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軍事

GPSで電離層の変化を観測してテポドンの軌道を割り出す試み 15

ストーリー by hylom
こんな使い方もあるんだ、 部門より

pongchang 曰く、

北海道大学・理・自然史科学専攻・宇宙測地学研究室の日置幸介教授らが、北朝鮮の「テポドン2号」の弾道を、GPS受信機を使用して算出したそうだ(WIRED VISIONの記事)。

「GPS受信機を使用」といっても、もちろんGPSを使って直接テポドンの位置を取得したわけではなく、テポドンの飛行によって発生する電離層の変化をGPSで観測することでその軌道を割り出したそうだ。

同じ日置教授らがH-IIAやM-Vの打ち上げで解析した論文、「H-IIA ロケットの排気による電離圏の消失と電波天文への応用」(PDF)や「H-IIAロケットの打ち上げに伴う 電離層の局地的な消失のGPSによる観測(古屋智秋)」(PDF)によると、ロケットの排気に含まれる水蒸気が電離層の電離を打ち消すとのことで、これをGPSで観測することで軌道を割り出せるそうだ。

その結果、テポドン2号は1号に比べてその推進力が約8倍に向上していることも分かったという。この結果は、米地球物理学連合の2009年秋季大会で発表されたそうだ("Determination of the Trajectory of Ballistic Missiles Using a Dense GPS Array" by K. Heki)。

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  • by pongchang (31613) on 2010年01月18日 20時16分 (#1704902) 日記
    H-IIとM-Vの比較で解ったのは燃料の水素の量で発生する水蒸気量が少ないM-Vでは電離層遅延の変化量が少ないこと。これから燃料組成なども類推できるのではなかろうか?レーダー追尾では得られない情報である。
  • 昔々 (スコア:2, 興味深い)

    by Anonymous Coward on 2010年01月19日 1時31分 (#1705052)
    昔、GPSの1ppsで2点間を原子時計レベルで同期させ
    近所のFM放送局の電波をレーダ波代わりにして
    Passive radarでオーロラを研究した論文があったよね。

    他にも、Cellularの基地局電波を利用するとか
    中国がすでに実用化しているとか・・・
    これの系列から来てるのかな?
  • by Anonymous Coward on 2010年01月19日 10時23分 (#1705151)
    ちょっとずれますが、「H-IIA ロケットの排気による電離圏の消失と電波天文への応用」にあるように、ロケットの打ち上げで電離圏は消失します。打ち上げ回数が少ない内は、自然修復でなんとかなるのですが、打ち上げ回数が過大になると自然修復では追いつかなくなります。
    詳細なソースは失念しましたが、東京都の電力需要をすべて軌道上太陽光発電で賄おうとすると、資材の打ち上げだけで自然修復がきかないところまで電離圏が破壊されるというはなしを読みました。
  • by Anonymous Coward on 2010年01月18日 23時14分 (#1704984)
    米軍や自衛隊が知らなかった事実が明らかになったわけでもないんでしょ?
    逆方向はわからないんだろか。宇宙から飛んでくる隕石や人工衛星がどこに落ちたか、正確な軌道がわかるとか。
    • by Anonymous Coward on 2010年01月19日 1時19分 (#1705046)
      観測精度が安価に上がるんじゃなかろうか。
      WIRED VISIONの記事では日本国内にある1000以上のGPS受信機とあるし、GPSって事はおそらくは衛星と受信機の間の空間状態を山のように集めて分析するんだろう。
      地上側の観測装置はかなりの量が必要になるが、地上設置の分そちらのメンテナンスや設置コストはかなり低く済むから差し引いても結構な利点じゃないかと思う。

      それに、GPSは位相差の観測に的を絞った電波だけれど、こう言った透過検査に的を絞って波形と周波数を選んだ電波で同じことを行えば、案外かなりの観測網が設置出来るんじゃないかって期待も出来る。

      解析の応答速度が期待出来るなら、衛星を打ち上げる金が無くても観測網が充実するわけで、うまくいけばかなり意義のある研究かな、と。

      ……悪用厳禁とも言う。
      親コメント
    • by ttm (8278) on 2010年01月19日 8時02分 (#1705106)

      今回発表されたのはGPSで水蒸気を検知する仕組みなので、
      もし仮に大量の水蒸気を噴出しながら落下する隕石や人工衛星があれば、
      落下軌道の諸元が推定できるかもしれませんね。

      親コメント
      • by Anonymous Coward on 2010年01月19日 11時17分 (#1705193)

        今回発表されたのはGPSで水蒸気を検知する仕組みなので、

        あ、その仕組み自体は比較的古い技術です(逆に他の測定方法を検証するのにGPS観測水蒸気が使われてる)。
        GPS気象学 [wikipedia.org]」などのテクニカルタームで10年くらい(以上?)の伝統ある学問分野です。

        で、それをロケットの航跡にも適用してみました、とそれだけの話。
        #としか理解していないのでアレゲさはあまり感じていない地球物理系研究者なのでAC.

        親コメント
    • by Anonymous Coward
      落ちてからわかってどうするかですね。使い道考えてください。

      あ、はやぶさ回収か
    • 同じことでも、いろんな角度から眺めることで確度が増す効果はあるのではないでしょうか。
      もしかして、大発見をしてしまったが政治的な理由で発表できないだけかもしれませんが。

    • by Anonymous Coward

      北朝鮮に実験の結果をお届けしただけのようにも思える

    • by Anonymous Coward

      もっと高速に高精度で処理できるようになればBMD用の新レーダーシステムにできるんじゃないかな

  • by Anonymous Coward on 2010年01月19日 11時32分 (#1705209)
    これって昔で言う地学科?
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クラックを法規制強化で止められると思ってる奴は頭がおかしい -- あるアレゲ人

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