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地球

「ヒマラヤの氷河が2035年頃までに消失する」は誤りだった 65

ストーリー by hylom
^t^t 部門より

maia 曰く

2007年にIPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)から公表された4次報告書の第2作業部会担当部分に「ヒマラヤの氷河が2035年ごろまでに消失する可能性がある」といった記述があったが、これが誤りであったとIPCCが認めた(共同通信の記事毎日の記事)。

記事によると、氷河消失は「2035年」ではなく「2350年」だった、という話だったらしい。元はWWFのリポートからの引用だが、さらにその元は英国の一般向け科学雑誌ニュー・サイエンティスト。インド人研究者についての記事だったが、この研究者の論文は未公表で、氷河消失の時期も予想していなかった。2350年という数字は別の論文らしい。これもまた、「クライメートゲート」事件と同種のものなのだろう。

なお報告書の記述の誤りについては、発表の数か月前の2006年末に、オーストリアの氷河学者Georg Kaser氏が気づいていた(AFPの記事)。同氏の警告は結果的に生かされなかったが、同氏によればヒマラヤ氷河が2035年までに消滅するためには、12度以上の気温上昇が必要だという。ともあれ、IPCCは統合報告書の記述「ヒマラヤやアンデスなどの氷河の後退は21世紀中に加速する」は変更しないというから、大勢に影響を与える事はなさそうだ。

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  • by elderwand (34630) on 2010年01月22日 9時48分 (#1706881) 日記

    日本でヒマラヤ氷河を研究している人のブログ [teacup.com]に、「正直、今頃大騒ぎになって戸惑っています。」と、書いてあります。

    小さな氷河は消失しまってもおかしくない。(2035かどうかはわかりませんが)
    でも、大型氷河はまだまだ大丈夫。

    だそうです。

    • Re:研究者のとまどい (スコア:1, すばらしい洞察)

      by Anonymous Coward on 2010年01月25日 12時41分 (#1707969)

      >>わざわざ声を大にして批判しなかったのは、「いい加減な内容だというのは誰が見てもわかるだろう」ということと、「どこに持ち込んだらいいかわからなかった」から。

      研究者にこう言い切られてしまうと、一般の人たちはいったいどこの情報を信じたらいいのかわからなくなってしまいますね。

      親コメント
      • by the.ACount (31144) on 2010年01月26日 14時39分 (#1708665)

        最初から「前提付きの予測」と分かってるんだから、信じるもなにもないだろ。
        僕はデタラメとは思ってないけど、今程度の知識での予想が天気予報より当たったら驚く。
        各所での予想が似た結果に収斂しつつあるので確度が上がったと思う向きもあるようだけど、単に条件が揃っただけ。
        基本的に間氷期の気候は不安定で今が例外的に安定なだけだから、線形予想に従うように見えるのも今だけ。
        本来の不安定性が動き出してカオスになったら予想なんて無理。
        できることは、予想に現実を合わせるようにコントロールするしかない。
        というわけで、信じなくてもCO2削減努力しかないのさ。

        --
        the.ACount
        親コメント
      • by Anonymous Coward

        情報を「信じる」で終わっている限り未来永劫騙され続けるしかないのでしょうね。
        かといってあらゆる分野で情報を精査できる素養を身につけるというのも現実的ではありませんし、どうしたものやら。

        • by Anonymous Coward
          ヒマラヤの氷河があなたにとって重要な問題であるならば、
          情報を精査できる素養を身につければいい。
          重要でないならば、情報は情報として聞くだけ聞いて信じずにおいて、
          そんなことは知らんよ、という態度をとればいいんじゃない?
    • Re: (スコア:0, フレームのもと)

      by Anonymous Coward
      リンク先の日経の記事が面白いですね。

      ロイター通信によると、インドのラメシュ環境相は「ヒマラヤの氷河消失には科学的根拠がひとつもない。過去にも異議を唱えたが、疑似科学(voodoo science)呼ばわりされた」とIPCCの対応を非難している。

      疑似科学者どもに疑似科学呼ばわりされたと

      • by maia (16220) on 2010年01月26日 13時27分 (#1708625) 日記

        dailymail.co.uk [dailymail.co.uk]の記事を読んでみる。

        In an interview with The Mail on Sunday, Dr Lal, the co-ordinating lead author of the report’s chapter on Asia, said: ‘It related to several countries in this region and their water sources. We thought that if we can highlight it, it will impact policy-makers and politicians and encourage them to take some concrete action.
        ‘It had importance for the region, so we thought we should put it in.’

        つまり、「2035年」(直接にはWWFの記事)を入れる事が、ポリティカリーコレクトだと、ライ博士は勝手に考えたわけだ。

        「voodoo science」はこの部分。

        But an authoritative report published last November by the Indian government said: ‘Himalayan glaciers have not in any way exhibited, especially in recent years, an abnormal annual retreat.’
        When this report was issued, Raj Pachauri, the IPCC chairman, denounced it as ‘voodoo science’.
        Having been forced to apologise over the 2035 claim, Dr Pachauri blamed Dr Lal, saying his team had failed to apply IPCC procedures.

        IPCC議長は、言い過ぎにも程があったので、今回、謝罪に追い込まれた。

        According to the IPCC’s statement of principles, its role is ‘to assess on a comprehensive, objective, open and transparent basis, scientific, technical and socio-economic information – IPCC reports should be neutral with respect to policy’.

        IPCCはその報告において、政策的(政治判断的)にはニュートラルであるべきだった。それが嘘であったのか、守られなかっただけなのか。

        親コメント
        • by Anonymous Coward on 2010年02月03日 18時02分 (#1713354)
          2007年から更新が止まっている懐疑論者のホームページ(下記URL参照)ですでに、ヒマラヤとWWFのウソは指摘されていたみたいですよ。 【 ヒマラヤの氷河は増加傾向* 】 マスコミに踊らされないための地球温暖化論入門 http://feliscatus.web.fc2.com/ [fc2.com] IPCCにとって温暖化の危機を煽らない論文は価値がないのかもしれんね。意図的にWWFの報告書を選んだということは、ヒマラヤ氷河が増えているという論文の存在自体は知っていた可能性があるのだろうか。温暖化の脅威を煽ることの出来ない論文は、こうして抹殺されていくのか。まるで魔女狩り、焚書の時代みたい。
          親コメント
      • Re: (スコア:0, フレームのもと)

        by Anonymous Coward

        他人を評する言葉がそれを言ってる人間の内容そのまま、ってよくある話ですねえ。
        こわいこわい。

        • by Anonymous Coward

          論文を書いていても、原論文をよく読まずに結果だけreferしちゃったりしますよね。

  • by Anonymous Coward on 2010年01月25日 12時57分 (#1707986)

    2007年にIANA (インターネットの番号割り当てに関する非営利組織) から公表された報告書に「IPv4アドレスが2012年ごろまでに消失する可能性がある」といった記述があったが、これが誤りであったとIANAが認めた。

    記事によると、IPv4アドレス消失は「2012年」ではなく「2120年」だった、という話だったらしい。

    ともあれ、IANAは報告書の記述「IPv6アドレスへの移行は21世紀中に加速する」は変更しないというから、大勢に影響を与える事はなさそうだ。

    • by Anonymous Coward
      マジレスするけどな、「消失」するんじゃなくて、未割当分が「枯渇」する、だな。

      キミみたいな誤解を招くことを言う人がいるせいで、IPv4が使えなくなるという
      勘違いする人が出るんだよ。

      「枯渇」しても、既に使っている分や、ISPが確保している部分はそのまま使えます。
      • 単に、書き換える部分が少ないほどパロディとして面白い、程度の事だと思ってましたが、なるほどそういう誤解があり得るんですね。
        親コメント
        • by Anonymous Coward

          ただのタレ込み文の改変なのに
          引っ込みつかないマジレスしちゃっただけでしょう
          スラドは痛い奴多いから

      • by Anonymous Coward
        だからIPv4アドレスが消失する(IPv6に完全に置き換えられて地上から最後のIPv4アドレス対応機器がなくなる)には2120年頃まで掛かりそうだと思うんですが、何がおかしいの?
        • 思うのは自由だけども、(ウソでもいいから)説得力のある根拠示さないと
          ただの馬鹿なACの妄想で終わってしまうよ。

          #と、いつも妄想を書いている人からのアドバイスでしたとさ。
          親コメント
          • by Anonymous Coward

            年数は適当ですけど、少なくとも2012年に(枯渇ではなく)消失するなんてことはありえないでしょ?
            2012年に消失なんかありえねーよとか私に突っ込まれたって的外れだと言いたいんですが。

            • by Anonymous Coward

              元ネタの 2012年というのはテキトーな年数ではなくて、現状で IPv4 アドレスが「枯渇」すると
              予測されている年なわけで。ネタレスするにしろマジレスするにしろ、そこんとこは踏まえておいて
              いただかないと浮いてしまいますよ。

              で、「2012年に消失なんかありえねーよ」なんて、だれか言いました?

              --
              # 127.0.0.1 は私の IP です。勝手に使わないでください。

        • by Anonymous Coward

          前段のネタ振りがおかしい

      • by Anonymous Coward
        2012年には文明も消滅するから、「消失」でいいと思う。
  • 小須田部長 [wikipedia.org]がアップを始めたようです。
  • by PEEK (27419) on 2010年01月25日 13時49分 (#1708024) 日記

    千鶴さんが4人いれば打ち消せますね。

    --
    らじゃったのだ
  • by Anonymous Coward on 2010年01月25日 15時03分 (#1708074)
    「2057年頃にヒマラヤ山脈の氷河は消失し」 [wikipedia.org]となってます。これはこれで、「要出展」 [wikipedia.org]としたくなりますね。
    • by Anonymous Coward
      いちいちコメントつけるのもアレだが「要出典」だよな。
  • (朝日新聞社):気候変動報告の誤り、責任執筆者「確信犯」 英紙報道 - 環境 2010年1月26日 [asahi.com]
    「私たちがこの部分を強調できれば政策決定者や政治家に衝撃を与え、しっかりした対応を取るよう働きかけることになると考えていた」

  • by Anonymous Coward on 2010年01月25日 12時37分 (#1707964)
    地球温暖化の影響なんですね

    わかります
    • by Anonymous Coward
      この場合計算間違いじゃなくて書き間違いだと思う。
  • クライメート事件って結局どうなったの?アンチの「ねつ造だ踊り」以外になにか結論はでたの?
    • by Anonymous Coward

       議事録を読んでいるわけではないので間違っているかもしれませんが、信用できないデータを基に作り上げた気候モデルに対する疑問で揉めたって話は聞かないですねぇ。
      まぁ、正しい気温変化が解らなければ、正しいかどうかの検証もできないのは確かですが…。

  • by Anonymous Coward on 2010年01月25日 19時27分 (#1708206)

    エコポイントの「エコ」がエコロジーであり、経済対策であることを当該政府が認めた。
    すでに周知の事実であることから、大勢に影響を与える事はなさそうだ。

  • by Anonymous Coward on 2010年01月25日 19時46分 (#1708221)
    科学者A: ヒマラヤって十回言ってみ
    科学者B: ヒマラヤヒマラヤヒマラヤヒマラヤヒマラヤヒマラヤヒマラヤヒマラヤヒマラヤヒマラヤ
    科学者A: 次は、ヒラヤマって十回言ってみ
    科学者B: ヒラヤマヒラヤマヒラヤマヒラヤマヒラヤマヒラヤマヒラヤマヒラヤマヒラヤマヒラヤマ
    科学者A: 世界一高い山は何でしょう?
    科学者B: ヒ、マ、ラ、ヤ!

    報告書を書く科学者B
    科学者B: なになに、ヒラマヤの氷河が消失……あれ、ヒマラヤでいいんだっけ、2035年頃までに消失する、っと
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一つのことを行い、またそれをうまくやるプログラムを書け -- Malcolm Douglas McIlroy

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