できるでしょう。従って無限回繰り返しても影ができるようです。特定の方向から平行光線が当たったならば、ですが。

          ただ、光の方向がズレるとほとんどの光線が隙間を通り抜けてしまって影がなくなるという不思議な物になると思われます。上記リンク先の写真でもシェルピンスキー4面体の向こう側が隙間から覗いていますが、再帰を繰り返すとその隙間がどんどん大きくなります。

          もう少し詳しく考えてみましょう。無限に再帰を繰り返すと、光が上記の方向からずれていれば影の面積は0に漸近します(収束の早さは光の角度によって異なりますが、一回再帰を繰り返すと影の面積は等比級数のような形で減るのでこれはきっとすぐに証明できるでしょう)。この意味は、四面体の頂点や辺に正確に当たる光線は遮られてしまうのですが、頂点や辺から少しでもズレるとその光線の進路を妨げる面がなくなってしまうということです。この場合、辺や頂点に遮られる光線の集合を使って空でない集合である「影」を定義することはあるかもしれませんが、その影は面積を持たないようです。

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  • by tol (19142) on 2009年08月24日 17時51分 (#1628275)
    海外では、fractal上の解析問題と言えば京都のProf. Kigamiと良く聞きました。 今回の研究結果といい、京都とfractalには何か見えざる関係があるのでしょうか。
  • by Anonymous Coward on 2009年08月24日 22時29分 (#1628394)
    フラクタル日除け [kyoto-u.ac.jp]→公式サイトありますよ#1628051 [srad.jp]
    サイトの方にいろいろな疑問の答も載ってます。

    ・面積について
    →一枚板の場合と同じ
    ・輻射熱について
    →要素が小さいと単位の温度が低いので、輻射も少ない
    ・要素が小さければフラクタルでなくてもよい?
    →研究中だが、比較したところそうでもない
    →→私見だが、表面積は同じでも接触する空気量が非常に大きく、またフラクタルである事で気流がうまく分散するため、大気への放熱効率が高いのだろう。
    ・よしず?
    →→私見だけど、近いよね・・・よしずの場合、放熱効率を色と素材で補ってるあ、この構造の方が(占有体積はともかく)効率は高いと思う

    ・雨
    →→私見だが、その下に板屋根付ければいい。ビルの屋上も想定してるようだし、そういうことでいいかと
  • きっかけは (スコア:1, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2009年08月24日 12時09分 (#1628034)
    ‥意外と木陰は涼しいのに自転車置き場は暑いのはなぜだ? だったりして。(想像)
    何はともあれ実験することは大事やね。意外な結果がたまに出てくる。
  • by Anonymous Coward on 2009年08月24日 12時26分 (#1628053)

    これは、日本科学未来館の入り口で、見ることができます。但し8月31日までなので、お早めに。
    そして、30日には、酒井教授による講演 [jst.go.jp]があります。

  • by elderwand (34630) on 2009年08月24日 13時03分 (#1628079) 日記

    どこかで見たと思ったら、今年のバレンタイン [xkcd.com]だった。

    でも、同じ作者の漫画に、こんなのも [xkcd.com]あるんだよね。

    #日よけを見上げる女子高生が、、、
    #勝手に連想してはいけません。

  • 雨もそれなりに防いでくれると用途が広がると思うのですが、雨が降ったときの水滴の流れはどうなってるんでしょうね。

    あと、民家の塀などで、“空気は通すが視線は防ぐ”ように、ストライプを重ねてずらした構造のもの(上から見るとこんな感じ→ ̄_ ̄_ ̄_ ̄_)がありますが、あれを寝かしたものとどれくらい効率が違うのでしょうか。

    さらに、雨をこぼさないように、こんな形であれば、雨垂れも防げていいように思います。
    ― ― ― ― ― ―
     ∨ ∨ ∨ ∨ ∨

    これでそれなりの効果があるのなら、材料の入手も施工も簡単だし、安上がりなのでは?

    • 公式サイト [kyoto-u.ac.jp]を見ると、構造が平面ではなく立体になっているようですので、
      開口部に雨樋をつけるのは難しそうです。

      この日よけのポイントは、

      1,太陽からの熱を部分的に透過させることで、日よけ自体の温度が上がり過ぎないようにする。
      2,日よけに穴を開ける事で通気を多くし、日よけ自体の温度を周辺空気で下げる効果が見込む。
      3,1と2の合わせ技で、日よけ自体の温度が下がり、日陰でも感じるふ日よけからの輻射熱を減らす。

      ということになるかと思いますので、
      (上から見るとこんな感じ→ ̄_ ̄_ ̄_ ̄_)の構造を寝かした場合との比較をするなら、
      遮光率と通気性の比較である程度は推測できるのではないかと。

      #  ̄_ ̄_ ̄_ ̄_ だとフラクタルの方が効果があって、
      #
      #  ̄ _  ̄ _  ̄ _  ̄ _ だと同等の効果になるとか、
      #
      #それくらいビミョーな話になるかと。
      --
      答えはある。それを見つける能力が無いだけだ。
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    • トタン屋根なんかで遮光しても、屋根が熱を持つために赤外線の再輻射で暑くなるような気がするんですけれども、
      フラクタルの場合、複数の日除けが重なる事で再輻射も防いでくれたりするのかしらん?

      数学的にはどうなるの?

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      • まず「シェルピンスキーのギャスケット」というのは、
        「単なる三角錐」と「表面積が変わらない」のに
        「体積の極限は0に近づく」ものらしい。

        シンプルに考えると
        ・正三角形の板に比べ、3倍の表面積を持つ
         →表面積が広いほど冷えやすい
        ・単なる三角錐より体積が圧倒的に小さい
         →「中身が詰まっている」なら、質量も圧倒的に小さい
          →質量が小さいなら熱容量も小さい(熱がこもりにくい・伝わりにくい)

        つまり単なる板と比較して遮光性は変わらないのに、冷却性が高く、
        それ自体も熱くならないって事かと。

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  • by Anonymous Coward on 2009年08月24日 12時08分 (#1628031)

    写真を見てすぐに思ったけど、木陰を人工的に作ったようなものですね。
    でも、太陽光を遮断しつつ通気性を考えた物は他にないんでしょうか?

    今回のはコストも安いってことなのかな?

    • Re:木陰と一緒 (スコア:1, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2009年08月24日 13時13分 (#1628092)
      まあフラクタルみたいなアイテムをもってくれば何となくパッケージの顔にもなるし、業界ネタにもなるし、新聞も取り上げてくれるし・・・
      そんだけだとは思うけど、それでいいのだ。
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    • by mojamoja (36964) on 2009年08月24日 13時22分 (#1628101) 日記

      酒井教授は「屋上に設置すれば建物内部の温度も下がる。屋上緑化に比べ費用も安上がり」とPRしている。

      と毎日の方にあるよ。

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    • by snurf-kim (10835) on 2009年08月24日 16時16分 (#1628224) 日記

      >写真を見てすぐに思ったけど、木陰を人工的に作ったようなものですね。

      そんな事より、左側手前にいる女子高生の太もも辺りに目が行って仕方がない。

      #三次元も写真に収まれば二次元だ!!

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      壁の前をよしずで覆ったりするよね。
      水をぶっかけると更に温度が下がるし。
      いうまでもなく自然素材だし。

      京都ならちょっと町を歩けば見かけそうなもんだけど・・・

  • by Anonymous Coward on 2009年08月24日 12時09分 (#1628035)
    球技には向いてなさそうですね
  • by Anonymous Coward on 2009年08月24日 13時01分 (#1628077)
    フラクタル・ハゲは……ないだろうな
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192.168.0.1は、私が使っている IPアドレスですので勝手に使わないでください --- ある通りすがり

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