これまでの「限界」を超えた超新星の発見 28
ストーリー by yosuke
Ωがどうなるのか気になる 部門より
Ωがどうなるのか気になる 部門より
LARTH 曰く、
山陽新聞の記事によると、地球から約3億光年離れた場所で発見された超新星SN 2009dcが、これまで限界と考えられてきた明るさの約2.7倍であることを、広島大や東大などの研究チームが突き止め、13日発表した。(広島大のプレスリリース、東大のプレスリリース、ApJ掲載予定論文、ApJ Letters掲載予定論文)
Ia型超新星とは、超新星のうちHのスペクトルが見られず、Siのスペクトルが見られるもののことである。連星系を構成している白色矮星に対して相手の恒星からの恒星風が降着して質量が増大すると、白色矮星内部の電子の縮退圧では重力に抗しきれなくなりさらに圧縮され中心の炭素の核融合が起きることによって、Ia型超新星になるとされている。電子の縮退圧によって支えられる質量には理論的な上限があり、チャンドラセカール限界質量(=太陽質量の約1.4倍)と呼ばれている。このようなメカニズムにより、Ia型超新星では絶対光度がほぼ同程度となるため、地球からの距離を知る標準光源として用いられている。
今回の超新星はIa型としては規格外で、観測された中で最も明るい上に、太陽質量の約1.6倍以上とチャンドラセカール限界を超えた質量を持っていたことがわかった。研究チームは「もとの恒星が高速で自転していたため、限界を超す質量を持ったのではないか」と推測。「恒星の進化モデルの一部が再考を迫られる可能性がある」、「銀河までの距離を調査する道具としてすべての Ia型超新星を同様に扱ってしまうことに警鐘を鳴らす可能性がある」としている。
まさか (スコア:5, おもしろおかしい)
宇宙まで年齢のサバを読んでいる(かもしれない)とは…。
Re: (スコア:0)
2つの説 (スコア:5, 興味深い)
2006年10月のAstroArtsの記事 [astroarts.co.jp]にも、チャンドラセカール限界より重いとみられる白色矮星が超新星爆発を起こしたとあり、その原因として2つの説が紹介されています。
一つは、今回のタレコみにもあるように、元の白色矮星が高速自転しており、理論上のチャンドラセカール限界よりも大きな質量を支えることができていた。
もう一つの説は、白色矮星どうしが衝突して、一気に質量が増大することで超新星爆発に至った。
実際に高速で自転する白色矮星としては、太陽の約1.3倍の質量の白色矮星が、13秒で自転している [astroarts.co.jp]例が、つい最近報告されています。
1秒以下からミリ秒で自転する中性子星よりは周期は長いですが、それでも太陽の自転周期が約25日であることを考えると、遥かに高速で自転しています。
I'm out of my mind, but feel free to leave a comment.
Re:2つの説 (スコア:1)
「13秒で自転している」ってその星の外側は光の何倍の速度なんだろう?
Re:2つの説 (スコア:2)
いくらか赤道部分が膨らんでいるにしても「地球と同じようなサイズの天体」で、「光は1秒間に地球を7周半」なのだから、自転周期13秒で「光速の何倍」なんてことにはならないでしょう。
Re:2つの説 (スコア:1, 興味深い)
Re:2つの説 (スコア:3, 参考になる)
>光の速さの1%まで達してますね。相対論的な影響が出るレベル。
そりゃ測定可能か不可能かで言ったら可能ですが、通常こんな程度の低速に対し、(速度面から)相対論的影響が云々、とは言わないような。何せ簡略的にいつもの特殊相対論の補正部分SQRT(1-(v/c)2)で考えると0.99995とかそんな程度ですよ?
>回転する物体の相対論ってどうなっているのでしょうか。
つカー解
Re: (スコア:0)
どっちの説にしても非対称性が成長するように思うんだけど、俺が間違ってるだけ?
SN2009dcはほぼ球状だったわけですよね。
確かIa型超新星の明るさを基準に (スコア:2, 参考になる)
ダークエネルギーによって宇宙が加速膨張しているという説がありませんでしたっけ。Ia型超新星の絶対光度が予想より明るい可能性があるということは、これまでの予想以上に宇宙が加速膨張している可能性があると言うことでしょうか。
ところで一般相対論によると質量とエネルギーは等価なはずですが、なんでダークマターだと膨張が減速してダークエネルギーだと加速するのかよくわかりません。
Re:確かIa型超新星の明るさを基準に (スコア:3, 参考になる)
>ダークマターだと膨張が減速してダークエネルギーだと加速するのかよくわかりません。
それが定義だから。
観測結果からあるとは思われるがいまだ正体がわかっていない重力源をダークマターと呼び、
あるのかどうだかわからない宇宙の訴力エネルギーをダークエネルギーと名づけただけ。
ここではダーク=一見して見えない=よくわからないもの、みたいなニュアンスで使われています。
Re: (スコア:0)
あう、字違ったw
誤:宇宙の訴力エネルギーをダークエネルギー
正:宇宙の斥力エネルギーをダークエネルギー
Re:確かIa型超新星の明るさを基準に (スコア:3, おもしろおかしい)
>訴力
どんな読みを入力したら出てきたのかは少しだけ興味がある。
#オフトピも良いところだけど。
Re:確かIa型超新星の明るさを基準に (スコア:2, 興味深い)
手書き入力とか漢字直接入力 [wikipedia.org]かもよ.
なんだ、またてっきり (スコア:2, おもしろおかしい)
「また板垣か」 [google.co.jp]って言いそうになっちゃったじゃないですか。
Re:なんだ、またてっきり (スコア:2, 興味深い)
板垣さんは、国内で一番ですが、世界に目を移すと、もっと発見数の多い人がいます。
例えると (スコア:2)
まったくの門外漢だがこれは
数年使い古された蛍光灯と買ってきたばかりの真新しい蛍光灯くらいの違いがあるってことでしょうか?
Re:例えると (スコア:1, おもしろおかしい)
30wの蛍光灯を買ってきて取り付けてみたら300wの光量が出た、くらい意味分からない状態。
Re:例えると (スコア:3, 興味深い)
単に「想定より明るかった」というだけならそれだけの話ですが、標準光源として使っていた星がそうだった、というところが宇宙ヤバイ!わけで。
すごく極端な喩えをすれば、「空にぼやっとした灯が見えたから、3kmくらい遠くの飛行機かと思ったら、30km先のアダムスキー型エイリアンクラフトだった。な…何を言ってるのかわからねーと思うが(以下略)」状態、というところでしょう。
まあ、今回の超新星が稀な事例なら今までのパラメータに大きな修正はないんじゃないかとは思いますが、どうなんでしょう。宇宙の過去や未来について従来予想されていたことが、根底からひっくり返ったりしてしまうのでしょうか。
Re:例えると (スコア:2, おもしろおかしい)
×:宇宙ヤバイ!
○:宇宙論ヤバイ!
Re:例えると (スコア:1)
星の距離を測る方法には2つあって、ひとつは視差を利用する方法。
車の外を見ると街灯がひゅっと通り過ぎていくのに、遠くの山はあまり動かない。
その動き方の比率から距離を計算する方法。で、これは宇宙だとなかなか使えないので、
遠くの星ほど暗く見えるという光度を利用する方法が今回の件。
そのためには基準となる明るさが必要なので、たくさんの星を研究して、
白色矮星だとかなんとかだとか恒星にはいくつかの種類があることを突き止めた。
すると、それらの恒星は種類によって明るさが決まっていた。よし、これを利用しようと。
あの星の明るさを調べたいと思ったら、まずその星が●●恒星であるということを突き止める。
●●恒星の明るさはxx基準なので地球から見てこれだけ暗くなっているということは
距離○光年だな、みたいな感じのようです。
#もちろん合っているかどうかは知らないし保証しない
arXivって何? (スコア:1, おもしろおかしい)
pixivとどっちがつおいの?
Re:arXivって何? (スコア:5, おもしろおかしい)
pixivと似たようなものです。数式にハァハァする、むしろ数式でないとハァハァできない変態どもが、自分でいじりまわした数式などをアップロードして見せ合うという世にもおぞましいサイトです。しかも、レビュアーやエディターの査読さえ受けていない無修正の論文が、一瞬にして全世界へ出回るのです。
一度ネットに拡散したら回収・根絶することはほとんど絶望的です。たとえば、2500年以上前に発見されたピタゴラスの定理でさえ、ゆとり教育推進など政府当局の懸命の努力にもかかわらず、いまだに世界中の小中学生が容易に知り得てしまうのです。
軍事的好奇心をもって眺める輩が後を絶たない以上、数学的真理の所持を犯罪行為とするなどの法規制もやむを得ないのではないでしょうか。
Re:arXivって何? (スコア:5, おもしろおかしい)
>むしろ数式でないとハァハァできない変態どもが
数式には怖気を震うが実験装置への偏愛を隠そうともしない変態共も多数生息しております.
Re:arXivって何? (スコア:2)
Re:arXivって何? (スコア:1, 参考になる)
超新星を超えた超新星 (スコア:0)
Re:超新星を超えた超新星 (スコア:2)
超新星
↓
限界を超えた超新星
↓
超新星 2
↓
超新星 3
↓
超新星 4
↓
伝説の超新星