papa-pahoo 曰く、欧州合同原子核研究機関(CERN)は、世界最大・最強の粒子加速器LHCで30日午後、衝突エネルギー7兆電子ボルトの陽子衝突実験に初めて成功し、物理的な観測データの採取に入ったと発表した(朝日新聞の記事、CERNのつぶやき)。このエネルギーでの実験では、質量の起源とされる「ヒッグス粒子」や正体不明の暗黒物質の候補を探索する予定だ。今後、7兆電子ボルトでの実験を2年ほど続け、約1年かけて改良工事をしたあと、2013年ごろに最終目標の14兆電子ボルトでの実験に入るという。
関連 (スコア:4, 参考になる)
「LHC実験の3要素は加速器、測定器、そしてコンピューティングです。」とのことで、世界からのデータの照会に「渋滞が発生したり [hatena.ne.jp]サーバーに過負荷が生じたり、と日々何かしらの問題が見られ、データ分配システムのチームと地域センターの人々はその原因究明と対処に追われていました。」と超伝導コイル以外にも改善が続けられている様子も伺えます。
萌え絵 [hatena.ne.jp]もあるでよ。痛LHCは…?
Re:関連 (スコア:3, 参考になる)
さらっと大嘘を…。
ATLAS実験には、35カ国165機関から約2000人の科学者・技術者が参加しており、リーダーはイタリア人です。 [wikipedia.org]
日本からの参加は、15機関・138名 [atlas.kek.jp]ですので、1割程度に過ぎません。
もちろん、寄与としては決して小さくはないんですが、
「LHCの他の大規模実験に比べて、日本の寄与が大きい」という程度です。
Re:関連 (スコア:1, 興味深い)
そういや生データだと下手すりゃ年間10PB超えるかもとか言ってましたね。
他機関へのバックアップも含めたデータ転送で最低でも4Gbpsぐらいの回線は必要で、順調に動き始めたら転送せにゃならんデータ量はじわじわ増えるからもっと太い回線じゃないと駄目、とかも。
Re:関連 (スコア:1)
そこでチョットでも計算リソースを提供しようと思って、BOINCをインストールしてずっと待ち続けていたかいがありました。データ配信まだですか?
7兆電子ボルトってどんだけすごいの!? (スコア:1)
エイプリルフールには、単位系のわかりにくいネタはよくないよねー、と思ったらマジだった。
で、どんだけ!?と思ったが単位がよくわからなかった。
1.12152352 × 10^6 ジュールなのね。ってわからんが。
加速器研とかのが80億らしいから(?)、さぞ凄いんだろう。
80億までの加速でも光速の99.9999998%らしいからね。
そんだけ加速した電子の友人、子供、孫の老いを想像したのが素人の限界(いや、居ないから)
Re:7兆電子ボルトってどんだけすごいの!? (スコア:5, 参考になる)
電子ボルトは、文字通り電子1個をその電圧で加速したときのエネルギーに等しくなります。
1兆電子ボルトなら、電子1個を1兆ボルトで加速したエネルギーと見てもいいですし、電子1兆個を1Vの電圧で加速したときのエネルギーと見てもOK。なじみのない人にはどちらにせよわかりにくいという話もありますが。
>1.12152352 × 10^6 ジュールなのね。
10^-6 J、ですね。
どのぐらいのエネルギー、かというと、総量で考えると人間レベルのサイズから見ると無視できる量ですね。1ボルト*1アンペア*1マイクロ秒ぐらいなんで。
静止質量エネルギーで行くと……分子量10000の分子ぐらい?確かヘモグロビンがオーダーとしてはいい感じ(分子量で確か1-2万ぐらい)だから、ヘモグロビン一分子を完全にエネルギーに変換したぐらい、とかそんな感じで。(ますます分からんて)
光で言うと、波長が0.2アトメートルの光子一個のエネルギーぐらい。比較対象としては、原子核というか陽子というか、そういうもののサイズが1000アトメートル前後。クォークのサイズが1アトメートル前後。
でもってこのあたり(クォークのサイズ)とエネルギーが近いことになっているのは完全に無関係なわけではなく(といっても単純にイコールな訳でもありませんが、まあ近似的に)、ある小さい領域を見ようと思うと、そのサイズぐらいが波長の光(に相当するエネルギーの現象)を使わないと見えてこないため。
#まあ光とか物質波を直接使うわけではないんで、あくまで近似的な話ですが。
Re:7兆電子ボルトってどんだけすごいの!? (スコア:1, 参考になる)
このあたりの実感は難しいですね。
7兆電子ボルトと書くとスゴそうだが、= 0.000001 ジュールと書くと全然すごくなく思える。
まあでもその分野or関連分野で知っている人からみれば陽子1個が0.000001J持ってるというのは
すげー高エネルギーだってのはわかるけどね。
あるいは無理やり熱運動の運動エネルギーと比較して温度に直すと7京℃相当とか。
アレゲ的には 7テラeVという表現が一番わかりやすいかな。
Re: (スコア:0)
エネルギー系で「兆」という単位が出てくると、スゴそうですよね。つい「ゼットン [wikipedia.org]火球の7倍か〜」と勘違いしてしまう。
Re: (スコア:0)
Re:7兆電子ボルトってどんだけすごいの!? (スコア:2)
えっと、接頭詞つけて7TeVか。まだピンとこない。
あ、7000GeVか。えっ∑(゚Д゚)
こんな感じですかね。
#陽子7000個
Re:7兆電子ボルトってどんだけすごいの!? (スコア:1)
結局、ジュールとか速さに直しても良く分からないですね。
加速器実験の文脈でエネルギーと言った時に何を念頭に置いているかというと、
生成される粒子の質量です。7TeVという事は、非常に大ざっぱに言えば
元コメの通り、陽子の7000倍の質量の粒子が生成され得るという事です。
ただしLHCは陽子・陽子衝突加速器で、
実際に反応するのは陽子の中のクォークやグル―オンである事、
及び、陽子+陽子→粒子1個だけという反応は
(普通、エネルギー・運動量保存則を破るために)あり得ないので、
実際に生成され得る粒子の質量の上限はもっとずっと低くなります。
プレスリリース [web.cern.ch]では、最初の2年程で溜まるデータで
800GeVまでの超対称性粒子の探索が出来るとありました。
またヒッグス粒子は160GeV前後であれば見つかるだろうとの事です。
Re:7兆電子ボルトってどんだけすごいの!? (スコア:2, 参考になる)
実際にはビームパイプの中を陽子の大集団(1000億個程)がバンチとなって周回していますので、更に危険です。
完全に稼働すると、3000バンチ程が常時加速器の中を光速近くで回っているわけで、
うっかり制御を失うとリアル陽子ビーム砲となって加速パイプを融解させます。
まあそうなっても安心なように幾重にもフェイルセーフがかけられてはいるわけですが。
なんだ、実話か (スコア:1)
>マジだった
リンク先の日付で分かったよ。
the.ACount
Re: (スコア:0)
>1.12152352 × 10^6 ジュール
β世界線か。
#エル・プサイ・コングルゥ
Re:7兆電子ボルトってどんだけすごいの!? (スコア:1)
想定内の結果は面白くない (スコア:0)
Re:想定内の結果は面白くない (スコア:2, 参考になる)
>宗教化している”統一理論”さようなら〜。
統一理論なんてまだありませんよ。
素粒子の世界では標準模型が知られている範囲で有効に機能することが分かってますが、
標準模型は一般相対性理論と整合しておらず、背景依存で真の統一理論からは
ほど遠いモノです。
さらに、ヒッグス場の理論は標準模型にくっついた数学的余計なモノ(つじつま合わせ、
こじつけ的)のように見えます。
なので、ほとんどの人は「何か」が見つかったとしても謎は深まるか、ご期待のとおり
新たな探索すべき領域が現れると予想していると思われますね。
Re:想定内の結果は面白くない (スコア:1, おもしろおかしい)